写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

こどもの日

2006年05月06日 | 生活・ニュース
 こどもの日の毎日新聞に、「もっとほめてみませんか」と題した社説が出ていた。昔からいわれている「ほめて育てる」話である。

 米国人は「ワンダフル!」「ウエルダン!」「グッド・ジョブ!」、失敗しても「ファンタスティック!」と言って子供をよくほめる。

 ほめるということは、子供に自信を与え、気持ちを前向きにさせる。善しあしの判断力も身に着き、自立心を養うことにもつながる。

 ほめることがない時は、要求水準を下げればほめる内容は増えてくる。子供をほめること。それは大人が子供をじっくり見つめ、語りかけることから始まる、と書いてある。
 
 頭では重々分かってはいるが、子供を目の前にしていると、叱ることばかりが目に付き、ほめることが少なかった若い頃の自分を思い出す。

 このほめるということの効用は、子供に限ったことではない。D・カーネギーの「人を動かす」という本にも、人を思うように動かすためには、まずほめよと書いてある。

 ほめることは、歯科医が局部麻酔をするのによく似ている。あとでガリガリやられるが、麻酔はその痛みを消してくれるという。

 現役時代の私もまさにこの通りであった。自分が出した実績を上司が評価してくれる。よし、またいい結果を出してやろうと、頑張る力が沸いてきた。

 子供も大人も、猿や犬の訓練と本質的には同じで、ほめながらでないとよい結果を出すことは難しい。

 そんなことは、とっくの昔に分かっていることではあるが、素直な気持ちで人をほめるということはなかなか出来ない。

 身内の者へとなるとますます難しい。1番難しい相手は、自分の奥さんに対してであろう。

 おいしいご飯を食べても無言。美容院から帰り美しくなった奥さんを見ても無関心。新しい洋服を着ていてもうつろな目。

 これではいけない。明日からは意識してほめることをやってみよう。しかしその前に、奥さんをじっくり見つめ、語りかけることから始めなければいけない。

 リップサービスにはお金が要らないとはいうが、奥さんをじっくり見つめ、語りかけることが果たしてできるか……。結婚前はじっくり見つめていたものを。
    (写真は、高く泳ぐこどもの日の「こいのぼり」)