のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

あしはらはどこもかしこもマコモタケ

2011年06月06日 | 農のあれこれ
先日の幕張メッセで行われた食品関係の展示会では
米粉以外にも純黒糖や体を温めるという機能性に注目を集めるショウガなど
新しい食材や素材・調味料などが提案されていました

そんな中で三重県のある町の商工会がマコモタケを展示していました

マコモといえば沼や水路の水辺に自生していて
田んぼの畦なんかに芽を出されたものなら毎年何回も抜いてやらないと
どんどん田んぼの中まで広まってしまうような
よく見慣れた野生植物です

出展されていた三重県菰野町の関係者の方にあんなものがたべられるのかと伺うと
マコモのどれでもが食べられるのではなく
茎に黒穂菌が寄生しているものだけが地際の茎が奇形肥大化して
「マコモタケ」と呼ばれる柔らかい乳白色の肉質茎ができるとかで
中華料理の高級野菜として知られているのだそうです

そういえば台湾などの水田地帯を走ると
マコモタケ田んぼがよく見られると聞いたことがあります

菰野町では町名の由来にかけて
「おかえりなさい 夕焼けぞらに赤とんぼ舞う」をキャッチフレーズに
マコモの里プロジェクトが進行中
町内の耕作放棄水田でマコモタケを栽培し
町内中のレストランや菓子店がマコモタケを素材とした様々な商品を
提案しているのだそうです

なぜ菰野町のコーナーで足を止めたのかというと
実は柏市でもある大学の研究室の実証試験のなかでマコモタケを栽培し
あわよくば特産品にしようという取り組みが今年から始まっています

ネットでみると石川県津幡町でも
耕作放棄水田を解消しながら特産品を創ろうと
13年も前から取り組まれています

新しい食材を提案する場合
どこまで食生活の中に根付いているのかが流通上の課題です
さもないといかに情報発信が首尾よくうまくいってブームをつくっても
一過性に終わってしまうリスクがあります

ちょっと前にナタデココが一大ブームになった時に
フィリピンなどで栽培面積を増やしたら日本ではすぐに飽きられて
大量のナタデココの行き場がなくなってしまった
というような話を聞いたことがあります

新しい作物に取り組む場合は
栽培上どんな課題があるのかも気になります

津幡町の紹介をみると苗の植え付けも収穫も手作業
収穫は9月から11月の寒くなってからで湛水状態の中を長靴をはいて行い
しかも適期に収穫しないといけないようです
さらに夏には雑草対策がたいへんとのこと
マコモはマコモです
茎根が田んぼに残ってしまったら
再び稲を作ろうとした時には雑草化する危険もあります

機械化が進んだ稲作のかわりにあれやこれやの手間がかかるのでは
特産化の道は厳しいなあ