田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

助けてくれ/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-04-15 12:31:51 | Weblog


正面からVが仕掛けてきた。

先端が鋭く光っている鉤爪が翔太の胸を狙ってきた。

Vの腕がビュと唸りをあげた。

銃身で受けた。

腕が横にながれた。

すかさず襲ってきたVには銃口で喉を突き。

弾をこめている暇がない。

接近戦にもちこまれていた。

体の技だけで生き抜く。

翔太の動きは生彩と力を失っていた。

疲労すればするほど戦いには不利となる。

ミヤを殺したサブロウへの怒りの炎をかきた。

その内奥の炎をたやすまいと必死で戦った。

全身に汗をかいている。

息があがった。

もうこれ以上は戦えない。

「エレナ。エレナ。お前だけでも逃げるんだ」

「おや。まだそんなこといえる元気があるんだね」

サブロウが感心したようにいう。こころでは嘲笑っているのだ。

なんといわれてももうダメだ。何もいいかえすことができない。

このままVの毒牙にかかるのか。

残念だ。悔しい。おのれの無力を感じる。

助けてくれ。

だれか、助けてくれ。

おれはいい。

エレナだけでも助けてくれ。 

冷や汗が雫となって顔を伝った。

このとき頭に金属音がひびいてきた。

キーンという音は、言葉となった。

「翔太」

死んだはずのミヤだった。

そうかその手があった。

吸血鬼の古老だ。

首をとられたくらいで、すぐには死なない。

あのボス猿がマックラの滝の洞窟まで運んだのだ。

「金属音の念波を発信する。それでアイツラは動きが止まる。その間に逃げろ」




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ああ、快感。


コメント
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