田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

大麻の実/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-01-25 10:29:14 | Weblog
「宝木のヤツ。

いつからあんなことになってたの」

「一週間くらい前に噛まれたのね。

いままで影があったのだから」

理沙子とキヨミはじりじりと後退して壁を背にしていた。

大谷石の高い塀だ。

庭の側から太い松の枝がつきでている。

「跳べる? わたしはとどくけど」

神沼東中学ですでに175cmあった。

いまは80くらいありそう。

見上げながら「いけるとおもう」

キヨミは理沙子の返事をきいたときには。

枝にむかってジャンプした。

理沙子も。

ざらっく松の枝をつかんでいた。

理沙子がなにか地面に撒き散らした。

「こんどは麻の種。

気泡シートはないから。

たりなかったらキヨミにわたしたKITのを撒いてね」

結果をみてはいられない。

庭に撒き散らした麻の種を。

吸血鬼が丹念にひろうのを。

期待しながら広い庭をよこぎって。

裏門へいそいだ。

「麻の実を撒くとどうなるの」

「お米だっていいの。

あいつら数えるのが好きなのよ。

網の目を一晩かけてかぞえたヤツもいる」

「バア。あんなものぼくにはきかないよ」

サブロウが裏門からぬけでたふたりを。

まっていた。





one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。