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のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

倒れてもわが家を守る仁王立ちシンボルツリーも家族のごとし

2012年10月01日 | わが家の時時
台風17号が夜のうちに一気に通り過ぎていきました
“非常に強い”と形容されていましたので相当身構えていましたが、
ナシ関係には被害がありませんでした

が わが家の入口で毎年新緑のときに彩りを添えてくれていた
ベニカナメの老木?が強風で倒れてしまいました
株元をみるとすっかり朽ちていました
どおりでここ数年 花を咲かせていたわけです
今年は葉の様子もおかしくどうしたのかと思っていました

35年ぐらいの寿命だったでしょうか
普通どのくらいの寿命があるのかわかりませんが
わが家のシンボルツリーのひとつであったことには違いありません

倒れ方も立派です
道路をふさぐ方向ではなくわが家への入り口を遮断する向きに倒れていました
大きく枝葉を広げて西風の侵入を防いでくれていたのですが
朽ちてなお弁慶の仁王立ちのごと主を守っているかのようでした

実は隣のクリの木も老木になりましたので
ベニカナメを残しクリを切ってしまおうかと考えていましたが
クリはしばらく延命することに
これでナシを買いに来てくれたお客様へのクリ拾いのサービスも続けられそうです

40年の埃の下からよみがえる80年前の意地と心意気

2012年06月16日 | わが家の時時
6月11日よりわが家の農産物加工場のリフォーム工事が始まりました

10年前 道の駅直売所オープンにあわせて
かつて台所兼食堂だったところが小さな菓子加工室となり
その後 だんご製造機械などを導入して充実を図ってきました
子育て期も終了して さあ 女の自立充実期
これまでの菓子製造と新たなジャム・ソース製造の本格的な設備の整った
小規模な農産物加工場へ借金をしての投資です

工事業者が入る前の数日間は
加工資材の引越しやら積り積もった家財道具の整理に追われました

             

             

             

             

今回はかつての台所兼食堂だった部屋だけでなく
一時 三夫婦四世代が居間として使っていたところも対象
ここ40年ほどの間の生活空間をリフォームします

生活様式の変化に伴いリフォームにリフォームを重ね
ついには既存の建物はそのままに新たな家屋を建ててしまい
調度品を処分しないままいつの間にか埃がたまっていく
敷地に余裕のある農家にはよくあることですが
わが家はまさにそれ

今となってはゴミになってしまった身の回りの品々を処分することは
思い出の大きさに比例してエネルギーのいることです

かつての風呂の更衣室あたりに埋もれていた引き戸が出てきました

                

子ども時代から見慣れていた木製の引き戸です
高度成長期まえの昭和あるいは戦前の匂いがぷんぷん漂ってきます
もしかしたら80年前 わが家の創成期
はじめて家を建てたときからのものかもしれません

まだ使える もったいないと数度のリフォームを潜り抜けてきましたが
今回はこうして写真に残すだけにして処分してしまいました

明治生まれのわが家の初代曾祖母は
安物買いの銭失いといって良いもののほうが結果として得だよ
とよく話していました
じいさんばあさんも新宅だからとまわりからばかにされまいと
踏ん張って良い建具を注文したんだろうなあ
処分してしまって良かったのかなあと後悔のような
つい感傷的になってしまいました

花嵐娘の娘が里帰り

2012年04月06日 | わが家の時時
昨年 わが家から我孫子に嫁に出したニホンミツバチ

一年間無事に家族を養い増やしてきたようで
手賀沼トラストミツバチプロジェクトのメンバーが
昨日 巣の上で分蜂しているところを捕獲してきてくれました

捕獲されたYさんもにっこり
             

無事に一族が繁殖できているのか
こんな寒さで分蜂するのか心配していました
一群は分家を出せたと一安心していましたら
また今日 もう一群が出ていたということで関係者は二重のお慶び

我孫子がハチ一族にエネルギーを貯えさせる土地なのか
わが家から嫁入りした女王の遺伝子が優秀なのか
それとも無主物の影響で繁殖力が増したのか

いずれにせよ
人のいうことを聞いてくれるハチたちはかわいいものです


無主物をフリスク舐めてあぶり出す

2012年03月18日 | わが家の時時
オランダ国立計量局認証の放射線センサーを2500円で入手しました

ボランティアのエンジニア 科学者 デザイナーによる非営利プロジェクト
サーベイメーター(空間線量計)キットを
7県を対象に通常価格の半額にするというキャンペーンを行っています
(在庫がなくなり次第終了)

キットですから未完成品です
でも製作マニュアルはウェブサイトに詳しく載っています
スマートフォンが必要です
センサーとスマホをラインで結びソフトを立ち上げて使います

有料ソフトを使うとGPS情報と線量データを結びつけることができます
多くの人が参加することにより広域の線量分布図を共有することも

製品として完結している一般のガイガーカウンターとは異なり
この「ポケットガイガー」は
アプリの進化によって機能が追加される可能性があるのも魅力です

センサー部分をタブレット菓子の「Frisk」のケースに入れるように
作られているところもこのプロジェクトに共感できるところです

いつか帰る心を込めて身にまとう

2012年03月11日 | わが家の時時
あの日から一年
福島県いいたて村から避難している方々の手作り商品の販売会が
かしわのSデパートで10,11日の両日開かれました

避難生活の中でなにかできる仕事をという思いから
全国に寄付を呼び掛けて集めた古い着物を小物類やはんてんなどの商品に再生
デパート側と直接交渉して実現したといいます

             

昨秋だったか この運動を紹介され
わが家からもタンスに眠っていた古い着物を送っていました
まさかわが家の着物に再会することもないでしょうが
たまたま地元で販売会が開かれるのですから
自家製の串団子を差し入れにいってきました

デパートの他のフロアから
お客さんがみんな集まってきたかのような大盛況で
程度の差はあれ同じ無主物に冒された生活を送らざるを得ない
いいたてとかしわの市民同士が共感できた空間でした

大寒の炎も寒しみぞれ落つ

2012年01月20日 | わが家の時時
大寒を前に 東京で初雪というのに
悲しいニュースが飛び込んできました
薪ストーブの灰から放射性物質が検出されたというのです

あの日以前に山から切り出していたものの屋外に積んであった薪を
燃やした灰から検出されたといいますから
わが家のように木小屋に入れてある薪は
そういうことはないだろうと思っています

でも対象地域内の薪ストーブの灰は自治体が集めて
放射性物質を検査して自治体または国が処分する方針とか
千葉県もその対象にされていますので
お手数をおかけすることになります

食料もエネルギーもできる限り自給し
地域のなかでもおごらずその時々の役目を果たし
それでも授けられた能力を発揮する努力を重ね
末永く生き継いでいこうという希望が
また一つケチがついてしまったような気持ちです

捨て猫の名前のないまま年を越し

2011年12月31日 | わが家の時時
吾輩たちは猫である
でもまだ名は無い
しいて言えばオスとメスと呼ばれている…


わが家でもペットはずいぶん昔に犬を飼っていたのですが
不憫な最後になってしまい
それ以降飼うことをやめていました

この猫たちももとは捨て猫です
生まれたての二匹が腹を空かしてニャアニャアと連日泣いていました
野良猫の子ならいつのまにか姿を見せなくなるのですが
この子らはいつまでも泣いていました

祖母がかわいそうに思い餌をやりだすとすっかり慣れてしまい
いまでは植木鉢のなかで日向ぼっこをしています

右がメス 左がオス
メスの方がかわいがられ上手
腹をみせて撫でられゴロゴロとのどを鳴らせています
撫でている手を舐めてはもっともっとやってって感じ

オスは今でも警戒心はなくならず
隙あらば逃げて行きます
でもこの間 ネズミを捕ってきてじゃれていました
なかなか有望です

そんなわけでわが家の一員になりそうですが、
そこはオスとメス
ネズミ算ならぬネコ算的にねこ家族が増えても困ります

まあ 来年はこんなことぐらいの悩みで済ませていたいものです

今年は皆さまのご厚情とたくさんの励ましの言葉をいただきました
皆さまの新しい年が健やかでありますようお祈りいたします

我こそは悪人なれば救われん

2011年12月02日 | わが家の時時
今年は浄土宗の宗祖・法然の没後800回忌
その弟子の親鸞も没後750回忌
それにちなみ二人ゆかりの名宝展が開かれていたので上野に出かけてきました

冷たい雨の一日であったのにもかかわらず
会期も最終週に入ったこともあってか
会場は善男善女老若男女が列を作り熱気に満ちていました

実はこの夏にわが家に縁のある弁ねいさんのシンポジウムが地元でありました
そこに“大正の法然”というキャッチがついていましたので
法然という人はどういう人なのか どういう教えなのか
高校の日本史以上の知識がありませんでしたので
少し勉強してみようかと興味を持っていました

             

3.11以降
特に法然さんがブームを呼んでいるようです
平安末期から鎌倉期にかけての末法の世に天災や戦乱が重なった時代が
現代に通じているうえにさらに原ぱつ事故です
なぜ事故を防げなかったのか
自責の念に陥った現代人が「悪人正機説」に救いを求めている
という話にも説得力があります

このときの「悪人」とは
何か倫理的に悪いことをした人という意味ではなく
自分の中の「悪」に気がついた人のことで
みずから悟りを開けなくとも絶対肯定してくれる仏が
救いの手を差し伸べてくれる
そういう思想のようです

             

会場で法然を紹介する本を買ってきました
町田宗鳳『法然・愚に還る喜び 死を越えて生きる』2010.11 NHKブックス1168
松岡正剛『法然の編集力』2011.11 NHK出版

町田さんは20年間臨済宗で修行された後に渡米して神学を学び
いまは法然の研究者として活躍されているという方
一神教には信仰の中に「悪」を取り入れることはないが
闇の世界も信仰の中に取り込み
神を“完璧なる存在”でなく“完全なる存在”とすることで
精神を安定させることができるといった
心理学者のユングにも法然の思想は通ずるといいます

松岡さんは「悟りの仏教」から「救いの仏教」へ編集し直して
ただ一心に「南無阿弥陀仏」と称えれば往生が約束されるという
「専修念仏」を“選択”した法然の編集力に着目しています
そしていま「地震-津波-原ぱつ-被災-喪失-死者-家族-鎮魂-浄土
-南無阿弥陀仏-法然」という連想が切っても切れないといいます

どちらも文明のパラダイム・シフトに際して
法然の思想が大きな意味を持つのではないかと問題提起しています

さわりだけしか読んでいませんが
ああなるほどなあと思うことしきり
しかし どちらの本も大手メディアのもの
もしかして実はこのブーム
原ぱつ事故の責任論から眼をそらさせるためのワナ?

発言は大人の事情もかんがみて

2011年11月03日 | わが家の時時
わが家の母の書いたうるち団子の紹介記事が
雑誌『現代農業』2011年12月号に掲載されています
このブログではこれまでも何度か紹介している内容です

うそ偽りはないのですが紹介できないこともありまして
“大人の事情”といいますか“企業秘密”といいますか
さあこれから団子の季節です

百年の計は種まく人つくり

2011年11月01日 | わが家の時時
一年先のことを考えるなら籾を播けばいい
十年先のことを考えるなら苗木を植えればいい
百年先のことを考えるなら人を育てなければならない
みたいなことがよくいわれます

わが家の姉娘が代表で作ったこのフリーペーパーは
学生がアイドルを育てる情報誌になりたいのだそうです
『アイドルスポット』といいます
出来立てほやほやです

…“普通の青春”を代償にして創られた熱いステージの上こそ
アイドルが最も輝く瞬間
その一瞬を生で観て熱を感じてほしい…

アイドルを育てるのも人づくり?
それとも
生身の人間を使ったロールプレーイングゲーム?
なんてうがった見方もできそうですが
もしかしたら目標を見つけられない学生たちへ
熱くなれるものはこんなところにもあるんだよ
というメッセージなのかもしれません

あんな子に育てた親と気付かされ

2011年10月08日 | わが家の時時
学生団体のつくる食をテーマとするフリーペーパーです
創刊号はわが家の姉娘が編集長をしています

表紙の女の子はわが娘とは違います
こんなに美人ではありません 性格はわるくないのですが

創刊準備号までは団体代表もしていたそうですが
もう次のことがやりたくて代表を変わってもらったそうです
編集長も創刊号だけで変わってもらうそうです

まったく飛んでいる娘なので何をやりだすのか
はらはらでもあり楽しみでもあります

今年のナシDMは本日発送しました

2011年07月19日 | わが家の時時
例年 7月15日過ぎにわが家からナシのダイレクトメールをお送りしておりますが
今年は 本日19日にヤマト運輸のメール便にて発送しました

ご心配をおかけし たいへん申し訳ありませんでした

今年はわが家の母が加工部門で仕事を入れており
父も後継者君もなにかと野暮用があって事務作業が遅れておりました

数日以内でお手元に届く予定です
もし到着しないようでしたならご連絡ください

今年もよろしくお願い申し上げます


すぎの梨園

名物はあるないでなくつくるもの

2011年07月03日 | わが家の時時
2011年夏の滋賀・福井紀行その4

今回の本来の目的は福井市にある農産物加工所の視察
農産物直売所と同じ建物内にあって加工施設はJAが提供しています
野菜の出荷農家は兼業農家が多く納品数は少ないとのこと
その代わり花の生産者は比較的多く
切り花売り場が野菜の1/3くらいはあったかもしれません
お盆の三日間に17,000本の切り花が並んだこともあるそうです

             

農産物加工はJAが直接経営する餅部門と
JA女性部員が運営する惣菜・お弁当部門に分かれます

そして この加工所の主力商品はなんと“おはぎ”
平日でも早朝から作って直売所の商品陳列台に山と積んでも
お昼ごろまでにはほぼ完売
お彼岸にもなるとその3倍は売れるといいます

             

普通の幕の内弁当にもおはぎが一個入っています(タイトル写真)
おはぎのパック詰めも
3個 6個 10個入り(!)の3種類が用意されています

福井はおはぎをよく食べる風習のようなものがあるのか伺ったところ
まったくなかったとのこと
風習があるなら街の和菓子やさんでもおはぎを扱っていると思うけど
それもないといいます
これからはここの加工所発のおはぎ文化が根付くのかもしれません

さっそく試食してみるとおはぎの餡子は美味しいものでしたし
大きさもわが家の提供しているものと比べたら倍近い大きさ
それでいて価格も値ごろ
たしかに割安感はあります

たまたま加工部のメンバーのなかにおはぎの得意な方がいて
出品しているうちに確固とした評判を得るようになってきたといいます


平成11年に農産物直売所と農産物加工施設にJA支所も入った
この複合拠点施設建設の計画が持ち上がり
農産物加工施設を利用する女性部会員を募ったところ
各支部から複数のグループが手を上げたそうです
それを無理やり一本化せずに各グループ毎に施設利用日を決めて
加工グループの共同利用にしたところが想像を超えた判断です

平成13年に複合施設はオープンし
女性起業という言葉にも後押しされ
仕事のおもしろさに取り付かれた10年だったといいます
しかし
実績が積み上がるほど食品衛生管理等の問題も大きく問われるようになり
また 一方で参加メンバーの高齢化も課題になってきました
そこで各グループを一本化し
今年の4月には“企業組合”として新たな組織を立ち上げ
これから組織の活性化や後継者の育成を図っていきたいと
抱負を語ってくれました


その土地の名物とか名産とするためには
歴史や自然などから裏付けられる文化的背景が必要ではないか
と一般的には考えられると思うのですが
必ずしもそういうことが重要ではない場合もあって
人の情熱が紡ぐ物語からでも名物は生まれるという事例かもしれません

みな人の迷いの海は深くとも法(のり)の船にて渡す岸寺

2011年06月30日 | わが家の時時
2011年夏の滋賀・福井紀行その3

長浜から宿泊地の越前海岸へ向かう途中で寄り道
旧高月町向源寺(渡岸寺観音堂)の十一面観世音菩薩を拝観します

平安初期の作といわれ
均整のとれた体と胸部や大腿部の豊かな肉取り
腰を捻り片脚を遊ばせた体勢など
数ある十一面観音のなかでももっとも美しい観音様といわれています

十年前の2001年に一度拝観しているのですが
お堂が新しくなっていて
観音様のイメージが少し違ったような気がしていました

たまたま居合わせたご夫婦はもう十回以上も訪れているといい
やはり新しいお堂の照明が気になるらしく
管理人に照明の明るさや向きに注文をつけていました
二人は正面で正座ししばらく観音様と対話しているようでした

戦国期 浅井氏と織田氏の戦場になった時には
住民が観音像を地中に埋めて難を免れたともいいます
旧高月町や旧木之本町を中心とする湖北一帯は「観音の里」とも呼ばれ
この地域だけでも50体を超す観音が安置されているそうです

そんな歴史があるからか周辺の町並みは落ち着いた雰囲気が醸し出され
ゴミひとつ落ちていません
家々の屋根の色も壁の色も調和され電信柱の広告も見あたりません

             

湖岸を車で走っても落ち着いた自然景観が続いていました
たしか滋賀県では景観条例が早くから制定されいましたので
その成果が現実の姿として定着しているのかもしれません

手賀沼を囲む柏・我孫子地域のひとつのお手本が
ここにあるような気がします


タイトルは渡岸寺のご詠歌
写真は宿泊地の越前海岸から対岸の丹後半島を見たときの夕景