のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

名指しされスポット浴びたる浮き小島

2011年06月24日 | 農のあれこれ
連日のようにマスコミでは
KASHIWAがほっとスポットとして取り上げられています
とうとう海外の主要雑誌にも
FUKUSHIMAと並んで紹介されているという話も聞きました

小さなお子さんをお持ちのお母さん方の心配はわかりますし
行政の対応も後手後手にまわって不信感を募らせていることもわかります
ただそのような状況に便乗して集中的に情報を流し
風評を作り上げているかのようなマスコミにも不信感を持たざるをえません

先日の週刊A誌でも市内主要か所の詳しい測定値を公表していただき
工学博士の「移転支援を」というコメントまで載せていただいています
市内周辺の書店ではすぐに売り切れて買えなかったとも聞きます

たしかに高い数値は計測されたのでしょう
でももしわたしが雑誌の担当記者なら何回か計測した中から最も高い値を載せます
読者の気を引くことができますから

以前 FUKUSHIMAから移転してきた子供たちがまわりからいじめられている
というニュースが流れました
それを聞いた長崎の友人の娘さんが
「だったら長崎にくればいいのに」と話していたそうです
まったく気にせずに長崎出身の彼と付き合っていたのですが
ある年齢以上の世代や地元では差別してみる眼があったのかと気付かされました

われわれもそういう視線と長い間戦っていかねばならないようです

そこでまず勉強会です

柏市民大学開校記念公開講座と銘打って
「子どもと安心して過ごすための放射線基礎講座」
が開催されます
日時は7月12日火曜日 10時から12時 アミュゼ柏クリスタルホール
入場無料 定員先着300名

講師は武田 志乃 さん
(放射線医学総合研究所
放射線防護研究センター発達期被ばく影響研究プログラム
発がんリスク研究チーム 主任研究員)
子育て中のお母さん方に向けたお話しが中心とのこと


じつはこれから大きな問題になりつつあるのは
空気中の放射性物質による直接被ばくでなく
むしろ食べ物などによる間接被ばく

以前は 市内の農家の中には
黙ってじっとしていれば災いは頭の上を過ぎて行くという
雰囲気があったことも否定できません

しかし
学校給食には市内産農産物は使わないでくれという声もでているとも聞きます
すでに一部の小売店に直接卸している市内の農家は
検査証明の提出が義務付けられているといいます
小売事業者としては当然の措置でしょう

千葉県では県内各地の農産物を順番に抽出し
放射能モニタリング検査をしていますが
サンプル数が少なく
それで安全ですよと主張するのは
かえって不信感を呼び起こすものになる可能性も考えられます

静岡県のお茶が基準値を上回ったと
輸出されたフランスで指摘されたというニュースもありました
サンプル検査して大丈夫として輸出したのでしょうが
中途半端な対応でかえって信頼を失ったという声もあります
もっと検査数を増やしていれば事前にチェックできたかもしれません

ほっとスポットとして注目されているKASHIWAでは
なおさら慎重に対応しなければなりません
行政側でも対応を現在検討中のようですが
本日の市農業委員会において
市独自で市内農産物の放射能モニタリング検査を推進するよう
農業者の代表として行政に対して要望することになりました

お騒がせなメディアにかき回される前に
きちんと市内農業者としての姿勢を明らかにしておくことが
とても大切なことと考えています

写真は琵琶湖湖畔に浮かぶ小島
柏市農業が大海で漂流しないようにするための正念場かもしれません