リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュート教室発表会

2007年05月24日 13時02分05秒 | 音楽系
恒例のクラッセン・シュトゥンデ(教室の発表会)も無事終了いたしました。現在桑名教室と名古屋のミューズ教室と合わせて14名の生徒がいます。そのうち休会されている方が2名、当日都合が悪く来られなかった方が2名いましたので、10名の方に参加して頂きました。発表会は一般に公開をしているので、一般の方も何人か来て頂きました。

去年よりも参加生徒の数が増えて嬉しい限りです。ギターとか他の楽器と異なり、圧倒的にすそ野が狭いリュートで10数人生徒がいるのは本当にありがたいことです。愛好者が最低に見積もっても10倍はいるギターだと、ギター教室に生徒が140名いるのと同じくらいですからね。(ま、変な計算ですが(笑))

現在のバロック音楽の浸透ぶりから考えると、20数名から30名くらいは行っても不思議ではないと思いますが、このくらいの人数がこちらも限界でしょう。

今回の発表会では昨年から継続している方が大半だったため、明らかに着実なレベルアップを感じました。技術的な向上もありますが、何より音楽表現がより豊かになってきているということを感じました。私の教室の教材は入門から初級レベルにかけてはほとんどオリジナル教材を使っていますが、ますます豊かな表現力のための作編曲に力を入れていく必要性を痛感しました。

今回は、「いい楽器と出会うために」と題して楽器選びに関するレクチャーをしました。リュートはいい楽器が作られ始めたのが80年代以降(基本的に古楽器はだいたいそんな感じですが)なので、それ以前に作られた楽器はとんでもないのが結構あります。もちろん70年代のニコ・ファン・デア・ヴァールス、ファン・デ・ゲースト、スティーブン・マーフィ、マティアス・ドゥルビーなどは大変すばらしく現在も使っている奏者もいます。マーフィは11コースバロックをスコラで借りて使っていたことがありますし、今村さんはドゥルビーのテオルボを通奏低音で使いまくっています。でも旧東ドイツ製のG・Rとか日本のA社とかN氏の楽器のようにとんでもないものもまだあった時代です。

そういった楽器が結構ヤフーなんかのオークションに出されていて20何万で落札されるんですよね。全く唖然としますが、そういった悪徳商売まがい(20万の価値は全くないですから)につられないよう、正しい「商品知識」をつけていただこうということで、レクチャーをしたわけです。

クラッセン・シュトゥンデでは私のミニ・コンサートも行いましたが、実はそのあとにCD鑑賞会と懇談会も予定していたんですが、レクチャーが終わった時点で予定の5時30分をすぎていましたので、それは出来ませんでした。来年はもう少し時間配分や内容を工夫して、懇談会までもっていきたいですね。一般の方のご来場大歓迎ですので、来年もしよろしかったらぜひ皆様こぞってお越し下さい。時期は5月の第3日曜日あたりです。