名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

富士山、三保の松原も含めて世界遺産に登録決定

2013-06-23 17:34:41 | Weblog
2013.6.23(日)
 カンボジアの首都プノンペンで開催しているユネスコ世界遺産委員会は22日、日本政府が推薦している「富士山」の審査を行い、「信仰の対象と芸術の源泉」と評価して世界文化遺産に登録することを決めた。なお構成資産から除外を勧告されていた三保松原(みほのまつばら)も含めて登録されることも決まるというサプライズもあった。
 登録は富士五湖や白糸の滝などを含む約7万ヘクタールが対象となっている。ユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)は4月、富士山を「日本の象徴で、その影響は日本をはるかに超えている」と評価して登録を勧告した。一方、三保松原は富士山から45キロ離れている点や、消波ブロックなどで景観が損なわれている点を問題視して、除外を登録の条件とするよう勧告していた(5月1日付け当ブログ参照)。
 しかし各国代表の委員から「三保松原も含めるべきだ」との意見が相次ぎ、勧告を覆しての登録となった。
 登録決定を受け、近藤誠一文化庁長官は「喜びや悲しみを分ち合ってきた日本人の美しい心のシンボルが富士山。文化遺産として認められたのは、日本の歴史に残る出来事」と語った。
 川勝平太静岡県知事は「三保松原が一体として認められたのは奇蹟だ」と語った。
 富士山の登録は既成事実化されていたので登録は当然ということであったが、三保松原の登録は関係者にとって望外の喜びであろう。
 ところで富士山は国内17件目の世界遺産であるが、なぜもっと早く決まっていなかったのか不思議なくらいである。
 富士山は当初、自然遺産での登録を目指したが、ごみやし尿の問題が解決できず、国内の候補地に選ばれなかった。その後、2003年には政府の検討会で「火山の地形として世界的に珍しくはない」との理由で候補地から落選したのを契機に文化遺産を目指す方向に転換したという経緯をたどった。
 さて世界遺産になったのはいいが、富士山を訪れる人が溢れて環境が悪化しないよう良識が求められるし、行政も保全に努めるともともに登山者への啓発もしっかりやってもらいたい。