父の遺した写真 39 こまどり号

父の遺した写真　39　こまどり号

　前回に続いて修学旅行専用電車を紹介する。「こまどり」号は、名古屋地区に合せた修学旅行電車で、1960年に運行が開始された。

39-1　こまどり号　関西本線四日市駅　1961.4.6

　こまどり号は当初153系で運行したが、1961年3月に159系の新造車が完成した。この写真は四日市駅で撮影したものだが、1961年には四日市付近の関西本線は電化されていない（1982年八田・亀山間の電化）。写真にも架線は写っていない。中部地区の学校関係者に周知を図るための「おひろめ」の展示だったようだ。よく見ると編成の一番向こうに黒い貨車+機関車？が連結されていて、それに牽かれてここまでやって来たと考えられる。

39-2　こまどり号の座席とテーブル　1961.4.6

　おひろめの会だから、車内の設備の写真がたくさんある。この写真はクロスシートだが、通常の客車と違ってテーブルが長く、通路側の乗客も利用できるようになっていた。テーブルははね上げられるようになっていて、鉄パイプの脚に固定するためのフックが付いていた。ひじ掛けのカバーが付いたままなのもおひろめの会にふさわしい。

39-3　こまどり号の飲料水タンク　1961.4.6

　デッキに設置された飲料水タンク。原始的な構造である。他には、洗面台などが特有の設備であった。

39-4　こまどり号のテープレコーダー　1961.4.6

　車内放送のためのテープレコーダーが運転席横に設置されていた。これでどんな内容の放送を行ったのだろうか。
　写真の転載はご遠慮いただきたい。