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数日前から、玄関のアプローチ脇のパーゴラに巻きついている「モッコウバラ」が咲き始めている。
「もっこうばら」とは、中国原産の原種バラで、つる状に伸び、高さは約6~7m、花枝の先には花径約2~3cmの花を8~15個つけ、花弁は万重(まんえ)咲きになる。
花の色は淡黄色よりもやや濃いいタンポポに近い色で、かわいい花である。
咲き始めると一斉に花開く。大きな花は1輪ごと咲くが、このバラのように小さな花はなぜか群れて咲く。
花でも、認知されるためにはどうしたらよいかを知っている。色鮮やかに、大きく目立つ努力をしているのが健気にさえ思える。
しかし「モッコウバラ」には、ひとつ忘れていることがある。この花には、他のバラにあるようなかぐわしい香りがない。
それはそれでまた良い。飲み屋のお姉さんのように、気絶しそうなくらいの強い香り、いや、臭いがするよりも、清潔感があって私は好きだ。
もうひとつ、バラらしくない良い点がある。このバラにはバラの象徴であるとげがない。庭の掃除をしていても、背中にとげが刺さるということはない。
「とげがない?」ん~。「美しいものにはとげがある」はずなのに……ない。まるで今の私の姿のように思える。牙もなく、とげもなく、ただただ優しくて。
ブログのハンドルネームも、「ロードスター」から今度は「モッコウバラ」にでも変えてみるか。いや私は単に、とげ抜き地蔵に参っただけか~。
(写真は、咲き始めたとげなし「モッコウバラ」)