・太平洋と大西洋という巨大な水の防壁のお陰で、アメリカは数千マイル離れた地域での出来事には、影響を受けずに済むと確信していたが、その幻想は、真珠湾攻撃の成功によって徹底的に打ち砕かれた。
・戦後47年を経ても、アメリカの指導者及び国民の国家安全保障に対する考え方に、これほどの影響力を及ぼした事件が再び起こることはなかった。
・真珠湾で不意打ちを受けたという事実に、アメリカ人はショックを受け、自分の国が無防備であるかのように感じた。
・第二次大戦後、最新兵器の速度と破壊力は、大幅に増しており、もしミサイルと核弾頭を有する敵から、もう一度奇襲を受ければ、国全体が完膚なきまでに破壊されるのでないかという恐怖感が、アメリカ全土を覆った。
・第二次大戦後、日本はもはやアメリカの敵でなく同盟国となった。しかし冷戦の勃発に伴い、新しい敵が生まれた。
それがソ連でしたが、ソ連崩壊後は核保有国の中国となり、核保有を狙う北朝鮮となり、イランとなっています。
・日本は今では同盟国になったが、奇襲される危険性が消滅したわけではない。
・真珠湾の記憶は、アメリカ人の意識に大きな影響を及ぼし、際限のない軍拡競争にのめり込んでいく一因になったのである。
・われわれはかって、眠っていてやられてしまった。だから、二度と眠らないようにしなければならない、というわけだ。
「ねこ庭」はここに、アメリカの政治家、軍人、財界人、ジャーナリストたちが持つ偽らざる日本観を見ました。
この言で行きますと真珠湾の記憶がある限り未来永劫に、日本への警戒心が残ります。敵対国である社会主義国やイスラム教国と同様、彼らは日本にも心を許していないということになります。
・ソ連が超大国としての地位を失った今、日本とアメリカは、異質な二つの大国として、世界情勢の中で並び立っている。
・日本は経済的な意味での超大国となり、アメリカは今では経済こそ弱体化したものの、政治的、軍事的には超大国としての地位を守っている。
昭和57年の中曽根内閣以来、昭和62年の竹下内閣、短命だった宇野、海部内閣そして宮沢内閣と、日本では不安定な政治が続いていました。それでも氏の目には日本が「経済的な意味での超大国」として、見えていたのです。
というより、もしかすると当時の日本は、つい先日までの中国のように年々経済発展をし、貿易大国として世界中から利益を得ていたのですから、実際にそうだったのかも知れません。
・この両国が互恵的な関係を維持することは、どちらの国にとっても必要だが、最近ではこの関係が危うくなり、不協和音が流れ始めている。
・それはおそらく、必然的な結果なのだろう。
・これほど健全な関係を保ち相互に依存していながら、この二つの国家は、社会、文化、言語などの面で全くかけ離れた存在だからである。