「世界の評価」から、「指標」を定めて、
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「ケニアの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ケニアのPISA2015は、参加していない、→ランクF。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ケニアの2017年の国際特許出願件数は、80位→ランクE。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ケニアのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ケニアのパルム・ドール受賞はない、→ランクF。
突出している1位~4位→ランクAとした。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ケニアの文化遺産3は、66位→ランクE。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ケニアのFIFAのランキングは、111位→ランクF。
2018年のワールドカップ、ロシア大会で、
アフリカからは、出場枠5を、53チームが競った。
ケニアは、アフリカ代表になれなかった。
ケニアは、中長距離ランナーが生まれるところ。
男子では、東京箱根間往復大学駅伝競走で大活躍している。
高校駅伝では、ケニア人が、最長の激戦区、2区が任される。
女子では、マラソンの女王、テグラ・ロルーペがいる。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ケニアの国民総生産GDPは、68位→ランクF。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ケニアの通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
ケニアのPISA2015は、参加していない、→ランクF ⇒ 0点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
ケニアの国際特許出願件数は、80位→ランクE ⇒ 1点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
ケニアのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
ケニアのパルム・ドール受賞はない、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
ケニアの文化遺産3は、66位→ランクE ⇒ 1点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
ケニアの国民総生産GDPは、68位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
ケニアは2点。
レーダーチャートで見る、
「ケニアの通知表 2018年」。
ケニアは、国土が日本の1.5倍、
人口は4千500万人と、大きな国である。
ケニアは、テロ攻撃にあった。
1998年8月7日、ケニアの首都ナイロビの、アメリカ大使館が爆破された。
アメリカの同時多発テロ、2001年9月11日に先立つ3年前で、
世界のどこでもが、テロの舞台になり得る、
「国際テロ」の始まりである。
アメリカ大使館の跡地。5階建てはなく、空が広がっていた。2003年撮影。
ナイロビの中心街で、裁判所、議会、市役所、ホテル、銀行が並ぶ。
幹線道路が、前と横を走る角地で、バス停は混雑している。
道路際にある、▽ポールを、
爆薬を満載したトラックは、へし折って、アメリカ大使館に突っ込んだ。
死者291人、重軽傷者5,000人以上の大惨事となった。
アルカイダが、犯行声明を出している。
「オフィスは、アメリカ大使館から200メートルほど離れていた」
ケニア人は、つらそうに話してくれた。
「ものすごい音がして、衝撃があったから、イスから跳ね上がった。
窓ガラスが割れ、粉塵が舞い上がってきた」
「ただごとではないことはわかった」
「最初は、飛行機が墜落したか、と思った」
「すぐに、部屋を飛び出して、エレベータへ走った、
が動かなかった。それで、4階から階段を駆け下りた」
「気がついたら、アメリカ大使館の方向に走っていた」
「アメリカ大使館は、半分が吹き飛んで、むき出しの鉄骨とガレキになっていた」
「あんな建物は、見たことがない! 」
「大使館の残骸には、動かない人、うずくまっている人、
血を噴き出している人…カオスだった」
「犠牲者は、12人のアメリカ人のほかは、数千人のケニア人だった」
「思い出したくない、思い出したくなくても思い出す、夜中に思い出すことがある」
そして、現場に連れて行ってくれた。
大使館の跡は、アーチが掲げられていた。
“AUGUST 7TH MEMORIAL PARK” 8月7日記念公園。
「ケニアに隣接する国は、内戦が続いていますが、ケニアには内戦もなく、
テロとは無関係な平和で、『穏やかな国』だったんですよ」
「平和な国ケニアでは、出入国管理の警戒がおろそかでした。
テロリストには無警戒だったわけです。まさか、
アフリカが、テロリストにねらわれることはないだろう、
という油断がありました。テロリストにとっては、
ヨーロッパやアメリカの方が、はるかに、ニュース性が高いから」
「もしケニアがねらわれたとしても、最後だろう、と思っていました」
2019年1月に、ナイロビの高級ホテルを含む複合施設が襲撃されて、
外国人を含む21人が死亡するテロ事件が発生した。
外務省の海外安全ホームページには、
ケニアの警備は強化されているが、
テロへの警戒が必要、とある。
ケニアの魅力は、サバンナの自然、
そして、アスリートを生む人類発祥の地。
サバンナの自然。
キリン。見つめ合い。
「オメー、どこから来た?」、「見慣れない顔ね! 」
ナイロビ国立公園で。
ダチョウ。にらみ合い。
ライオンほか、肉食動物がいるから、
ダチョウも草食動物も、頭をもたげて警戒する。
インパラ。距離の探り合い。
「これ以上、近づかないで! 」。
サギとワシ。樹上の縄張り争い。
「私(サギ)のアカシアよ! 」、「ワシが先に来た! 」
シマウマ。目を合わせようとしない。
逃げるが勝ち、スタコラサッサ。
マサイ族と遭遇。
右はレンジャー。ナイロビ国立公園。
マサイ族のぜい肉のない胴から伸びた、長くてまっすぐな手足。
赤い服、首飾り、腕輪、それに、羽飾りの面…勇者!
勇者の肌に触りたかった。
「触わってもいいですか?」
ソーッと、お願いしてみた。
すぐにOKしてくれた。きれいな英語を話す。
てかてかに光った上腕を指で押してみる。
弾力がある。肌がなめらかで、しっとりとしている。
汗ではない。サバンナでは、水は少ないから、
汗をかいて、水を出す体にはなっていない。
いっしょに写真をお願いした。
マサイ族は快諾して、手を回して肩を組んできた。
日本人の筋肉は、どんなだろうか? 知りたかった?
マサイ族には、もっと聞きたかった。
しなやかな身体は、ゲーム・ミートを食べているから?
野生動物は、槍や弓矢で仕留める?
一日、どのくらい走るのだろうか?
サンダルは、どこで売っている?
牛の放牧生活は、続いている?
羽飾りの面は、儀式のため?
「サバンナの『ゲーム・ミート』Game Meatはいかがでしょう?」
ケニア人が、ナイロビの夜に用意してくれたのは、
カーニボアCarnivoreというレストラン。
「きょう狩猟した野生動物を、バーベキューにして食べさせてくれます」
「シマウマはあるでしょう? ライオンはありません、ゾウもないです。
カバが獲れたり、キリンが獲れたりします。
何が出てくるか、行ってみるまで、わかりません」
ナイロビは赤道直下の高原地帯、日中は25℃でも、
陽が落ちた夜は、12℃まで冷え込む。長袖を着る。
巨大なテントの下に、いくつものテーブルを並べて、
サバンナでキャンプのような雰囲気を出している。
オーダーを聞いてから調理にかかるのではなく、テントの中央にある丸い炉で、
1メートルほどの金属の串に刺した肉のかたまりを、炭火で焼く。味付けは塩。
煙がもうもうと出て、テーブルまで、いい匂いがたちこめてくるから、
「きょうの獲物は、何かな?」と、期待は上がる。
「シマウマ、シマウマ」
と言いながら、ボーイが、
焼き上がった串を持って、テーブルを回ってくるから、
声をかけると、ナイフで肉をそいで、皿に落としてくれる。
きょうのゲーム・ミートは、どれもうまい。順番を付けると、
ダチョウ ⇒ ウォーターバック ⇒ エランド ⇒ シマウマ ⇒ クロコダイル。
ウォーターバックと、エランドはウシ科、ウシ科はうまい。
ウォッカをベースにした、ガワが、ゲーム・ミートに合う。
蜂蜜とライムを加え、サトウキビの棒を、
マドラー代わりに突っ込んである。
青臭いが、ぐいぐい進む。
「ケニアには、マラソンの女王、テグラ・ロルーペがいます」
第10回長野マラソンに招待される。12位。2008年4月。
34歳だが、スリムなアスリートの身体だ。
「足が速いのは、カレンジン族です」
「ケニアの西にある『グレイト・リフト・ヴァレー』Great Lift Valleyで、
牛を追う牧畜民で、闘争心がすごく、牛の争奪戦をする。
オリンピックで優勝したり、中長距離の世界記録を持っています」
グレイト・リフト・ヴァレーは、
アフリカ大陸を南北に走っている裂け目。
大地溝帯と呼ばれて、ケニアの西部を通る。
それまでジャングルにいた猿は、
木の上から大地溝帯の、サバンナの草原に下りてきた。
ジャングルで木の実を食べていたことから、
動物をハンティングするという、暮らしの激変である。
そして、猿は動物に襲われないように、
サバンナでときおり立ち上がっては、周り見通した。
これが劇的な「2足歩行」の開始である。
空いた両手にこん棒を持ち、道具を扱うようになる。
現代人の発生はアフリカ起源説が一般だが、
それは、この大地溝帯が舞台である。
「テグラは、ケニアの西にいるカレンジン族の少数民族ポコト出身です。
ポコトは、夜になると牛泥棒が横行して、殺し合いになる地域です」
「1973年生まれで、農業の父には5人の妻がいて、テグラは22人兄弟です。
小学校までの10キロは、はだしで走って通っていた。
「家へ帰ると牛の世話をし、家事をし、兄弟の面倒を見る生活でした」
「ジュニアのときに、800メートルと1,500メートルで優勝して頭角を現した」
「しかし、身長153センチ、体重39キロという、きゃしゃな身体、それに、
女性であることで、ケニアの陸上競技会からは、まったく無視された」
「ケニアにいては将来が見込めないと感じたテグラは、
父親の猛反対を押し切って、19歳のときにドイツへ行って、
コーチにつき、21歳のときに、ニューヨーク・シティ・マラソンに、
初めて参加して、初優勝した」
「それで、賞金3万ドルと高級車を手に入れたのです」
「アフリカの女性として初優勝」
「これで一躍、ケニア人のあこがれとなり、
ケニアの陸上競技会も、実力を見直した」
「ニューヨーク・シティ・マラソンでは、2連覇、
ロッテルダムやベルリンでも優勝、世界記録を2回、
長距離走を合わせると、8つの世界記録を打ち立てました」
「ケニアにもどって、テグラ・ロルーペ平和財団を築いて、
故郷で『平和マラソン』を開催している」
「牛泥棒にも参加を呼びかけて、牛泥棒の風習を止めさせたり、
青少年にスポーツの道を開いている」
「ケニア・オリンピック委員会のメンバーになったり、
エイズ患者の救済活動にも力を入れています」
人類発祥の地ケニアは、
女子も金の卵で、アスリートが育つ環境が整っている。
ケニアでは、
サバンナで、野性動物に遭遇し、
ゲーム・ミートを味わい、マサイ族に遇い、
アスリートの金の卵が生まれる、人類発祥の地を見たい。
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「ケニアの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ケニアのPISA2015は、参加していない、→ランクF。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ケニアの2017年の国際特許出願件数は、80位→ランクE。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ケニアのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ケニアのパルム・ドール受賞はない、→ランクF。
突出している1位~4位→ランクAとした。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ケニアの文化遺産3は、66位→ランクE。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ケニアのFIFAのランキングは、111位→ランクF。
2018年のワールドカップ、ロシア大会で、
アフリカからは、出場枠5を、53チームが競った。
ケニアは、アフリカ代表になれなかった。
ケニアは、中長距離ランナーが生まれるところ。
男子では、東京箱根間往復大学駅伝競走で大活躍している。
高校駅伝では、ケニア人が、最長の激戦区、2区が任される。
女子では、マラソンの女王、テグラ・ロルーペがいる。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ケニアの国民総生産GDPは、68位→ランクF。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ケニアの通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
ケニアのPISA2015は、参加していない、→ランクF ⇒ 0点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
ケニアの国際特許出願件数は、80位→ランクE ⇒ 1点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
ケニアのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
ケニアのパルム・ドール受賞はない、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
ケニアの文化遺産3は、66位→ランクE ⇒ 1点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
ケニアの国民総生産GDPは、68位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
ケニアの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
ケニアは2点。
レーダーチャートで見る、
「ケニアの通知表 2018年」。
ケニアは、国土が日本の1.5倍、
人口は4千500万人と、大きな国である。
ケニアは、テロ攻撃にあった。
1998年8月7日、ケニアの首都ナイロビの、アメリカ大使館が爆破された。
アメリカの同時多発テロ、2001年9月11日に先立つ3年前で、
世界のどこでもが、テロの舞台になり得る、
「国際テロ」の始まりである。
アメリカ大使館の跡地。5階建てはなく、空が広がっていた。2003年撮影。
ナイロビの中心街で、裁判所、議会、市役所、ホテル、銀行が並ぶ。
幹線道路が、前と横を走る角地で、バス停は混雑している。
道路際にある、▽ポールを、
爆薬を満載したトラックは、へし折って、アメリカ大使館に突っ込んだ。
死者291人、重軽傷者5,000人以上の大惨事となった。
アルカイダが、犯行声明を出している。
「オフィスは、アメリカ大使館から200メートルほど離れていた」
ケニア人は、つらそうに話してくれた。
「ものすごい音がして、衝撃があったから、イスから跳ね上がった。
窓ガラスが割れ、粉塵が舞い上がってきた」
「ただごとではないことはわかった」
「最初は、飛行機が墜落したか、と思った」
「すぐに、部屋を飛び出して、エレベータへ走った、
が動かなかった。それで、4階から階段を駆け下りた」
「気がついたら、アメリカ大使館の方向に走っていた」
「アメリカ大使館は、半分が吹き飛んで、むき出しの鉄骨とガレキになっていた」
「あんな建物は、見たことがない! 」
「大使館の残骸には、動かない人、うずくまっている人、
血を噴き出している人…カオスだった」
「犠牲者は、12人のアメリカ人のほかは、数千人のケニア人だった」
「思い出したくない、思い出したくなくても思い出す、夜中に思い出すことがある」
そして、現場に連れて行ってくれた。
大使館の跡は、アーチが掲げられていた。
“AUGUST 7TH MEMORIAL PARK” 8月7日記念公園。
「ケニアに隣接する国は、内戦が続いていますが、ケニアには内戦もなく、
テロとは無関係な平和で、『穏やかな国』だったんですよ」
「平和な国ケニアでは、出入国管理の警戒がおろそかでした。
テロリストには無警戒だったわけです。まさか、
アフリカが、テロリストにねらわれることはないだろう、
という油断がありました。テロリストにとっては、
ヨーロッパやアメリカの方が、はるかに、ニュース性が高いから」
「もしケニアがねらわれたとしても、最後だろう、と思っていました」
2019年1月に、ナイロビの高級ホテルを含む複合施設が襲撃されて、
外国人を含む21人が死亡するテロ事件が発生した。
外務省の海外安全ホームページには、
ケニアの警備は強化されているが、
テロへの警戒が必要、とある。
ケニアの魅力は、サバンナの自然、
そして、アスリートを生む人類発祥の地。
サバンナの自然。
キリン。見つめ合い。
「オメー、どこから来た?」、「見慣れない顔ね! 」
ナイロビ国立公園で。
ダチョウ。にらみ合い。
ライオンほか、肉食動物がいるから、
ダチョウも草食動物も、頭をもたげて警戒する。
インパラ。距離の探り合い。
「これ以上、近づかないで! 」。
サギとワシ。樹上の縄張り争い。
「私(サギ)のアカシアよ! 」、「ワシが先に来た! 」
シマウマ。目を合わせようとしない。
逃げるが勝ち、スタコラサッサ。
マサイ族と遭遇。
右はレンジャー。ナイロビ国立公園。
マサイ族のぜい肉のない胴から伸びた、長くてまっすぐな手足。
赤い服、首飾り、腕輪、それに、羽飾りの面…勇者!
勇者の肌に触りたかった。
「触わってもいいですか?」
ソーッと、お願いしてみた。
すぐにOKしてくれた。きれいな英語を話す。
てかてかに光った上腕を指で押してみる。
弾力がある。肌がなめらかで、しっとりとしている。
汗ではない。サバンナでは、水は少ないから、
汗をかいて、水を出す体にはなっていない。
いっしょに写真をお願いした。
マサイ族は快諾して、手を回して肩を組んできた。
日本人の筋肉は、どんなだろうか? 知りたかった?
マサイ族には、もっと聞きたかった。
しなやかな身体は、ゲーム・ミートを食べているから?
野生動物は、槍や弓矢で仕留める?
一日、どのくらい走るのだろうか?
サンダルは、どこで売っている?
牛の放牧生活は、続いている?
羽飾りの面は、儀式のため?
「サバンナの『ゲーム・ミート』Game Meatはいかがでしょう?」
ケニア人が、ナイロビの夜に用意してくれたのは、
カーニボアCarnivoreというレストラン。
「きょう狩猟した野生動物を、バーベキューにして食べさせてくれます」
「シマウマはあるでしょう? ライオンはありません、ゾウもないです。
カバが獲れたり、キリンが獲れたりします。
何が出てくるか、行ってみるまで、わかりません」
ナイロビは赤道直下の高原地帯、日中は25℃でも、
陽が落ちた夜は、12℃まで冷え込む。長袖を着る。
巨大なテントの下に、いくつものテーブルを並べて、
サバンナでキャンプのような雰囲気を出している。
オーダーを聞いてから調理にかかるのではなく、テントの中央にある丸い炉で、
1メートルほどの金属の串に刺した肉のかたまりを、炭火で焼く。味付けは塩。
煙がもうもうと出て、テーブルまで、いい匂いがたちこめてくるから、
「きょうの獲物は、何かな?」と、期待は上がる。
「シマウマ、シマウマ」
と言いながら、ボーイが、
焼き上がった串を持って、テーブルを回ってくるから、
声をかけると、ナイフで肉をそいで、皿に落としてくれる。
きょうのゲーム・ミートは、どれもうまい。順番を付けると、
ダチョウ ⇒ ウォーターバック ⇒ エランド ⇒ シマウマ ⇒ クロコダイル。
ウォーターバックと、エランドはウシ科、ウシ科はうまい。
ウォッカをベースにした、ガワが、ゲーム・ミートに合う。
蜂蜜とライムを加え、サトウキビの棒を、
マドラー代わりに突っ込んである。
青臭いが、ぐいぐい進む。
「ケニアには、マラソンの女王、テグラ・ロルーペがいます」
第10回長野マラソンに招待される。12位。2008年4月。
34歳だが、スリムなアスリートの身体だ。
「足が速いのは、カレンジン族です」
「ケニアの西にある『グレイト・リフト・ヴァレー』Great Lift Valleyで、
牛を追う牧畜民で、闘争心がすごく、牛の争奪戦をする。
オリンピックで優勝したり、中長距離の世界記録を持っています」
グレイト・リフト・ヴァレーは、
アフリカ大陸を南北に走っている裂け目。
大地溝帯と呼ばれて、ケニアの西部を通る。
それまでジャングルにいた猿は、
木の上から大地溝帯の、サバンナの草原に下りてきた。
ジャングルで木の実を食べていたことから、
動物をハンティングするという、暮らしの激変である。
そして、猿は動物に襲われないように、
サバンナでときおり立ち上がっては、周り見通した。
これが劇的な「2足歩行」の開始である。
空いた両手にこん棒を持ち、道具を扱うようになる。
現代人の発生はアフリカ起源説が一般だが、
それは、この大地溝帯が舞台である。
「テグラは、ケニアの西にいるカレンジン族の少数民族ポコト出身です。
ポコトは、夜になると牛泥棒が横行して、殺し合いになる地域です」
「1973年生まれで、農業の父には5人の妻がいて、テグラは22人兄弟です。
小学校までの10キロは、はだしで走って通っていた。
「家へ帰ると牛の世話をし、家事をし、兄弟の面倒を見る生活でした」
「ジュニアのときに、800メートルと1,500メートルで優勝して頭角を現した」
「しかし、身長153センチ、体重39キロという、きゃしゃな身体、それに、
女性であることで、ケニアの陸上競技会からは、まったく無視された」
「ケニアにいては将来が見込めないと感じたテグラは、
父親の猛反対を押し切って、19歳のときにドイツへ行って、
コーチにつき、21歳のときに、ニューヨーク・シティ・マラソンに、
初めて参加して、初優勝した」
「それで、賞金3万ドルと高級車を手に入れたのです」
「アフリカの女性として初優勝」
「これで一躍、ケニア人のあこがれとなり、
ケニアの陸上競技会も、実力を見直した」
「ニューヨーク・シティ・マラソンでは、2連覇、
ロッテルダムやベルリンでも優勝、世界記録を2回、
長距離走を合わせると、8つの世界記録を打ち立てました」
「ケニアにもどって、テグラ・ロルーペ平和財団を築いて、
故郷で『平和マラソン』を開催している」
「牛泥棒にも参加を呼びかけて、牛泥棒の風習を止めさせたり、
青少年にスポーツの道を開いている」
「ケニア・オリンピック委員会のメンバーになったり、
エイズ患者の救済活動にも力を入れています」
人類発祥の地ケニアは、
女子も金の卵で、アスリートが育つ環境が整っている。
ケニアでは、
サバンナで、野性動物に遭遇し、
ゲーム・ミートを味わい、マサイ族に遇い、
アスリートの金の卵が生まれる、人類発祥の地を見たい。