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チェコの通知表2018年

2018-11-18 00:05:10 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」を作成した。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

チェコの通知表 2018年」を作成する。
あわせて、「日本の通知表 2018年」と比べてみる。

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
チェコのPISA2015は、30位→ランクC

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2016年の国際特許出願件数は、2位→ランクAA。
チェコの2016年の国際特許出願件数は、34位→ランクD

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者22人は、5位→ランクB。
チェコのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD
突出している1位~3位→ランクAとした。

2018年10月に、ノーベル賞の受賞者の発表があって、
医学生理学賞は、本庶 佑 (ほんじょ たすく)さんと、アメリカ人に、
物理学賞は、アメリカ人、フランス人、カナダ人(女性)に、
化学賞は、アメリカ人が2人(1人は女性)、イギリス人に授与される。

この2018年の発表で、ノーベル賞の受賞者は、
日本が、22+1 ⇒ 23人、
アメリカが、 257+4 ⇒ 261人、
イギリスが、83+1 ⇒ 84人、
フランスが、32+1 ⇒ 33人、
カナダが、10+1 ⇒ 11人になる。2018年を採り入れた、
ノーベル賞、1901年~2018年の表は、つぎになる。


4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
チェコのパルム・ドール受賞0.5は、27位→ランクD
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
チェコの文化遺産14は、12位→ランクB

チェコの国土は日本の5分の1、人口が1千万人を考えると、
文化遺産の12はりっぱだ。これらの文化遺産は、
共産政権になる前の遺産である。

チェスキー・クルムロフ。世界遺産。

川の左側のチェスキー・クルムロフ城は、13世紀から建設が始まった。
共産政権のときには、放っておかれて、荒れ放題になっていた。
半世紀後に、民主主義体制になって整備し、
世界遺産になっている。

共産政権の遺産として、東欧では、
東ドイツの「ベルリンの壁」、
ルーマニアの「国民の館」、
ポーランドの「文化科学宮殿」、
などが目に着くが、世界遺産にはならなかった。
取り壊されたか、いまわしいものとして遺っている。

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
チェコのFIFAのランキングは、45位→ランクE

2018年6月~7月に開催された、
「2018 FIFA ワールドカップ ロシア大会」に、
チェコは出場できなかった。
代表を決めるワールドカップ欧州予選で、敗退した。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
チェコの国民総生産GDPは、49位→ランクE

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
チェコの政府開発援助ODAは、32位→ランクD
チェコは、政府開発援助ODAを受ける国から、援助する国になっている。

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「チェコの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       チェコのPISA2015は、30位→ランクC ⇒ 3点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       チェコの国際特許出願件数は、34位→ランクD ⇒ 2点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者22人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       チェコのノーベル賞受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       チェコのパルム・ドール受賞0.5は、27位→ランクD ⇒ 2点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       チェコの文化遺産12は、18位→ランクB ⇒ 4点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       チェコのFIFAのランキングは、45位→ランクE ⇒ 1点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       チェコの国民総生産GDPは、49位→ランクE ⇒ 1点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       チェコの政府開発援助ODAは、32位→ランクD ⇒ 2点。
合計(40点): 日本は32点。
         チェコは17点。

レーダーチャートで見る、
チェコの通知表 2018年」。


チェコは、三十年戦争で国が荒廃し、
共産主義体制下で、抑圧された半世紀を過ごした。
三十年戦争は、
プラハ城を襲ったプロテスタント派が、
カトリック派3人を外に放り投げたことから始まった(1613年)。
プラハ城。世界遺産。手前はモルダウ川。

プロテスタント派とカトリック派の殺戮は、
1613年から30年も続いて、ヨーロッパは疲弊した。
「プロテスタント派は敗北し、モルダウ川は、死体であふれていた」
と、チェコ人は説明する。

チェコは、第二次世界大戦後の1948年に、共産主義政権になった。
半世紀後に、「共産主義」から、「民主主義」へ移行するが、
それには、1968年に「プラハの春」があり、
1989年に「ビロード革命」を経験した。

プラハの春」とは、
言論を自由にし、出版物の検閲を廃止し、
国外旅行の規制を緩和するという、民主化運動である。
このプラハの春は、ソ連との決別を意味したから、
1968年8月20日の夜11時、ソ連軍がチョコに侵攻して、
数十人の犠牲者をだして、プラハを占拠した。
チェコ事件である。
ソ連は、チェコの民主化運動を阻止した。
秘密警察は弾圧を再開し、チェコは恐怖社会にもどった。

「プラハの春」の痕跡があった。
プラハの繁華街の、ヴァーツラフ広場

奥は国立博物館。その手前にヴァーツラフ像。

広場には、丸い花壇がある。
2人の婦人が、のぞき込んでいる。近づくと、
⇒「慰霊碑」があった。

小さいくて、見落としそうだ。
手作りのようなシラカバの十字架。
十字架には、鉄条網の輪が掛けられていた。

ぴかぴかの黒い石に、2人が写っている。
ソ連の侵攻に抗議して、1969年に焼身自殺した学生、
20歳のヤン・パラフと、18歳のヤン・ザイクである。

茶色の石には、3行の文があって、2行目は英語。
IN MEMORY OF THE VICTIMS OF COMMUNISM
(共産主義の犠牲者たちを記念して)
1行目はチェコ語、3行目はドイツ語……ロシア語はない。

チェコ人は、しぼり出すように言った。
世界のだれも、助けてくれなかった!
世界一、悲惨な言葉だ。耳に焼き付いている。
「どうしようもない、つらい時期だった」
「この悲惨な状況は、21年続いた」

アメリカは、
ソ連のチェコ侵攻は、国連憲章に反する内政干渉で、
即時撤退をすべきだ、としたが、
国際連合安全保障理事会で、
ソ連は拒否権を行使して、
葬(ほうむ)り去った。

このとき、アメリカは、
ヴェトナム戦争が泥沼状態だったから、
共産主義陣営の内輪もめには、これ以上、
手出しができなかった。

チェコには、
身内の共産主義陣営からも、
民主主義陣営からも、
援助の手は差し伸べられなかった。
世界から見捨てられた、と感じた。

悲惨な状況は、1968年の「プラハの春」から、
1989年の「ビロード革命(無血革命)」で、
共産政権を倒すまで、21年続いた。

口をつぐんでいたチェコ人が、
再び口を開いたのは、1989年11月17日。
第2次世界大戦で、ナチスに殺害された学生の、
追悼(ついとう)50周年のデモ行進だった。

それが民主化運動と重なって、学生に市民が加わり、
日ごとに増えて、1週間後には80万人にふくれた。
「私たちは、素手なんだ」
「勝利すべきは、真実と自由だ」
と、掛け声を挙げて行進した。
この「ビロード革命(無血革命)」で共産政権は倒れた。

ビロードのようにやわらかかったことから、
「ビロード革命」と呼ばれた。このときに、
イギリスに赴任していたから、「ビロード革命」は、
身近なニュースとして伝わってきた。

チェコは、
1945年に、ソ連の傘下となり、ワルシャワ条約機構に加盟した。
1968年に、「プラハの春」。
1989年に、「ビロード革命」。
1991年に、ソ連が崩壊し、ワルシャワ条約機構も消滅した。
1995年に、チェコはEUに加盟した。 「ヨーロッパへの回帰」を目指して。
1999年に、チェコはNATOに加盟した。

共産政権は、一党独裁による硬直、内部の腐敗、無気力。
それに、計画経済の破綻があった。
国には売れるものがない、売れない。
共産政権は、立ち行かなくなった。
東西が、ドンパチの「武力戦争」をしたのではない。
「計画経済」が、「市場経済」に負けたのである。

チェコは、国を再興していく。
もう、あともどりはしない。したくはない。
「市場経済」では、生活は楽になると思った。
しかし、すぐには、楽にならなかった。

「父は、仕事がなくても国営工場に行って、
給料をもらっていたほうがよかった。
さからわずに、工場にいれば、
給料がもらえるし、解雇はなかった」
と、チェコ人は言う。

「チェコが市場経済で世界と競合していくには、
無気力状態から、活力を取りもどさなければならないが、
世代があと2回くらい、代わらないとダメだ。
半世紀も続いた共産政権の習慣や意識は、
すぐには変えられない」

計画経済の終焉(しゅうえん)は、
チェコの国民車「シュコダ」に見る。
旧型のシュコダ。オロモウツ、2006年。

デコボコだし、つぎはぎだし、さびているし、部品はないし……。
よく走るもんだ! よく使うもんだ!
大事な、市民の足だ。

1990年に、共産政権が崩壊すると、
シュコダは、ドイツのフォルクスワーゲンの子会社になった。
そして、新しい技術を導入した、
新型のシュコダ。プラハ、2006年。

後の車は、ソ連のラーダ。
ラ-ダに、置き換わったのだろう。
新型のシュコダは、官庁で使われている。

市場経済では、スタイル、性能、デザイン、価格、
品質、安全、環境対策……において、厳しい競争をして、
優秀な製品や、市場に適合したものだけが生き延びる。
この新型シュコダを見た時には、競争力がある、
「地球規模での先端技術の競争」の中で、やっていける。
2世代の交代を待たなくても、チェコの回復は、早いと思った。

チェコは、EUの力を借りて、経済復興している。
政府開発援助ODAを受ける国から、援助する国になって、
レーダーチャートの面積は、増えてきている。

チェコには、世界遺産のほかにも、文化的な魅力がある。
画家のアルフォンス・ミュシャがいる。
「ミュシャ美術館」には、
女優サラ・ベルナールのポスターがあり、
「プラハ城」の「聖ヴィート大聖堂」には、ステンドグラスがある。

入場料とは別料金を払うと、撮影ができた。

音楽では、作曲家のスメタナ、ドヴォルザークを生み、
チェコ・フィルハーモニーがある。
ドヴォルザークが指揮した初演からの長い歴史があり、
世界一級とされて、世界各地を駆け巡って演奏している。
チェコ・フィルハーモニーの本拠地、
ルドルフィヌム。プラハ。

手前は、ドヴォルザーク像。
青いバナーは、「春の音楽祭」が開催中。

チェコは、世界遺産とともに、
ミュシャ、チェコ・フィルハーモニーと、
高い文化力で、世界の人を惹きつけている。
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ポーランドの通知表2018年

2018-11-04 00:02:50 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」を作成した。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

ポーランドの通知表 2018年」を作成する。
あわせて、「日本の通知表 2018年」と比べてみる。

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ポーランドのPISA2015は、19位→ランクB

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2016年の国際特許出願件数は、2位→ランクAA。
ポーランドの2016年の国際特許出願件数は、28位→ランクC

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者22人は、5位→ランクB。
ポーランドのノーベル賞の受賞数0は、→ランクF
突出している1位~3位→ランクAとした。

ポーランド生まれのマリ・キュリー(キュリー夫人)は、
ノーベル賞を2回受賞しているが、国籍をフランスとしてある。
最初の物理学賞(1903年)は、フランス人の夫ピエール・キュリーとともに受賞。

ワルシャワにあるキュリー夫人の生家

キュリー夫人博物館になっている。

2018年10月に、ノーベル賞の受賞者の発表があって、
医学生理学賞は、本庶 佑(ほんじょ たすく)さんと、アメリカ人に、
物理学賞は、アメリカ人、フランス人、カナダ人(女性)に、
化学賞は、アメリカ人が2人(1人は女性)、イギリス人に授与される。
女性の受賞が久しぶりであり、もっと評価されてもいいことが注目された。

この2018年の発表で、ノーベル賞の受賞者は、
日本が、22+1 ⇒ 23人、
アメリカが、 257+4 ⇒ 261人、
イギリスが、83+1 ⇒ 84人、
フランスが、32+1 ⇒ 33人、
カナダが、10+1 ⇒ 11人になる。2018年を採り入れた、
ノーベル賞、1901年~2018年の表は、つぎになる。


4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ポーランドのパルム・ドール受賞1.25は、12位→ランクB
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ポーランドの文化遺産14は、14位→ランクB

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ポーランドのFIFAのランキングは、10位→ランクA

2018年6月~7月に開催された、
「2018 FIFA ワールドカップ ロシア大会」で、
ポーランド(10位)は、日本(60位)と同じグループHで対戦。
日本には1対0で勝った。しかし、セネガル(28位)と、
コロンビア(16位)に敗れて、1勝2敗。グループ3位。

日本は1勝1敗1分けで、グループ2位。
コロンビア(16位)は2勝1敗で、グループ1位。
結果、コロンビアと日本が、決勝トーナメントに進出。
ポーランド(10位)は、日本(60位)よりも、ランクが上だが、
グループ3位で、決勝トーナメントに進出できなかった。予想外?
()は、FIFAのランキング。

古都クラクフで、にぎにぎしい集団と会った。

てっきり、サッカーのサポーターだ と思った。
9か月の兵役を終えて、郷里に帰ってきた若者だった。
うれしくて、うれしくて、しょうがない。自然に笑みがこぼれ、叫びたくなる。2006年。

1991年にソ連が崩壊して、ポーランドは侵略される脅威がなくなった。
ワルシャワ条約機構を離れて、1999年にNATOに加盟した。
NATOの同盟国が攻撃を受けたなら、NATOは共同で、
防衛するから、ポーランドの安全性は前より増した。

兵役期間を、18か月から、半分の9か月に短縮、そして廃止した。
軍事費を削減し、早めに産業に従事し、経済を復興して、
失われた半世紀を取りもどしていく。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ポーランドの国民総生産GDPは、24位→ランクC

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ポーランドの政府開発援助ODAは、25位→ランクC
経済援助を受ける国だったが、経済援助をする国になった。

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ポーランドの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ポーランドのPISA2015は、19位→ランクB ⇒ 4点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       ポーランドの国際特許出願件数は、28位→ランクC ⇒ 3点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者22人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ポーランドのノーベル賞受賞数0は、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ポーランドのパルム・ドール受賞1.25は、12位→ランクB ⇒ 4点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       ポーランドの文化遺産14は、14位→ランクB ⇒ 4点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       ポーランドのFIFAのランキングは、10位→ランクA ⇒ 5点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ポーランドの国民総生産GDPは、24位→ランクC ⇒ 3点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       ポーランドの政府開発援助ODAは、25位→ランクC ⇒ 3点。
合計(40点): 日本は32点。
         ポーランドは26点。

レーダーチャートで見る、
ポーランドの通知表 2018年」。


ポーランドの人口は、3千850万人、
日本の3分の1ほどで、頑張ってきた。

第2次世界大戦で、ポーランドはナチスによって侵略された。
首都ワルシャワは、ナチスとソ連によって、
徹底的に破壊されて、ガレキとなった。
「600万人が犠牲となり、ポーランドは国の機能を失った。
 さらに戦後、ソ連の共産主義体制の抑圧に失望して、
 400万人が、アメリカやカナダに脱出した。
 優秀な人がいなくなった」
と、ポーランド人は嘆く。

徹底的に破壊されたガレキの山から、
戦後に復元されたワルシャワの旧市街、
マーケット広場

宮廷画家カナレットが描いてあった絵をもとに、歳月をかけて復元。
手前は、剣と盾を持つ、ワルシャワの象徴「人魚の像」。

アウシュビッツ第二強制収容所(ビルケナウ)の死の門。世界遺産。

ナチスは、ヨーロッパの各地からユダヤ人、政治犯、を貨車で、
この死の門から運び入れて、働ける人を選別し、ほかは殺害した。

ポーランドと言えば、アウシュビッツが外せないが、
「アウシュビッツは、オシフィエンチムというポーランドの場所だが、
 そこの強制収容所はナチス・ドイツが造った施設で、
 ポーランドの施設ではない」
と、ポーランド人は迷惑そうだった。

戦後の1945年に、ポーランドは、
ソ連の傘下となり、ワルシャワ条約機構に加盟した。
1991年に、ソ連が崩壊し、ワルシャワ条約機構も消滅した。
1999年に、ポーランドはNATOに加盟した。そして、
ワルシャワ条約機構の機密を、NATOにオープンにして、
NATOのミサイル配備計画にも、積極的に取り組んでいる。

2004年に、ポーランドはEUに加盟して、
EUの援助を受け、国を復興してきている。
ポーランドは、労賃の安い労働市場で、
ヨーロッパの工場だったが、
PC、情報家電の開発・製造、
自動車産業へと業態が代わっている。
経済力の、国民総生産GDPは24位、
そして、政府開発援助ODAは25位。
経済援助をする国に発展している。

文化力/世界遺産を見ると、ポーランドは、
共産陣営に属していた時代には、生まれていない。
ポーランドは、ソ連の共産主義体制に、半世紀も抑圧されていた。

ポーランド人が口にするのは、
ショパンキュリー夫人コペルニクスは、
 ポーランド人なんです」
と、誇らしげである。

キュリー夫人は、
1903年に物理学賞を受賞して、
女性初のノーベル賞受賞者になった。
さらに、1911年に化学賞を受賞して、
初めての2度のノーベル賞受賞者になった。
もし、キュリー夫人をポーランドとすると、
ノーベル賞の受賞数は2、19位→ランクCになって、
レーダーチャートの面積は、さらに大きくなる。
ポーランド人は、祖国に誇りを持って、
失われた半世紀を取りもどしている。
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