そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





シャーリーズ・セロンの女スパイもの。
ベルリンの壁崩壊直前の1989年の東西ベルリンを舞台にした冷戦スパイものだ。
公開されたので映画館で鑑賞。

この映画、評価が難しい。
「ユージュアル・サスペクツ」的な「カイザー・ソゼは誰なのか?」みたいな話が「ユージュアル・サスペクツ」同様の回想を織り込んだ構成で進むのだが、とにかく話が複雑に入り組んでて、登場人物も、登場人物名も多すぎて誰が誰なんだかよく分からなくて、前半とにかく混乱する。
「なんだこりゃ?もうどうでもいいや」と飽き始める頃、良いタイミングでシャーリーズ・セロンのレズビアンシーンなんかが始まるのでまた前のめりにさせられ、そのこうしているうちに、映画の後半、とんでもないダイナマイトが爆発する。
10分ぐらいワンカットで見せるアクションシーンがあるのだ。
シャーリーズ・セロンが女1人で男を15人ぐらい銃やマシンガンやナイフやワインオープナーや鍵や車やらでぶっ殺していくのだが、その一連の殺戮シーンがワンカットで進むという奇跡的な撮影(CGも使っているのだろう)で見せられてしまう。
シャーリーズ・セロンが男を次々とぶっ殺しつつ、自分も殴られ、壁に打ち付けられ、ガラスを打ち破り、血だらけ傷だらけあざだらけになっていくというハードなアクションがなんとノーカットでワンカット撮影なのだ。
コレはすごい、すごかった。
もう本当にどう撮影しているのか分からない。
スタントマンは使わず、シャーリーズ・セロン本人が演じてると思われる。
殺されていく男たちもスタントマンだとしても、ガチでやっていたとしたら大ケガしそうなそれこそ本当に死にかねないアクションばかりだし。
ガチのワンカットであれだけのリアルな格闘と殺戮シーンを作るなんて無理だろうから、たぶん止め止めで撮影したシークエンスをCGで上手に繋げてワンカットに見せているんだろうけど、凄すぎて呆気に取られた。
しかも何がすごいってシャーリーズ・セロンもただの超人ではなく、途中でだんだん疲れてきてハァハァ肩で息しながら力を振り絞って立ち上がりまた殺戮を繰り返すという、もうリアルなのだ。
もうこの10分だけで僕は「星5つだ〜!」となったのだが、映画全体でいえば星2つ半 ★★1/2、という感じの評価の難しい映画だった。
たぶんもう一度観ればいろいろ腑に落ちるのだろう。
二重スパイ、三重スパイ、みたいな映画なので、複雑なのだよ。
少し難しすぎるのだ。

映画全編通して、80年代のロックの名曲がかかる。
最後の曲はフレディ・マーキュリーとデビッド・ボウイの奇跡のデュエット曲「アンダープレッシャー」だ。
もうこの選曲だけで評価をプラスして星3つにしてもいいかも知れない。★★★

いや、しかし、あのワンカットアクションシーンを見るためだけにもう一度映画館に観に行っても良いかなぁと思うぐらいに、あのワンカットはしびれたのだった。
シャーリーズ・セロンは「マッドマックス」で完全に女アクションスターとして覚醒したね。

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