トウバナ属(クルマバナ属)のイヌトウバナです。
近隣で見られるトウバナ属の見分け方のポイントです。
小苞の長さでの見比べですが、差は顕著で分かりやすい特徴です。
クルマバナなどは小苞が長くて萼に達し、ふちには開出する粗毛があります。
小苞が小さい仲間は、花序の下から覗き込まないと小苞の確認ができません。
花や萼の特徴ですが、萼の毛や腺毛などの観察にはルーペが必要です。
本属は紛らわしい名前が多いので、下記のように一覧表にまとめておきます。
葉の裏の腺点の多少も見分けのポイントです。
ミヤマクルマバナですが、画像の株は山ノ内町の東館山高山植物園での撮影です。
本属の中では最も花が大きく、開花期には見栄えがします。
クルマバナはよく見かけ、車状に数段の仮輪をつける花穂は特徴的です。
似たヤマクルマバナは、花が白色系で、萼は紅紫色を帯びずに緑色です。
ミヤマトウバナは花序が長く、まばらな車状に何段もつきます。
イヌトウバナはミヤマトウバナに比べ花序が短く花が密につきます。
葉裏に腺点が多いことと萼に密生する開出毛は特徴的です。
トウバナは田の畔や湿りがちの道端で見られるそうですが、まだ見ていません。
特徴は、葉裏に腺点がなく、萼には短毛、花や萼は淡紅紫色を帯びるそうです。
ヤマトウバナはイヌトウバナに似ますが、見分けは、花序の付き方と萼の毛です。
ヒロハヤマトウバナも近隣にもあるようですので、お目にかかりたいものです。