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ケニアの通知表2018年

2019-05-26 00:01:50 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
ケニアの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ケニアのPISA2015は、参加していない、→ランクF

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ケニアの2017年の国際特許出願件数は、80位→ランクE

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ケニアのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ケニアのパルム・ドール受賞はない、→ランクF
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ケニアの文化遺産3は、66位→ランクE

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ケニアのFIFAのランキングは、111位→ランクF

2018年のワールドカップ、ロシア大会で、
アフリカからは、出場枠5を、53チームが競った。
ケニアは、アフリカ代表になれなかった。

ケニアは、中長距離ランナーが生まれるところ。
男子では、東京箱根間往復大学駅伝競走で大活躍している。
高校駅伝では、ケニア人が、最長の激戦区、2区が任される。
女子では、マラソンの女王、テグラ・ロルーペがいる。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ケニアの国民総生産GDPは、68位→ランクF

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ケニアの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ケニアのPISA2015は、参加していない、→ランクF ⇒ 0点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       ケニアの国際特許出願件数は、80位→ランクE ⇒ 1点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ケニアのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ケニアのパルム・ドール受賞はない、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       ケニアの文化遺産3は、66位→ランクE ⇒ 1点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       ケニアの国民総生産GDPは、68位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
         ケニアは2点

レーダーチャートで見る、
ケニアの通知表 2018年」。


ケニアは、国土が日本の1.5倍、
人口は4千500万人と、大きな国である。

ケニアは、テロ攻撃にあった。
1998年8月7日、ケニアの首都ナイロビの、アメリカ大使館が爆破された。
アメリカの同時多発テロ、2001年9月11日に先立つ3年前で、
世界のどこでもが、テロの舞台になり得る、
国際テロ」の始まりである。

アメリカ大使館の跡地。5階建てはなく、空が広がっていた。2003年撮影。

ナイロビの中心街で、裁判所、議会、市役所、ホテル、銀行が並ぶ。
幹線道路が、前と横を走る角地で、バス停は混雑している。

道路際にある、▽ポールを、
爆薬を満載したトラックは、へし折って、アメリカ大使館に突っ込んだ。
死者291人、重軽傷者5,000人以上の大惨事となった。
アルカイダが、犯行声明を出している。

「オフィスは、アメリカ大使館から200メートルほど離れていた」
ケニア人は、つらそうに話してくれた。
「ものすごい音がして、衝撃があったから、イスから跳ね上がった。
 窓ガラスが割れ、粉塵が舞い上がってきた」
「ただごとではないことはわかった」
「最初は、飛行機が墜落したか、と思った」
「すぐに、部屋を飛び出して、エレベータへ走った、
 が動かなかった。それで、4階から階段を駆け下りた」
「気がついたら、アメリカ大使館の方向に走っていた」
「アメリカ大使館は、半分が吹き飛んで、むき出しの鉄骨とガレキになっていた」
「あんな建物は、見たことがない!
「大使館の残骸には、動かない人、うずくまっている人、
 血を噴き出している人…カオスだった」
「犠牲者は、12人のアメリカ人のほかは、数千人のケニア人だった」
「思い出したくない、思い出したくなくても思い出す、夜中に思い出すことがある」
そして、現場に連れて行ってくれた。

大使館の跡は、アーチが掲げられていた。
AUGUST 7TH MEMORIAL PARK” 8月7日記念公園。


「ケニアに隣接する国は、内戦が続いていますが、ケニアには内戦もなく、
 テロとは無関係な平和で、『穏やかな国』だったんですよ」
「平和な国ケニアでは、出入国管理の警戒がおろそかでした。
 テロリストには無警戒だったわけです。まさか、
 アフリカが、テロリストにねらわれることはないだろう、
 という油断がありました。テロリストにとっては、
 ヨーロッパやアメリカの方が、はるかに、ニュース性が高いから」
「もしケニアがねらわれたとしても、最後だろう、と思っていました」

2019年1月に、ナイロビの高級ホテルを含む複合施設が襲撃されて、
外国人を含む21人が死亡するテロ事件が発生した。
外務省の海外安全ホームページには、
ケニアの警備は強化されているが、
テロへの警戒が必要、とある。

ケニアの魅力は、サバンナの自然、
そして、アスリートを生む人類発祥の地。
サバンナの自然。
キリン。見つめ合い。

「オメー、どこから来た?」、「見慣れない顔ね!
ナイロビ国立公園で。

ダチョウ。にらみ合い。

ライオンほか、肉食動物がいるから、
ダチョウも草食動物も、頭をもたげて警戒する。

インパラ。距離の探り合い。

「これ以上、近づかないで! 」。

サギワシ。樹上の縄張り争い。

「私(サギ)のアカシアよ! 」、「ワシが先に来た!

シマウマ。目を合わせようとしない。

逃げるが勝ち、スタコラサッサ。

マサイ族と遭遇。

右はレンジャー。ナイロビ国立公園。

マサイ族のぜい肉のない胴から伸びた、長くてまっすぐな手足。
赤い服、首飾り、腕輪、それに、羽飾りの面…勇者!
勇者の肌に触りたかった。
「触わってもいいですか?」
ソーッと、お願いしてみた。
すぐにOKしてくれた。きれいな英語を話す。

てかてかに光った上腕を指で押してみる。
弾力がある。肌がなめらかで、しっとりとしている。
汗ではない。サバンナでは、水は少ないから、
汗をかいて、水を出す体にはなっていない。

いっしょに写真をお願いした。
マサイ族は快諾して、手を回して肩を組んできた。
日本人の筋肉は、どんなだろうか? 知りたかった?

マサイ族には、もっと聞きたかった。
しなやかな身体は、ゲーム・ミートを食べているから?
野生動物は、槍や弓矢で仕留める?
一日、どのくらい走るのだろうか?
サンダルは、どこで売っている?
牛の放牧生活は、続いている?
羽飾りの面は、儀式のため?

「サバンナの『ゲーム・ミート』Game Meatはいかがでしょう?」
ケニア人が、ナイロビの夜に用意してくれたのは、
カーニボアCarnivoreというレストラン。

「きょう狩猟した野生動物を、バーベキューにして食べさせてくれます」
「シマウマはあるでしょう? ライオンはありません、ゾウもないです。
 カバが獲れたり、キリンが獲れたりします。
 何が出てくるか、行ってみるまで、わかりません」

ナイロビは赤道直下の高原地帯、日中は25℃でも、
陽が落ちた夜は、12℃まで冷え込む。長袖を着る。
巨大なテントの下に、いくつものテーブルを並べて、
サバンナでキャンプのような雰囲気を出している。

オーダーを聞いてから調理にかかるのではなく、テントの中央にある丸い炉で、
1メートルほどの金属の串に刺した肉のかたまりを、炭火で焼く。味付けは塩。
煙がもうもうと出て、テーブルまで、いい匂いがたちこめてくるから、
「きょうの獲物は、何かな?」と、期待は上がる。

「シマウマ、シマウマ」
と言いながら、ボーイが、
焼き上がった串を持って、テーブルを回ってくるから、
声をかけると、ナイフで肉をそいで、皿に落としてくれる。

きょうのゲーム・ミートは、どれもうまい。順番を付けると、
ダチョウ ⇒ ウォーターバック ⇒ エランド ⇒ シマウマ ⇒ クロコダイル。
ウォーターバックと、エランドはウシ科、ウシ科はうまい。

ウォッカをベースにした、ガワが、ゲーム・ミートに合う。
蜂蜜とライムを加え、サトウキビの棒を、
マドラー代わりに突っ込んである。
青臭いが、ぐいぐい進む。

「ケニアには、マラソンの女王、テグラ・ロルーペがいます」

第10回長野マラソンに招待される。12位。2008年4月。
34歳だが、スリムなアスリートの身体だ。

「足が速いのは、カレンジン族です」
「ケニアの西にある『グレイト・リフト・ヴァレー』Great Lift Valleyで、
牛を追う牧畜民で、闘争心がすごく、牛の争奪戦をする。
オリンピックで優勝したり、中長距離の世界記録を持っています」

グレイト・リフト・ヴァレーは、
アフリカ大陸を南北に走っている裂け目。
大地溝帯と呼ばれて、ケニアの西部を通る。
それまでジャングルにいた猿は、
木の上から大地溝帯の、サバンナの草原に下りてきた。
ジャングルで木の実を食べていたことから、
動物をハンティングするという、暮らしの激変である。

そして、猿は動物に襲われないように、
サバンナでときおり立ち上がっては、周り見通した。
これが劇的な「2足歩行」の開始である。
空いた両手にこん棒を持ち、道具を扱うようになる。
現代人の発生はアフリカ起源説が一般だが、
それは、この大地溝帯が舞台である。

「テグラは、ケニアの西にいるカレンジン族の少数民族ポコト出身です。
 ポコトは、夜になると牛泥棒が横行して、殺し合いになる地域です」
「1973年生まれで、農業の父には5人の妻がいて、テグラは22人兄弟です。
 小学校までの10キロは、はだしで走って通っていた。
「家へ帰ると牛の世話をし、家事をし、兄弟の面倒を見る生活でした」
「ジュニアのときに、800メートルと1,500メートルで優勝して頭角を現した」
「しかし、身長153センチ、体重39キロという、きゃしゃな身体、それに、
 女性であることで、ケニアの陸上競技会からは、まったく無視された」
「ケニアにいては将来が見込めないと感じたテグラは、
 父親の猛反対を押し切って、19歳のときにドイツへ行って、
 コーチにつき、21歳のときに、ニューヨーク・シティ・マラソンに、
 初めて参加して、初優勝した」
「それで、賞金3万ドルと高級車を手に入れたのです」
「アフリカの女性として初優勝」

「これで一躍、ケニア人のあこがれとなり、
 ケニアの陸上競技会も、実力を見直した」
「ニューヨーク・シティ・マラソンでは、2連覇、
 ロッテルダムやベルリンでも優勝、世界記録を2回、
 長距離走を合わせると、8つの世界記録を打ち立てました」

「ケニアにもどって、テグラ・ロルーペ平和財団を築いて、
 故郷で『平和マラソン』を開催している」
「牛泥棒にも参加を呼びかけて、牛泥棒の風習を止めさせたり、
 青少年にスポーツの道を開いている」
「ケニア・オリンピック委員会のメンバーになったり、
 エイズ患者の救済活動にも力を入れています」
人類発祥の地ケニアは、
女子も金の卵で、アスリートが育つ環境が整っている。

ケニアでは、
サバンナで、野性動物に遭遇し、
ゲーム・ミートを味わい、マサイ族に遇い、
アスリートの金の卵が生まれる、人類発祥の地を見たい。
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チュニジアの通知表2018年

2019-05-19 00:01:31 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
チュニジアの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
チュニジアのPISA2015は、67位→ランクE

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
チュニジアの2017年の国際特許出願件数は、78位→ランクE

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
チュニジアのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
チュニジアのパルム・ドール受賞はない、→ランクF
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
チュニジアの文化遺産7は、31位→ランクD

チュニジアには、古代ローマの都市ドゥッガがある。世界遺産。
キャピトル


キャピトルの「ペディメント」(切妻の派風彫刻)は、
「鷲が皇帝を乗せて、不死の世界へ飛んでいく」
と、チュニジア人のガイドから説明を受けた。

「コリント式の円柱」を、眺められるだけで、うれしくなる。
キャピトルの円柱には、縦の「フルーティング」(溝)が走る。
柱頭」には、「アカンサス」(アザミの葉)がデザインされている。

公共広場フォーラムから、キャピトルを見上げているが、
公共広場に並ぶ、円柱の土台、「柱基」は大きい。
公共広場は、さぞかし、リッパだったに違いない。
公共広場から、石畳の道路が四方に延び、
一つは、ローマに通じている、と言う。

劇場

半円の観客席の最上段に駆け上がって、舞台を見下ろした。
こんな大きな劇場は、ローマにも残っていない。

舞台には、数名のドイツ人観光客がいる。
広いドゥッガには、ほかに観光客がいなかった。
ドゥッガでは、チュニジア人のガイドを雇ったが、
遺跡を効率よく知りたいから、それと、安全のため。

ユノ・カエレスティス神殿

気の向くままに、眺めることができる。

水洗トイレットがあった。

こちら向きに、穴の上に座って、用をたす。水が洗い流す。
手は、足元にあるU字溝の水で洗う。左上に、門がある。

ドゥッガは、文化の高い計画都市だった。
キャピトル、公共広場、劇場、公共浴場があり、
水洗トイレットもある。金持ちの邸宅の床には、モザイクがある。

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
チュニジアのFIFAのランキングは、14位→ランクB

2018年のワールドカップ、ロシア大会で、
アフリカからは、出場枠5を、53チームが競って、
チュニジアは、アフリカ代表になった。3大会ぶり5回目。
ロシア大会では、イングランドと、ベルギーに敗れて、
ベスト16に進出できなかった。
ベルギーは、3位決定戦でイングランドに勝った。
優勝はフランス、2位はクロアチアだった。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
チュニジアの国民総生産GDPは、93位→ランクF

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
チュニジアの政府開発援助ODAはない、→ランクF

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「チュニジアの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       チュニジアのPISA2015は、67位→ランクF ⇒ 0点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       チュニジアの国際特許出願件数は、78位→ランクE ⇒ 1点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       チュニジアのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       チュニジアのパルム・ドール受賞はない、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       チュニジアの文化遺産7は、31位→ランクD ⇒ 2点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       チュニジアの国民総生産GDPは、14位→ランクB ⇒ 4点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       チュニジアの国民総生産GDPは、93位→ランクF ⇒ 0点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       チュニジアの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
         チュニジアは7点

レーダーチャートで見る、
チュニジアの通知表 2018年」。


チュニジアは、国土が日本の4割ほど、
人口は1千100万人である。
運動力/サッカーが高く、文化力/世界遺産も高い。

チュニジア人は、フェニキア人を誇りにしている。
アルファベットを発明し、ワインを飲み、
地中海貿易で栄華を極め、ヨーロッパの歴史の初期を築いた。

アルファベットの原型を発明したのは、フェニキア人です」
「フェニキア人が発明したフェニキア文字が、
 アルファベットの原型になった」
「ギリシャ人は、フェニキア文字の22文字に、
 α(アルファ)やβ(ベータ)などを加えてギリシャ文字とした」

「フェニキア人は広範囲な交易をしたから、
 エジプトから北アフリカ、ヨーロッパまで、
 フェニキア文字が広まることになった」

「ローマ人もアルファベットを使ったし、
 ヨーロッパの全民族の文字になっている」
と、チュニジア人は誇らしげである。

ワイン を飲み始めたのは、フェニキア人です。
 当時のギリシャ人は、ビールしか知らなかった。
 ワインを飲むフェニキア人を、奇妙な目で見ていた」

「レバノンを本拠地にしていたフェニキア人は、
 『交易』と、『航海術』に長(た)けていて、
 『地中海貿易』で繁栄した」
「フェニキア人の女王エリッサが、
 北アフリカの土着の民族、ベルベル人の国に、
 都市国家『カルタゴ』を建設した紀元前814年から、
 チュニジアは歴史の表舞台に上がった」

ヨーロッパの歴史の初期は、地中海でした。
 イギリスもフランスも、まだ登場しないころ、
 カルタゴは、地中海貿易で栄華を極め、
 地中海沿岸を領土とした」

「カルタゴは、ギリシャ、ローマと衝突して、
 ローマ帝国との第3次ポエニ戦争で敗れた。紀元146年。
 そのあとは、アラブ ⇒ トルコ ⇒ フランスに支配された」

700年続いたカルタゴは、
ローマ帝国に600年間支配され、
トルコ帝国に350年間支配され、
最後のフランスには、75年植民地とされて、
チュニジアは、1956年にフランスからやっと独立した。

言葉」も支配された。
家族4代には、言葉の影響がある。
アラビア語 ⇒ フランス語 ⇒ フランス語と英語 ⇒ 英語、
と、家族4代の言葉の歴史として残っている。

祖父は、アラビア語だけで、フランス語はほとんど話せない」
の世代は、フランスの政策で、途中からフランス語を強制された」
は、小学校入学からアラビア語と、フランス語で教育された」
「フランスから独立したの世代は、
 アラビア語を見直すようになって、小学校はアラビア語だけになった。
 中学校で、フランス語か、10数年前から取り入れた英語か、を選択するが、
 娘は、ビジネスの重要性から、英語を選択している」
ビジネスマンのチュニジア人は、
「ビジネスの世界ではフランス語を話し、
 アメリカに滞在したことがあって、英語も話す」

家族4代は、家では、
 母国語のアラビア語で話し、
外やビジネスでは、
 祖父は、アラビア語、
 父が、フランス語、
 彼は、フランス語と英語、そして、
 娘は、英語となる。

チュニジアの歴史の変遷は、世界遺産として残っている。
アントニヌスの共同浴場。162年。カルタゴ。世界遺産。

「古代カルタゴとローマ展」から。大丸、東京店、2009年10月。
チュニス郊外の海辺にあった。

モザイク

カルタゴ国立博物館。ビュルサの丘、チュニス。

ドゥッガ」は、カルタゴの隣国の都市だったが、
紀元前46年に、ローマの支配下に入り、
ローマ風になって、3世紀末から4世紀末に最も栄えた。
ローマ帝国の衰亡とともに衰退する。
ドゥッガは、1899年に発掘されるまで、
1,600年も、歴史から忘れ去られていた。

このような、花に埋もれて眠っていたのだろう。
掘り起こされたドゥッガは、アフリカ最大で、
しかも、保存状態のいいローマ遺跡になった。

シディ・ブ・サイド。チュニス。

白い壁に、チュニジアン・ブルーの窓や扉が映える。
美しい街並みの保存地区。

階段を上がって、つきあたりがカフェ・デ・ナット
チュニジア人と、ミント・ティーを飲みに入った。
中は、2メートル四方で、高さが60センチの高床が、
通路を区切るように、いくつかある。
高床の四隅には、天井までの円柱があって、
赤と緑のラセンの縞模様に彩色されている。
天井も赤と緑の縞模様。まるで、クリスマスの配色。

高床には「ござ」が敷いてあって、靴を脱いで上がる。
「カフェ・デ・ナットのナットnatteは、ござのこと」
と言うから、「カフェござ」である。

小さなグラスに注がれた、ミント・ティーはやや緑色。
砂糖を入れて甘くする。
「紅茶は、インドから輸入している。
 コーヒーは、ブラジルから輸入している」
アフリカからではなかった。
チュニジアから近いケニアには、紅茶もあるし、コーヒーもあるのだが。
「昔からブラジルとは交流があるが、中部のアフリカとは交流がない」

「チュニジア人は、いろいろな人種の混血だから、
 祖先を特定することがむずかしい」
と言うチュニジア人の、
顔つきは西洋、色はアフリカか東洋。
髪は黒、肌は私よりも濃い茶褐色。身長は175センチでスリム、
性格はおだやかで、やさしい笑顔は、人なつっこいアラブ人。

チュニジアは、
2010 年12 月の「ジャスミン革命」と、
2011 年1 月の革命「アラブの春」を体験している。

ジャスミン革命」は、
若年層の高い失業率、言論の抑圧や、腐敗体制への怒りが、
インターネットによって、市民運動の拡大になった。
そして、大統領の23年に及ぶ独裁政権が終わった。

アラブの春」は、
民主的な選挙が行われた。
アラブ諸国の中では、民主的なプロセスを経た政権移行。
2014年には新憲法での、普通選挙が行われた。

2015年3月に、
チュニスのバルドー国立博物館で、
イスラム過激派による銃乱射事件があって、
日本人の観光客3名を含む22 名が殺害されている。

チュニジアは、革命を乗り越えた。
世界の人は、
チュニジアの誇り、
アルファベットの発明、
ワイン、栄華を極めた地中海貿易、
チュニジア人のおだやかな性格、やさしい笑顔、
ヨーロッパの歴史の初期を創り出した世界遺産、
白い壁に、チュニジアン・ブルーが映えるシディ・ブ・サイド、
を、ゆっくりと見たい。
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トルコの通知表2018年

2019-05-12 00:02:15 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
トルコの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
トルコのPISA2015は、50位→ランクE

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
トルコの2017年の国際特許出願件数は、21位→ランクC

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
トルコのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
トルコのパルム・ドール受賞0.83は、26位→ランクD
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
トルコの文化遺産17は、11位→ランクB

テオドシウスの城壁。世界遺産。イスタンブル。

413年。古代ローマ。テオドシウス2世が築く。
難攻不落の大城壁は、ビザンティン帝国を1,000年間守った。

アヤ・ソフィア。世界遺産。イスタンブル。

360年完成。537年再建。

イタリア半島を支配した古代ローマは、
全地中海を支配するローマ帝国となった。
北はイギリスの大ブリテン島、西はイベリア半島、
南はエジプト、アフリカの北岸、西はトルコ、メソポタミアまで。

この巨大なローマ帝国は、395年に、東西に分裂して、
西は、ローマを首都とする西ローマ帝国に、
東は、コンスタンチノープルを首都とする、東ローマ帝国になった。

西ローマ帝国は、476年にゲルマン民族の侵入で滅ぼされた。
東ローマ帝国は、ビザンティン帝国として1,000年間、
世界を支配したが、オスマン帝国が1453年に倒した。
それまでの都、コンスタンチノープルを、
イスタンブルと改名して首都にした。
キリスト教会はイスラム教のモスクに改修して、
イスラム化した。イコンは漆喰で固められた。

500年後の1923年に、トルコ共和国が誕生する。
首都はイスタンブルからアンカラに移り、
アヤ・ソフィアは無宗教の博物館になった。
調査で漆喰をはがすと、イコンが現れた。
キリストのモザイク画。アヤ・ソフィア。


オスマン帝国は、勇敢な騎馬民族の戦士で、
単なる侵略者と違って、イスラム教を広める信者だった。そして、
人を住まわせ、宗教を広げ、生活や文化をトルコ風にして、領土を拡大した。
最盛期には、ヨーロッパから北アフリカ、東は中東までを支配して、
こんにちのイスラム圏を樹立した。
オスマン帝国は、世界の政治、経済、軍事、それに文化の中心だった。
第一次世界大戦に参戦して敗れ、スルタン制度を廃止して、
500年に及ぶオスマン帝国が滅亡。1923年にトルコ共和国ができた。
トルコ人には、オスマン朝樹立(1299年頃)からの、
栄華を極めた600年の誇りがある。

イギリスもフランスも、まだ歴史の表舞台に現われる前である。
「日本の奇跡的な経済復興と繁栄はすばらしい。
 バブルがはじけて、経済が破綻したのに、回復している。
 経済大国が、あと何年続くのだろう?」
「2000年代の100年は、中国の時代かな?」
と、トルコ人は言う。

スレイマニエ・モスク。世界遺産。イスタンブル。

1557年。オスマン帝国の黄金時代。

トプカプ宮殿、儀礼の門。世界遺産。イスタンブル。

1465年頃。スルタンの居住区であり、行政区。ハーレムがある。

スルタンの間の玉座。


6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
トルコのFIFAのランキングは、37位→ランクD

2018年のワールドカップ、ロシア大会は、
ヨーロッパからの出場権(開催国ロシア+13チーム)が、得られなかった、

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
トルコの国民総生産GDPは、17位→ランクB

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
トルコの政府開発援助ODAは、7位→ランクA

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「トルコの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       トルコのPISA2015は、50位→ランクE ⇒ 1点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       トルコの国際特許出願件数は、21位→ランクC ⇒ 3点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       トルコのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       トルコのパルム・ドール受賞0.83は、26位→ランクD ⇒ 2点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       トルコの文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       トルコのFIFAのランキングは、37位→ランクD ⇒ 2点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       トルコの国民総生産GDPは、17位→ランクB ⇒ 4点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       トルコの政府開発援助ODAは、7位→ランクA ⇒ 5点。
合計(40点): 日本は32点。
         トルコは23点

レーダーチャートで見る、
トルコの通知表 2018年」。


トルコは、国土が日本の2倍、
人口は6,800万人と、大きな国である。
援助力/ODAは、7位である。
文化力/世界遺産が11位と、
栄華を極めた600年の歴史がある。

トルコは、大の親日国である。
トルコと日本は、助け合ってきた100年を超える歴史がある。

トルコ人が日本人に友好的であることに、イタリア人が驚いていた。
「トルコ人は、日本人にフレンドリーだな!
代理店のイタリア人が言う。

イタリア人と2人で、ギリシャのお客さんを訪れた。
初対面の販売会社の女社長とのあいさつは、
抱き合ってほほを寄せ合う。背が高くて、
黒髪で、目の輝きに東洋の神秘がある女性。
大学を卒業して、ビジネスで実績を積み、実力とともに、
人を惹(ひ)きつけ、若くして、販売会社の社長になった。

ビジネスが終わると、
「世界の三大料理は、フランス料理、
 つぎにトルコ料理、そして中華料理です」
と、言うトルコ料理をご馳走になる。
ボスポラス海峡に面したレストランで、メインは魚。
ガラスのケースの中から選ぶが、女性の助けを借りて、
けばけばしくなく、中の大きさとした。
味付けしてグリルした魚は、うまい!
最後は、濃いトルコ・コーヒー。
カップの底に、コーヒーの粉がたまっている。

別れるときに、楽しいディナーのお礼と、
ビジネスの発展を願って、女性と握手をした。
すると、両手でしっかりとにぎって、そのまま手を放さない。
「おかげで、ビジネスは大いに進展しました。
 それに、楽しいディナーになりました」
「いつでも、トルコに来てください。
 いつでも、歓迎します」

イタリア人が、
「トルコ人は、日本人にフレンドリーだな!
と言う驚きには、トルコと日本には、100年を超える友好がある。
①1890年、トルコ帝国の軍艦、エルトゥールル号が和歌山県沖で遭難。
②1904年~1905年の日露戦争で、ロシアのバルチック艦隊を日本が殲滅。
③1985年のイラン・イラク戦争で、イランから脱出しようとした日本人の家族が、
 テヘラン空港で身動きができない時に、トルコは危機一髪で救出してくれた。
④1990年は、トルコと日本の修好100周年祝賀会が開かれた。
 フラスコに入った和歌山の水と土が、祝賀会の会場に置かれた。
 エルトゥールル号の遭難で、海と土に還った、
 トルコ人の御魂(みたま)を鎮(しず)めている。
⑤2008年に、トルコのアブドゥッラー・ギュル大統領が、
 串本の「エルトゥールル号遭難慰霊碑」を訪問されている。
⑥災害援助。
⑦日本の政府開発援助ODA。

①1890年、エルトゥールル号の遭難。
トルコ帝国の軍艦「エルトゥールル号」が、
日本を親善訪問して帰る途中、和歌山県串本沖で台風に遭って、沈没した。
串本の村人は遭難者を崖から、かつぎ揚げ、食料を持ち寄って介護した。
乗組員600人のうち、69人は助かり、トルコに送り届けられた。
遺体は捜索され、ていねいに埋葬されて、義捐金まで届けられた。
この美談が、トルコと日本の友好関係の起点となっている。
エルトゥールル号

絵はがきから。「エルトゥールル号回顧展」。
中近東文化センター(東京都、三鷹市)。

エルトゥールル号の遭難現場は、岬の先の右端の小岩あたり。

▽は樫野崎(かしのざき)灯台。海金剛(うみこんごう)から。

樫野崎灯台の近くに、
エルトゥールル号遭難慰霊碑がある。

同じものが、姉妹都市のメルシンにもある、という。

2008年6月に、日本を訪問されたアブドゥッラー・ギュル大統領は、
忙しい公務の中、東京から串本に赴いて慰霊碑を慰霊されている。
出迎えた串本の小中学生が、「エルトゥールル号追悼歌」を歌うと、
アブドゥッラー・ギュル大統領は胸をつまらせていた(テレビで)。
串本は、日本とトルコの友好を深める重要な町になっている。

②1904年~1905年の日露戦争で、日本が勝利。
「ロシアは、冬でも凍らない港を求めて、
 南の海に航路を持ちたがっていました。
 黒海からトルコのボスポラス海峡を通って、
 地中海に出る『南下政策』に踏みきったのです。
 これは、トルコの領土を通過するわけですから衝突して、
 トルコとロシアは長年の仇敵となっていました」
と、トルコ人は言う。

1845年、トルコ艦隊は、ロシア艦隊に敗れた。
ロシアのサンクト・ペテルブルクには、
トルコ戦争の勝利を記念した、「凱旋門」がある。

モスコフスキー通り。

日露戦争で、ロシアがバルチック艦隊を、日本にさし向けた。
「バルチック艦隊を破って、ロシアに勝ったから、
 『大国ロシアに日本が勝った! 』と、
 トルコ人は拍手喝采をした。そして、
 大いに勇気づけられたのです」
「『日露戦争』が単なる戦争の勝利だけではなく、
 日本がロシアの植民地になることを防いだ歴史の転換であった。
 あわせて、中国、韓国への侵出による植民地化をくい止めた」
「アドミラル・トーゴー(東郷平八郎)が有名になって、
 多くの子どもに、トーゴーという名前がつけられました」

③1985年のイラン・イラク戦争で、窮地の日本人を、トルコが救出。
イランの企業に働く日本人とその家族が出国できずに、
テヘラン空港に閉じ込められた。そのときに、
トルコの「助け」によって日本人が命からがら、
テヘランから成田へ脱出することができたのである。

イラクの時の大統領サダム・フセインがイランの首都テヘランを空爆し、
「48時間後には、イラン領空を飛ぶ民間機も撃墜対象とする」
と、発表した。

イラン在住の日本人とその家族200人以上が、
戦争状態に入る前に、イランから緊急脱出しようと、
テヘラン空港に集結した。しかし、
日本航空は、イランに救助には向かえなかった。
イラクから攻撃を受けた場合に、政府から安全を保証して、
もらえない限り、乗客や乗務員の命の保証ができない。
ほかの国の航空会社は、自国民の救出を優先させるから、
日本人には席はなく脱出することができないでいた。

この絶体絶命のときに、トルコ航空の特別便がテヘラン空港に到着した。
そして、日本人全員をイランから、危機一髪で脱出させて、
成田に届けてくれたのである。危険をかえりみずに、
日本人救助に立ち上がった。ありがたいことである。

日本とトルコとの、きずなは非常に強い。
経済でも文化でも、両国は緊密な関係を樹立している。
⑥災害援助がある。
1999年のトルコの大地震(イズミール)では、
日本は、迅速に支援を行っている。
2011年の東日本大震災では、
トルコから、救助と医療の支援を受けている。

⑦日本とトルコの友好の証は、ボスポラス海峡にもある。
ボスポラス海峡にかかる第2ボスポラス大橋は、日本の政府開発援助ODAで、
竣工し、アジアとヨーロッパを結ぶ動脈になっている、1988年。
ボスポラス海峡。トプカプ宮殿から。

奥に見える▽は、第1ボスポラス大橋。左はヨーロッパ、右はアジア。
第2ボスポラス大橋は、この第1ボスポラス大橋から、5キロ奥にある。
さらに奥は「黒海」に連なる。手前は「地中海」に連なる。

しかし、交通量が増えて、渋滞が発生し、大気汚染も深刻化していた。
ボスポラス海峡横断地下鉄、13.6キロが計画されて、
日本の政府開発援助ODAで進めていた。
深さ60メートルの海底トンネルの技術力と
マグニチュード7.5の地震対策が要求される。

そして、2013年10月29日に開通式が行われた。
トルコ共和国建国90周年の記念日に合わせて、
トルコのギュル大統領、エルドアン首相が、
日本からは、安倍首相が出席された。

トルコは、EU(ヨーロッパ連合)への加盟を望んでいる。すでに、
NATO(北大西洋条約機構)、OECD(経済協力開発機構)に加盟している。
トルコのNATO加盟は、1952年と早かった。NATOは1949年に発足。
早めのNATO加盟には、ロシアとは仇敵であったいきさつがある。
西への「踏み絵」は終わっている。
サッカーのワールドカップでは、ヨーロッパ代表を競っている。

「オスマン帝国は紀元1300年から、600年の栄華の歴史があります」
「最盛期にはヨーロッパから北アフリカ、東は中東まで支配しました」
「こんにちのイスラム圏を樹立して、トルコが世界の、
 政治、経済、軍事、それに文化の中心だったのです」
誇り高きトルコは、次の栄華を目指している。
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ギリシャの通知表2018年

2019-05-05 00:01:05 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
ギリシャの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ギリシャのPISA2015は、43位→ランクE

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ギリシャの2017年の国際特許出願件数は、42位→ランクE

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ギリシャのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ギリシャのパルム・ドール受賞0は、→ランクF
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ギリシャの文化遺産18は、10位→ランクA

パルテノン神殿」。世界遺産。アクロポリス、アテネ。

人類の最高峰の遺産だ! 紀元前448年~433年。
パルテノン神殿の正面は右、西側になる。

ロンドンの大英博物館には、
パルテノン神殿の「ペディメント」。

東側の切妻屋根の三角形を飾っていた派風彫刻。

中央部にあった「女神アテネの誕生」は、スッポリと抜けているが、
左右の彫刻の一部がある。ギリシャから運んだオリジナル。
左側は、▽馬の首、横たわる酒の神▽ディオニュソス、
▽ベルセフォネ、▽デメテル、▽アルテミス。

スッポリと抜けた「女神アテネの誕生」の右側は、
3体の女神、▼ヘスティア、▼ディオネと、娘の横たわる▼ヴィ-ナス。

エレクテイオン」。アクロポリス、アテネ。

紀元前421年~406年頃。
パルテノン神殿の北にある。
南にテラスが張り出している。女人像柱が支えている。
6体の女人像柱(写真では5体が見える)の内、▲は復刻品。
オリジナルは、ロンドンの大英博物館に展示されている。

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ギリシャのFIFAのランキングは、44位→ランクE

2018年のワールドカップ、ロシア大会は、
ヨーロッパからの出場権(開催国ロシア+13チーム)が、得られなかった、

ギリシャは、オリンピック発祥の地である。
近代オリンピックの採火は、今でも、ギリシャの、
ヘラ神殿跡で行われる。聖火が、開催国まで運ばれる。

ロンドンの大英博物館には、古代ギリシャのアンフォラがある。

上のアンフォラは長距離走、下は短距離走か? それとも、ゴール直前?
左のアンフォラの▽は、両肘を上げて構えているから、ボクシング?
下の石は、砲丸投げ? オリンピックだ!

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ギリシャの国民総生産GDPは、53位→ランクF

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ギリシャの政府開発援助ODAは、31位→ランクD

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ギリシャの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ギリシャのPISA2015は、43位→ランクE ⇒ 1点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       ギリシャの国際特許出願件数は、42位→ランクE ⇒ 1点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ギリシャのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ギリシャのパルム・ドール受賞0は、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       ギリシャの文化遺産18は、10位→ランクA ⇒ 5点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       ギリシャのFIFAのランキングは、44位→ランクE ⇒ 1点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ギリシャの国民総生産GDPは、53位→ランクE ⇒ 0点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       ギリシャの政府開発援助ODAは、31位→ランクD ⇒ 2点。
合計(40点): 日本は32点。
         ギリシャは12点

レーダーチャートで見る、
ギリシャの通知表 2018年」。


ギリシャは、国土が日本の3分の1、
人口は日本の10分の1以下の1,100万人。
文化力/世界遺産が18で10位は、
さすがにヨーロッパ文明の発祥の国である。
経済力/GDPは、「金融危機」のために、53位と低い。

ギリシャ文明は、世界の人を魅了する。そして、
人類の財産は、大英博物館以外にも、世界の美術館にある。
「ゼウスの大祭壇」は、ドイツの「ペルガモン博物館」、ベルリンに、
「ラオコーン像」は、バチカン市国の「バチカン美術館」に、
「サモトラケのニケ」は、パリの「ルーブル美術館」に、
「ミロのヴィーナス」も、「ルーブル美術館」にある。

ゼウスの大祭壇」。ペルガモン博物館、ベルリン。

ヘレニズム美術を代表する建造物。
左の「ゼウスの大祭壇」は、コの字形の右半分。右はフリーズ(浮き彫り)。

ギリシャのアレクサンドロス大王が東征したあと、
小国に分かれたが、その一つがペルガモン王国。
トルコのエーゲ海に近いベルガマの街のアクロポリスに、
神殿(トラヤヌス神殿、アテナ神殿)、円形劇場、それに、
ゼウスの大祭壇などをつくった、紀元前2世紀。
ギリシャとオリエントの文化の融合、ヘレニズム文化である。

埋もれた「ゼウスの大祭壇」を、ドイツ人が、
発掘・調査して、ベルリンに運び、復元した。

ラオコーン像」。バチカン美術館、バチカン市国。

高さ184センチ。紀元前1世紀。
ミケランジェロ、イタリア・ルネサンスに大きな影響を与えた。

サモトラケのニケ」。ルーブル美術館、パリ。

躍動する勝利の女神ニケ。ヘレニズム期。
高さ328センチ。紀元前190年頃。

ミロのヴィ-ナス」。ルーブル美術館、パリ。

女性の美しさの極致。ヘレニズム期。
高さ203センチ。紀元前100年頃。

ギリシャ文化は、ヘレニズム、ローマへと受け継がれ、
やがて、ルネサンスへと復活していく。

ギリシャは、EC(ヨーロッパ共同体)には、1981年に加盟した。
このECは、のちにEU(ヨーロッパ連合)に発展する、1993年。
ギリシャは、2001年に、統一通貨ユーロを導入している。

ギリシャのGDP成長率は、
2003年に5.8%、2006年には5.7%を記録し、
ユーロ圏の平均を上回る成長率だった。

2009年に、ギリシャの政権が交代するときに、
前政権による国家財政の粉飾決算が、明るみになった。
ギリシャ国債(ソブリン)の格付けが、引き下げられて、
ギリシャの国債は暴落する危機になった。

財政力が弱い、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアに波及し、
EU全域を巻き込む金融危機「ユーロ・ソブリン危機」へと拡大した。
Gギリシャ、Iアイルランド、Iイタリア、Pポルトガル、Sスペインは、
GIIPSと呼ばれた。

ギリシャは、緊縮、財政再建の改革を条件に、金融支援を受けた。
欧州委員会、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の、
3機関からの金融支援は、トロイカと呼ばれる。

財政再建の効果を、「ユーロ・ソブリン危機」以降の、GIIPSの経済成長率の表で見る。

外務省ホームページから。

ギリシャの成長率は、
2008年に-0.3%、2009年に-4.3%、2010年に-5.5%
2011年に-7.3%、2012年に-7.3%、2013年に-3.2%
2014年に0.7%となった、が、2015年に再び不況に陥った。

トロイカからは、ギリシャの、高い年金の給付、受給開始が早く55歳、
公務員の雇用が拡大されてきた、納税意識の薄さ、
などが指摘され、財政緊縮が求められている。

2012年5月、ギリシャ議会の総選挙では、
財政緊縮に反対する左翼政党が大幅に躍進した。
このため、連立交渉がまとまらず、
翌月6月に再選挙が行われた。
結果、財政緊縮支持の第1党が票を伸ばした。
連立政権ができて、金融支援を受け、EUの離脱は免れている。

ギリシャは、債務の返済が75%になる2060年まで、
財政再建改革の実施状況を、債権側から監視される。

Iアイルランドは、ユーロからの経済支援を受けて、いち早く回復した。
 それに、イギリスのユーロ離脱Brexitに動きを知って、
 アメリカから、ヨーロッパの拠点になる本社を誘致できたことが大きい。
Iイタリア、Pポルトガル、Sスペインも、
 ユーロからの経済支援を受けて、回復してきている。
 ユーロからの離脱は避けられている。
ドイツは、景気が好調。人手不足の状況にある。
イギリスは、2016年に、EUからの離脱Brexitを国民投票で決めた。
 その影響が、経済の成長に出始めている。

「ユーロ・ソブリン危機」以降の、GIIPSの失業率の表で見る。

外務省ホームページから。

Gギリシャの失業率は、2017年に21.5%と、GIIPSの中で高い。
 2000年~2009年は、最悪で11%を推移していた。
 2010年に12.8%になり、2012年に24.4%、
2014年には約26.5%までに悪化した。

Iアイルランド、Iイタリア、Pポルトガルの失業率は、低下してきている。
Sスペインの失業率は、遅れているが、低下してきている。
ドイツの失業率は低い。2017年は3.8%。2018年のデータもあって、3.5%。

「ユーロ・ソブリン危機」によって、
EUの結束を揺るがす事項が浮き彫りなってきている。
☆イギリスのEUからの離脱Brexit
☆ドイツ、フランスでは、経済活動で得た富が、放漫財政の救済に使われる、
移民・難民の受け入れに、経済の豊かさや地域差がある、
☆EUに対する懐疑派が台頭、
 スペインでは、2019年4月の議会選挙で、不満派が、0から25の議席を獲得。
☆中国の「一帯一路」による、空港や港湾、企業の買収、
 投資などの介入で、EUの結束が乱れ、崩れてくる。

ギリシャは、
「ユーロ・ソブリン危機」を乗り超えたい。
オリンピックの発祥の地である。
ギリシャ文明は、ヘレニズム、ローマへと伝わり、
そして、ルネサンスへと復活してきた。
また、新たなギリシャ文明を興してほしい。
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