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リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

懐かしの楽器たち(14)

2021年09月06日 14時20分17秒 | 音楽系
1988年にイタリアのウルビーノで開催された古楽講習会に参加しましたが、そこである受講生が持っていた楽器がとてもよく鳴るのに感銘を受け、製作家の名前を聞きました。

製作家はルーデス・モレーノ・ウンシージャという女性でした。早速手紙を書き(その頃はまだメールという便利なものはありません)リウト・ア・ティオルバートを注文しました。彼女は当時スペインのエルエスコリアルというところに住んでいましたが、現在はスイスのバーゼルのすぐ近くのフランスの街に住んでいます。

楽器が完成したのが1994年の秋ごろでした。完成間近になって彼女は近所に配送業者がいないので、取りにきていただくしか方法がないと連絡がありました。それならということでお正月を挟んで家族4人でスペイン旅行も兼ねて取に行くことに。もっともスペイン旅行と言ってもあまり日が取れなかったので、もったいないことにほとんど弾丸旅行でしたが。



ルーデス女史のスタジオ近くのホテルで出来たばかりの楽器を弾いているところです。

帰国して間もない95年1月29日には早速この楽器を使ってコンサートをしました。チェンバロ岡田龍之介、リコーダー古橋潤一各氏と私とで「ムジカ・レセルヴァータ」としてコンサートを開催しました。(現在のムジカ・レセルヴァータとはメンバーが異なります)会場は現在では閉館している名古屋市昭和区のスタジオ・ジミアです。録音が残っています。とても音がいい会場で、かつ専門のスタッフに録音していただいたのでとてもきれいな音です。

岡田氏と古橋氏のご厚意により、次回に何曲か録音を公開致します。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (やまねこ)
2021-09-06 17:54:57
こんにちは。
先生の表情、とてもいいですねえ。
良い楽器を所有することの満足感、喜び、音楽することへの力強い信念のようなお顔です。
やはり、新品の楽器というのは良いものだと思いました。
ルーデス・モレーノ・ウンシージャさんは、クラシックギターも製作されていたように思うのですが。大変な名器とも評判だったと記憶してます。
そういえば、ゲーストさんもクラシックギターを製作されていて、日本で見たことありました。繊細な音でよく通る音です。
リュート製作できる方はクラシックギターでもすばらしい作品を作られるのだなあと感心しました。
日本でもリュート製作されていて、クラシックギターも製作されてる方を知ってますが、そのギターも遠達性豊かなすばらしいものでした。
音に芯があり、近くで聞くと大きくは鳴らないようにも感じますが、遠鳴りするのが特徴でした。
リュートとクラシックギターでは、そもそも構造設計は違うと思いますが、良い楽器のツボというものを、心得られているのだと思います。
弾き手とともに成長し、真価を発揮させられるように楽器負けしていられません。私も頑張らないと・・・。
リュートにしても、クラシックギターにしても、右手のタッチというのは本当に奥が深いです。
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re (nakagawa)
2021-09-07 00:07:09
彼女はもうかなり前にリュートの製作を止めて現在はギター製作家として活動しています。彼女が製作したリュートは数が少ないだけに、とても人気があります。デュルビーよりさらに板が薄いので故障が多い楽器ですので、「健康な」楽器はひっぱりだこでしょう。
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