信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

シソ科ヤマハッカ属

2020年01月04日 | 山野草

『近隣のシソ科』、年のはじめは、ヤマハッカ属のカメバヒキオコシです。
亀に似た葉と、葉汁一口で病の人も起き上がるというおめでたい名前です。


近隣で見られるヤマハッカ属の見分け方のポイントです。
一見よく似るこれらの仲間、花が咲いていればなんとか見分けられます。


ヤマハッカとヒキオコシは、上唇に紫色の斑点があり、萼歯の形がほぼ同じです。
花で見分けるには雄しべと花柱の様子で、ヤマハッカは下唇に中にあります。
ヒキオコシの雄しべと花柱は長く、花の外まで長く飛び出します。


こちらの3種は、花冠上唇に紫色の斑点がなく、萼は唇形です。
セキヤノアキチョウジは花冠が長い筒状で、特徴的な花です。
イヌヤマハッカとカメバヒキオコシの花は似ていますが、葉が全く異なります。
イヌヤマハッカとその近縁のコウシンヤマハッカは、ヤマハッカにもよく似ます。
上唇の斑点と萼での見分けとなりますが、いずれも小さいのでルーペが頼りです。
イヌヤマハッカ似のタカクマヒキオコシは、萼と花柄に腺毛を持つそうです。


この属で分果に毛のある種はクロバナヒキオコシのみですが、近隣では見ません。
萼の形は見分けのポイントですが、花が散った後の萼が分かりやすいです。


周辺も青紫色に染めるヤマハッカと、白っぽくみえるヒキオコシの全景です。


近づいて見る花穂、ヤマハッカとヒキオコシの花の雰囲気はかなり違います。


ヤマハッカの葉は広卵形で鋸歯が粗く、葉の基部は急に細くなり翼に続きます。
ヒキオコシの葉は長楕円形で鋸歯が細かく、葉の基部は円形で葉柄は明瞭です。


セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)、山野の木陰に繊細な草姿を見せます。
名の由来は、秋に丁字形の花をつけ、箱根の関所近くでよく見られたからとか。
似たアキチョウジは見ていませんが、本種より葉柄が短く萼歯は鈍頭だそうです。


カメバヒキオコシの葉ですが、葉の先が3裂し、中央裂片は細い尾状です。
近縁のハクサンカメバヒキオコシは、中央裂片が太く鋸歯があるとのこと。
タイリンヤマカッカの葉も3裂で、日本海側で見られ花冠が大きいとか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする