天皇の住われている場所を、戦前は「宮城」と呼んでいました。占領軍が来て、「宮城」という名称は封建時代を思わせるので民主主義に合わないと言い、「皇居」に変更したのだそうです。
ネットで調べても下記の通りで、GHQのことは書かれていません。
・以前は宮城(きゅうじょう)と公称されていたが、第二次世界大戦後に廃止され、現在は特別史跡「江戸城跡」一帯を指して、皇居と呼んでいる。
宮城という名前が民主主義に合わないと、本当にGHQがそんなことを言ったのか。エリザベス女王のお住まいは、今もバッキンガム宮殿と呼ばれていますが、民主主義に合わないと誰も言いません。もしかすると、GHQに協力する反日左翼学者が提案したのではないかと、今の「ねこ庭」は、彼らへの疑心暗鬼で固まっています。
今回紹介したいのはそんな瑣末なことでなく、皇居の中にある「宮中三殿」です。マスコミの報道で名前だけ耳にしますが、どのような建物なのか関心もありませんでした。
温故知新の読書の知識によると、「宮中三殿」とは次の三つの建物です。
1. 賢所 ( かしこどころ ) ・・天照大神が祀られている建物
2. 皇霊殿 ( こうれいでん ) ・・歴代天皇・皇族が祀られている建物
3. 神殿・・天神地祇 ( てんじんちぎ ) 、天上の神々と地上の神々 ( やおよろずの神々 ) が祀られている建物
明治維新の折天皇が京から江戸へ移られた時、京都御所から移されたのか、新政府の手により新たに建造されたのか分かりませんが、皇居の中に神社があるということが重要です。
皇居の神社は、日本の頂点に位置する最も格式の高い神社だそうです。いわば神道の総本山であり、ここで神儀を行われる天皇は文字通り最高位の神官です。
この三殿で天皇は、国の安寧と国民の幸せを祈られ、神話の世界に包まれながら、神官としてのお役目を果たされます。日本の何もかもを変革しようとしたGHQは、宮城の名称より、「宮中三殿」に注目すべきだったのでないかと思ったりします。
保守系の学者の中には、天皇のお立場をローマ法王に比較し、「ローマ法王より、長い伝統と格式を持つ方」と説明をする人物がいます。戦前のことは知りませんが、もしかすると、神の近くにおられる方という意味で、「現人神 ( あらひとがみ ) 」という考えが、ここから出てきたのか。戦前の軍が国民の戦意を高揚するため、この言葉を乱用したという負の記憶がありますが、ここでは触れません。
息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介したいのは、「宮中三殿」と、神道の最高位の神官である天皇のお立場です。
ホイットニー少将の「皇室撤廃」政策に加担し、芦田総理がしたことを、もう一度思い出してみます。