OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

古い本 その51 島

2021年04月04日 | 50年・60年

 最近の本ばかりだが、島に関する本がいくつかあるので紹介する。

119 日本の島ガイド SHIMADAS 2004 表紙

 「日本の島ガイド SHIMADAS (シマダス)」 は、2004.7.31に、第2版が日本離島センターによって発行された.A5変形版。第1版は1998年8月1日発行。手元にあるのは第2販第3刷で、2005年9月1日発行。現在は新版が出ている。ページ数も掲載している島の数も多いようだから買い直さねば。発行後島の自治体の合併などが相次いだのも大きな変化である。私の持っている第2版は1327ページで情報量の多いデータブックである。実は初版本も購入したが新しいのを買ったので初版の方を寄贈した。
 この本の「島」の定義は、自然にできた陸地で水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」としている。逆に収録されていないものは、埋め立てなどによって地続きになったもの(例外あり)、人工島、河川の中の島、などである。収録しているのは1,100島。北から地域別にまとめてあるが、これだけあると目的の島を探すのは結構大変である。名前が分かっている場合には巻末の索引を、場所が分かっている場合にば、各章の最初にある地図を見る。
 データブックであるから、知っている島をいくつか拾い読みした程度。私が行ったことがある島は数少ない。宮城県の金華山、神奈川県の江ノ島(不確実)愛知県の前島(不確実)三重県の真珠島・賢島、兵庫県の淡路島、広島県の倉橋島・宮島、山口県の角島など4島、香川県の櫃石島・岩黒島・与島(この3島は「行った」というより『通った』という方が良い。瀬戸大橋の通過島で、車やバスで行くことができる。さらに羽佐島に至っては橋脚があるが降りることはできない)、福岡県の馬島・藍島など計5島、長崎県の壱岐島など11島、熊本県の御所浦島など11島、大分県の姫島、鹿児島県の桜島・獅子島、沖縄県の沖縄本島(日本の島ガイドでは対象外)。私は鉄道マニアだから島にはほとんど行かなかった。ちなみに現在鉄道のある島は沖縄本島以外に、彦島と瀬戸大橋関連3島(いずれも鉄道で訪れることはできない。)と近鉄賢島線で行くことができる賢島だけ。廃止された鉄道には淡路島・屋久島・大東島などがあった。

120 日本《島旅》紀行 2005 カバー

 「日本《島旅》紀行」は光文社新書、2005.3.20発行、284ページ。著者は斎藤 潤(1954-)、島への旅をテーマとしたライターで、全国の南鳥島以外の有人島を全て訪れたという。ちなみに南鳥島には自衛隊・気象庁・それに関東地方整備局職員だけが常駐していて一般人はいない。この本では全国約40島を取り上げて地元の人たちとの交流を記している。

121 秘島図鑑 2015 カバー

 「秘島図鑑」は、河出書房新社2015.7.30出版のA5単行本、221ページ。日本全国の31の島を扱っている。いや、最後の一項目は「北方四島・竹島・尖閣諸島」をひとまとめにしているから、合計40近い島。「秘島」の条件は、カバー見返しに記載されていて、遠く離れた島、周囲に他の島がない、形が個性的、アクセスがない、無人、知られざる歴史 という6つの条件(いずれか、としている)を挙げている。これだけ厳しい条件だから、私が見た島はほとんどない。一つだけ長崎市香焼の「横島」という岩礁は、ホテルのチャーターした船で伊王島に渡った時に香焼の港を出たすぐ後正面にみえていたはずだが、意識して見ていない。
 この本を見て行ってみようと思うような島はないが、読み物としてはおもしろい。

122 幻島図鑑 2019 カバー

 「幻島図鑑」「不思議な島の物語」は、河出書房新社2019.7.30出版のA5単行本、287ページ。日本全国の17の島を訪問した記録である。「幻島」といっているのは、人口が少ないか無人島、珍しい形や名称、面積が小さいといった条件で選んでいる。
 最初の島からすでに存在自体が疑問の島、「北海道エサンベ鼻北小島」。当時地形図に掲載され、名称も記載されていた。しかしこの著者の調査で事実上存在していないことがわかったという。島の存在の調査と言うが、至って簡単ではないだろうか。ましてや北海道のオホーツク海沿岸たった500メートルほどの近距離、それも道路の通っている海岸の、である。しかし事実はその通りで、やはりお役所(どこだろう)の怠慢なんだろう。驚いたことに、インターネットで見ることのできる現在の地理院地図(電子国土Web)でも、「エサンベ鼻北小島が」掲載されている。海上保安庁は、2019年9月24日付の文書で、「本年4月〜5月にかけて…推進測量等を実施しました。この結果、エサンベ鼻北小島の位置付近では島は存在せず、非常に水深の浅い浅瀬が存在することが判明しました。追加的な調査を行い、最終的な判断を行うこととしています。」(一部の文言を省略)この文章の後に解説図が描かれているが、「非常に浅い」としている水深を推測できるような絵は描かれていないし、もちろん具体的な数値は記されていない。要するに最も潮が引いた時に岩が出るのなら、領海の基準点となるから、簡単に「島はない」とは言いたくないのだろう。色々と大変ですね。
 それにしても、一つ前の本「秘島図鑑」と間違いそうな本。著者は同一の清水浩史(1971-)(ライター)、出版社も同じ。カバーの印象も、下半分の幅の帯が付いているとよく似ている。海に浮かんだ孤島の写真が帯いっぱいにあるのだが、その水平線の位置も同じ。題字の配置も英文があるところも同じ。片方には副題があるところが異なる。帯を取ると大分違う雰囲気だが。なお、カバーを取ると全く同じデザインの英文表題が白抜きで印刷されている。地の色が異なるが。

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