写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

美人姉妹

2006年05月09日 | 生活・ニュース
 美人姉妹といっても、上半身豊満な叶姉妹の話ではない。もっと若く瑞々しい姉妹の話である。

 名実ともに五月晴れとなった連休のある日、家の中にいるのがもったいなくて、いつもの3人で錦帯橋に行ってみた。

 下川原は、観光バスと乗用車でほとんど埋め尽くされている。上河原の駐車場も日ごろになく多くの車が駐車していた。

 ここかしこで家族が弁当を拡げている。静かな川面には連休だけの企画だろうか、10数人乗った遊覧船まで出ていた。20分・300円と書いてある。

 橋の上も賑やかだ。新緑の桜の木陰でハートリーを挟んで座っていた。近くで弁当を食べていた母娘の3人が、ハートリーを見つけて近づいてきた。

 広島からの観光客で、犬を2匹・猫を3匹飼っているという。犬談義をしている間中、ハートリーは娘さんへのサービスは怠りない。

 ひっくり返る・じゃれつく・お尻を寄せるなどと忙しい。私以上に若い女性に弱そうだ。我が家の家系のなせる業でどうしようもない。

 姉の方は、この8日に上海へ3年間の約束で転勤していくと言う。中国の音楽の先生にピアノを教えることが仕事だと言って、瞳を輝かせていた。

 姉妹とも、明るくはっきりとしている中にも、しぐさにやや古風なところが見受けられ、突然私の頭に「息子の嫁に…」などとの思いがよぎる。

 錦帯橋をバックにハートリーを入れて美人姉妹との記念写真を撮らせてもらった。桜の散った木の下であったが、今が盛りの大輪の牡丹が咲いているように見えた。

 風薫る5月、錦帯橋河畔でのこんなことで、ハートリーも私も満足満足の午後であったが、1番喜んだのは……やはり私だったかもしれない。
   (写真は、賑わった錦帯橋で会った「美人姉妹」)