今日から、大崎氏の講演を紹介します。以下の内容で述べられています。
1. 改憲の手順と現段階
2. 自・公与党案の主な問題点
3. 公務員・教員の運動規制
4. 改憲派にとっても、平坦ではない
5. 反対運動の展望
長くなりますので主要部分だけを、文章体で紹介します。小渕総理が「憲法調査会」を設置しましたが、「国民投票法」がまだ世間に知られていない時の講演です。
〈 1. 改憲の手順と現段階 〉
・日本国憲法では、衆議院、参議院の3分の2の賛成で発議されると、国民投票にかけ、過半数の賛成があると改憲になる。
・ただ現在、国民投票のための法律は作られていない。
・このことを日本の国民のほとんどが知っているかというと、必ずしもそうではない。
・9条を守り憲法を守る運動をするためには、憲法を変えるために国民投票というのがあり、それは大変なことだということを国民にわかりやすく話していくことが大事だ。
・現段階では、与党の方でかなり詰めた案ができている。4年ほど前から与党の議員連盟で、条文にしたようなものまで作っている。
「国民投票法を国会に提出させない」、「出てきたら、成立させない」という話が、ここで出てきます。講演の 1. 2. 項は前段で、3. 項目から詳しい話になり、日弁連が指摘する問題点は、私たちにそのまま参考になります。
〈 2. 自・公与党案の主な問題点 〉
・問題点は、下記3つである。
・ワンパッケージ方式
・公務員・教員に対する規制
・マスコミに対する規制
・ワンパッケージ方式とは、改正する条文の一つ一つに○×をつけるのでなく、全部まとめて一括し○×をつける方式。これは、大きな問題となってくる。
「政府広報」では、次のように説明されています。
・ 投票は、憲法改正案ごとに、一人一票になる。
・ 投票用紙には、賛成するときは賛成の文字を囲んで「○(丸)」を書き、反対するときは反対の文字を囲んで「○(丸)」の記号を書く。
実際に国民が投票場で、何枚かの用紙をもらうのか。それとも一枚の中に、何条かが書かれているのか。その場で読んだだけで賛成・反対の判断ができるのか、など確かに問題点が残されています。
〈 3. 公務員・教員の運動規制 〉
・具体的には、国民投票に関する公務員の運動、教員の運動のことである。公務員・教育者が、その立場・地位を利用する運動は、国家公務員法で禁止されている。
・公務員・教員は、投票以外の政治活動はできないことになっているが、これは憲法違反だとわれわれは今裁判で争っている。
・国家公務員法の改正までは難しいので、護憲派は国民投票法の中で禁止しようとしている風がある。
国会で検討されている法律の原文を、「政府広報」と「総務省のホームページ」で探しましたが見つかりませんでしたので、残念ながら大崎氏の講演との比較ができません。
共同通信社の記事では、6月に「国民投票法」が設立する見込みだそうですからと、何らかの形で問題点が整理されているのだと思います。
次回は、〈 4. 改憲派にとっても、平坦ではない 〉について紹介します。最も長いので、日弁連が重要視している部分だろうと思います。