季節の変化

活動の状況

イギリス人を喜ばした長野オリンピックのトーチ・ランニング

2008-04-29 08:43:26 | Weblog
2000年シドニー・オリンピックで、画期的なシーンがあった。
迫害されてきた先住民族のアボリジニ、
キャシー・フリーマン聖火の最終ランナーであった。
1998年長野オリンピックの開会式で、ジーンとくるシーンがあった。
地雷の撤去作業中に、片脚を失ったイギリス人のクリス・ムーアが、
長野の小学生に囲まれて走るトーチ・ランニングをした。

クリス・ムーアの写真をみつけた。
長野オリンピック・パラリンピック10周年記念として、
2008年2月17日に、サッカー解説者の宮澤ミシェルさんほかを交えて、
「スポーツとまちづくりシンポジウム」が、長野市の若里市民文化ホールで、
開催されたときに、感激のシーンの一つとして掲げられたものである。


感激のシーンをみたのは、ロンドンのゴルフ場であった。
スタートまで時間があったので、クラブのカフェテリアでハンバーガーを頼んだ。
歓声が、となりの部屋でテレビを囲んでいるイギリス人から上がってくる。
--朝早くからゴルフの放送はないから、なんだろう?
と、イギリス人のうしろからながめると、長野オリンピックの開会式である。
クリス・ムーアが、地雷で失った脚に義足をつけて、聖火を掲げて走っている。
「脚は痛まないだろうか?」
と、イギリス人は胸をつまらせ、感激し、喜んでいる。
そして、うしろの私をチラチラと振り返る。日本人は一人だけ。
--祖国、日本は味なことをしてくれる。
と、私は低い鼻高々である、嬉しくなる。

「ハンバーガーのお客さん、できた!」
と、いつもなら、大声で言われるから、
のこのことカウンターへ取りにいくが、
「ハンバーガーとコーヒーをお持ちしました」
と、この日は、テーブルまで運んできてくれた。
クリス・ムーアのトーチ・ランニングは、イギリス人を喜ばせたが、
私も祖国の粋なはからいの恩恵にあずかった。

中国政府は、チベットのダライ・ラマ14世側と対話することに踏み切った。
中国にはチベットを含めて五独という独立運動が盛んな自治区がある。
チベットのほかに、新疆ウイグル、台湾、カザフ、内モンゴルの五つで、
この五独や、新疆ウイグルで体験したことを自費出版した、
『世界がみる日本の魅力と通知表』で記載している。
さらに知りたい方は、参考にしてください。

北京オリンピックでは、五独によるトーチ・ランニングをすれば、
画期的なシーンとなる。2000年シドニー・オリンピックのように。
自治区との対話が進んでいることを、世界に伝えることができる。
五独も喜び、世界も喜び、中国も見直される。

長野の聖火リレーで、赤い帽子は日本の警察官、
ランナーのそばで聖火の引継ぎを見守る2つの白い帽子は、
中国から派遣された警備スタッフ。ピリピリとした異様な雰囲気だ。


北京オリンピックの開会式では、これらの警察官と警備スタッフを、
五独の小学生の伴走に代えれば、長野オリンピックのように、
なごやかなものになる。そして、画期的なシーンとして残る。
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北京オリンピックの聖火リレーはH型の陣容

2008-04-28 09:15:26 | Weblog
2008年北京オリンピックの聖火リレーを、
長野で目の当たりにすることができた。
朝の9時50分、待つこと2時間ちかく、
気温は12度くらい、寒い。体が冷えてきたが、
聖火リレーが近づいてきたことは、
調査のパトロール・カーが巡回してきたことや、
空を舞う4機のヘリコプターが上空にきたこと、
中継地点に搬送車がきて、つぎのランナーが
トーチを持って降りてきたこと、などでわかった。

そして、交差点を曲がって、聖火リレーの一群が見えてきた。
「きた、きた!」と興奮した。静かに、ゆっくりと近づいてくる。


上から見ると、H型の陣容で、聖火ランナーはそのHの横棒の中央にいる。
カメラ・クルーのトラックが、Hのくぼみを走って聖火ランナーを写す。
警察官は2重で、外側は背が高く青いシャツに黒いスラックス、黒い靴、
内側は白いスポーツ・ウェアに白いランニング・シューズ。
100人ほどが聖火ランナーを取り囲む。


警察官の目は、沿道の観衆に、不穏な動きがないか、注力している。
「どれが、聖火ランナーだ!」とカメラを構えたが、
2重の警察官に取り囲まれて、よくわからなかった。
夢中で押したカメラには、青いシャツの警察官の2番目のうしろに、
聖火ランナーが小さく写っている。

中継地点にくると、ピタリと止まり、H型のシッポはすぼまって、
後方からの進入を防いだ。そして、警察官はクルリと沿道に顔を向けた。
その中で、聖火の受け渡しが行われた。


新しいトーチに聖火がともると、沿道の中国人留学生や
長野の市民から歓声が上がった。
H型は、また前を向いて走り始めた。警察官は訓練された警備を整然と行った。
すでに、何件かの妨害を防いで、聖火リレーを守ってきている。

北京オリンピックの聖火リレーは、和気あいあいの歓迎ムードというよりも、
なにが起きるか予想ができない、ピリピリした雰囲気の中で、ぶじに通過した。
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北京オリンピックの聖火リレー

2008-04-27 07:40:08 | Weblog
オリンピックの聖火リレーを、実際に見たい。
2008年北京オリンピックの聖火リレーが、長野である。

朝の8時前、長野駅から善光寺へ向かう参道の交差点で、
場所を確保して待機している中国人留学生と、
横断歩道を渡ってきたチベット支援グループがすれ違った。


右側の中国人留学生は赤い服を着て、大きな国旗を掲げている。
左側から、チベット支援グループが、ダライ・ラマ14世の旗を先頭にして、
チベットの国旗を掲げて横断歩道を渡ってきた。
中国で、このチベット国旗を掲げれば、独立の意思として実刑になるという。
互いに向かい合ったが、いざこざは起こらなかった。

聖火リレーは、長野運動公園に近い中継点で見ることにした。
ここは、長野の中心街を外れているから、静かだろう。しかし、
応援する中国人留学生の多さと、通りをへだてて呼応しあう叫びに圧倒される。


中国人留学生、長野市民、警察官、ボランティアの4態。
「ジアヨウ・ベイジン(加油北京)」と、言っているが、
ジアヨウとは、なんの意味か、中国人留学生(女性)に聴いてみた。
「がんばれ、という意味です。がんばれ北京、と言ってます」と、答えてくれた。

長野の市民に、沿道の様子を聴いてみた。
「中国人留学生は、適当な人数が、沿道の各所に配置されている。
大きな旗や印刷された横断幕は、支給されたのでしょう?
東京からバスで来て、2,000円が個人負担というから、
あとは、在留している中国人の支援もあるのでしょう?」

警察官に、聖火リレーを待つ沿道の雰囲気を聴いてみた。
「今回は異様です。10年前は長野にいたが、そのときは歓迎ムードでした。
そのあと、転勤で長野から離れたが、今回は動員がかかりました」

ボランティアが中継点で、資料をみながら確認しているので、
だれがここを走るのか、聴いてみた。


「まったく、知らされていません。ランナーを乗せた車が、中継の直前に来ます。
車から降りてくるまで、だれが走るのかわかりません」

沿道で、さまざまをみました。国際情勢の圧縮のようだ。
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ケニアのテグラ・ロルーペ

2008-04-22 08:25:31 | Weblog
ケニアの選手が、第10回長野マラソン(4月20日)に出場する。
ケニアの選手をみたいから、前日から長野へ入った。

ケニア人の男子はネファト・キニャンジュ(30歳)と、
エリック・ワイナイナ(34歳)。2人とも長野マラソンで優勝している。
女子はテグラ・ロルーペ(34歳)である。

拙書、『世界がみる日本の魅力と通知表』で、ケニア人が、
東京箱根間往復大学駅伝競走で大活躍していること、
女子のテグラ・ロルーペは、ケニアの西にいる足が速いカレンジン族の
少数民族ポコトの出身で、マラソンの女王であること、などを書いた。

そのケニア人を、スタートから17キロにあるエムウェーブで待ち構えた。
男子がきたが、先頭集団10数名は、目の前をサーッと走り去った。
夢中でシャッターを押したが、ネファト・キニャンジュは黄色のゼッケン1から、
先頭の右端だとわかった。脚が長く、たしかにムダがない身体だ。

鮮明な写真でなくて、ごめんなさい。
結局、このネファト・キニャンジュが優勝した。長野マラソン3連覇である。
もう一人のケニア人、エリック・ワイナイナは13位であった。

女子のお目当ては、もちろんマラソンの女王、テグラ・ロルーペである。
サワサワと走ってくるゼッケン51を見たから、夢中でシャッターを押した。

大きく感じた。身長153、体重39キロとは思えない。
34歳というが、ムダがないアスリートの身体だ。
テグラ・ロルーペは12位であった。
優勝は、ロシアのアレブティナ・イワノワ(32歳)で、2連覇である。

女子のテグラ・ロルーペも、男子のネファト・キニャンジュも、
アスリートの身体だった。
ケニア人のアスリートをみることができて、さわやかな気分だ。
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