そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





実写版の「ダンボ」。
ティム・バートン監督作。
さてどんな出来か?
公開初日にIMAX2Dで見てきたその感想。

うーん。
ティム・バートンの映画は「いいティム・バートン作」と「ダメなティム・バートン作」がある。
「バットマン」「ビートル・ジュース」「シザー・ハンズ」「ビッグ・フィッシュ」などは「いいティム・バートン作」で、「マーズ・アタック!」「猿の惑星」「チャーリーとチョコレート工場」アリス・イン・ワンダーランド」とかは「ダメなティム・バートン作」なのだが、これはどうかというと、僕にとってはダメな方だった。
星は1つ半。★1/2

元々のアニメ版「ダンボ」の話は、映画の前半3分の1ぐらいでとっとと終わってしまい、オリジナルストーリーが映画の大半を占める。
その後半のオリジナルストーリーがまったくもって無茶苦茶。
古典的なよくある話なのに、登場人物たちの行動起因となるバックボーンや感情の起因起伏などがまるで描かれていないので、当然のことながら感情移入がまったく出来ず、絵空ごとの空虚な物語がストーリーテラーの都合良くひたすら進むというお寒い展開。
ティム・バートンのダメなところが完全に出ちゃっているのだ。
だからダンボもまるで可愛く思えないし、母と引き離された悲しみも伝わってこないし、そのダンボを助けようと頑張るサーカス団員たちの動機もよく分からないし、マイケル・キートン演じる悪役がなぜそこまであくどい奴なのかも分からないし、とにかく出てくる人物の全て「なぜあんたはそういう行動に出てるんすか?」が描ききれていないので、ただもう空虚なの。
まぁファンタジーだから(子像が大きな耳で空を飛ぶって時点でリアリティなんてない)きちんとした人間ドラマなんてなくてもいいのかも知れないから別に良いのだが、だとしてももっと僕は、引き離された母象と子象の悲哀で泣きたかったし、ダンボが空を飛んだときのカタルシスで拍手をしたかったのだが、そんな感動も興奮も何もない2時間で映画は終わったのだ。
でも、ある意味これがティム・バートンでもある。
ティム・バートンは激しく当たり外れがあるのだ。
ほぼ最近は外ればかりだから、きついけどね(笑)。

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