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世界の通知表2018年のまとめ

2019-07-28 00:02:05 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
世界の通知表 2018年」を掲載し、
2018年6月17日から、2019年7月21日まで、
38か国を掲載することができた。

掲載には、現地での市民との交流、
「これは、日本人に話そう」、
「これは、日本人に見せたい」が、
役に立っている。市民の声を含めて、
「世界の通知表 2018年」をまとめる。


1) 日本の通知表2018年 2018年06月17日。 32点
  戦後の廃墟から復興して、経済力、援助力、学力、開発力はトップクラス。
  創造力、芸術力、文化力も高い。「日本は、国復興のロール・モデルです」

2) ロシアの通知表2018年 2018年07月01日。 25点
  「ソ連が崩壊し、ロシアになったが、もう後戻りはしない」
  「ロシアでやっていく」と市民は決意し、強国をよみがえらせたい。

3) イギリスの通知表2018年 2018年07月15日。 37点
  開発力、創造力、芸術力、文化力、経済力、援助力はトップクラス。
  ドイツとフランス主導のEUから離脱Brexitして、大英帝国の栄光を追う。

4) フランスの通知表2018年 2018年07月29日。 37点
  開発力、芸術力、文化力、運動力、経済力、援助力はトップクラス。
  ドイツとEUを立ち上げ、主導する。サッカーの2018年ワールド・カップは優勝。

5) ベルギーの通知表2018年 2018年08月12日。 30点
  運動力は、サッカーの2018年ワールド・カップは3位。
  学力、文化力、援助力も高い。GDPに対する公的教育費の割合は4位。

6) スウェーデンの通知表2018年 2018年08月26日。 31点
  創造力/ノーベル賞17人は、人口が日本と同じなら215人。日本の約10倍。
  GDPに対する公的教育費の割合は5位。男女平等ランキングは3位。

7) ドイツの通知表2018年 2018年09月09日。 38点
  西ドイツは戦後の廃墟から復興、さらに、東ドイツを併合して、ドイツを復興した。
  フランスと共にEUを立ち上げ、主導する。レーダーチャートは世界一の面積。



8) イタリアの通知表2018年 2018年09月23日。 33点
  古代ローマやルネサンス発祥の地で、世界の文化の模範。経済の落ち込みから、
  中国の「一帯一路」に、G7から唯一参加して、港湾の整備に経済援助を受ける。

9) フィンランドの通知表2018年 2018年10月07日。 19点
  産業を林業からIT情報機器へ切り替えた。イデオロギーから、先端技術が支配する、
  世界に対応。GDPに対する公的教育費の割合は2位。世界幸福度ランキングは1位。

10) ブルガリアの通知表2018年 2018年10月21日。 6点
  1991年にソ連が崩壊して、NATOに加盟。さらに、「欧州への回帰」を、
  目指してEUに加盟。支援を受けて、失われた半世紀を取りもどしていく。

11) ポーランドの通知表2018年 2018年11月04日。 26点
  ソ連が崩壊して、EUに加盟。経済援助を受けて復興し、援助国になっている。
  「ショパン、キュリー夫人、コペルニクスは、ポーランド人です」と誇りである。

12) チェコの通知表2018年 2018年11月18日。 17点
  「世界のだれも、助けてくれなかった! 」から21年、無血のビロード革命で、
  共産主義から決別。EUに加盟し、経済復興。政府開発援助ODAをする国になった。

13) オランダの通知表2018年 2018年12月02日。 29点
  創造力のノーベル賞15人は、人口が日本と同じならば、112人。日本の5倍。
  絵画は、愛されるフェルメール、ブリューゲル、レンブラント、ゴッホがいる。

14) シンガポールの通知表2018年 2019年02月03日。 10点
  「民族の融和政策で、抗争がないことが、繁栄の大きな理由になっています」
  学力/PISAは1位、世界競争力は3位。アジアの地域本社がある国際都市。

15) 韓国の通知表2018年 2019年02月10日。 22点
  産業を重工業から、ITを基幹産業とする国策が成功。
  スマートフォン、液晶、半導体が主力産業になって、経済成長している。

16) 中国の通知表2018年 2019年02月17日。 22点
  ハイテク産業の助成により、ファーウェイは世界2位のスマートフォンの、
  メーカーに成長。アメリカと、「貿易紛争」、「ハイテク覇権」に突入。

17) 香港の通知表2018年 2019年02月24日。 10点
  中国返還時に、香港に約束された民主主義の「一国二制度」の実現に、
  行政長官の普通選挙を要求。中国からの回答は、約束の実現ではなかった。

18) 台湾の通知表2018年 2019年03月03日。 14点
  中国は2019年に、台湾統一を示した。台湾は、香港の「一国二制度」が、
  民主主義が尊重されないのを見ているから、受け入れないと表明。

19) オーストラリアの通知表2018年 2019年03月10日。 25点
  「豊かな自然資源、知的な人が多いこと」が、豊かさ、文化の高さのわけ。
  「イギリスの教育政策を、浸透させた」。外国からの留学生の受け入れは3位。

20) ノルウェーの通知表2018年 2019年03月17日。 22点
  1人当たりGDPは3位。GDPに対する公的教育費の割合は1位。世界幸福度
  ランキングは3位。男女平等のランキングは2位。オーロラは、自然現象の一つ。

21) デンマークの通知表2018年 2019年03月24日。 27点
  創造力のノーベル賞9人は、人口が日本と同じならば、201人。日本の9倍。
  世界幸福度ランキングは2位。くつろぎ「ヒュッゲ」で、幸せを感じている。

22) アイルランドの通知表2018年 2019年03月31日。 19点
  海外移住者から、フォード、メリル・リンチ、アメリカ大統領が生まれている。
  1人当たりGDPは4位。イギリスのEU離脱Brexitで、EUの玄関になる。

23) オーストリアの通知表2018年 2019年04月07日。 27点
  豊かで、知的な国、天才、鬼才を生む。音楽はモーツアルト、ハイドン、
  ヨハン・シュトラウス、絵画はクリムト。世界幸福度ランキングは10位。

24) スイスの通知表2018年 2019年04月14日。 33点
  創造力のノーベル賞16人は、人口が日本と同じなら244人。日本の11倍。
  1人当たりGDPは2位。世界競争力は5位。世界幸福度ランキングは6位。

25) スペインの通知表2018年 2019年04月21日。 31点
  降りそそぐ太陽、灼熱の土壌は、ピカソ、ミロ、ダリ、グレコ、ガウディの、
  天才、鬼才を生む。文化の創造は、世界の人を魅了する観光資源になっている。

26) ポルトガルの通知表2018年 2019年04月28日。 20点
  金融危機「ユーロ・ソブリン危機」2009年を、緊縮財政とEUからの、
  金融支援で乗り切った。主要国一人当たりのワイン消費量、54リットルは1位。

27) ギリシャの通知表2018年 2019年05月05日。 12点
  金融危機「ユーロ・ソブリン危機」を起こして、EUから金融支援を受けている。
  中国の経済構想「一帯一路」を受け、国内最大のピレウス港を売却している。

28) トルコの通知表2018年 2019年05月12日。 23点
  ロシアとは仇敵であったいきさつから、EUへの加盟を望む。すでに、
  NATO、OECDに加盟。あとは、EUの決断を待つだけ。大の親日国。

29) チュニジアの通知表2018年 2019年05月19日。 7点
  独裁政権の終わり「ジャスミン革命」、民主的な政権移行「アラブの春」を体験。
  アルファベットの発明、栄華の地中海貿易、歴史を創り出した世界遺産は、誇り。

30) ケニアの通知表2018年 2019年05月26日。 2点
  「足が速いのは、『グレイト・リフト・ヴァレー』のカレンジン族です」
  「オリンピックで優勝し、中長距離の世界記録を持っています」

31) 南アフリカの通知表2018年 2019年06月02日、 9点
  ネルソン・マンデラ大統領は、アパルトヘイト政策を終わらせて、
  1995年第3回のラグビー、ワールド・カップを誘致。初参加で、初優勝。

32) カナダの通知表2018年 2019年06月09日。 25点
  「多文化のモザイク」を尊重し、民族の独自性を求めている。学力/PISAは6位。
  世界幸福度ランキングは9位。雄大な自然遺産は、世界から観光客を呼び寄せる。

33) アメリカの通知表2018年 2019年06月16日。 34点
  創造力/ノーベル賞は断トツの1位。芸術力/カンヌ映画祭も1位。外国の留学生の、
  受け入れは1位。ハイテク分野の国際特許出願件数は高く、中国とのハイテク覇権。

34) メキシコの通知表2018年 2019年06月23日。 18点
  壁画運動は、民族の「アイデンティティ」を求めた、ヴァイタリティ。
  多くの世界遺産と、保養地に、世界からの観光客を呼び寄せる。

35) コスタリカの通知表2018年 2019年06月30日。 4点
  産業構造を、朝食産業から、ハイテク産業に切り替えた。平和憲法で非武装。
  軍事費を0にして、教育費に回す。エコツーリズムで、観光客を引き寄せる。

36) ブラジルの通知表2018年 2019年07月07日。 20点
  経済力/GDPは8位、フレックス燃料車を生み、リージョナルジェット機を生産。
  サッカーはワールド・カップ5回の優勝、王様ペレがいる。サンバの情熱に歓喜する。

37) ウルグアイの通知表2018年 2019年07月14日。 7点
  サッカーのワールド・カップを、オリンピックをしのぐ、世界最大のスポーツの、
  祭典に発展させた。「100周年スタジアム」という記念碑を遺している。

38) アルゼンチンの通知表2018年 2019年07月21日。 16点
  「サッカーの神様」、マラドーナが、マルヴィナス戦争の仇討ちをしてくれた。
  タンゴの港湾労働者の切ない気持ちを、カルロス・カルデルが文化に高めた。

38か国の掲載には、現地の市民との交流が役に立っている。
その国を、より知ることができた。
そして、単なる評論を避けた。
閲覧いただきまして、ありがとうございます。
何らかの、お役に立てればと思います。

これから、2週間ほど、夏休みをとります。
PCとの、にらめっこで、疲れた目を休めます。
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アルゼンチンの通知表2018年

2019-07-21 00:04:05 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
アルゼンチンの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
アルゼンチン(ブエノス・アイレス)のPISA2015は、40位→ランクD

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
アルゼンチンの2017年の国際特許出願件数は、55位→ランクE

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
アルゼンチンのノーベル賞の受賞者3人、16位→ランクC
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
アルゼンチンのパルム・ドール受賞はない、→ランクF
突出している1位~4位→ランクAとした。

アルゼンチンには、「タンゴ」がある。
タンゴ・ショー


夜10時、ステージ左手のバンドは7人編成。
バンドネオン2、バイオリン2、ピアノ、ギター、コントラバス。
「ンチャッチャッチャ」が流れてくる、と体が浮いてくる。
最初は、男の歌手が現れた。切なそうに歌う。
「港湾労働者のつらい境遇とか、 
 去って行ったガールフレンドに、呼びかける歌です」
「夢を抱いてアルゼンチンまで移民した。
 だが、生活はちっとも楽にならない…」
「恋人よ、帰って来てくれ!
 あんなに愛し合ったのに、どうして去ったんだ…」
と、アルゼンチン人は説明してくれる。

「タンゴは、イタリア移民の港湾労働者から発生しました」
「労働者の悲哀を歌う、低下層の歌でしたが、
 1930年代に優れた作曲家や歌手が登場して、
 タンゴが高められて、普及しました」

「タンゴ界の第一人者に、カルロス・ガルデルがいました」
「フランスからの移民で、歌手として、作曲家として大成功しました」
「それで『ガルデルのようになれ! 』という言葉があります。
 『がんばって、成功しよう! 』という意味です」

つぎに、女の歌手に代わった。有名な人だという。
それから、ダンスが始まった。
最初は、以外に男同士である。
「昔は、男同士で踊っていました」
「男女の交際が、うとんじられていたから」

それから、男女の踊りになった。
背景は、波止場や酒場であったり、
わびしい港町であったりして、男と女のかかわりを踊る。
女のドレスのフレアが、回転するたびに男にからみつく。いいものだ!
フィニッシュは、唇が触れ合わんばかりで、
女は長い脚を後ろに引いて、のけぞる。

カミニート。港(ボカ)にあるイタリア移民の街、タンゴ発生の地。


外壁を青、ピンク、橙、黄色と原色に塗られた、2~3階建ての家が連なる。
まるで映画のセットのようで、カラーフルな家並みは、100メートルほど続く。
「屋根は、石の代わりにトタンが使われているところもあって、冬は寒く、夏は暑い」
「1階は安酒場、上階はベッドで、当時は売春宿であった」
今では、みやげものや、アパートメントで、観光名所になっている。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
アルゼンチンの文化遺産6は、38位→ランクD

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
アルゼンチンのFIFAのランキングは、5位→ランクA

2018年のワールド・カップ、ロシア大会で、
南アメリカの出場枠 4.5を、ブラジル、ウルグアイ、
アルゼンチン、コロンビアが得た。5位のペルーは、
ニュージーランドとの大陸間プレーオフで勝って出場。

ロシア大会では、3度目の優勝を目指す。
Dグループで、クロアチアに次ぐ2位で、
決勝トーナメントに進出。しかし、フランスに敗れた。
そのフランスが、決勝に進み、クロアチアを破って、2度目の優勝をした。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
アルゼンチンの国民総生産GDPは、21位→ランクC

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
アルゼンチンの政府開発援助ODAはない、→ランクF

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「アルゼンチンの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       アルゼンチンのPISA2015は、40位→ランクD ⇒ 2点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       アルゼンチンの国際特許出願件数は、55位→ランクE ⇒ 1点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       アルゼンチンのノーベル賞の受賞者3人は、16位→ランクC ⇒ 3点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       アルゼンチンのパルム・ドール受賞はない、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       アルゼンチンの文化遺産6は、38位→ランクD ⇒ 2点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       アルゼンチンのFIFAのランキングは、5位→ランクA ⇒ 5点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       アルゼンチンの国内総生産GDPは、21位→ランクC ⇒ 3点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       アルゼンチンの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
         アルゼンチンは16点

レーダーチャートで見る、
アルゼンチンの通知表 2018年」。


アルゼンチンの、国土は日本の7.5倍、人口は4千400万人。
レーダーチャートは、運動力/サッカーが素晴らしい。
経済力/GDPは、新技術、大規模生産による農業で、
穀物を世界に輸出(大豆、トウモロコシ、小麦)。
日本は牛肉、ワインを輸入している。

アルゼンチンの南東に「フォークランド島」がある。
人口2千人、羊毛や漁業で生計を立てている。
領有権をめぐって、イギリスと戦争をした、1982年。

「イギリス国民が1人でも助けを求めている限り、世界中どこにでも救助に行く」
時の首相サッチャーは、フォークランド島にイギリス軍を派遣した。
原子力潜水艦から魚雷を発射して、アルゼンチンの駆逐艦を沈めた。
2か月間にわたる攻防で、イギリスが勝って、
フォークランド島を領有している。

このフォークランド島のことを、アルゼンチン人に聞いてみた。
「『マルヴィナス島』Malvinasといって、アルゼンチン固有の島だ!
と、怒っている。
「『地理的』にも『歴史的』にも、マルヴィナス島はアルゼンチンの領土だ。
 地理的には、アルゼンチンから480キロメートルのところにある島だ。
 イギリスからは1万3千キロメートルも離れている」と言うと、
紙きれをさがして、アルゼンチンの地図を描いた、そして、
MALVINAS” と書き入れた
   
右は、外務省のホームページの地図に、マルヴィナス島と入れた。

「アルゼンチンの本土から、深さ200メートルの大陸棚の範囲に、
 マルヴィナス島は含まれるから、国際慣習上アルゼンチンの領土だ」
と、アルゼンチン本土の外側に、大陸棚の「線」を描いた。

「スペインの植民地であったマルヴィナス島は、
 アルゼンチンがスペインから独立した1816年から権益を継承した」
「住居、電気、医療などの社会基盤は、
 これまでアルゼンチンが整備してきた」
「イギリスはマルヴィナス島の主権を、
 いったん放棄することにしたのだが、
 鉄の女、サッチャーになってから、
 態度を一変させたのだ」
こんなに怒る人は初めてだ。世界で、最も怒っている人だ。
あとで見る「100万ペソ」紙幣で、経済危機になったことを知る。
「今でも、アルゼンチンは、領有権の主張を継続している」
と、言う。

イギリス人に聞いてみた。
「フォークランド島の人たちは、われわれイギリス人と姿かたちが似ているよ」
「それに、フォークランド島には石油が出るからね、その権益を守りたい」
「でも、石油が枯渇する数10年後には、どうなるのかな?」
「南アメリカにおけるイギリス軍の重要な基地として、残すだろうな」
と、遠く離れたところにある島には、どこか冷めている。

アルゼンチンは、サッカーが強い。
ワールド・カップで2回優勝している。
ワールド・カップの優勝国を見る。


1位はブラジルで、5回の優勝、
2位はイタリアと、ドイツで、4回の優勝、
4位はウルグアイ、アルゼンチン、フランスで、2回の優勝。

アルゼンチンの2回の優勝は、
1978年、第11回の地元アルゼンチン大会と、
1986年,第13回のメキシコ大会である。
このメキシコ大会、準々決勝は、イングランド戦。
1982年のマルヴィナス戦争後の、宿敵の対決となった。
マラドーナの大活躍で、2対1で勝った。
「神の手」によるパンチングと、「華麗な5人抜き」があった。

神の手」とは、0対0で迎えた後半、
マラドーナがイングランドのゴール・キーパーと、
空中で競り合って、ヘッディングでゴールを決めた…。
かに見えたが、左手でパンチングをして、ネットに入れた。
イングランドは、審判に激しく抗議したが、判定は変わらなかった。

華麗な5人抜き」は、神の手から4分後の、
マラドーナの「ワン・マン・ショー」。
アルゼンチン陣内で、ボールを奪ったマラドーナは、
巧みなドリブルで、つぎつぎと抜いて、最後は、
ゴール・キーパーをかわして、ネットに蹴り込んだ。
「マルヴィナス戦争の『あだ討ち』をしてくれた!

次の準決勝は、ベルギー戦、マラドーナの4人抜きがあって、2対0で勝利。
決勝戦は西ドイツ戦、2対2から、マラドーナのアシストで、3対2で振り切った。
「マラドーナのためのワールド・カップだった。
 それに、イギリスをやっつけた!
アルゼンチンの国民は歓喜して、マラドーナの凱旋を迎えた。
マラドーナは、「サッカーの神様」として、国民的な英雄となった。

アルゼンチンは、マルヴィナス戦争もあって、
経済危機、「ハイパー・インフレーション」になった。、
100万ペソ」紙幣を発行した。
ブエノス・アイレスの骨董店で見つけて、400円で買った。

表は、サン・マルティン将軍

アルゼンチンの独立を指揮した「祖国の父」。
チリ、ペルーも独立へと導いた。

裏は、カビルド(旧市議会)。

「1810年5月25日」、五月革命の舞台で、
スペインからの独立が宣言された。五月広場にある。
現在は、五月革命博物館になっている。

「この100万ペソは、現在では使われていない。
 それに、当時は4千円ほどの価値だった」
と、アルゼンチン人は言う。
4千万円の大金持ちに、なったわけではない。
アルゼンチン人の怒りは、この「100万ペソ」紙幣の発行にあった。

また、「100万ペソ」紙幣には、
サン・マルティン将軍、カビルド、
五月革命と、アルゼンチンの歴史が詰まっている、

五月広場には、大統領府、大聖堂、カビルドがあって、
ブエノス・アイレスの始まりの場所。さらに、
五月通りを西に行くと、幅140メートルの、
「7月9日通り」を超えて、国会議事堂に出る。

アルゼンチンの安全について、
外務省の、「海外安全ホームページ」には、
「首都ブエノスアイレス市及び周辺都市では、
 銃器を使用した強盗や殺人,誘拐などの凶悪犯罪が発生しているため,
 渡航には十分な注意が必要です」とある。
アルゼンチン人の案内で、五月広場~国会議事堂を訪れた。

大統領府(カサ・ロサーダ)。東側から。

西の五月広場からは、文字通りの「バラ色の家」。

1986年のワールド・カップ、メキシコ大会で優勝した、
マラドーナの一行は、空港から大統領府まで、凱旋パレード。
国民と大統領から、熱狂的な祝福を受けた。

大聖堂(カテドラル・メトロポリターナ)。

「祖国の父」、サン・マルティン将軍が眠っている。
棺は、アルゼンチン、チリ、ペルーの聖女に守られている。

五月広場の西端には、カビルド(旧市議会)があるが、
「100万ペソ」紙幣よりも、横幅が縮小されている。

「7月9日通り」を横切って、国会議事堂

ドームがあり、大理石でできた巨大な建物。
議事堂広場には、ロダンの「考える人」。
左の▽は、「ゼロキロメートル地点」の標識で、国道の起点。

アルゼンチンは、
五月広場に、独立の歴史が凝縮されている。
農業は、新技術、大規模生産によって、
農産物は世界の輸出品になっている。
「100万ペソ」紙幣は、
ハイパー・インフレーションで、
経済の危機があったことを示している。
「サッカーの神様」、マラドーナが、
マルヴィナス戦争の仇討ちをしてくれた。
タンゴは、港湾労働者の切ない気持ちを、
カルロス・ガルデルが高めて、文化にした。
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ウルグアイの通知表2018年

2019-07-14 00:09:00 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
ウルグアイの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ウルグアイのPISA2015は、49位→ランクE

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ウルグアイの2017年の国際特許出願件数は、71位→ランクE

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ウルグアイのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ウルグアイのパルム・ドール受賞はない、→ランクF
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ウルグアイの文化遺産2は、85位→ランクE

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ウルグアイのFIFAのランキングは、17位→ランクB

2018年のワールド・カップ、ロシア大会で、
南アメリカの出場枠 4.5を、ブラジル、ウルグアイ、
アルゼンチン、コロンビアが得た。5位のペルーは、
ニュージーランドとの大陸間プレーオフで勝って出場。

ロシア大会では、3度目の優勝をねらう。
決勝トーナメントに進出し、ポルトガルに勝って、ベスト8。
しかし、準々決勝で、フランスに敗れた。そのフランスが、
決勝に進み、クロアチアを破って、2度目の優勝をした。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ウルグアイの国民総生産GDPは、75位→ランクF

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ウルグアイの政府開発援助ODAはない、→ランクF

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ウルグアイの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ウルグアイのPISA2015は、49位→ランクE ⇒ 1点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       ウルグアイの国際特許出願件数は、71位→ランクE ⇒ 1点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ウルグアイのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ウルグアイのパルム・ドール受賞はない、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       ウルグアイの文化遺産2は、85位→ランクE ⇒ 1点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       ウルグアイのFIFAのランキングは、17位→ランクB ⇒ 4点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ウルグアイの国内総生産GDPは、75位→ランクF ⇒ 0点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       ウルグアイの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
         ウルグアイは7点

レーダーチャートで見る、
ウルグアイの通知表 2018年」。


ウルグアイの、国土は日本の半分、人口は345万人。
レーダーチャートは、運動力/サッカーが素晴らしい。

サッカーのワールド・カップは、オリンピックをしのぐ、
世界最大のスポーツの祭典に発展している。
テレビの視聴者数を見ると、
ワールド・カップ2006年のドイツ大会は263億人、に対して、
オリンピック2008年の北京大会は47億人で、
5.6倍の差がある。

ワールド・カップは、1930年に、ウルグアイから始まった。
そして、ウルグアイが優勝した。
ワールド・カップの優勝国を見る。


優勝国は、ヨーロッパと南アメリカである。
ヨーロッパは、12回の優勝。
イタリアとドイツが4回づつ、
フランスが2回、イングランドとスペインが1回づつ。

南アメリカは、9回の優勝。
ブラジルが5回、
ウルグアイとアルゼンチンが2回づつ、
南アメリカの3か国は、ライバル関係にある。
独立戦争の再現のように、ワールド・カップに燃える。
ウルグアイは、アルゼンチンの後ろ盾で、ブラジルと独立戦争をし、
勝って、アルゼンチンからも独立を認められた。

ウルグアイの2回の優勝は、
第1回の1930年、地元のウルグアイ大会。
 アルゼンチンを破った。審判の判定をめぐって、国交の断絶が起きた。
第4回の1950年、ブラジル大会。
 ブラジルに逆転勝ち。「マラカナンの悲劇」が起きた。

第2回、第3回に、ウルグアイは参加しなかった。
第2回の1934年、イタリア大会は、イタリアが多くのアルゼンチン選手を
 帰化させたことに抗議して不参加。イタリアが優勝。
第3回の1938年、フランス大会は、南アメリカとの交互開催のはずが、
 ヨーロッパの連続開催に抗議して不参加。イタリアが連続優勝。 
 
ウルグアイの仕事が終わった。
これから、モンテビデオ空港へ行く。
「いいものを見せてあげよう」
「モンテビデオ空港へ行く途中にあるから」
「独立広場から、遠くない」
と、ウルグアイ人は送ってくれる。
いいものとは、なんと、サッカーのスタジアムだった。

独立広場。首都モンテビデオ。

ホゼ・アルティガス将軍の像。
馬車、バイク、車が、並んで走る。ほのぼのがいい。

ホゼ・アルティガス将軍の像の先に、
モンテビデオのランドマーク、サルボ宮殿がある。

高さが95メートル。独立広場。
「7月18日通り」は、この左奥を進む。
憲法を制定した1830年7月18日を記念する大通り。

4キロほど東へ行くと、セントラル・パークに突き当たった。
その中に、サッカーのスタジアムがあった。
壁には、ゴールキーパーが描かれている、右の壁には、
ESTADIO CENTENARIO
100周年スタジアム。

MONUMENTO AL FUTBOL MUNDIAL
世界のフットボールの記念碑。

第1回のワールド・カップが開催された、「100周年スタジアム」だ!
サッカー・ファンのあこがれ、「サッカーの記念碑」だ!
ウルグアイ人の誇りを、見てもらいたかったのだろう?

今日はクローズ。広い駐車場には、誰もいない。
スタジアムのフェンスは、締まっている。が、
外観を観れただけでも、うれしくなる!

ウルグアイ人は、車から降りると、スタジアムに近づいた。
フェンスの中に見えたスタッフに声をかけた。すると、
スタッフが寄ってきて、フェンス越しに話を始めた。
時折、こちらを振り返っている。

ウルグアイ人は、笑みを浮かべて、車にもどってきた。
「はるばる日本から、100周年スタジアムを視察に来たお客さんだ、と伝えた。
 きょうはクローズだが、スタジアムを見せてもらえることになった。
 スタッフが、特別に案内してくれるそうだ」
ウルグアイ人の配慮、機転に、感謝!

フェンスのロックが外され、中に招き入れられた。
案内してくれるのは、若い女性スタッフ。
後について、階段を上がる。
正面にピッチが開けた!

芝生もスタンドも整備されて、戦う選手と熱狂する観客を待っていた。

女性スタッフは、スタジアムの説明をし
つぎに、ワールド・カップについて話した。

「1930年は、ウルグアイが、
 アルゼンチンとブラジルから独立して100周年になります。
 独立100周年に建てられたことを記念して、スタジアムは、
 “Estadio Centenario” 100周年スタジアム、と名づけられました」

「中央のタワーは、オリンピックで優勝したウルグアイが、
 船で帰国したときに、選手がタラップに並んで、
 声援に応える様子を、シンボル化したものです。
 “Torre de los homenajes” 栄誉の塔、と言います」

「スタジアムは、今でも使われて、7万3千人を収容できます」
「世界で一番安全なスタジアムで、観客はたった15分で、
 スタジアム周囲の広場に避難できます」
と、安全であることを強調する。

「ピッチに最も近いところに並ぶコンクリート製のいすは、
 オープン当時のものです」
座ってみると、ひじ掛けがあって、ゆったりしている。
それに、前の席とは半分ずらして、観やすく配置されていた。

ワールド・カップ第1回大会が、
なぜ、ウルグアイで開催されたのだろうか?
サッカーに関心が薄い人でも、抱く疑問である。

サッカーは、もともとヨーロッパのもの、
イングランドが発祥の地である。それに、
同じ南アメリカでも、ブラジルやアルゼンチンの開催ならわかる。
ともに、サッカー大国で、ブラジルは、のちに王様ペレを生み、
アルゼンチンは、神様マラドーナ、の国民的英雄を生む。

「ウルグアイは、オリンピックのサッカーで、
 1924年と1928年に連続優勝しました。
 ヨーロッパの強豪やアルゼンチンを破り、
 世界にウルグアイの実力を示しました」

「国際フットボール連盟FIFAのジュール・リメ会長は、
 プロが参加できる国際試合を開催したいと企画して、
 サッカーのワールド・カップが実現しました」
1930年の第1回大会は、ウルグアイで開催されましたが、
 これには、オリンピックで連続優勝したウルグアイの実力のほかに、
 ウルグアイの独立100周年を祝福する意味も、あったのです」
これで、第1回のワールド・カップが、
ウルグアイで開催されたわけがわかった。

「第1回のワールド・カップは、ウルグアイで開催され、
 ウルグアイがアルゼンチンを破って、優勝しました。
 ウルグアイ人ならば、だれでも知っています」
「ウルグアイから始まったワールド・カップは、
 世界最大のスポーツの祭典になりました」

女性スタッフの、自信に満ちた説明、
「ありがとうございました」
仕事中のところを、わざわざ手を休めて、案内していただきました。

栄誉の塔の“VISITA” 訪問者の券は、

宝物として大事にします。
ところで、いくらだったんだろう?
同行のウルグアイ人は、いつ、払ったんだろう?

ウルグアイは、
ワールド・カップの第1回を開催した。そして、優勝した。
合計2回の優勝という、輝かしい実績がある。それに、
「100周年スタジアム」という記念碑を遺した。
ワールド・カップを、オリンピックをしのぐ、
世界最大のスポーツの祭典に発展させた。
ウルグアイ人は、親切で、機転が利く。
サッカーに興味が薄い人も、引き込む。
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ブラジルの通知表2018年

2019-07-07 00:07:07 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
ブラジルの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ブラジルのPISA2015は、63位→ランクF

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ブラジルの2017年の国際特許出願件数は、25位→ランクC

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ブラジルのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ブラジルのパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ブラジルの文化遺産14は、14位→ランクB

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ブラジルのFIFAのランキングは、2位→ランクAA

2018年のワールド・カップ、ロシア大会で、
ブラジルは、南米の出場枠 4.5を1位で獲得した。
ほかに、ウルグアイ、アルゼンチン、コロンビアとともに。
5位のペルーは、ニュージーランドとの大陸間プレーオフで勝って出場。

ロシア大会では、決勝トーナメントに進出し、
メキシコに勝って、7大会連続のベスト8。
しかし、準々決勝で、ベルギーに敗れた。
決勝戦は、フランスがクロアチアを破って、2度目の優勝となった。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ブラジルの国民総生産GDPは、8位→ランクA

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ブラジルの政府開発援助ODAはない、→ランクF

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ブラジルの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ブラジルのPISA2015は、63位→ランクF ⇒ 0点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       ブラジルの国際特許出願件数は、25位→ランクC ⇒ 3点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ブラジルのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ブラジルのパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC ⇒ 3点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       ブラジルの文化遺産14は、14位→ランクB ⇒ 4点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       ブラジルのFIFAのランキングは、2位→ランクAA ⇒ 5点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ブラジルの国内総生産GDPは、8位→ランクA ⇒ 5点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       ブラジルの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
         ブラジルは20点

レーダーチャートで見る、
ブラジルの通知表 2018年」。


ブラジルの、国土は日本の22.5倍と世界で5番目に大きく、
人口は2億900万人で、世界で5番目。巨大な国である。
レーダーチャートは、運動力/サッカー、経済力/GDPが素晴らしい。

ブラジルは、コーヒー、大豆、鉄鉱石を、日本に輸出している。
工業製品では、自動車、小型ジェット機がある。
エンブラエルの小型ジェット機は、日本では、日本航空と、
フジドリームエアラインズが導入して、国内線に使用している。

コーヒーのアラビカ種の生産量を見る。

アメリカ農務省(USDA)、World Markets and Tradeから。
ブラジルが断然の1位、2位コロンビア、3位エチオピアが続く。

ブラジルは、コーヒーの生産国であると同時に、
コーヒーの消費国で、一人当たりの消費量は、
5.97kg/年、世界で10位になる、2013年。
日本3.58kg/年の1.7倍、世界で15位。

ブラジルは、コーヒー、大豆の農産物のほかに、
自動車、小型機のリージョナルジェット機が産業になっている。
ブラジルは、自動車の大きな市場で、
2010年、世界第4位の市場規模を誇る。
新車販売台数燃料別販売台数を見る。2019年1月~5月。

ブラジル自動車工業会(ANFAVEA)のデータから作成。

メーカーは、フィアット、フォルクスワーゲン、
ゼネラルモーターズ、フォードの4社に、
韓国の現代、日本のホンダ、日産、トヨタが加わる。
ブラジルでは、自動車部品の輸入に高い関税がかるから、
海外メーカーは、ブラジルに工場を建設して、現地生産する。

燃料別の販売台数を見ると、
ガソリンにエタノールを混ぜた、
フレックスカー燃料車が、88%を占めている。
ガソリン車が3%、ハイブリッド車とEV社は0.2%である。
サトウキビから作られるエタノール(バイオエタノール)を使用の、
フレックスカー燃料車は、環境にやさしいエコな車となっている。

小型機のリージョナルジェット機が、
ブラジルで開発されてきている。
ジェット輸送機の納入機数を見る。2011年~2018年。

一般財団法人 日本航空機開発協会から、データ使用の許諾をいただいた。
エアバスが、2018年にラインナップに加えた、
ボンバルディアのA220 (旧CS100/300)は、エアバスに含めた。

大型のジェット輸送機は、
アメリカのボーイングと、
ヨーロッパのエアバスが市場を占めている。
2011年~2018年の納入機数を見ると、
ボーイングが51%、エアバスが49%と、市場を2分している。

小型機のリージョナルジェット輸送機は、
ブラジルのエンブラエルが、市場の64%を占めている。
ブラジル空軍の軍用機を製造する国策事業として、
1969年にスタートした。が、厳しい経営状況だった。
民営化して、小型機を開発して、民間旅客機事業に進出した。
そして、エンブラエルのシェアは64%で、
カナダのボンバルディアのシェア23%を抜いた。
小回りの利く空路での移動は、市場要望に合った。

松本空港で、フジドリームエアラインズ FDAの、
エンブラエル ERJ-175 を見る。2019年7月。


福岡便、グリーンが到着した。入れ替わるように、
札幌便、ホワイトが滑走路に向かう。
ともに、ERJ-175、座席数84。
フジドリームエアラインズ FDAは、エンブラエルの、
リージョナルジェット機を14機保有して、日本の空を駆け巡る。

三菱重工業は、ボンバルディアの小型機「CRJ」事業を、
買収することを発表した。2019年6月。
ブラジルのエンブラエルは、
小型機事業が、ボーイングの傘下に入る。
小型機は、需要は増しているが、開発費の負担が大きい。

ブラジルは、サッカー王国、
ワールド・カップで5回優勝している。


ブラジルは、南アメリカでライバル関係にある、
ウルグアイと、アルゼンチンの優勝2回の上をいく、5回の優勝。
しかし、初優勝までには悲劇があった、「マラカナンの悲劇」。
第1回は、1930年にウルグアイで開催、ウルグアイが優勝。
第2回は、1934年にイタリアで開催、イタリアが優勝。
第3回は、1938年にフランスで開催、イタリアが連続優勝。

さて、第4回は、第2次世界大戦が終わった1950年に、
地元ブラジルで開催。ウルグアイが優勝した、2回目である。
優勝をかけたウルグアイ戦には、
リオ・デ・ジャネイロに造られたマラカナンに、
ブラジルの初優勝を見ようと、20万人で埋めつくされた。
ブラジルは、引き分けでも優勝で、前半は0対0。
後半に得点して1対0、ブラジルの優勝を疑わなかった。
ところが、追いつかれて1対1、終盤に1対2と逆転された。
ブラジル人は、天国から奈落の底に突き落とされた。
マラカナンには自殺者とショック死の遺体があった。
マラカナンの悲劇

ブラジルが、マラカナンの悲劇から立ち直るには、
サッカーの王様ペレの出現まで、8年待たなければならなかった。
第6回、1958年にスウェーデンで開催、ブラジルが初優勝。
17歳で大会最年少のペレは、華麗なシュートを決めた。
ブラジルの5回の優勝の内、初優勝を含めて、
3回の優勝に、ペレは代表で参加している。
ブラジルの国民的な英雄である。

肉料理、シュラスコ。サンパウロ。

岩塩で味付けした肉を、串に刺して、炭火で焼く。
ビーフ、バッファロー、仔羊、チキン、ソーセージ、
セブ牛のコブ、心臓やレバーもある。

お客さんには、表裏が緑と赤の「札」が、テーブルにある。
6角形のプラスチック、大きさはビスケットほど。
「緑」は、もっと肉を!
「赤」は、満腹だ! もういらない。

ボーイが緑の札を見て、サーベルのシュラスコをもって近寄るから、
好みの肉ならば頼むと、ナイフでそいで、皿に落としてくれる。
そぐ回数は食べたいだけ、食べられるだけ。

「あれが、ファヴェーラ(貧民街)だ」、とブラジル人が言う。

車から撮影。サンパウロ。
「電気が通っていない」ことで、見分けるようだ。

ブラジル人は人が良かった。
しかし、なじめないのは、セキュリティの厳重さだ。
警備員の、腹にあるのは。サンパウロ。

ガン・ホルダーに収めているのではない。
スラックスとシャツの間に、突っ込んである。

外務省のホームページには、
ブラジルの安全対策には、注意をするように警告している。
「犯罪の手口は凶悪で、多くの犯行に拳銃等の凶器が使用される」
「観光地で美しい場所においても凶悪犯罪が多発しているため油断は禁物」
「また、ファベーラと呼ばれる貧民街は犯罪の温床になっており非常に危険です」
とある。

訪れたのは、銀行ではない。民間の製造会社である。
高いフェンスが、周囲を覆っている。
訪問を終えて、車で出る。
警備員の眼は休まない。退場する車の中の顔と人数、
製品の持ち出し? 問題がないことを確認すると、
半身になって、左手で、鉄の扉を開けた。
右手は、撃てるように、空けている。
「撃たれる前に、撃つ!
こっそり、写真を撮った。
つもりだったが、見抜かれている。

ブラジルは、経済大国。
フレックス燃料車を生み、
リージョナルジェット機を開発してきた。
アルゼンチンと、南アメリカの首位争いをしてきたが、
アルゼンチンは、マルヴィナス戦争でイギリスに敗れ、
ハイパー・インフレになって、ブラジルが優位になっている。
サッカーは、世界の名門。国民的な英雄、王様ペレがいる。
アルゼンチンは、神様マラドーナで、立ち向かう。そして、
アルゼンチンのタンゴには、ブラジルはサンバの情熱で歓喜する。
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