リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

BWV1003のリュート編曲(10)

2024年01月30日 18時49分58秒 | 音楽系

BWV1003の第1楽章グラーヴェを見てみましょう。

冒頭のバスはラから順番に下がっていきますが、ヴァイオリンはソより下の音がないので、3つ目からはオクターブ上がっています。

このようなバスの流れはリュートではよくあるのですが、リュートではファもミもきれいに響くバス弦がありますからオクターブ下げます。(マル1,2)ただ2小節目でレ→レ♯と動きますが、バス弦でレ♯を出すのは難しい(楽器によっては下に指板がないので物理的に無理です。私の楽器がそうですが)のでここはオクターブ上げます。レ→レ♯の流れをきれいに出すため、マル3も5コースで。

四角4、5はハ長調とホ短調のカデンツがあるところですが、リュート的な処理をしたいところです。また12小節目の冒頭はミのオクターブだけではなく、和音を入れます。(E minor の和音です)

具体的にどうタブに反映させるかは、上記以外のところも含めて次回にご紹介したいと思います。