田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

吸血鬼浜辺の少女外伝/魔闘学園  麻屋与志夫

2008-08-28 05:22:30 | Weblog
「なんだぁ。三津夫の妹じゃないか」
「スケベデカ。あまりみつめないでよ」
 女子中学生にしては熟れきった豊乳をおしげもなく、月光にさらしタカコが武をにらんでいる。
 夜風がそよいでいる。
 タカコに背をむけた。
 武の目の前で稲垣が男を尋問している。
 なにがスケベデカダ。
 ガキのくせに、発情しやがって。
 兄貴にコロサレルゾ。



「だれも、信じてくれないんスよ」
 
 三津夫は武にすがるようにいった。
「あたりまえだ。いそがしんだ。そんなゲームの世界みたいなことがあるかよ。もう、いいかげんにしろ。鹿陵総番の名がすたるぞ」

 三津夫と番場が御殿山公園についたときには、暴走族の一団の影もかたちもなかった。

 だれにも見えていないらしい。

 あの時、新鹿沼駅にいた学生たちにきいてまわった。
 なにも目撃していなかった。
 あれから数週間がすぎていた。       
 この鹿沼の里は春。          
 ……やつらには見えないのか。     
 みんなに聞いてまわった。

 だれもあの連中を見たというものがいない。

 三津夫の頭はヒートしてした。
 武のところに相談にきたのだ。

 見えていても怖くてなにもいえないのか。
 
 駅員からもなにもききだすことはできなかった。

「それより、三津夫、タカコ、なんかかわったことないか」
「なんスか、センパイ。うちのタカコがなにかやらかしたんですか」
「いやそういうことじゃない。きゅうにエロッポクなったとおもってな」

「ああ、あいつ、センパイのこと好きですから」
「よせ。デカとスケ番では、さまになららない」

「それって、差別。さべつですよ……だけど、そういえば……」
「どうした? なにかかわったことあるか」

「タカコのやつ夜出歩いている」
 武はガクッとなった。

「夜……ゲーセンにたむろしているから非行少女なんだろうが。夜の街を徘徊しなくなったらおかしい……からな。夜出歩いてなんの不思議がある‼」
「男ができたみたいなんス。武さんにはわるいが、男がいるみたいんス」
「ダカラ、おれは関係ないの。おれに遠慮することないの」
「ホントスか。武さんのタカコ見る目、あれほれてる目とおれ見たんスよ」
「ばかバカ馬鹿。刑事をからかうと、逮捕しちゃうぞ」

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