そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





昨年(2022年)公開され、話題になった日本のインディーズ映画。
とある中小広告代理店の社員たちが全員タイムリープしているという設定で始まる物語。
友人づてに絶賛の評判を聞いていたのだが、劇場で見る機会が持てず、今回Netflixで配信がスタートしたので早速観てみた。
その感想。

実に良く出来たインディーズだった。
星は4つ。★★★★
本当に「素晴らしい」のひとこと。
1時間半弱と短い映画なので、騙されたと思ってNetflix加入者はこの作品、観たほうがいい。
新進気鋭の日本の映画クリエイターたちが、こんなに素晴らしい発想でよくありがちなタイムリープものを新たな地平に導いたことに感動すら覚えると思う。

確かにひとことで言えば「タイムリープもの」だ。
ある小さな広告代理店のオフィスを舞台に、ある1週間が永遠にグルグル循環を続けている。
この永遠に終わらない1週間を終わらせるためにはどうすればいいのか?というのが映画のタテ軸ではある。
だが、そこに徐々に現れてくる物語は「お仕事もの」であり「フェミニストもの」であり「輪廻転生もの」であり「中年親父の悲哀もの」であり、そして最後には「人生とは?」をきっちり突きつけてくるというとんでもない展開を見せる。
タイムリープものとして想像している範囲とは違う方向に大きく舵を切っていく後半、「ああ、そう来たか」と涙がにじむ。
この辺はネタバレになるのでなんとも言いがたいが、「アレを映画の中で映像で見せたこと」がまずクリエイターとして思い切っていて、僕なんかは目からウロコが落ちた。
なるほど、映画だけど(若干ネタバレだが)画と文字で見せていくのね……という思い切りの良さ。
この辺がこの脚本や演出の素晴らしさであり、他にはこんな映画観たことないので、そりゃあインディーズとして話題になるよなぁという感じである。
まぁ、何を言っているのか分からないと思うが、とりあえず観てみて欲しい。
Netflixに加入している日本人が、今いちばん見るべきソフトはこの「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」で間違いないと思う。

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