そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





もし自分以外の全人類がビートルズのことを忘れ果て、ビートルズの存在が全て消え去った世界が突然やってたきたら……
そんな面白い設定で「トレインスポッティング」や「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督が作った本作「イエスタデイ」。
ビートルズにそれほど詳しくないけど、有名な曲はひと通り知っていて、全く知識がないわけではない程度の僕が見てきた。
その感想。

あるシーンで泣いた。
そのシーンの存在だけで星4つ。★★★★
そのシーンを見て思ったよ、「ああ、ダニーボイルはこれがやりたかったんだな」と。
まさにビートルズ愛に溢れていた。
だから泣いた。
ズバリ言うと、泣かせる手段としてはとても卑怯だったりする。
でも気持ちは分かる。
ネタバレしないようにギリギリで書くと、タランティーノの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」と同じことをやっている。
これ以上は書けないので、そのシーンについては自分で映画館で見て確かめて欲しい。
そりゃ泣くよっていうあるシーンが後半に待っている。

映画全体としては、というかストーリー的には、ある意味無茶苦茶だ。
なぜビートルズの存在が全地球から消えたのかに合理的な説明などあるはずもないし、だからそのストーリーの終着点ははっきり言って破綻している。
合理的に映画を観たい人、きちんと納得したい人にはダメだろう。
言わばこの映画、「ネバーエンディングストーリー」や「ハリー・ポッター」級のファンタジーなのだ。
ファンタジーと割り切って観る以外に手はない。
そして、実に良く出来たファンタジーでもある。
そしてラブストーリーが主軸だったりする。
ラブストーリーしてはとてもオーソドックスで普通に良い。
ビートルズの知識があった方が絶対楽しめるし、しかも原曲の英語歌詞を分かっている方がさらに楽しめる。
とはいえ、そこまで知らないという人でも十分楽しめるぐらい名曲の数々が出てくる。
だってビートルズだもの。
誰もが一度は聴いたことのある曲しかないのだ。

ああ、泣いたシーンについてネタバレが書きたくて仕方ない。
なので、書く。
未見の人は絶対に読まないように。
ビートルズが少しでも好きなら、本当に読まないように。

以下ネタバレ






















この映画を見た人はあのシーンで泣いたか怒ったかどちらかだろう(笑)。
唐突に78歳のジョン・レノン(こっちの世界では殺されずに父の跡を継ぎ漁師として生存していた)が出てくる後半のシーンだ。
そんなん卑怯やん。
ジョンが生きてるなんて。
僕はこのシーンだけで涙腺崩壊した。
そうか、生きてたらジョンは78歳か……。
ビートルズにならなかったら、幸せに違う人生を全うしたジョン・レノンもいたのかも知れない。
でも、ジョン・レノンはビートルズの1人だったからこそジョン・レノンだったわけでもあって。
だけどあの日、凶弾に倒れる必要はなかったよ、確かに。
みんなは泣いた?
怒った?
僕は泣いた。

ジョン・レノン / イマジン (日本語訳付き)


忌野清志郎 IMAGINE


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