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頬を、肉のすっかり剥離してこけた頬をさらにつぼめた。……残り少ない命の炎をかきたてるように、タバコの火が一瞬明るくなった。タバコは口から離れた。喉元におちた。すでに父は火の熱に反応をしめすことのないからだになっていた。
死骸は棺桶をいっぱいに充填し、しかしやせ細ったからだはさほど重くはなかった。
釘を打ちつける音がぼくのこころにひびいた。
庭からあわてて組内のひとが拾ってきたのだろう。
泥を落とすために洗った水が小石にみようになまなましい質感をあたえていた。
釘の頭と石がこすれあって、火花が散った。
薄暗い部屋に女たちの泣き声が一斉に上がった。
それはまえもって、打ち合わせておいたような、見事な泣きかただった。
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