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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

私の化石組標本(その8)

2013年08月09日 | 鉱物・化石組標本
私の化石組標本(その8)
My set of fossil specimens, part 8

古生代の四回目。


24 標本13-16  scale: 5cm
Specimen 13-16: Productus, Siphonodendron, Mucrospirifer, goniatite

標本13 プロダクタス 新潟県青海 石炭紀 腕足動物・有関節類
プロダクタス類も、よく見られる化石の一つ。写真のように強いふくらみをもつが、もう一方の殻は平面的だったりむしろ逆に凹んでいたりする。ふくらんでいた側には、長い刺が出ているのだが、それは化石では出しにくい。岩手県や宮城県の標本では、刺が穴になって残っているから、プラスチックでも注入すれば出せるだろう。最近のCTスキャンを使えば簡単に形状が分るかも知れない。
 青海の石灰岩採石場には1967年9月と1973年5月の二度行った。たぶん二度目のとき採集した標本。その後採石場は入場が制限され、訪れていない。
 Productusの命名はSowerby, 1814年、語源は、ラテン語のproductが 「作り出す」とか「前にもってくる」とかそのあたりの意味だが、どう関係するのか分らない。

標本14 シフォノデンドロン Siphonodendron 岩手県雪沢産 石炭紀 腔腸動物
1967年の夏に東北地方に化石採集に出かけたときの標本。一度目の東北旅行では、雪沢の化石を一個いただいたが、現地を訪れることはできなかった。化石産地は、ずいぶん奥にあって、陸前高田駅からバス、さらにバス停からかなり歩かねばならなかったから。1967年に覚悟して歩き、貴州サンゴなどの多くのサンゴ化石を採集できた。帰途はリュックが重かった。


25 雪沢の川に見られるみごとなサンゴ化石(1967年8月撮影)

 Siphonodendronは、Lithostrotionの亜属としてMcCoyが1849年に使った。Siphonoというのは「管」、dendronは「樹状の」という意味だろう。

標本15 マクロスピリファー Mucrospirifer アメリカ産 石炭紀 腕足動物・有関節類


26 標本15 マクロスピリファーの反対側

購入標本。スピリファー類のきれいなのが欲しくて買ったという記憶がある。この類は、長いちょうつがいの線があって、左右対称であり、見ようによっては飛んでいる鳥の姿にも似ている。Spiriferというのはコイルを持つというような意味で、内部にあるらせん状の「腕骨」のこと。この石灰質のらせんは、海水を濾過する器官の支持をするもの。日本や中国では鳥の姿をツバメに見て、「燕石」と呼ぶ。Mucroはmacroとたぶん同じだろう。
 Mucrospiriefer はGrabauによって1931年命名。

標本16 ゴニアタイト類 goniatite アメリカ産 石炭紀 軟体動物・頭足類
購入標本。次の段の中生代にいくつかのアンモナイトが入るから、ゴニアタイトを一つ入れたくてこれを選択。といってもセラタイトはないのが残念。ラベルを無くしてしまって、属名等が分らない。どなたかのご教示を乞う。

今回はあまり良い標本がなくてちょっと心残り。
採集した標本について
標本14 シフォノデンドロン
 岩手県陸前高田市矢作町雪沢


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