季節の変化

活動の状況

ラップランドの穴釣り

2008-09-28 06:21:25 | Weblog
ラップランドの穴釣りは、厚さ40センチの氷にドリルで穴をあける。

昼飯は、具だくさんの鮭汁と、挽いたコーヒー豆をやかんに入れて、
蒸らしてからカップに注ぐラップランド方式?
を見ながら、ホッとした時間を過ごしてから、
再びモータ・スキーにまたがって、別の湖に移動した。
そこで、穴釣りをする。

モータ・スキーを降りて、スノー・シューを履く。
釣りざおと、折りたたみのイスを持って湖の氷上に出た。

スノー・シューは、雪にズボッと埋まらないためと、
氷の上で、スッテンと滑らないためである。
数か所の金属の爪が、氷をグリップする。

スノー・シューで雪をどかして氷の表面を出す。
ラセンのドリルを回すと、ドリルが氷の中にもぐっていく。
直径15センチほどの穴が開いて、水がわいてきた。
ドリルを引き抜くと、氷の厚さは40センチ。
――しかし、こんな小さな穴で、だいじょうぶかな?
でかい鮭やマスが釣れたら、上がらないじゃないか?

エサは……ミミズだった。ラップランドにもミミズはいる?
長さ30センチの釣りざおに、ミミズをつけた糸をたらす。

釣りのねらいは、鮭やマスより小ぶりのパーチだった。
エスコは25センチくらいのパーチを、ひょいひょいと釣り上げる。
氷の上に放り投げると、口を開けたまま冷凍になる。
エスコは12匹、ティモは2匹。
私だけ0匹……釣れない。

場所が悪いのだ! パーチが群れていそうな場所に移動して、
ドリルで穴を開け、糸をたらす……上下させて誘うのだが、釣れない。
――おもしろくねェ!

いつの間にか、ティモが撮っていた。

しかし、フィンランド人は静かにしている……我慢強い?
――それにしても、音がしない。
シーン!
というのは、ラップランドのことをいうのだろう。
あたりはだけ。人工の音から完全に隔離された世界だ。

音がしないと、
――つぎの音は何だろう?
と、敏感になって、かえって恐い。
――まさか、ワシやオオカミが襲ってくることはないと思うが。
振り返って、ティモとエスコがいることを確かめる。
ラップランドは、音の予想がつかない未知の世界

エスコが、話しかけてくれた。
「きのうは、快晴で“オーロラ”が見えた。
きょうもいい天気だから、オーロラが見られるかもしれない?」
透明で濃い青空を見ながら言うから、期待はいやが上でも大きくなる。

ラップランドの最大の目玉、
――それは、オーロラだ!
きのう晴れても、今晩、晴れなければ、しょうがない。
釣れない釣りを早く終わらせたい。コッテージへ戻りたい。そして、
――早く夜になってくれ!

ラップランドの本番は今晩だ。
こんなに夜が待ち遠しい、と思ったことはない。

これまでのモータ・スキーも、湖畔の鮭汁も、穴釣りも……
オーロラの序章だ。
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ラップランドの鮭汁

2008-09-24 08:25:55 | Weblog
「週末はラップランドで過ごそう」
と、フィンランド人のティモから誘われて、
――ラップランドだ! 北極圏だ!
と、わくわくする。ところで、
――冬のラップランドで、なにをするのだろう?
モータ・スキー穴釣りができるし、
読書もできるし、サウナ・バスもあるし……」
――これなら、ヘルシンキやその近郊でもできる。
ラップランドまで行かなくても。
「3月は晴れるから、オーロラが見えるかもしれない。
あとは、ラップランド人のエスコが考えてくれるよ……」

オーロラと聞いて、ラップランドへの期待は高まった。
空から見るラップランドは、黒と白のモノトーン
黒は森、白は雪に覆われた湖か大地。

ククサでウォッカの乾杯が終わると、
エスコが考えたきょうの計画は、
モータ・スキーを運転して、道なき雪原を駆け巡り、
湖畔で昼食をつくって食べ、湖で氷に穴を開けて穴釣りをし、
コッテージに戻って、湖畔のサウナ・バスで過ごしてから、晩飯、
そして、晴れればオーロラを見る……である。

旅の楽しみは、“郷土料理”であるから、ラップランドの昼食、に触れる。
モータ・スキーの格納庫はコッテージから100メートルほど離れている。
エスコは、格納庫の大きな扉を開け、モータ・スキーのエンジンをかけて、
つぎつぎと外へ出した。

カナダ製というモータ・スキーは、雪原を駆けるにはピタリだ。
うしろは動輪のキャタピラ、まえはハンドルに連動したスキー。
エスコは運転のしかたを簡単に説明する。
フル・フェイスのヘルメットをかぶって、モータ・スキーにまたがった。
そして、エスコのあとをティモともに1列になってついて行く。

木立をぬい、丘を駆け上がり、道なき道を駆け巡る。
鳥を見る……雷鳥がいる。
信州では、3,000メートルの高山にいる雷鳥が、
ここラップランドでは平地にいる。

湖に出ると、ここは平ら。
さらさらの雪が積もった氷上はかっこうのレース場。
自然に、競争となった。横一列になって、処女雪をけ散らかし、
うしろに雪けむりを舞い上げて競争する。時速40キロが最大。静寂を破り、
「もう限界だ!」
と、エンジンが金切り声をあげる。
このモータ・スキーは、移動のほかに、狩猟やスポーツとして、
ラップランドに最適だ。

湖畔にある小屋にきた。エスコは屋根に登って、
板を何枚か外して、ぽっかりと煙の出口を作った。
火を燃やすところが小屋の中央にあり、
そばに、なべや飯ごうを吊るす金属の棒がある。

エスコはを起こした。どうやら、ここで昼食だ。
湖へ行き、ドリルで氷に穴を開け、を汲んできた。
すでに切ってあるジャガイモニンジンを大なべに入れ、
水を入れ、塩を加えた。なべや、やかんを金属の棒のフックに吊るすと、
底が火に当たるように、片支持の金属の棒を水平にまわした。

まきの丸太に座って火を眺め、心地よい疲れにひたっていると、
鮭汁はできた。鮭汁はさっぱりしていて、
「うまい!」
お代わりをした、たっぷりと食べた。

やかんのお湯でコーヒーを淹れてくれた。
半分ない屋根越しに青空を見ながらの鮭汁とコーヒーは、
自然を味わいながらの食事となった。
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フィンランドの乾杯はウォッカ

2008-09-21 06:34:09 | Weblog
乾杯(キッピス)
と、飲んだのは、なんとウォッカだった。

フィンランドの週末をラップランドで過ごしたときのこと。
オーロラが活発になる3月のラップランドに、
フィンランド人のティモが招待してくれたのである。

首都ヘルシンキから北のクーサモKuusamoまで700キロメートル、
ジェット機で1時間10分。ここクーサモは、年間平均気温は0℃、
この時期、夜はマイナス20℃、雪は50センチから1メートル。
人が少なく(人口密度が1平方キロメートル当たり3.7人)、
森と湖、それに雪がいっぱいある保養地。
ロシアの国境まで陸続き……35キロメートルである。

空港には、コテージの管理人、ラップランド人のエスコが迎えてくれた。
4輪駆動のランドクルーザーで、雪道を駆(か)けて、さらに1時間。
幹線道路を外れて、途中から支線に入ると、雪が深くなった。
エスコが迎えにきたときのわだちが、少し残っている。
もう対向車はない……家もない、人影もない、
人工のものはない……あるのは、厳しい自然だけ。

ランドクルーザーが威力を発揮する、と実感したのは、
ここフィンランドの雪のラップランドと、アフリカのサバンナ
雪倒れ(?)か、行き倒れになれば、吹雪に埋もれてしまうか、
動物のエサになってしまう。どちらも無線機は必需品だ。

週末を過ごすコテージは、松林の中にポツンとあった。

太い丸太を組み合わせた校倉造り
電気はきていない。地下で自家発電。
交信は、無線機を使っていた。

エスコの奥さんのラウラが、ニコニコと迎えてくれて、
ククサKuksaという木のカップをプレゼントしてくれた。
(ベッドの上で撮った)


シラカバコブ(バハカ)ができるが、ククサはそのコブから作る。
取っ手にはトナカイの角が取りつけてあり、
かき回す棒もトナカイの角。

ラウラが注いでくれたのは、透明な液体である。
あわが出ないから、シャンペンではない……白ワイン?
乾杯(キッピス)
と、飲んだ……ウォッカだった。
うまい。ほのかにククサのシラカバの薫りがする。
乾杯はウォッカでする。ぶどうは寒くて育たない」
と、エスコは言う。
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韓国はアジアの酒豪

2008-09-18 05:39:25 | Weblog
韓国人のサムエルとその部下のキムと食事をした。
韓国料理はうまい。コリアン・バーベキューやプルコギ、
石焼きビビンバ、それにキムチ……。
「キムチのまずいレストランは繁盛しない」
と、サムエルが言うキムチはタダで、
しかも、お代わり自由である。

韓国料理には、焼酎がぴったりで、クイクイと飲む。
真露/JINRO、それ以外にも多くの銘柄があって、
2合びんが200円~300円と安い。

酒を飲むのに、韓国では、中国や香港、台湾のように、
注ぎ合う―乾杯か随意か? を決めて―祝福―乾杯(随意)―
グラスの底を見せ合う、という一連の作法はない。
乾杯や随意を繰り返すことはしないで、一人で注いで、一人で飲む。

しかし、サムエルの部下キムには、作法がある?
私と上司サムエルの目を避けるように、上半身をよじって後ろを向き、
口元を片方の手で隠して飲む。飲み終ると、正面を向き直る。
上半身をよじる―口元を片方の手で隠す―飲む―よじりをもどす、
という“半身をよじる酒飲み”の作法は、ほかの国にはない。

日本、中国、韓国でビジネスをしているアメリカ人は、
「韓国は上下の関係が厳しくて、何をするにも上の許可がいる。
血縁や地縁、学閥を重視する風潮が強い」
と言っていたが、その一端だろうか?

しかし、韓国人は酒に強い。どのくらい飲むのだろう?
WHO世界保健機構に、アルコールの摂取量の調査がある。
1999年、2001年、2004年と、アルコールの摂取によって、
出生率、ガン、肝硬変、精神病、消化器、交通事故など、
健康と社会に与える影響を調査して、データを更新している。


WHO世界保健機構は、ビール、スピリッツ、ワインの消費量を調べて、
それぞれのアルコールの含有量を、ビールが5%、スピリッツが40%、
ワインが12%として、アルコール量の合計を求めた。
これを、15歳以上の人口で割って、
1人当たりのアルコール摂取量を求めている。

1位ウガンダ19.47リットル。主にバナナ酒Tontoを飲む。
2位ルクセンブルク17.54リットル。主にワインを飲む。
3位チェコ16.21リットル。主にビールを飲む。

アジアでは、1位タイ8.47リットル、主にスピリッツを飲む。
2位韓国7.71リットル、主に焼酎を飲む。
3位日本7.38リットル。
以下中国4.45リットル、シンガポール2.73リットルが続く。
韓国は、アジアの“酒豪”である。

しかし韓国では、アルコール依存症がとりわけ多い、
とは聞いていないから、“へべれけ”ではない。

そして、旅の楽しみは、“郷土料理”であるが、
ケニアのゲーム・ミートとガワは、
“陸上競技のアスリート”を育て、
ブラジルのシュラスコとサンブカは、
激しく踊る“サンバのダンサー”や“サッカーの選手”を育てたが、
韓国のコリアン・バーベキュー焼酎は、
オリンピックで“野球”を優勝させ、“PISA”では世界のトップ・レベルにする?
15歳の生徒は飲まないが、親が飲む。

ソウルでプルコギとキムチ、そして、焼酎の真露。
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PISAで高成績の韓国

2008-09-14 05:19:46 | Weblog
PISA の調査で、韓国フィンランドに次ぐ高成績である。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育がほぼ終わる15歳を対象として、
知識と技能の学習到達度調査である。
読解力数学科学の試験と、学習する態度や環境などを調査する。

これは、世界の文教関係者が、
☆自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
☆生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい。
という要望に応えて、経済開発協力機構(OECD)がPISAを開発した。

2000年の最初の調査では、OECD加盟国を中心に32か国が参加し、
世界が注目する中で結果は、読解力の1位はフィンランドである。
2位カナダ、3位ニュージーランドとなった。韓国6位、日本は8位。

読解力と数学、科学の点数が公表されているので、合計してみた。
合計した総合でみると、
1位日本、2位韓国、3位フィンランドとなり、
4位カナダ、5位ニュージーランドが続く。

PISAの調査は、3年ごとに2003年、2006年と実施するが、
読解力と数学、科学の点数を合計した総合でみると、
2003年は1位フィンランド、2位韓国、3位香港で、日本は5位。
2006年は1位フィンランド、2位は韓国香港日本は10位である。

日本は、1位→5位→10位と、
調査をするたびに順位を落として、歯止めがきかない。
フィンランドは、3位→1位→1位、
韓国は、2位→2位→2位、
香港は、2000年は参加せず→3位→2位。
フィンランド、韓国、香港の3国はトップ・レベルにある。

――どうして、韓国の成績がいいのだろうか?
韓国で、韓国人サムエルに聴いてみた。
「朝鮮人は頭のいい民族です」
PISAの調査で、韓国が高成績であることを、当然のように知っていた。

「韓国は、中国と日本に挟まれた小さな国です。
韓国には資源がありません。あるのは“人的資源”だけです。
韓国には、その人的資源を開発するしか、ほかに選択肢がないのです」
と、国を隆盛させる必死さが伝わってくる。

大国に挟まれた小さな国、資源がない、あるのは人的資源とは、
フィンランドや香港と共通するところが多い。

「親には、男子の教育を第一にするという伝統があります。
に通わせたり、家庭教師をつけて、大学に合格するように援助します。
中学生の息子には、数学英語の家庭教師をつけています」
と、息子への期待は大きい。

「歴代の王朝は、民間人を広く登用する試験制度“科挙(かきょ)”を
採り入れてきました。科挙に合格することが“出世への登竜門”、
という長い歴史があります。
そのため、“学歴社会”の傾向が強くて、
大学への進学率は70パーセントを超えています」

科挙の展示が、首都ソウルの国立民俗博物館にあった。

最初の科挙は958年で、最後は1894年とあるから、
936年の歴史がある。
王は合格者に、帽子に着ける花飾りを贈り、
合格者を馬に乗せ、楽隊の先導で街中を練り歩いて祝った。

科挙に合格することは、個人の出世においても、
韓国の官吏登用においても、重要なできごとである。

「“ITなくして明日はない”と基幹産業をITにする国策があります。
それで、科学と数学の教育に力を入れてきました。
これもPISAの調査でいい成績をとることにつながっています。
光ケーブルを家庭に敷設して、インターネットの使用料を
大幅に下げました。“インターネット放送”の利用が急増し、
育児・教育から娯楽、スポーツ、ショッピングと広がり、
韓国はブロードバンド先進国になりました」
と、国策の成果に誇らしげである。

世界のインターネット利用者数を調べてみた。国際電気通信連合が、
100人当たりのインターネット利用者数を、公表している(2006年)。
日本は50.20人。
韓国は68.35人で、アジアでトップ。日本の1.4倍。
フィンランドは62.90人で、日本の1.3倍。
香港は50.08人で、日本と同じ。
これらのインターネットの利用者数が多い国は、
PISAの調査でいい成績をあげている。

自費出版した『世界がみる日本の魅力と通知表』には、
日本の成績、世界一の学力フィンランド、高成績の韓国、
について記載してあるので、参考にしてください。
さらに、実際に世界を歩いて、見て、聞いて、
日本の通知表をつけてみたが、評価項目の一つ、
学力については、指標としてPISA2006を採り上げてある。
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変わったレストラン

2008-09-12 05:21:47 | Weblog
ベトナムのヌードルを食べて、一息つくと、
さらに変わったレストランの話になった。
「ベトナムのレストランよりも、さらに変わったところがある」
裸のウェイトレスが、サービスしてくれるところだ!」
と、一人のアメリカ人が言ったから、みんなの目の色が変わった。

「エッ! どこで?」
場馴れしたアメリカ人の目の色が変わったんだから、
相当のところだろう?
ここはアメリカだ、なにがあってもおかしくない。
――明日のランチは、そこにしよう!
「イヤ、ランチというよりも、夜のほうがピッタリだ」

まだ行ったことのないアメリカ人と、行く話がその場でまとまった。
その人の名前がエリックである。
エリックに、店の“名前”と“場所”を、
シッカリと確かめておいてもらった。

「あとで教えてくれヨ!」
行きたくても行かれない別のアメリカ人がせがんだ。
夜は、カミさんの手前、抜け出せないンだろう?

決行の日取りはすぐに決まって、エリックはその夕方、
ホテルまで迎えに来てくれた。そして、着いたところは、
ショッキング・ピンクのネオンサインが輝いている、
ピンク・プードル
なんと、ストリップ・ショウStrip teaseだった。
それも過激な……18歳以上入場可。

ダンサーは踊りが終わると、ステージからフロアに降りて、
形ばかりのエプロンをつけ、トレイをもって、
客席でアルコールをサービスする。なるほど、たしかに、
――裸のウェイトレスがサービスしてくれるところだ!
アメリカ人はウソをつかない。

ピンク・プードルでは、アルコールはサービスされたが、
満腹感はない。それで、エリックと行ったところが、
韓国宮殿……コリアン・バーベキュー。
骨付きカルビがうまい、それにキムチも。
――こんなにうまいんなら、こんどは、オッキイを誘おうよ。
「ピンク・プードルのことは、オッキイにはないしょだよ。
今夜は、日本人と韓国宮殿で食事といって、許可をもらった」

それにしても、
――私はまんまとはめられたんじゃないかな?
アメリカ人8人とベトナムのヌードルを食べに行ったときには、
日本人は私しかいなかった。
「あの日本人は、ノルんじゃないかな? Hそうだから」
と、思ったんだろう?
「裸のウェイトレスがサービスしてくれるところ」
とは、できすぎた話である。

それに、エリックはストリップ・ショウであることを、
あらかじめ、知っていたんじゃないかな。
迷わずにピンク・プードルに着けたことでもあるし、
ショッキング・ピンクに輝くネオンサインを見ても、
べつにギョッ! とした様子もなかったし、
アルコールのオーダーのしかたも、なれていたし、
それに、かぶりつきの一番いい席を勧めてくれたことだし……。

知っていて連れて行ってくれたエリックは、「エライ!
それから、エリックと親しみが一段と増した。
「裸のウェイトレスがサービスしてくれるところ」
は、男同士の友好関係が深まるところ?

エリックから、日本にうれしいクリスマス・カードが届いた。
「春には、ベイビーが生まれて、父親になる予定です」
それが、男の子ジョナサンだ。

それで、ストリップ・ショウの写真はないので、
代わりに、クジラのショウ。

ホェール・ウォッチング。ロス・アンジェルス沖。
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ベトナムのヌードル

2008-09-09 23:18:10 | Weblog
エリックが、オッキイの目の前で感謝をしている、ことを書いた。
「グッド・ガールとグッド・ボーイで、私は助かる……私はハッピーだ!
これを聞いたオッキイは、うれしそうにしていた。

エリックはシャイで、直接に気持ちを出しきれないでいる。それで、
――日本人に話すようにして、感謝の気持ちを打ち明けたに違いない。
オッキイと二人だけのときに、面と向かって、
「オッキイはグッド・ガールで、私はハッピーだ!」
とは、言えなかったから。

そのエリックと親交が深まったのには、きっかけがあるが、
その前には、順序として“変わったレストラン”に触れる。

シリコン・バレーにあるエリックの会社を訪問したとき、
「“変わったレストラン”がある。
ベトナムのヌードルが食べれるんだが、行かないか?」
と、アメリカ人に誘われて、8人で昼食をとることにした。
エリックも含まれていて、車3台で乗りつけた。

ベトナム戦争が終結し(1975年)、国交を回復してから(1995年)、
「ベトナムのレストランが目立つようになった」
と、アメリカ人は言う。

「ベトナム人は頭がよくて、知能テストは、
世界でもトップ・クラスだ。エンジニアとして、
多くのベトナム人がシリコン・バレーで働いている。
レストランにはベトナム人のお客さんも大勢いるよ」
と言う……アメリカは枯葉作戦、民間人の大量殺りくと、
泥沼の戦争をしていたのだが。

アメリカは、財産がある人と、技術がある人を歓迎する。
貧乏な人と単なるワーカはまったく歓迎されない。余っているから。
財産があるか、頭脳が明晰であるベトナム人は、ウェルカムなのだ。

そのベトナム料理を、アメリカで手軽に味わえるようになった。
ベトナムのヌードルは、麺が白くて細い……ソーメンに似ている。
スープはさっぱりしていて、うどんと醤油ラーメンの中間の味。
Eye Round Beefという薄切りの丸いビーフが煮込まれて、
たくさん入っている。

生野菜の小皿が別に出て、もやしとグリーン・ペッパー、
香りの強いはっぱ(ベイゼルBasilとか、コリアンダー)が、
盛られているから、好みで入れる。
長いハシを使って、生野菜を混ぜながら食べるのだが、
「うまい!」

スープの中には、最初から毒ダミのはっぱが2~3枚入っていて、
――これは、ニガイ。
このニガミにも慣れてくると、
――そろそろ、ないかな?
と、舌で探すようになる。 

アメリカのチーズ味が続くと、この“アジア風味”は、
故郷に帰ったようでホッとする。
一息つくと、もっと変わったレストランの話になった。
「ベトナムのレストランよりも、さらに変わったところがある。
裸のウェイトレスが、サービスしてくれるところだ!」
と、一人のアメリカ人が言ったから、
みんなの目の色が変わった……。

ビーチの夕焼け。ロス・アンジェルス(本文と直接関係がないが)
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祖国はアメリカになるまで3代

2008-09-06 06:59:50 | Weblog
アジア系アメリカ人は言葉の問題やら体格、風貌から、
人を引きつける営業マンというよりも、
エリックのように明晰な頭脳を活かして、
ソフトウェアやハードウェアのエンジニアになる人が多い。
――シリコン・バレーは、アジア人が支えている。
と思うほど、アジア系アメリカ人が大勢いる。
香港のほかにベトナム、韓国、台湾、中国、インド、
シンガポール、イラン、そして日本。

「8歳のときに、両親に連れられて、香港からアメリカヘ来た。
しかし、香港のことはよく覚えていない」
と言うエリックは、カリフォルニア大学ロス・アンジェルス校
UCLA (University of California at Los Angeles)を卒業し、
IT産業の中心地、シリコン・バレーで、
優秀なハードウェアのエンジニアとして活躍している。

しかし、アメリカに悩みがないわけではない。
「別に香港に帰りたいわけではないが、
子供の教育費やこれからの医療費、老後のことを考えると、
ほんとうにアメリカがいいのか? 悩む」

「ジョナサンの学校を、今から考えなければならない。
パブリックは良くない、学力が低下しているから通わせたくない。
先生は、生徒の自主性を尊重するあまりに、統制力が落ちている。
私立はいいが、授業料が高い。授業料を今から、貯めなくてはいけない」

私立高校の授業料は、年間150万円もかかる。
SAT(Scholastic Advanced Test)という全国テストでいい成績をとって、
大学の入学試験にパスするが、大学の授業料は、さらに高い。
プリンストンやハーバード、コーネルなどのアイビーと呼ばれる
東部の大学では、年間400万円ほどかかる。
地元のスタンフォード大学では、もっと上がって600万円である(2000年ころ)」
――親が稼ぎだした年収から、授業料をひねり出すのは大変だ。

「しかし、オッキイは、韓国に帰りたくない、
アメリカがいいといっている。それに、オッキイとジョナサンは、
私を頼りにしているから、頑張るさ!」
エリックの迷いは吹っ切れて、アメリカ人になる決断がついた。

香港(中国)の習慣の話になった。
「私は長男だから、結婚の相手が中国人でなくて、
両親はガッカリしていた。
夏休みに、ジョナサンをシカゴに住む両親のところへ、連れて行った。
両親は大喜びで……“”が誕生した! さっそくお祝いだ!
と、親戚縁者30名くらいがレストランに集まって、
お祝いのパーティを開いた。長男が誕生するということは、
中国では特別な意味を持つ、“跡取り”ということで」

「オッキイはよく男を生んでくれた。
そして、本を見ながらジョナサンを育てている。
グッド・ガールだ、ホスピタリティも高い。
ジョナサンもグッド・ボーイだ。
グッド・ガールとグッド・ボーイで、私は助かる……私はハッピーだ!
エリックは、オッキイの目の前で感謝をしている。
オッキイはうれしそうである。
これを聞いただけでも、いっしょに食事をしてよかった。

「こんどは、家へ招待して、オッキイの手料理をご馳走します。
オッキイの料理は、辛(から)さを抑えても、辛いから気をつけないと」
と、エリックは言う。
オッキイの本格的な韓国料理を食べてみたい。
だが、機会がなくて、まだ実現していない。

ジョナサンは、アメリカ生まれのアメリカ育ち、アメリカの学校へ行き、
祖国はアメリカである」ことを疑わない“アメリカ人”として育つ。
アメリカ人になるまでには、父、エリック、ジョナサンと、“3代”かかる。

カリフォルニア大学ロス・アンジェルス校UCLA(自信がない)。
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おかずはハシ、ライスはスプーン

2008-09-03 16:49:48 | Weblog
香港系アメリカ人のエリックと韓国系アメリカ人のオッキイ、
それに、2人の子、10か月のジョナサンと食事をした。
サン・ノゼの韓国宮殿で韓国料理である。

オッキイは、メニューをまったく見ないで、
韓国人のウェイターに、韓国語でオーダーした。
大好きな骨付きカルビを大人3人に、
オッキイとジョナサンはスープとカニ、それにライス。
カニの料理のしかたは、メニューには載っていない。

私から誘った食事で、あとで支払うと、
前にエリックと来たときよりも、はるかに安かった。
骨付きカルビは、前にエリックといっしょにメニューを見ながら、
エリックが、まともな英語でオーダーしたものと同じだったが……。

オッキイはジョナサンを膝に乗せて、
スープとライスをスプーンで、交互に食べさせている。
オッキイは、おかずはハシで食べ、ライスはスプーンで食べる。

ご飯を食べるときに、中国や香港、台湾では、
茶碗を手で持って、ハシで食べるが、
オッキイは茶碗には触らずに、ライスをスプーンですくう。
「茶碗に手を添えたり、持ち上げるのは無作法になります」
と、茶碗はテーブルの上に置いたまま。

「茶碗を、ちゃんと持ちなさい!」
と、小さいときから親に注意されて育ったから、
片手で、スプーンですくって食べる、というのは違和感がある。
左手は、ブラブラと手持ちぶさたなのだ。

骨付きカルビ、キムチをたくさん食べ、ビールを多く飲むようにした。
そして、ライスは食べないようにして、ビビンバにした……エリックも。
ビビンバなら、スプーンで混ぜてから、スプーンで食べることができる。
エリックも私も、オッキイの礼儀作法の指導(イエロー・カード)が、
飛んでくるのを避けたい?

ソウルで買った焼酎/真露
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