田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

プチプチシートの怪/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-01-23 22:02:19 | Weblog
肥満男の影が微動している。

輪郭の線が何本も描かれている。

完成まえのコミックのキャラだ。

「やっぱりね」

理沙子が右足をひいた。

ひくくかまえなおす。

「どうしたの? 理沙子」

「キツイ敵だよ」  

「こいつらとは。

なんどもヤッテイル。

わたしら「黒髪」の宿敵「サターン」よ」

「それが、そうではないみたい。

ほかモノにとり憑かれたみたいよ」

「わかんない」

「GACTのGHOSTを想像して。

人間のこころはもっているけど……。

ほかのものになっている」

「わかんないよ」

「いいからこれみて」

黒髪とサターン。

いりみだれての闘争の場に。

理沙子はパッと。

白いシートを放る。

気泡シートがフワッと。

サターンの男たちのまえに落ちた。

ガクッと、アニメの動作で。

くびをかしげる。

シートをひろいあげる。

いままでの戦いをわすれてしまったのか。

その変化そのものが不気味ですらある。

かれらはひろいあげたシートの気泡を。

プチプチつぶしだした。

「なによこれ。あいつら気がふれたの」

「さあ、いまのうちに逃げるのよ」

理沙子はゆだんなくかまえをとかない。

すごい気迫だ。

いつかれらが気泡をつぶしおえてもいい。

いつでも戦える。

そんなかまえだ。





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黒髪/夕日の中の理沙子(2)  麻屋与志夫

2009-01-23 09:09:31 | Weblog
第二章 暴走族「黒髪」

1

「駅まで送りますよ。終車にはまだ時間がある」

翔太のクリッパーは駅前の十字路にさしかかった。

田川にかかった宮の橋をわたった。

理沙子はピピという危険信号を感知していた。

「玲菜さんを送ってぼくもすぐ参戦するから」

翔太も察知していた。

理沙子は橋の下の遊歩道にかけおりた。

バイクがとめてあった。

それも何台も。

この遊歩道へはバイクでもおりられないはずだ。

そんな道はない。

「ヘイ。キヨミ。元気してた!!!」

「理沙子なの」

「ハイ。いつも泣き虫の理沙子ちゃんでーす」


ひときわ背の高い。

迷彩のコンバットスーツの女の子がおどろいている。

アメリカ軍の放出品をそのままきられるほどだ。

理沙子が中学のときのマブダチ、キョミだ。(夕日の中の理沙子(1)を参照)

理沙子はキヨミと背中合わせ。

ほかに皮ジャンの女の子が六人。

男の集団にとりかこまれていた。

「理沙子。背が伸びたジャン」

「キヨミ。なに、モメテルの???」

理沙子の顔面を男のパンチがおそう。

かるく理沙子はうけながす。

それもキヨミとの再会をよろこびあいながら。

「理沙子!!! それって」

「わたし、少林寺やってたじゃん」

「なにいちゃついてやがる。キヨミ。おまえ、そういうシュミかよ」

だまって二人のやりとりを眺めていた。

両国でも歩かせたいような男が。

わめいた。

キヨミが飛び蹴りをかます。

バンと脂肪ではねかえされる。 




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