武光氏の著書を読む以前から、私には素朴な疑問がありました。
それは、卑弥呼の邪馬台国と、大和朝廷の関係です。「西暦238年、卑弥呼」と、高校生の頃、受験のため機械的に覚えていましたが、両者の関係が未だに判然としません。ネットで検索しますと、驚くべき情報を得ました。どこまでが正しい説明なのかわかりませんので、とりあえず紹介します。
「邪馬台国の卑弥呼が死んだのは、西暦240~249年だ。」「そして、日本の歴史が明らかになるのは、592年以降(飛鳥時代)である。」
「では、249年~592年の間、日本で何が起こっていたのか? じつはこの間、確かなことは何もわかっていない。266年~413年に、中国の文献から、倭の記述が消えてしまうからだ。」
日本にはまだ文字がなく、中国の文献からしか、動静を知ることができませんでした。当時の中国が周辺国を夷狄と蔑み、世界の中心は自分の国だと、誇った気持ちが分かります。中国が関心を失えば、日本の記述がなくなり、歴史から消える事態になります。
当時の中国は現在のアメリカより、ずっと大国であり文明国でした。
「そのためこの間は、〈空白の4世紀〉と言われている。ただ中国『二十四史』を丹念に読めば、少なからず倭の記述がある。そしてその中に、この時代を明らかにする鍵が含まれているのだ。」
わずかな記述を、後世の学者や市井の歴史好事家が読み、邪馬台国の議論が生まれました。九州にあったのか、奈良地方に存在したのかと、今でも論争が続けられています。今回私が得た情報は九州説で、次のように説明しています。
「邪馬台国の場所は、九州北部に間違いないだろう。」「さらに、卑弥呼が死んだ後も、邪馬台国または、邪馬台国を継承した九州政権が存続し、中国に朝貢したことも、確かである。」「また同じ頃(西暦300年)奈良盆地に、大規模な前方後円墳が出現する。」
「前方後円墳は大和朝廷の象徴なので、」「この頃、奈良に大和朝廷(ヤマト王権)が興ったことは間違いない。そしてこの王権が飛鳥時代に継承され、今の皇室につながっている。」
「ということで日本の政権が、遅くとも7世紀までに、邪馬台国を継承する九州政権から、大和朝廷(ヤマト王権)に移ったことは確かだが、それがいつ、どのような形で起こったか分からない。それどころか、邪馬台国と大和朝廷(ヤマト王権)の関係もはっきりしない。」
邪馬台国を継承する九州政権を、「邪馬台王統」と呼び、奈良に起こった大和政権を、「大和朝廷」と呼んでいます。ここで語られている王朝は、この二つしかありません。
わざわざこの九州説を強調するのは、第一回目のブログで紹介した、安達巌氏と山崎謙氏を思い出すからです。
両氏は大和朝廷に対峙するものとして、出雲王朝を取り上げていました。偶然にも二人は、古代の日本を二分していたのは、大和朝廷と出雲王朝だと説明します。出雲の神様の分布は、山陰地方だけでなく、奈良、京都、長野県の諏訪にまで広がり、大きな勢力だったと説明します。二人の頭の中には、邪馬台国が存在していません。
「 古代史はパーツを失ったジグソーパズルだ。」「百人居れば百通りの説があってよいと考えます。」
私のブログにコメントをくれた方の、話の実例ががそのままここにあります。
武光誠氏は出雲王朝を、大和朝廷に対峙する巨大勢力として語りませんが、邪馬台国の叙述をしていない点では、安達・山﨑氏と同じ範疇の学者になります。「幻の邪馬台国」「古代史の神秘」と言われるのは、こうした事実から来るのでしょうが、私には「未完の古代史」となるだけで、神秘やロマンは感じません。
そういう意味では、邪馬台国抜きで語られる神話は、最初から大きな虚構の上に築かれた一大叙事詩、という解釈が妥当な気がします。それでも神話に対する私の敬意は不変で、その理由は前のブログで述べた通りです。
「いわば当時の神話は、明治憲法と同様の役割ではなかったかと、理解いたします。いずれの場合も、国の統一を図り安定と発展を願い、天皇を国の中心に据えたという、為政者たちの知恵が共通しています。」
「一般意思は、ルソーの国家哲学の、根本概念である。それは主権者の意思であり、国家の一体性を形成するものである。」
橋川氏はルソーを手放しで誉めましたが、「一般意志」も「主権者の意思」も、現実には存在しない虚構の概念です。ルソーは、国家哲学を組み立てる上で、こうした虚構の概念を考え出しました。
そうだとすれば、神話という国家哲学のため、古代人が考案した虚構も同じ見方ができるはずです。千年以上も昔の神話ですから、今日の学問レベルで比較すること自体が間違っています。
太安万侶や舎人親王に、頼まれた訳でありませんが、橋川氏のような西洋かぶれの学者に対して、子孫の一人としてご先祖様のために反論したくなります。
書評はやっと70ページで、三分の一も進んでいません。天照大神、月読尊、素戔嗚尊と、神話はこれから本論に入ります。
「天照大神と天岩戸 ( あまのいわと ) 」、「素戔嗚尊の八岐大蛇 ( やまたのおろち ) 退治」、「大国主命と白兎、」、「武甕槌神 ( たけみかづちのかみ ) と国譲り」、と続きますが、それらをすべて割愛し、明日は武光氏の「後書き」を紹介し、総まとめといたします。
こういう読み方が正かったたのか、どうか、今も分かり兼ねますが、私は既に、神話の価値と、日本史での位置づけにつき結論を述べてしまいましたので、これ以上書評を続ける意味がなくなってしまいました。
姿勢を正し、本は最後まで読みます。
興味深く拝読しました。
いにしえからの日本民族の息吹が生き生きと感じられ、興味はつきません。
ところで、平泉澄博士のことにも、少し、ふれておられましたが、私も平泉博士の「少年日本史」という書物を読んだことがあります。平泉博士は、「皇国史観」の代表者というふうに言われていますが、私が読んだ限りでは、それほど強烈な国粋主義者という感じはしなかったですね。ただし、「少年日本史」という本は、平泉先生の晩年(昭和40年代)の著作ですから、それなりに老熟しているのは当然で、博士の若い時は、もっと過激だったかも知れません。(それは、私の世代にはわかりません)
平泉先生は、その「少年日本史」を書かれた動機として、「私の子や孫の世代に、どうしても書き残したい」という思いで書かれたさうです。
(猫庭様が、息子さんへの言葉として、このブログをなさってるのと同じお気持ちだったんでしょうね)
ヤマタイ国についての本も、私も学校時代に、かなり読みふけった事があります。
ヤマタイ国の所在地や、大和朝廷との関係についても、いろんな説がありますし、いまだに決着はついてはおりません。
ただ、近年の実証的な古代史学者の「趨勢」としては、やはりヤマタイ国は大和朝廷の直接の前身であったと言う意見が強くなってるようですね。
ただ、長い結果として言えば、ヤマタイ国の血脈は、現在の日本の皇室や国民にながれていることは、間違いないと思います。
もし、ヤマタイ国が大和朝廷の前身であれば、当然、皇室はヤマタイ王家の直系の子孫ですし、
また仮に、ヤマタイ王家と大和朝廷が本来は別の王家だったとしても、当然、両者のあいだには政略的な婚姻関係はあったと思いますから、結果的にはその血筋は合流していたでしょう。
私たちが、ヤマタイ国に、ある種の郷愁を感じますのも、当然だと言えましょう。
日本の神々の物語については、いろんな解説書は有りますけれども、やはり古事記、日本書紀などの原典を読むのが一番たいせつだと思います。特に古事記は大和民族の詩情にあふれた書物ですし、国民の至宝に他ならないからです。
私も、そういうつもりで、勉強いたします。
ご存知と思いますが、平泉博士の三男に、渉 ( わたる ) という方がおられます。
外交官から政治家へ転身し、参議院議員、衆議院議員となり、科学技術庁長官や経済企画庁長官を歴任しています。
御父君のような、国粋主義学者でなく、ずっとくだけた自由主義者でしたが、それでも国を思う心は、やはり父親譲りの強いものがありました。
鹿島建設の援助で、シアターテレビという番組を
もち、政治評論をされていましたので、その動画を親しく見ておりました。何年か前、ブログでも取り上げております。
平泉博士の「少年日本史」は、知りませんでしたが、渉氏の動画を思い出しますと、「父親の願いは、引き継がれていた。」と、そんな思いをさせられました。
邪馬台国と大和朝廷は、どのようなつながりがあるのか、素人の私には分かりませんが、出雲王国も含め、全ては大切な日本のご先祖様です。
あなたほどの感銘は、今でもありませんが、国の宝として、これからも学び、大切にしていこうという気持ちは、同じです。
貴方と私には、違う意見と、同じ意見が混在いたしますが、これが人間というもので、一人ひとり違って、当たり前ですね。できることなら、反日・左翼の人々とも、貴方とのように、穏やかに話ができればと、思ったりしますが、やはり無理でしょうね。
敵愾心と憎しみが先に立つのですから、議論になりません。相手だけを批判しているのでなく、私の方も同じだと、自覚しております。
いつも真摯なコメントを、有難うございます。
あなたの国を思う気持ちに接すると私の胸はこみ上げます、同じ愛国の士がここにいる。
こうして腹を割って話せる日本人同士がいる、このことに感銘を受けるのです。
朝鮮半島と日本、この因縁はこのまま続くでしょう、和解の道は無理だと思います。
私の青春に共に酒を交わした在日の友がいました、両方の国が将来戦ったらどうするか、
1.当然のように彼らは祖国のために日本に向って引き金を引く、撃つ !
2.日本に骨を埋める忠誠心で日本人と共に祖国に対して銃を向ける !
勿論、ほとんどの在日は祖国朝鮮半島を取るだろうと思います、
彼らの内国際結婚で結ばれた夫婦もいる、その苦悩に直面する在日もいるのです。
私は割り切っています、私は日本の為に戦います、君は祖国のために戦いなさい。
そのかわり、今までのように恨み辛みはなしだよ。
コメントを入れるところを間違いましたがこのままにさせていただきます、
申し訳ありませんでした、お詫びいたします。
お詫びは無用です。在日問題は、戦後の事象です。不法入国ということを言わず、彼らは、アイヌとか、沖縄とか、被差別とか、およそ無関係な人々まで巻き込み、問題をややこしくしています。
政治家も、きちんとこの問題に向き合うべきです。在日問題は、差別問題でなく、不法入国者に対する「けじめの問題」です。
しかも騒ぎを起こしているのは、ごく一部の在日です。
「90パーセントの在日は、日本に同化し、日本人として静かに生活している。」「騒いでいるのは、一部の在日だから、日本政府は取り締まって欲しい。」
「政府が甘やかすから、彼らが騒ぐのです。在日の多くは、彼らと同じに見られ、迷惑しています。」
「朝鮮学校に通っているのは、在日の10パーセントくらいで、後の90パーセントは、日本人と同じ学校に行っています。」
かって動画で、そういう意見を述べる在日の老人を見ました。政争の具とする政治家に利用され、一部の在日が騒ぐのを、自民党の政治家は、いつまで放置しておくのでしょう。
在日の彼らは、感情論で騒いでいますが、日本人なら、国防の観点から、キチンとした正論で、対処すべきです。そのためには、議員の中にいる、韓国・北朝鮮、中国との二重国籍者を、整理しなくてなりません。
1. 国会議員の二重国籍禁止法の制定
2. NHK役員の二重国籍禁止法の制定
を、事ある毎に提案しているのは、そのためです。これは、差別でなく、「ケジメ」であり、「国の安全保障」のための、政策です。
かって第二次世界対戦時に、在米日本人二世たちは、米国への忠誠を誓うため、「二世部隊」に志願し、日本を相手に勇猛果敢に戦いました。
二つの祖国を持ち、心を引き裂かれる思いに耐え、戦った在米日本人二世に対し、私は敬意の念を抱いています。
他国に籍を置くという事は、そういうことです。ごく一部の反日在日の人間たちが、間違った行動をするため、同じ在日から、迷惑がられるのです。
コメントに感謝いたします。