写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

カヌー川下り体験

2006年05月27日 | スポーツ・山登り・釣り・遊び
 2週間前、広告新聞の片隅の小さな記事に目を凝らした。市が主催で「5月20日、中高年のための教室・錦川カヌー川下り体験」と書いてある。

 対象はおおむね45歳以上で健康な人。定員は10人。先着順。中高年の初心者に合わせ、午前は川原で座学と練習、午後は川下に挑戦するという内容だ。

 10年も前の現役の頃から、リタイアーしたら是非カヌーをやってみたいと思っていた。私の書棚には、カヌーの本とカタログが捨てるほど並んでいる。
 
 スポーツ用品店に行っては、何度もカヌーの実物を見て研究を重ねていた。しかし実際にリタイアーしてから、1歩を踏み出す機会がなく今日に至っていた。

 そんな時にこの記事を見つけた。早速電話で申し込んだ。すでに5人が申し込んでいる。60歳以上も1人いるという。それを聞き少し安どした。

 ここ数年、錦川をさかのぼってのドライブをしていても、カヌーで川下りをしているのを何度も目にすることがあった。

 水面から仰ぎ見る景色はまた格別だと聞く。是非挑戦してみたいとずっと思っていたことが間もなく現実になる。楽しみに準備を進めていた。

 体験日の数日前、かなりまとまった雨が降った。いよいよ翌日だという日の午後、電話がかかってきた。増水のため1週間後に順延するという。

 その日私は、所用のため参加することが出来ない。折角のチャンス、残念の1語に尽きた。次は、秋に企画されるという。

 「天気の良い5月初めとか夏に、どうして企画しないのですか?」と、余計なことを訊いてみた。

 「早い時期だと水温が低い。6月以降は、鮎釣りややなが架けられるから」という。そうか、その通りである。

 長年の夢であった、カヌー川下り体験・秋の陣に向け、まずは体力の増進に努めることにした。

 もし、この体験で味をしめたら、2人用の組み立て式カヌーを手に入れ、テントを積み込み、ハートリーを舟先に乗せて、錦川を川下りすることを夢見ている。

 カヌーといえば、「チン」は付きもの。横転して沈むことがある。「長い人生浮き沈み」とは言え、この手の「チン」は命が危ない。

 今までの、私の人生は沈みっぱなし。そろそろ水面に顔を出す頃だ。いざという時には、誰かのように公的資金はもらえないので、救命胴衣だけは着けておこう。
   (写真は、「カヌー川下り体験」案内状)