田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ブレ/夕日の中の理沙子(2)  麻屋与志夫

2009-01-28 05:56:59 | Weblog
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奇妙な感覚がキヨミをおそった。

ここにいる理沙子は。

ほんとうにキヨミのしっている。

理沙子なのか。

神沼の東中学で仲良しだった理沙子なのか。

ここにいる高見広治は。

ほんとうに神沼商高のエースピッチャーだった。

理沙子の彼。

ベッカム似の。

イケメンの彼なのか。

ここに青白く皺のよった顔で。

bedによこたわっているのは。

点滴のチープでつながれているのは。

この彼が。

理沙子の恋人なのか。

理沙子がかわいそう。

キヨミは「げんきだしなよ」

と励まそうと手をのばした。

理沙子の肩に手をのばした。

ところが理沙子の肩に手がのらなかった。

あるべきところに、理沙子がいなかった。

視覚認識のズレが起きた。

床が傾斜した。ズズっと体が滑った。

ふいに脚がもつれた。

傾斜しているのはキヨミのからだだった。

「理沙子! 床が、床がれてる!! 地震だ!!!」

「揺らいでいるのは。キヨミ。あなたよ」

「どうなってるの」

「おめでとう。覚醒したのよ。

すわって、すぐにおちつくから」

「どうかしちゃったみたい。

頭がぐらぐらするよ」

「心配しないで。二度と起きないから。

キヨミもいろんなものが見えるようになったのよ。

これでチームだね」




one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。


コメント
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