のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

降るときを知らぬ雹こそいとをかし

2007年05月15日 | わが家の時時
午前中は穏やかな天気でした。朝5時前から田んぼで代掻きをしていました。昼前、西の空が怪しくなって、雷鳴も。ラジオを聴くと、八王子で降雹があったと伝えていました。

あわてて家に戻り、雨が降り出した中、はずしてあった防災網を苗箱の上にかぶせました。やれやれと家の中に入ったら、外がなにやら騒がしい。コツン、コツンという音がします。地面をみると、白いものが跳ねています。雨も結構降っています。その中に雹が混じっているようです。

12時20分ごろから20分程度だったでしょう。長く感じました。苗箱を覆った網の上には白い小さな氷塊が溜まっていました。1cm弱、7,8ミリといったところでしょうか。

稲苗もぎりぎりセーフ。ナシだって防災網が覆ってあるから大丈夫と思っていたのですが、9ミリ角の目を通り抜けた雹がナシ表面を傷つけてしまったようです。収穫に影響がでなければよいのですが…。

蓮隠すあの木ハンノキ?気になる木

2007年05月14日 | ネイチャースケッチ
5月3日のブログに「sakura」さんが「手賀沼の水の中に生えている木はなクヌギ?」というコメントを寄せてくれました。その木はsakuraさんのHPで写真で紹介されています。

今日、現地を確認してきました。やはりクヌギではありませんでした。まず葉の形が違います。

これがクヌギの今の葉。葉の縁がギザギザしています。
         

こちらが現地で見た葉。縁は滑らかで丸い葉をしています。

         

確かに堤防の外、つまり沼側、水辺に生えていました。高さも10mはあるでしょうか。立派なものです。

         

ナシ屋とはいえ、そんなに樹木に詳しいわけではありません。図鑑やサイトをみてみたのですが、花も実も見つけられなかったものですから、結局、なんという木なのかわかりません。

生えている湿地環境からいうと「ハンノキ」という可能性があったのですが…

「ハンノキ」

『水位の高い湿潤で肥沃な土壌を好み、河川流域、湖畔などの水湿地に群生する。成長は早い。

関東地方などの水田地帯では、刈り取った稲を乾燥させるため、ハンノキをはさ木(稲架木、稲木ともいう)として列植されている所もあり、農村風物詩になっている。
 はさ木として用いたのは、水田化された湿地で本来最も典型的な樹木だったためである。ハンノキ-ヨシの群落は、世界の温帯以北の低湿地で最もポピュラーで典型的な群落である。』

なになに「はさ木」とな。手賀沼周辺でも刈り取った稲をかける「はさ木」があったのか。そうか「はさ木」の末裔かと感慨深く思っていたのですが、やはり葉の形が違うようです。ハンノキは縁がギザギザ、落葉樹です。この木は常緑であったような…。

というわけでsakuraさん。お尋ねの件、クヌギでないのは確かですが、今日の段階ではなんという木なのかはわかりません。でも興味深い木を紹介いただいてありがとうございました。HPもきれいな写真ばかりです。これからも美しい光景を記録していってください。

祖母のいる古偲ぶ新茶かな

2007年05月12日 | 夏の梨畑
新茶が出回る季節になりました。3年前に亡くなった我が家の曾祖母はお茶が好きで、とくに新茶を喜びました。

新茶の季節、ナシ畑にキノコが生えてきました。昨年はほとんど一年中、その姿がみられましたが、ラニーニャ現象で猛暑の予想される今年の夏ははたしてどうでしょうか。

水田原風切時々ヨシキリ

2007年05月11日 | 今年の納得米づくり
わが家の周辺の水田ではおおよそ田植えが終わりました。このひと月近く、エンジン音が響いていましたが、ときどきヨシキリの啼く声が響いてきます。

わが家の田植えは一週間後くらいでしょうか。納得米プロジェクト水田とわが家の自給米水田の2枚の田んぼでは今年も除草剤を使わない稲作を試みようとしていまして、一回目の代掻きから20日ほどたちました。田植えまでに雑草の種を発芽させ、二回目の代掻きでそれを土の中に埋めてしまおうというわけです。

         

実際は二回目の代掻きで新たな雑草の種が地表に出てくるので、簡単に抑草できるわけではありません。むしろ、二回代掻きをするのは早めに水を入れることで、田んぼの水中環境を安定化させるというのが、テキストにしている民間稲作研究所の稲葉さんの思惑のようです。

稲葉さんの田んぼでは一回目の代掻き後の田んぼには一面に藻類が繁茂するそうです。そういう状態になれば米ぬか抑草もほぼ大丈夫といいます。

で、上の写真がわが家の自給米水田の様子。でも藻類が繁茂しているのはほんの一部です。有機質肥料、無除草剤5年目ですが、まだ土作りが足りないようです。

雨蛙今やるべきをやりなさい

2007年05月10日 | 夏の梨畑
幸水ナシの定点観測その6。花が咲いて、ひと月して横径が2cmを超えてきました。十日ごとに定点観測しています。これまでの経過はそれぞれのページをご覧ください。

幸水の一次摘果作業が終わり、豊水に入ったばかり。摘果作業はまだ半分も終わっていませんが、まあ、焦ってもしようがありません。「今やるべきことをやるだけ」です。

今夕のラジオでスポーツ心理学の専門家がやる気を持続させるために大事なことはと尋ねられて、「今やるべきことをやるだけ」と答えていました。聞き流していたので、全体像は覚えていないのですが、心に残ったキーワードでした。

ムシの世はムシがムシ食む天の道

2007年05月09日 | 夏の梨畑
ナシ畑のカラスノエンドウの葉先でテントウムシが何かムシのようなものを食べています。自然農業を実践している人たちはムシはムシで抑えるというのですが、…。

           

摘果作業に下草が邪魔になってきましたので、二回目の草刈をしました。写真はその結果ですが、これで刈ったのっていう感じでしょうか。

それもそのはず、地表より5cm以上も高く刃先がくるように調整してハンマーモアを走らせました。枯れ草に見えるのは前回刈ったライムギが地表を覆っているところ。それをモアで剥がしたくなかったからです。

それでも土が浮いてきて、機械が土を引っ掛けるところがあります。黒く、土がみえるところ。地表を有機質で覆ってやり(有機マルチといいます)、その上を踏まなければ、耕さなくともひとりでに土が盛り上がり、やわらかくなるものです。

2メートルも伸びも伸びたり麦穂波

2007年05月08日 | 夏の梨畑
2mというのは大げさですが、ナシ畑の緑肥用のライムギで前回刈り残したものが1m7,80cmぐらいの背丈になっています。刈り残したものですから、ところどころにかありません。「穂波」というのも大げさです。

ほぼひと月前に出穂し、ここで開花し始めました。穂からおしべ?がぶら下がっています。開花の最盛期になると、飛び出てくる花粉でくしゃみ連発です。一時的に花粉症になります。

待つ長さ知らぬ蜘蛛こそあなかしこ

2007年05月07日 | 夏の梨畑
4月が寒かったためか、ナシ畑の中であまりムシ類を見なかったのですが、ようやく姿が見られるようになってきました。小さな蜘蛛があちこちで網をかけています。

         

例年ならアブラムシもそろそろ出てくるのですが、今年はまだ新梢の先もきれいなままです。シャクトリムシなどの食葉害虫(下の写真はカイコの仲間?)もときどき見かけるようになりましたが、殺虫剤を散布するのはもうすこし先になりそうです。

         

五月雨や二軒して見る草の花(一茶)

2007年05月06日 | ネイチャースケッチ
五月雨(さみだれ)とは梅雨の長雨のようですので、今日の雨は五月雨ではありません。二軒ではなく二人で見ていました。見ていたのは草の花ではなく、タケノコでした。

裏庭に出てみたらいつの間にかタケノコが伸びていました。はたして昨日は出ていただろうかと、娘と見ていました。

だから 「緑雨二人して見る竹の坊」 でしょうか。

千の風になりし君を引き継ぐ誰か育くむ務め背負いぬ

2007年05月04日 | わが家の時時
有機認証を取得していた知人が農業機械に関係する事故でなくなりました。ようやく時代が追いついてきたというのに、さぞかし無念だったでしょう。

ぼかし肥料づくりや土作りの基本など、いろいろと教えてもらいました。長女の職業体験でもお世話になりました。

後輩の彼が若い後継者たちの相談相手になってくれると期待していたのですが、代わる人材が育つまでには時間が必要です。

苗籾をスズメ散らかす八十八夜

2007年05月02日 | 今年の米づくり
稲の育苗プールには水を張り、ナシの防災網で覆っていたのですが、ちょっと気の緩みからネットの中にスズメが入り込み、苗をいたずらされてしまいました。覆土が足りずに籾の姿が見つかってしまったようです。

ネットをきちんと被せておいたら…。籾が見えないよう覆土がされていたら…。まったくお恥ずかしい限りです。

発芽玄米ならぬ、発芽籾。さぞかし美味しいんでしょねえ。スズメにとってはこの時期、お茶よりも苗籾がご馳走です。

五月来る選ばれし子等幼果なる

2007年05月01日 | わが家の時時
ナシ幸水の定点観測その5。着果した実の中からひとつだけ選択し、他の実を摘み落としました。摘果 (てっか)といいます。

選択基準には実の大きさもありますが、むしろ実の生り位置(これから大きくなっても枝などの障害物はないか)や軸の位置(何番目に咲いた花か。番数により実の形状の傾向が判断されます。早い番数の実は横に扁平した実になりやすく、遅い実は縦長の実になるとされています)の条件の方が優先されます。実の肥大はまだまだ取り返せる時期ですので、それ以外の素質をみて摘果します。

摘果作業は上向きのうえに両手を上げたままになります。足、腰、肩に疲労がたまります。これからひと月以上続きます。