3
故郷。この宇都宮を守りたい。
故郷。Vの侵攻から守りたい。
故郷を守りたいのに。
そうだ。宇都宮が危機に瀕している。
故郷宇都宮が危ない。
だれも、助けてはくれない。
自分たちの街は、自分たちで守らなければならないのだ。
それなのに。この重大なときに。
このだらしないテイタラクはどうしたことだ。
それでも周りに凶念が凝固してのは感じられる。
じわじわとVが迫ってくるのを視認できない。
皮膚で察知している。
「きます。きますね」
翔太は織部にささやいた。
なんだか翔太の日本語までおかしくなっている。
殺気を感じた。
翔太はさっと勘だけをたよりに身をひいた。
ユニクロのパーカーの袖が裂けた。
布きれとなって袖が中空にまった。
それでもVの姿は見えない。
「おや身をかわした」
「みえてますか。みえてますか」
からかわれている。
妖気がふきよせてくる。
織部は戦ってる。
「おちつけ。翔太。心の目で見るんだ」
「おいしそうだ」
総毛立つような陰気な声がする。
翔太は取り囲まれていた。
見えない。声だけで気配を察するほかない。
覚醒する前はこうだった。
なにか回りにいるようで、それがみえなかった。
あのまだるっこさ。
あの苛立ち。
あの恐怖。
宇都宮をVの侵略からまもろうとしているのに。
これではダメだ。
姉さん。たすけて。
姉さん。たすけて。
このままでは、やられてしまう。
両手に念をこめて突きだしても効果はない。
「翔太。紫外線銃をつかえ‼」
「そうよ。光よ」
理沙子がとびこんできた。
「わたしをのけものにすると、セクハラで訴えるわよ」
理佐子がバチっと銃を発射した。
部屋が明るくなった。
そこに現れたのは人間そっくり。
覚醒者から見ればどこ少しおかしい外来種のV。
金髪のFVもいる。美しい。
「みえるの。わたしが見えるの? 日本の少年」
日本の鬼族系から変形してきたマインドVとはちがう。
血を吸う者たち。
真性のバンパイアを翔太は敵にしていたのだ。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。
故郷。この宇都宮を守りたい。
故郷。Vの侵攻から守りたい。
故郷を守りたいのに。
そうだ。宇都宮が危機に瀕している。
故郷宇都宮が危ない。
だれも、助けてはくれない。
自分たちの街は、自分たちで守らなければならないのだ。
それなのに。この重大なときに。
このだらしないテイタラクはどうしたことだ。
それでも周りに凶念が凝固してのは感じられる。
じわじわとVが迫ってくるのを視認できない。
皮膚で察知している。
「きます。きますね」
翔太は織部にささやいた。
なんだか翔太の日本語までおかしくなっている。
殺気を感じた。
翔太はさっと勘だけをたよりに身をひいた。
ユニクロのパーカーの袖が裂けた。
布きれとなって袖が中空にまった。
それでもVの姿は見えない。
「おや身をかわした」
「みえてますか。みえてますか」
からかわれている。
妖気がふきよせてくる。
織部は戦ってる。
「おちつけ。翔太。心の目で見るんだ」
「おいしそうだ」
総毛立つような陰気な声がする。
翔太は取り囲まれていた。
見えない。声だけで気配を察するほかない。
覚醒する前はこうだった。
なにか回りにいるようで、それがみえなかった。
あのまだるっこさ。
あの苛立ち。
あの恐怖。
宇都宮をVの侵略からまもろうとしているのに。
これではダメだ。
姉さん。たすけて。
姉さん。たすけて。
このままでは、やられてしまう。
両手に念をこめて突きだしても効果はない。
「翔太。紫外線銃をつかえ‼」
「そうよ。光よ」
理沙子がとびこんできた。
「わたしをのけものにすると、セクハラで訴えるわよ」
理佐子がバチっと銃を発射した。
部屋が明るくなった。
そこに現れたのは人間そっくり。
覚醒者から見ればどこ少しおかしい外来種のV。
金髪のFVもいる。美しい。
「みえるの。わたしが見えるの? 日本の少年」
日本の鬼族系から変形してきたマインドVとはちがう。
血を吸う者たち。
真性のバンパイアを翔太は敵にしていたのだ。
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ああ、快感。