信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

アツモリソウ連綿と

2017年06月10日 | 山野草

山村の旧家の庭にアツモリソウが見事な花を咲かせています。
70歳代の方が子供の頃に家の裏山で見つけ、庭に移した1株の子孫だそうです。
この村で自生のアツモリソウが見られなくなって久しい昨今、感激の対面です。
地元由来の株が60年以上もこの庭で連綿と生きながらえていたのです。


裏山から移した後の株は母親が大切に育て、株分けをして増やしていったそうです。
ここには50株以上が育っていますが、知人などにかなりの株を分けたそうです。
60年もの間、育てるだけでもすごいことなのに、株分けでこれほど増やしたとは!
アツモリソウ栽培の達人お母さん、数年前に百歳目前で他界されました。


今になって、栽培と増殖の極意を教えていただきたかったものだと悔やまれます。
株の周囲はトタン板で囲まれていますが、おそらく獣よけだろうと思います。
用土は腐葉土を使っていたとかで、腐葉土が入った発砲スチロール箱がいっぱいです。
北側はシャクナゲに囲まれているので、冬の寒風からは守られていそうです。
東側から日が入り、上はモミジの木ですので夏の日中は木陰になりそうです。


茎の長さや太さ、葉の大きさや緑の濃さ、蕾の形や色艶などが見事です。
株は全て発砲スチロールに植えられていますが、住み心地は良いのでしょう。


裏山で最初に出会ったときは、不思議な花が咲いていると思ったそうです。
アツモリソウ(敦盛草)はラン科アツモリソウ属の植物で、花の形態は独特です。
特に唇弁は長さが4cm、幅が3cmほどと大きく目を引きます。
敦盛草の名は平家の武将、平敦盛(たいらのあつもり)に由来します。
流れや矢の防具として背負った母衣(ほろ)に唇弁が似ていることからついた名だとか。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ヤンマー)
2020-05-01 11:16:05
初めまして、ヤンマーと言います。
アツモリソウのその後はどうですか? 沢山栽培されてるとかで。

僕も2鉢だけですが、アツモリソウを育ててます。 栽培 5年目ですが、中々難しいですね。
何芽になれば、芽数が幾つになれば、株分けしますか?
うちの鉢では良くて3、4芽くらいですね。
アツモリソウ (信州自由人)
2020-05-02 04:44:57
ヤンマーさんコメントありがとうございました。
5年も栽培されておられるそうで、すばらしい。
山村の株は昨年うかがった時もきれいに咲いておりましたが、栽培の達人ばあちゃんが亡くなった後は株を減らしているような気がします。
株分けなどの栽培秘伝は残念ながら達人から受け継いでおりません。
Unknown (ヤンマー)
2020-05-05 10:00:57
そうですか、東北地方はアツモリソウの自生がある、あった?くらいだから、普通に発泡スチロールに腐葉土だけ
入れて栽培しても、良く増えると聞いたことがあります。
聞いたと言うかブログの記事で読みました。
東北地方でも余程環境が良ければ、秘伝もなく難なくアツモリソウを増やせるんでしょうか。

僕は広島県でアツモリソウ栽培なので、環境的には良くない条件が多いんですが、多分梅雨と猛暑ですが、
これをどう克服して行くか、楽しくもあり苦しくもありですね〜

一番大事なのは、株の状態ですね。 丈夫な株なら何とか栽培出来ると思います。
ネット等で売られてるアツモリソウは中々状態の見極めが難しいので、買っては枯らすこともありました。

本当に苦しいですよ、色んな意味でね〜
結構なお値段なのでね(笑)
Unknown (ヤンマー)
2020-05-10 08:54:24
改めて記事と写真を見返すと、感動すら覚えますね〜
「おばあちゃんとアツモリソウ」が偶然裏山で運命の出会いをし、共に同じ時代を過ごし、
やがて別れがやって来た。 出会いは別れの始まりというも言うから、必然の別れですが。
そしておばあちゃんの育てたアツモリソウが次の代に引き継がれて行く。

目に映るような光景ですね〜

僕もアツモリソウが大好きです。 他の植物とは別格ですね(笑) 最近また購入して計3鉢に増えました。
おばあちゃんがどう言う思いでアツモリソウを山から連れ帰り育てたかは分かりませんが、多分ですが、アツモリソウがその姿、形から他の植物にはない魅力を持っていて、山での孤高の姿がかえって寂しくもあり、その醸し出す姿、雰囲気に後ろ髪を引かれ、山から連れ帰ったんではと想像するわけです。

アツモリソウを西日本で栽培するのは本当に難しい植物なんですが、
この花が春に咲いたら、1年また頑張ろうって気持ちになるんですよ。 他の植物にはない特別な感情ですかね〜

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