ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

孤立化する日本と馬野氏の予測

2020-07-26 14:12:41 | 徒然の記

 長雨が続き、洗濯物が溜まると、気持ちまで沈んできます。それがなんと、今日は朝から晴天です。青空が広がり、風が爽やかに吹き、庭木をなぎ倒す乱暴な強風はどこへ行ったのか。家内が洗濯機を回し、二人がかりで二階の物干し、裏庭の物干しと、あらゆる空間に洗濯物を広げました。

 爽やかな充実感を家内と共有し、自堕落な安吾を嘲笑しました。呑むことと書くことにしか興味がなく、掃除や洗濯について、彼は間違っても語りません。日常生活の中にある、こんな充実感や、喜びを知らないというのでは、私と意見の合うはずがありません。

 「生きがいを知らない、俗物め。」と、馬鹿にし合うのが関の山です。充実した気持ちのまま、7月20日の千葉日報を広げました。アメリカ、中国、ロシアが、日本を苦しめている記事が紙面を占有しています。

 そうなると、安吾の書評どころでなくなります。「温故知新」も大事ですが、やはり私は、現在の日本に心が奪われます。

 安吾は頭の隅に追いやられ、私が思い出したのは、先日読んだ馬野周二氏の、『嵌められた日本』です。30年前に氏が予測したことが、そのまま現実となっています。

 「来るべき世界の状況は、日本の孤児化であり、米ソ、そして中国に囲まれ、これらにいたぶられるという構図が、浮かび上がってくる。アメリカと中国は、根っこのところで結びついている。」

 千葉日報の記事は、中国、ロシア、米国です。大きな見出しが怒りに火をつけます。

 1. 中国・・・・「漁船侵入・阻止要求」「尖閣めぐり中国」「日本は即刻拒否」

 2. ロシア・・・「ロシア・憲法に割譲禁止」「狙いは、島抜き・平和条約」

 3. アメリカ・・「基地震源の感染と、日本政府」「地位協定特権、壁に」

 打ち合わせているのか、偶然が重なるのか、示し合わせたように、日本の弱みをついてきます。「遺憾」「遺憾」と、苦情なのか、泣き言なのか、痛くも痒くもない「遺憾砲」ばかり打ち、戦後74年間しのいできたツケが回ってきています。

 まず中国の傲慢さです。日本が領有している尖閣諸島を、自分の領土だと主張し、これまでは遠慮がちに、領海周辺を威嚇航行していましたが、今回は、日本の漁船を立ち入らせるなと脅迫しています。

 「この日本人の呑気さの底には、苛烈な民族、あるいは国際抗争を知らない、穏やかで正直な、人を疑うことのできない国民性がある。」「それは人間として、尊い性質だけれども、相手がそれを逆手に使い攻撃してくれば、ひとたまりもないもろく、弱いものなのだ。」

 馬野氏が著書の中で言い、警告を発していましたが。その通りのことを中国とロシアとアメリカがやっています。国を守る軍隊を再建しない限り、外国の不当な言いがかりは、無くなりません。

 自民党の中にいる本物の保守議員諸氏は、憲法改正に掛からねばなりません。反日・左翼の野党や、お花畑の国民の顔色を伺っていたら日本が消滅します。

 国を愛する学者や知識人は、息を潜めているだけですから、彼らをマスコミの土俵に乗せる努力から、開始すべきです。言いがかりをつけても、反撃する軍のある国に、敵対国は手出しをしません。口先で罵りますが、実力行使はしないのが、国際社会の手法です。

 ロシアを見てください。安倍総理の人の良さにつけ込み、プーチン氏がやりたい放題です。「前提抜きで、領土問題を話し合おう」と、突然公開の席で総理に語りかけ、期待を持たせ、その気にさせながら、「領土不割譲」を憲法に盛り込みました。違反した政治家には、刑事罰が科せられるという条文を、プーチン氏自身が作らせました。

 アメリカも似たようなものです。沖縄駐在の米軍では、「武漢コロナ」が威を奮っています。蔓延防止のため、「入国時検査」の徹底をと、玉城知事が要求していますが、沖縄だけの話ではありません。米国はブラジルやインドと並ぶ、「武漢コロナ」の大量蔓延国ですから、日本全国で厳しい入国検査が必要です。

 それが日米地位協定のため、軍兵士の検査権限がなく、米軍もまた、日本の要求を無視し、軍人とその家族の入出国は自由放任です。「武漢コロナ」は単なる風邪でなく、世界の国を揺るがせている「国防問題」です。日本を守る同盟国が、日本の崩壊に無神経というのなら、中国やロシアと変わらない無法国です。

 し自民党政府と役人たちは、「GO  TOトラベル」を見直すべきか、延期すべきか、そこにばかり集中しています。「GO  TOトラベル」など、私から見れば「GO  TOトラブル」でしかなく、二階氏と経団連の媚中派が、自分たちの利権で動いているに過ぎません。

 反日・左翼野党は、もともと日本のため、役立たずの党ですから、自民党の中にいる「国を思う」議員諸氏が頼りです。選挙で応援し続けますが、今一度、彼らの立ち位置を確認する必要があります。

  1. 日本の国民と領土を防衛するための、軍の再建。「憲法改正」

  2. 日本の歴史と伝統を守るための、皇室護持。「女系天皇阻止」

 自民党の議員諸氏には、保守系の学者、評論家が、意見表明のできる土俵づくりに、汗をかいて欲しいものです。国民に語りかけ、「お花畑」の住民を減らすには、テレビ、新聞、雑誌という、マスコミの土俵が不可欠です。

 ここまで述べて心が晴れましたので、安吾の著書の残りを読む気持ちになりました。洗濯物の話も、馬鹿にできません。

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6 コメント

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「3大国」が突き付けた問題 (成田あいる)
2020-07-26 19:08:33
これは「3大国」が日本を囲み、締め付けている構図だと思います。

中国は尖閣の領有権や漁船の立ち入りのみならず、石垣市議会が議決した尖閣の住所地の字名変更の中止までも要求しました。
ロシアは「領土引き渡し」ではなく、これを伴わない「平和条約」や「交渉」を求めているのでは?と言う識者もいます。
沖縄米軍での感染拡大は、日米関係だけでなく「国防」と言う根幹を揺るがす問題だと思います。

立憲民主の安住国会対策委員長は、「GoToキャンペーン」について、「感染拡大したら内閣総辞職ものだ」とコメントしました。
枝野代表も、安倍総理に対して「緊急事態宣言を出さないなら、その根拠を国会で説明せよ」との見解を示しました。
いずれも、普段の同党の姿勢から「安倍総理をやり込める」と言う域を出ておらず、国民の側になったものではないと感じます。
それどころか、「3大国」が突き付けた問題について、野党各氏からのコメントも聞いたことがありません。
ま、野党は論外と思っていますが、安倍総理をはじめ自民各氏も不甲斐ないと思います。
ここに日本が「3大国」に付け入られ、舐められる隙があると思います。
いずれにしても、「人の良い」安倍総理、そして日本と言う国に突き付けられた問題だと思います。
そして、「遺憾砲」を打って穏便に適当に済ませようとしてきた歴代総理の責任だと思います。
返信する
唸らされる 馬野博士の先見性 (HAKASE(jnkt32))
2020-07-26 21:05:24
先日の、拙記事へのご見解を有難うございます。保守側
は ご指摘の与党内政争の機運と、沖縄保守の旗手・
我那覇真子さんと水島 総・ch桜代表の対立が聞こえて参ります。

どちらも拙視点からは余り有益な事とは思えず、特定
野党や左傾メディアとアカデミズム、それに中朝他の
工作員勢力を利するだけと心得ます。無理かもは承知
ですが、何とか接点を見出して再び一丸となって頂け
る様祈念するのは、やはりただの理想論でしょうか。

今更と笑われるかもですが、馬野博士の「米中は根っ
この所で結びついている」との鋭い考察には、改めて
唸らされるものがありまして。沖縄・尖閣や北方領土、
それに沖縄本島の日米地位協定関連の諸問題を見て
参ると、本当に米・中・露の三大国が申し合わせた様
に我国の弱点を突いてきている様で、不愉快な一方、
その周到さに舌を巻く想いにさせられるのも事実です。

成田あいるさんも平易な解説を下さいましたが、これら
三大国の不穏な出方と、貴方ご指摘の、我国存立の
為の二大項目「改憲を伴う、実質ある国防再建」と「我
国史と伝統保持の為の皇室護持」を確固としたものに
する為には、前述の様な保守同士の争いを何とか鎮
めないとという所でしょう。細かい事や「Go To 政策」を
含め、目先の利権で争ってエネルギーを空費している
場合ではないと拙者も思います。

媚中政財界勢力も絡む、こうした諸問題を放置してい
るとしか思えぬ安倍政権の姿勢に不良があるのもさる
事ながら、拙者にはやはり、根本的には戦後 70年余り
続いた国民多数の政治的無関心が、今この様な形で
ツケ払いを迫られている様にも感じます。これもこの様
に記しますと 貴方から嗤われるかもですが、今から
意識を変える努力をすれば、何もしないよりはマシな
様にも感じます。

今読み進められている坂口文学につきましては、拙者
は殆ど拝読しておりませんので 立ち入った言及は控
える事としますが、今後一般にも当てはまる所か゜゛あ
りましたら、その時は必要時 拙見解を記させて頂く事
も視野に入れようかと思います。これからの学習と共
に、どうか宜しくお願い致します。
返信する
Unknown (あやか)
2020-07-26 21:22:05
緊急の今回のブログを拝読しました。
確かに、今は、坂口安吾などという瘋癲(ふうてん)作家のことを論じるのは
後回ししたほうが良いかも知れませんね。

今は、ほんとに国難の時代です。非常時です!
最悪の敵は、中共(共産党中国)であり、続いてロシアです。
アメリカは、同盟国であり、日米安保条約は遵守すべきですが、だからと言って心から信用すべきではないです。

※昔、キッシンジャー老人が、
 【日米安保体制と在日アメリカ軍は、日本が二度と軍国化することがないように、日本人を監視するためにあるのだ】
 と、うそぶいた事を覚えて置くべきでしょう。

----これも、アメリカの一部の人の本音でしょう。

●しかし、今のところは、アメリカには協力せざるを得ないと思います。
●何よりも、今、アメリカのトランプ大統領とポンペオ国務長官が、中共にたいして最大の厳しい布告をしたことは、
 感服すべきだと思います。

 問題は、日本政府の態度です。
 もはや、媚中派の政治家など、有害無益です。!!
 
 安倍総理大臣は、もっと毅然とした対応をしていただきたいです。

 もし、安倍総理が自民党内の媚中派を切り捨て、中国びいきの財界人など叱りとばし、
 共産党支那に対しては、敵国として対峙するならば、、、、

 もう一度だけ安倍さんを見直してもいいですよ。、、、、、、、、、、、、

、、、、、、、、、、、、、、、、、、しかし、それが、おできになりますかね?????
返信する
私たち国民に、何がやれるのか (onecat01)
2020-07-26 21:45:24
 成田あいるさん。

 「3大国が日本を囲み、締め付けている構図」
 
 まさにその通りです。それでも危機感を抱かない政治家と、国民がいる。マスコミがいる、評論家がいる、学者がいる。

 どうすれば、自分の国を批判ばかりする人間たちから、主導権を奪えるのか。それを工夫する時が来ています。歴代総理は、どこまで遡れば良いのか、経済再建を優先し、軍備を後回しにしたのは、吉田茂氏から始まっています。吉田氏は、憲法改正の意思を持っていましたが、軍人嫌いのため、軍隊の再建を急ぎませんでした。

 私たち国民も、経済優先で生きてきました。それではダメだということが、大国の横暴を前にし、やっと分かりました。自民党政治家たちは、分からないのでなく、利権が優先するため、分かりたくないのです。

 しかし国を変えていくのは、自民党しかありません。国民が、志のある議員を積極的に支え、支援するしか道はないと思います。

 国民の多数が同じ意見で動けば、民意となり、政治家が動きます。民意に背けば、落選するからです。

 民意の形成に大きな力を持つのは、マスコミです。マスコミの正しい報道、冷静な報道があれば、国民は変わります。少しずつですが、NHKの変化を見ます。これまで報道しなかった尖閣の領海侵犯を、きちんと報道するようになりました。

 政治家の働きかけと、国民の多数が望むものを、彼らが知ったからでないかと、そんな気がしています。私たち庶民には、選挙の一票と、ネットの発信という武器があります。

 多くの愛国者たちが、「選挙の一票」と「ネットの発信」が、国民の持つ強力な武器だと、その意識を共有した時、政治が変わるはずです。

 自分たちがやれることを模索しながら、頑張るしかありませんが、希望の光が見えます。
 コメントに感謝いたします。
 
返信する
馬野博士の先見性 (onecat01)
2020-07-26 22:13:14
HAKASEさん。

 馬野氏の先見性というより、馬野氏の愛国心という方が適切なのかもしれません。

 日本が世界の中心になるという、楽観的予測は今のところ外れていますが、米中ロ三国から、いたぶられるという状況は的中しました。

 「東京裁判史観」に汚染され、国の安全を担保する軍隊を軽視し、皇室崩壊となる女系天皇を肯定するような自民党の議員が大きな顔をするようでは、国際社会で落伍します。

 「根本的には戦後 70年余り続いた国民多数の政治的無関心が、今この様な形でツケ払いを迫られている様にも感じます。」

 おっしゃる通りです。私たち国民は、こうして現実に、大国の横暴に苦しめられるまで、気がつかなかったのです。また、マスコミも政治家も、気がつかないように、国民を誘導していました。

 「今から意識を変える努力をすれば、何もしないよりはマシな様にも感じます。」

 笑うどころではありません。私たち庶民にやれることは、これしかありません。成田あいるさんにも言いましたが、私は、あなたのご意見に、付け加えさせていただきます。

 「多くの愛国者たちが、「選挙の一票」と「ネットの発信」が、国民の持つ強力な武器だと、その意識を共有した時、政治が変わるはずです。」

 安吾のことは、無視してください、彼の戦争論は、世界の歴史や世界情勢に関する知識が欠如しています。日本包囲のため、大国が主義を殺してでも協力したという、政治の冷酷さを知りません。

 あと少しですから、私は読んでしまいたいと思います。さらに本棚の小説を読み、断捨離を計画していましたが、社会科学の書物を読みながら、今の日本を考えるという、以前の読書のに戻ります。

 国難の日本を忘れ、個人的なことで対立するのなら、そのような保守は、残念ですが、無視するしかありません。

 コメントに感謝いたします。
返信する
安倍総理 (onecat01)
2020-07-26 22:35:14
 あやかさん。

 この重苦しい日々のため、私は笑いを忘れていましたが、貴方のコメントを読み、大笑い致しました。

 「確かに、今は、坂口安吾などという、瘋癲(ふうてん)作家のことを論じるのは、後回ししたほうが良いかも知れませんね。」

 ここまで率直に言われますと、呆れてしまいますが、正論なので、脱帽です。

 「アメリカは、同盟国であり、日米安保条約は遵守すべきですが、だからと言って心から信用すべきではないです。」

 同意見です。米国には、日本と協調しようとする勢力と、日本を潰そうとする勢力がいます。田中秀道氏と馬渕睦雄氏の受け売りですが、私もそのように考えています。

 これにつきましては、後日また、ブログにしますので、今回同様、遠慮のないご意見を期待しております。

 「もし、安倍総理が、自民党内の媚中派を切り捨て、中国びいきの財界人など叱りとばし、共産党支那に対しては、敵国として対峙するならば、、、、」

 「もう一度だけ安倍さんを見直してもいいですよ。、、、、、、、、、、、、」

 「、、、、、、、、、、、、、、、、、、しかし、それが、おできになりますかね?????」

 無闇矢鱈に、「、、、、、、」が続きますが、実を言いますと、これはそっくり私の気持ちです。安倍総理が、祖父の岸信介氏のように、信念のある保守政治家の孫なら、豹変するかもしれないと、そんな期待があります。

 愉快で、真剣で、誰にも真似のできない、不思議なコメントに、心から感謝します。
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