田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夢見るGGの夢占い(2)

2012-12-01 08:30:52 | 夢見るGGの夢占い
夢見るGGの夢占い(2)

●いやな夢をみた。

○どこがどうというわけでもないのだが。
悪夢だった。

○出版記念会が催されていた。
出版社は洪積社だった。
はっきりと出版社の社名だけが、音声として頭にひびいてきた。
肝心の〈本〉は夢の中にあらわれなかった。
本の存在そのものがあいまいなのだが。
だれかがその内容をよみあげている。
暗唱しているようでもある。
小学生のように両手を真っすぐ前に出して読んでいるようなのだが。
かかげているはず本はない。
両手はなにももっていない。
奇妙だ。

○音声だけがきこえてくる。
短い。
俳句か短歌らしい。
知り合いで句集をだしたのが2名。
歌集が1名。
そのいずれの、出版記念会でもない。

○ひとが大勢集まっている。
外交辞令がとびかっている。
その雰囲気にはいりこめないで当惑する。

○会場のみんなは、俳句? 短歌? が読み上げられるたびに、感動している。
ドヨメク。

○壁には、床の間の壁らしい。
河鍋暁斎の毒々しい妖怪変化の掛け軸がかかっている。
夢に色彩がないなんてことはない。
と……夢の中でかんがえている。

○周りの人たちは、どうやら、姉の知り合いらしい。
ということは先生たちだ。

○姉も目に見えない幻本の本をよんでいるらしい。
興奮している。
感動している。
顔をあげると涙をこぼす。
泣きながら読んでいたのだ。

○だが、読んでいるはずの本は手にない。

○そのうちに……そこに集まっている人たちが泉下の人であることに気づく。

●そこで、夢から覚めた。
なんとも判断しかねる夢だった。
目覚めてみると右の上の歯が痛んでいる。
どうやら、きょそこそ、歯科にいかなければならないようだ。

注。●は現実。○は夢の中のこと。



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 27 これいただくわ症候群(第三稿)               

2012-12-01 02:00:48 | 超短編小説
 27 これいただくわ症候群(第三稿)               

「おい、高野、たすけてくれよ」
 イソ弁をしているぼくの携帯にかかってきた。
 携帯のデスプレイをみるまでもない。声はマルチタレントの山田からだった。
 周囲を気づかってぼくはパーティションのかげにかがんだ。
 声をひくめた。
「どんなご用件です」
「なんだ。その声は。友だちだろう。もっとフランクにいこうや。たすけてくれよ」
 たしかに、かれとは学友だ。
 でも卒業後は同窓会で会うくらいだった。
 タレントなのに内気な彼は数年前に結婚していた。
 その妻ともう離婚騒動だ。
 弁護をひきうけてくれ。
 という依頼だった。
 彼の妻は超売れっ子のスーパーモデル。
 野生のパンサーをおもわせる。
 精悍な肉食系女子だ。
 彼女のほうから口説いた。
 などと週刊誌でよんだことがある。

 弁護士がスーパーの店長を務める世の中だ。
 東大の法学部が定員割れする時世だ。

「独立する、チャンスじゃないか。やってみたら」
 と周りで励ましてくれた。

 妻の浪費癖が離婚のひとつの理由だった。
 山田がヒソカニ保存して置いた領収書の束はぼくを驚かせた。
 ぼくの一年分の給料でも買えないような貴金属類。
 これでは、山田が離婚したくなるわけだ。
 見たものは、ともかくすべて欲しくなる。
「これいただくわ」と衝動買い。金銭感覚がゼロ。
 おれの収入なんか、まったくかんがえないんだ。
 なにかいうと、すぐに歯をむいてくってかかる。引っかく。
 おれは、顔が売りもんだ。怖くなるよ。

 弁護士が山田の学友ということで、ぼくはマスコミのインタビューをうけた。
 週刊誌にも記事をかかされた。
 名前が売れた。
 仕事がはいってきた。
 懐も潤ってきた。
 裁判に勝った。

 夢の独立をお陰で果たすことができた。
 追い風にのった。
 まさに、順風満帆。
 得意の絶頂にあった。

 そんなある日、山田の元妻からぼくの事務所に電話がかかってきた。
「所長、電話です」
 ようやく、所長と呼ばれることにもなれてきた。
 ぼくの携帯に切り替えた。
 プライベイト用件は、ながいあいだの習慣でぼくは携帯を使用している。
 だが、いまはじぶんの事務所だ。
 パーティションのかげにかがむ必要はなくなった。
 
 いやみでもいわれるのか――と覚悟した。

 デスプレイの画面で彼女がにこやかにほほえんでいる。
「どう、ランチご一緒しない」
 にこやかなほほえみ。
 でも……わたしの頭には山田の言った言葉が響いた。
「衣服や貴金属にキョウミが集中しているうちに、わかれたいのだ」
 そうか。
 このほほ笑みに、みんなだまされるのだ。
 彼女は〈肉食〉系。
 言葉どおりの、行動にでたら逃げられない。

「いま、おたくの事務所のそばまできているのよ」
 窓の外。ブラインドのすきまから覗く。
 向こう側の歩道で彼女が優雅に手をふっている。
 ひらひらと右手をあげておいでおいでをしている。
 左手は携帯をもっている。
 ほくにはなしかけている。
 彼女の声はぼくの携帯からきこえてくる。
 そして、デスプレイの画面には……。
 真紅のバラのような唇。
 美しい。
 キスをおねだりしているようだ。
 ぼくは恐怖を覚えた。
 それなのに、ぼくは階段をおりだしている。
 ズルッ、ズルッと彼女にひきよせられていく。
 戦慄。
 でもどうすることもできない。
 パンサーの獲物。
 の。
 ぼくにはどうすることもできない。
 ぼくは彼女の獲物。
 自動ドァが開く。
 ぼくは彼女に捉えられた獲物。
 もう逃げられない。

「あなた、いただくわ」

 といわれも――ぼくは逃げられない。




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●大好きなテーマなのでなんどでも書き直したいものです。
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