田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

妖気/吸血鬼ハンター美少女彩音

2008-07-21 10:37:45 | Weblog
25

 澄江の事件があってから百年になるからだろうか。
 鹿沼にひっそりと在住していた吸血鬼が活動を開始したのか。
 いずれにしても……。
 吸血鬼が百年にいちどの活動期に入ったのだろう。
 助っ人は頼めない。日光の忍びの助けはない。
 麻屋の予感が的中した。
 彼らはもう帰還している。
 わたしたちの知らないうちに……。
 知らない場所で活動を開始していた。
 
 文美。麻屋。彩音。
 未公開資料室。
 夜間だが図書館はまだにぎわっていた。
 図書館も9時閉館。
 時間を延長している。
 自習室も解放することになった。
 閉館まぎわなので受付けはしぶしぶキーをよこした。
 大先輩の文美がいるのでしかたないといったイヤーなかんじ。
 麻屋は地下の資料室に彩音が入ったとき、微動を感じた。
 という言葉に反応していた。
 ほんとうにかすかに震動していたのかもしれない。
 だとしたら、そのポルターガイストを起こす存在がいる。
 はたせるかな、文美と彩音、麻屋の三人が階段を地下へ下りだした時点で微動は起きた。
「文音これは歓迎されていないの。拒否よ」
「そう、くるなという警告だな」
「わたしも、感じる」
 人の昇降はあまりないはずだ。
 彩音の能力が、RF純平との戦いでさらにレベルアップしている。
 なにしろ未公開資料室に通じる深い階段だ。
 コンクリートの階段にはすべり止めの金属がついている。
 それが錆びている。
 階段も朽ちかけている。
 ぼろぼろ崩れかけてる。
 金属を腐らせ、コンクリートを崩す妖気がこの地下にはある。
 そう思っただけで、足が竦む。
 この前地下への階段をひとりでおりたことが怖くなった。
 怖いもの知らずだった。
 知らないほど強いことはない、と反省する彩音。
 ドアの下の隙間からも妖気がふきだしている。
 彩音はいちど入室しているの。先導する。
 彩音は壁を探って照明のスイッチを入れた。

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