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Win-Winの共生

2008-08-20 07:02:00 | Weblog
共産政権の崩壊は、“経済戦争”が遠因であって、
西ドイツのBMWと東ドイツのトラバントを比較して、
「計画経済は、市場経済に負けた」という反応を、
東ドイツの市民にみたことを伝えた。
民主主義のない共産党の一党独裁は、
結局、市民を幸せにしなかった。

「計画経済は、市場経済に負けた」という反応は、中国では、
故小平(とうしょうへい)最高指導者の言葉に表れている。
「数十年も革命をやり、30年あまり社会主義をやっているが、
1978年現在、労働者の月給は600円しかなく、
農村の大多数が相変わらず貧困状態にある」
国として、“売れるものがない、売れない

1978年に来日した故小平は、
日産、松下電器、新日鉄を視察し、新幹線に乗って、
「“近代化”とはこういうことなのか。“モデルは日本”」
として、“改革・開放政策”による近代化建設を進める。

計画経済から市場経済に移行するが、
「市場経済に移行して、きょうから西側と同じ生活ができる」
と、急にはうまくいかない。
「お上に逆らわずに、決められたとおりに働いていれば、給与はもらえる」
という、半世紀も続いた無気力状態から、
「“デファクト・スタンダード(実質的な標準)”になるために、
あるいは、世界一の製品を創るために、
改善、開発をして、利益をあげて、給与をかせぎだす」
というようには、意識は急に変えられない。

そうすると、必要なものは、海外からの援助である。
資金援助”と“技術援助”、それに、“教育”である。
1978年、日本は中国と日中平和友好条約を結んでから、
中国への政府開発援助(ODA)は3兆円以上になる(外務省)。
中国に対する、この3兆円以上の日本の援助額は世界一である。
資金協力を合わせると、6兆円を超える経済援助をしている。

北京の新国際空港。

日本の政府開発援助ODAによって建設された。
上海の浦東国際空港や敦煌空港、北京の地下鉄……なども、
日本の政府開発援助ODAによって建設された。
(さらに詳細は、外務省のホームページで)

つぎに、日本は国費留学生の拡大政策で、
多くの中国人留学生を受け入れている。
留学生が、信州大学から公表されていて(2008年)、
1)中国184名(55%)、2)韓国42名(12%)、3) ベトナム17名(5%)、
4)バングラディシュ14名(4%)、4) モンゴル14名(4%)、
その他64名、合計335名である。
自分のこれからのため、そして中国のこれからのために、
能力を身につけようと、慣れない環境の中で学んでいるが、
目つきが違うんだろうな?

中国人留学生は、高度な技術経済知識文化を授けられ、
若手技術者や経営者として育っている。
そして、そのまま日本に在留する人を含めて、
毎年数千人の中国人が日本に“帰化”している。
「来るもの拒まず。日本人になるならば」
は、どこの国でも、外国人を受け入れる条件である
日本で、力を発揮してほしい。

さらに、民間企業は技術移転をし、産業を育成し、
市場経済の経営を指導して、
雇用の機会を生み、市民の生活を向上させている。
売れるものがある、売れる”ようになった。

日本の“資金援助”と“技術援助”、そして“教育”が、
中国の近代化と市民の生活向上に貢献したことに対して、
中国の要人が、“日本に感謝”する言葉がある。
1)故小平(とうしょうへい) 最高指導者
「少ない金額ではない。中国人民を代表して、心から感謝したい」

2)温家宝首相(2007年4月来日、国会演説で)
「中国の改革・開放政策と近代化建設は、日本政府と国民から
支持と支援を受けた。中国人民はいつまでも忘れない」

3)胡錦濤国家主席(2008年5月来日、早稲田大学で)
「中国の近代化建設において円借款を提供し、インフラ建設、
環境保護、エネルギー開発、科学技術の発展を支え、
積極的な役割を果たした。日本の方々が中日友好のために
心血を注いでくれたことを、中国の人民は永遠に忘れない」

日本は、どちらもが勝者である“Win-Winの共生”を進めてきている。
先に進んだ日本は→援助し→双方が成長し→日本はさらに先に進み→
つぎの目標となるという、Win-Winの共生である。
日本の政府開発援助ODAや技術援助、教育は、
中国のほかにアジア、アフリカ、東欧……と世界に広がっている。

北京オリンピックの開会式を、NHKのテレビ放送でみたが、
壮大だった。中国の隆盛を世界に知らしめた。
開会式の費用が500億円、といわれている。
演技者一人ひとりの表情が生き生きとしている。
――中国人の、あの生き生きとした表情は、
どこからくるのだろうか?
「中国を発展させるんだ! 国威を世界に見せつけるんだ!」
という、気迫がほとばしっている。

世界から批難されている中国の“問題点”を、一時忘れさせる。
チベット自治区や新疆ウイグル自治区など、五独の“人権問題”、
共産党の一党独裁による“民主主義の抑圧”、党官僚による“腐敗”、
環境破壊”、“貧富の差”、“検閲による情報操作”……。

NHKの北京オリンピックのテレビ放送で、ゲストの谷村新司さんは、
「中国の国と人たちは、世界には違う考えもあることを知る機会になる」
という趣旨のコメントをされている。
これは、世界の人の考えていることを代表したものだ。
世界は、中国がいつ民主主義に移行し、問題点を解決するのか?
胡錦濤国家主席の政策である、急激な近代化建設から、
調和的な発展に、注目している。
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