5
高山小学校は宇都宮の中心部から。
西へ10キロほどのところある。
夜の闇を校門にある2基の街灯が。
わずかに照らしていた。
校庭は。
陰惨な事件が。
あったとはおもわれないほど。
静まりかえっていた。
砂場は立ち入り禁止の黄色いテープで囲われている。
「どう? キヨミなにかかんじる」
「理沙子はどうだ」
と翔太がきく。
「すごく苦しんでいた。
のどに砂が詰まっていた。
遊びなんかじゃないわね。
いじめよ」
「死ぬほどくるしんだみいね」
キヨミがつづける。
砂の一粒ひとつぶに死の恐怖がこびりついていた。
その残された恐怖感をふたりは映像化している。
まるでその場にいたようだ。
「ふたりとも……生徒の苦しみをかんじるのか」
「びんびんかんじるわ。そして見える」
かすかに大麻の臭いがする。
「小学生が大麻は吸わないだろうな」
「するとVがからんでいるの」
このところ大麻汚染は全国的にひろがっている。
おとなだけでなく青少年にまで拡大している。
「Vの体臭かもしれない」
大麻の汚染がひろがっている。
Vがじぶんの存在を。
あいまいなものにするためだ。
と翔太たちは判断している。
少年は砂場にうめられた。
友だちがおもしろがって砂をかぶせてくる。
「たすけて。やめて。死んじゃう。よたすけて」
校庭にはまだみんながのこっていた。
だれもたすけにきてくれない。
その事実に。
さらに少年は恐怖した。
死ぬ。
殺される。
殺される。
理沙子の体がふるえた。
だが吸血鬼のすがたは脳裏にうかばなかった。
「巧妙にあやつられているのかもしれないな」
ふいに砂塵がまきあがった。
砂の渦のなかで、拍手がわいた。
囲まれていた。姿はぶれているがまちがいなく吸血鬼だ。
「猟犬みたいに鼻がきくんだ。みごとな推理とほめておく」
大麻の臭いが強烈だ。
あたまがくらくらする。
「おまえらの、死嗅をかくすためだろう。
じぶんたちの存在を気づかれないように。
大麻を流行らせている」
彼らの顔を照らしだしたのは、朝の陽光だった。
一瞬吸血鬼のおぞましい姿がうかびあがった。
そして、陽光をきらって消えてしまった。
「キョミ。みた!!! アイツラがVの成体。
おとなの吸血鬼。
わたしたちの真の敵」
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
高山小学校は宇都宮の中心部から。
西へ10キロほどのところある。
夜の闇を校門にある2基の街灯が。
わずかに照らしていた。
校庭は。
陰惨な事件が。
あったとはおもわれないほど。
静まりかえっていた。
砂場は立ち入り禁止の黄色いテープで囲われている。
「どう? キヨミなにかかんじる」
「理沙子はどうだ」
と翔太がきく。
「すごく苦しんでいた。
のどに砂が詰まっていた。
遊びなんかじゃないわね。
いじめよ」
「死ぬほどくるしんだみいね」
キヨミがつづける。
砂の一粒ひとつぶに死の恐怖がこびりついていた。
その残された恐怖感をふたりは映像化している。
まるでその場にいたようだ。
「ふたりとも……生徒の苦しみをかんじるのか」
「びんびんかんじるわ。そして見える」
かすかに大麻の臭いがする。
「小学生が大麻は吸わないだろうな」
「するとVがからんでいるの」
このところ大麻汚染は全国的にひろがっている。
おとなだけでなく青少年にまで拡大している。
「Vの体臭かもしれない」
大麻の汚染がひろがっている。
Vがじぶんの存在を。
あいまいなものにするためだ。
と翔太たちは判断している。
少年は砂場にうめられた。
友だちがおもしろがって砂をかぶせてくる。
「たすけて。やめて。死んじゃう。よたすけて」
校庭にはまだみんながのこっていた。
だれもたすけにきてくれない。
その事実に。
さらに少年は恐怖した。
死ぬ。
殺される。
殺される。
理沙子の体がふるえた。
だが吸血鬼のすがたは脳裏にうかばなかった。
「巧妙にあやつられているのかもしれないな」
ふいに砂塵がまきあがった。
砂の渦のなかで、拍手がわいた。
囲まれていた。姿はぶれているがまちがいなく吸血鬼だ。
「猟犬みたいに鼻がきくんだ。みごとな推理とほめておく」
大麻の臭いが強烈だ。
あたまがくらくらする。
「おまえらの、死嗅をかくすためだろう。
じぶんたちの存在を気づかれないように。
大麻を流行らせている」
彼らの顔を照らしだしたのは、朝の陽光だった。
一瞬吸血鬼のおぞましい姿がうかびあがった。
そして、陽光をきらって消えてしまった。
「キョミ。みた!!! アイツラがVの成体。
おとなの吸血鬼。
わたしたちの真の敵」
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。