ラース・イェンソン(Lars Jönsson)の楽器が到着して3ヶ月あまり経ちました。( Jönssonって日本語の表記が難しいですね。大体スウェーデン語知らないし・・・)なんか少し弦高が高くなってきたなと思って計測して見ました。買ったときは、1コース7フレットにおける指板と弦のトップ間は3.5mmでしたが、今回は4.5mmでした。
最近音が全くびびらなくなった代わりに高いポジションの弦が弾きにくくなった感じがしていましたが、1mm弦高が上がった訳です。これ以上高くならないのを祈りますが、5mm超えてくるとちょっときびしいです。弦のビビリとの関係がありますので、あまり低くする訳にはいきませんが、3.5mm~4.0mmくらいがちょうどいいバランスのところかなと思います。
2005年にモーリス・オッティジェーに作ってもらったバロック・リュートも、2011年のレコーディング時点では5mmを超えていて(6mm近くあったかも)とても演奏が大変だった記憶があります。
あと、高温多湿の日本の夏を過ごしているので、リブの塗装にいつも注意する必要があります。ということを今までの経験から充分わかっているのですが、ものの10分も油断して演奏していると、体温と湿気のため塗装が傷みます。あるいは5月の始めに、一日楽器を弾かなかった時がたまたま急に暑くなったときで、ケースに入れっぱなしにていたために、塗装が傷んでしまいました。
自分の体とリブの間にタオルとか布をはさんで弾いても、実は布系の素材は断熱、断湿がないのでやられてしまいます。そこで断熱+断湿のある素材を探しに東急ハンズに行ってきました。さすがハンズ、いいのがありました。2mm厚の合成ゴムシートに、接着剤付きの0.2mm厚の合成ゴムシートをくっつけます。暑い方のはスポンジ状になっていて断熱効果があります。薄い方は固い素材で湿気を全く通さず触るとひんやりした感触です。(多分耐水性があります)
すべり止め効果がとても高いので、足代を使わなくても楽器がホールドできるという二次効果もありました。音のことを考えるともう少し小さくてもいいかなという感じがしますが、実際に楽器に圧着する部分がそんなにないため、音には影響はありません。でももう少し小さくてもいいなか。(笑)
この手の素材を楽器に圧着させるのは慎重に行わなければいけませんが、シリコン系の素材のように密着するわけではないので、大丈夫のようです。今のところ長時間演奏してもOKです。もっとも圧着するところは既に塗装がやられている部分なので、変化が見つけにくいだけかもしれませんが、少なくとも新たにやられた部分はありません。
秋口になると多少は気を遣わずに済みますし、来年の夏を過ぎるとほぼ塗装も完全に硬化してくるのでそれ以降はそこそこ気をつけるという程度でOKです。ヨーロッパの製作家に新しい楽器を注文して、それがこちらに届くのが夏だと最悪です。今回の場合は、4月に届いたので到着時期に関しては問題はありませんでしたが、こっちに到着するのは10月後半というのが一番いいでしょうね。日本に到着時期の問題もありませんし、次の夏まで充分時間がありその間に塗装がある程度硬化しているでしょうから。
最近音が全くびびらなくなった代わりに高いポジションの弦が弾きにくくなった感じがしていましたが、1mm弦高が上がった訳です。これ以上高くならないのを祈りますが、5mm超えてくるとちょっときびしいです。弦のビビリとの関係がありますので、あまり低くする訳にはいきませんが、3.5mm~4.0mmくらいがちょうどいいバランスのところかなと思います。
2005年にモーリス・オッティジェーに作ってもらったバロック・リュートも、2011年のレコーディング時点では5mmを超えていて(6mm近くあったかも)とても演奏が大変だった記憶があります。
あと、高温多湿の日本の夏を過ごしているので、リブの塗装にいつも注意する必要があります。ということを今までの経験から充分わかっているのですが、ものの10分も油断して演奏していると、体温と湿気のため塗装が傷みます。あるいは5月の始めに、一日楽器を弾かなかった時がたまたま急に暑くなったときで、ケースに入れっぱなしにていたために、塗装が傷んでしまいました。
自分の体とリブの間にタオルとか布をはさんで弾いても、実は布系の素材は断熱、断湿がないのでやられてしまいます。そこで断熱+断湿のある素材を探しに東急ハンズに行ってきました。さすがハンズ、いいのがありました。2mm厚の合成ゴムシートに、接着剤付きの0.2mm厚の合成ゴムシートをくっつけます。暑い方のはスポンジ状になっていて断熱効果があります。薄い方は固い素材で湿気を全く通さず触るとひんやりした感触です。(多分耐水性があります)
すべり止め効果がとても高いので、足代を使わなくても楽器がホールドできるという二次効果もありました。音のことを考えるともう少し小さくてもいいかなという感じがしますが、実際に楽器に圧着する部分がそんなにないため、音には影響はありません。でももう少し小さくてもいいなか。(笑)
この手の素材を楽器に圧着させるのは慎重に行わなければいけませんが、シリコン系の素材のように密着するわけではないので、大丈夫のようです。今のところ長時間演奏してもOKです。もっとも圧着するところは既に塗装がやられている部分なので、変化が見つけにくいだけかもしれませんが、少なくとも新たにやられた部分はありません。
秋口になると多少は気を遣わずに済みますし、来年の夏を過ぎるとほぼ塗装も完全に硬化してくるのでそれ以降はそこそこ気をつけるという程度でOKです。ヨーロッパの製作家に新しい楽器を注文して、それがこちらに届くのが夏だと最悪です。今回の場合は、4月に届いたので到着時期に関しては問題はありませんでしたが、こっちに到着するのは10月後半というのが一番いいでしょうね。日本に到着時期の問題もありませんし、次の夏まで充分時間がありその間に塗装がある程度硬化しているでしょうから。
日本製はどうかわかりませんが、舶来製の高価な楽器で、弦高が上がってくることだけは我慢なりません。結局、胴板を削ったり、貴重なエボニー指板を削ったりで・・・。
私も1本だけ所有するのがあるのですが、古い物なので、落ち着いていますが、そのまま固定化したようです。今更、修正もしないことに決めきっていますが。
リュートというのは、その出現時代からそうだと思いますが、修理補修調整するのが前提のような代物だったのでしょうかねえ。
クラシックギターのほうがまだ頑丈で心配入らずです。
この猛暑、多湿(最近、日本は亜熱帯化しつつあるとか)な環境下で、そもそもリュートを健康にずっと保持するのは至難なんでしょうね。
24時間完全エアコンディション付き専用保管室など家に装備できれば別でしょうが・・・笑。
弦高についてですが、私のは2本とも日本製でそれがどれ位影響しているのかわかりませんが、ほとんど弦高の変化を感じていません。まだ制作して4年と6年ですから今後は分かりませんが。
塗装に関しては日本の気候はより厳しいのは確かです。だからといって音に直接かかわる部分であれだけの面積を合成塗料で塗るのは相当クオリティが落ちるのを覚悟せねばなりません。
弦高に関しては、製作したばかりの状態から半年くらいはある程度大きく(といってもせいぜい1ミリですが)変化するものですが、その後は安定していきます。弦高の変化が全くないようにするには、表面板を相当厚くするなど相当構造を強くしなければなりませんが、そういうことをすると楽器として音が鳴らなくなります。
弦高が高くなってきて弾きにくくなってきたら調整すれば済むことです。塗装に関しては2シーズンも過ぎれば硬化して合成塗料と同じレベルになります。クラシック・カーに乗るには(もちろんそれが新車のときであっても)絶えず調整していなければならないのと同じです。リュートは自動車よりはずっと古い時代の産物です。
ヨーロッパで育ったリュートを日本の気候にローカライズするとバランスが大きく崩れてしまうということは知っておかなくてはなりません。
ヨーロッパの一流の製作家によるリュートであればしっかりと作られているので、毎日可愛がっていればそれほど面倒のかかるものではありません。さきほどクラシックカーの例を出しましたが、それよりははるかにメンテは楽です。(クラシックカーを所有したことがないのであくまで想像ですが・・・(笑))
ルネサンス・リュートは構造的にとてもバランスが取れていて故障は滅多にしないですが、バロック・リュートはルネサンスより広い表面板にクラシック・ギターの1、5倍近い総張力の弦を張るのですから構造的にかなり厳しい楽器です。それでも昔の製作家は沢山の試行錯誤の結果それなりのバランス点を見出したのが現存しているバロック・リュートであり、それを研究して自分のものにしたのが現代の一流製作家の楽器です。彼らがなぜそうしているかはよく考える必要があります。やはり楽器というのは鳴ってナンボですから。
コメントからずれますが、イェンソン氏作のリュートに張られていたフロロカーボンからローデドナイルガットに張替えましたが比較した感じとしまして、音色、音の立ち上がり、音の太さ、音の明確さ、音の張り等、少し具体的にお話し願えませんでしょうか。
ただ問題がひとつあります。それは「切れる」ことがあるということです。全てのゲージでプッツンプッツン切れまくるというわけではありませんが、新品を張っている途中に切れてしまったり、太い弦が2ヶ月後にぷっつり切れるということがありました。このことについてアキーラに切れた弦の現物やそれに関する情報を送りまして、調査してもらっているところです。7コース以下のバス弦で、ガットを含め弦が切れるというのは普通はありません。アキーラ社の方でそのうち改良した製品が出てくるでしょうけど、現状でも困るというレベルではありません。(私自身はコンサートでの使用は切れるという前提でしっかりと予備の弦を持って臨みますが)多少の覚悟さえしていれば、得られるメリットは大きいです。
リュートは1970年頃より弾いて(いじつて)いますが当時のガット弦は、なんだこれ、という感じで又、ピラミッドの巻き弦はギターを指頭で弾いたような感じに聴こえました、カーボンは
中川先生のホームページを見て私も早速、真似を しましたが結果は上々でした、ありがとうございました、ただヴァイスのジーグのようなバスの声部が連続するような箇所ではもう少し明確なバス音が欲しいと思っていた次第です、
切れる(折れる)リスクを考えてもローデドナイルガットは張る価値があると思いました、ありがとうございました。
又、ご質問させて下さい。
(老弾さま)
中川先生に教えて頂いた通りに貼ったナイルガット、ローデドナイルガットで録音してみましたので演奏はともかく、響きは少し参考になるかもしれません。低音は少ない曲ですが。。。