写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

バンダナ

2006年05月08日 | 生活・ニュース
 心待ちにしていたものが届いた。A4サイズの茶封筒に「KRY山口放送」と書いてある。

 先日、我が家へラヂオレポーターが、突然の飛び込みインタビューをしてきたことに対するお礼の手紙であった。

 「先日は大変お世話になりました。突然だったにもかかわらず、ラヂオの放送に付き合って頂き、ありがとうございました。

 エッセイサロンのみなさんにもよろしくお伝えください。テープと記念品を送らせて頂きます。今後ともエッセイのブログ楽しみにしています」と、書いている。

 あのインタビューは、本当に突然であった。放送開始の20分前にやってきて、あらかじめ、私の日常を聞き取ってメモしておき、本番に突入したものであった。

 どんな放送になっているか、リスナーの立場で聞いてみたく、テープを送ってくれるのを待ち遠しく思っていた。

 封を開くとテープのほか、黄色地に放送局のロゴマークの入ったバンダナが入っていた。なかなかかわいい。好みの品である。

 しかし、ここで問題があった。我が家にはテープデッキがない。2年前にステレオを買い換えたが、最近のものにはそんなものは付いてはいない。

 テープなど、てっきり過去の遺物だと思っていたが、どっこい、このたびのような使い方があることに気が付かされた。

 早速電器店に走っていった。むかし家の中で、どの部屋にもごろごろしていたような安いラヂカセを探した。

 テープを聴くことが出来さえすれば良い。いいものを見つけて買って帰った。テープを入れると、先日のあの時が再現された。

 ハイテンションのリポーターに引きずられて、私の声も上ずっている。事前に聴取されていたことを、もう1度訊かれる。

 思った以上に順調にインタビューが進んでいる。よしよし。でも1、2度、ろれつが回っていないところがある。素人なんだから、これは仕方ない。

 12時丁度「お昼は全開・ラヂオな時間」と叫ばされて、インタビューは終了した。まるまる5分間、KRY山口放送をジャックしたこととなった。

 頂いたバンダナを三角に折って頭に巻き、鏡に向ってニコッとしてみた。明るい昼間では、この色は私には似合わない。

 これを巻いて町を歩くとすれば、お昼よりは、どちらかと言うとバンダナと思った。今日のエッセイは、ちょっとへんだな。 
   (写真は、お礼に頂いたKRYロゴ入り「バンダナ」)