季節の変化

活動の状況

醜い国に気付かない日本人

2010-09-29 00:09:37 | Weblog
「日本の伝統文化を活かした地域づくり」
松本大学が、観光ホスピタリティ学科を新設した2004年に、
アレックス・カー氏(東洋文化研究家)を招いて、記念講演をした演題である。

松本には、ランドマーク「松本城」があり、
「北アルプス、上高地」がある。
「豊かな伝統文化」と「美しい自然」を求めて、
世界から観光客が訪れる。

「松本はいい街だ!」
うきうきして聴講した。
しかし、アレックス・カー氏の講演は、衝撃だった。

「日本は、日本の伝統や文化を切り捨て、自然を破壊しながら、
無秩序に開発を進めてきた。このために、世界の中で、
醜い国』の一つになってきている。問題は、このことに、
日本人気付いていないことです」
というものだった。

スライドで、その例が示された。
美しい海岸がテトラポットで覆われた、
周囲の景観とまったく調和しない美術館を建てた、
京都駅は、古都のイメージが感じられない箱ものにした、
産業廃棄物の不法投棄で、海岸に山ができ、海が汚染された、
谷あいが、治水事業のコンクリートで覆われ、無惨な景観になった……。

アレックス・カー氏は、
行政が公金を使って無意味な施設を造り続け、
自然環境に愛情をそそがず、営利を優先するシステムも問題にしている。

さらに、衝撃は旅の情報誌、「Time Out」の「東京」の表紙だった。
見苦しい「電線広告看板」が、東京の象徴として使われていた。


映し出されたスライドを覚えていて、あとで、東京で撮った。

Time Outは、世界の都市の魅力を紹介する旅の情報誌(イギリス発行)で、
見どころやお楽しみ、ショッピング、レストラン、芸術、ホテルが載っている。
東京の表紙が、これと似た、見苦しい電線と広告看板では悲しい。
これでは、「さぁ、東京に行こう!」という気にならない。

世界のほかの都市が、ちゃんとした象徴であったのに。
たとえば、バルセロナ(スペイン)は、ガウディが設計したサグラダ・ファミリア、
フィレンツェ(イタリア)は、ミケランジェロのダビデ像、
香港は、超高層建築スカイスクレーパー、
というように。


衝撃の講演が終わると、質問の時間があった。
「松本の街づくりはどうでしょうか? 伝統文化が守られていますか?」
「Yes」を期待した質問であった……が、
「見たところ、松本もほかと同じような街になっています」
と、アレックス・カー氏は答えた。

「少しは、いいかな」
と、思っていた……が、「No」だった。
松本大学は、翌日に北アルプスのふもと、「安曇野」を案内して、
意見をお聞きしよう、ということであった。

「建設関係者に欠けているものはなんですか?
日本の伝統の良さや、日本文化の良さを教える美術教育が、
足らないために、無秩序な開発がおこなわれるのですか?
学校では、どのような教育が必要と思われますか?」
と、質問した。

アレックス・カー氏は、
「建設や開発には、自然や周囲との調和が大切です。
日本の文化にプライドを持つ教育が重要です」
という主旨を答えた。


講演のあとで、アレックス・カー氏の著書の一冊、
「美しき日本の残像」朝日文庫、を買った。


「美しき日本の残像」には、つぎのようにある。
自然破壊は急ピッチで進み、今、日本は世界の中で
醜い国』の一つになってきているのです」
「外国人の友人たちは日本に来るとほとんどの人が失望します」

「日本の3万の河川のうち、ダムがないのは3つだけと言われています」
「何千キロもある海岸の30パーセント以上はコンクリートになってしまい、
国の補助金により全国の雑木林は伐採され、そのあとにはが列をなして、
陣立てよろしく並んでいます。そのために秋に山の紅葉を見に行っても、
少ししか見ることができない……」

「そして、電線! 先進国の都市と町で電線を埋めてないのは日本だけであって、
日本の町の独特のごみごみした雰囲気はそのせいです」

「田舎に行くと電力会社は全く自由に鉄塔を立てています。
自然の美しさを破壊するため意図的、計画的に鉄塔を、
立てているのではないかと思ってしまうほどです。
ともかく信じられないほどの無神経さで設置されています」

「『国栄えて山河無し』という状態です。僕にとって、
一番不思議なのは日本人はその状態に気付いていないことです」

「田舎でよく見かける景色ですが、山を削ったり
潰したりしている様子を見ると時々怖くなります」
「日本という国は大きな恐ろしい機械になってしまって、
その機械が狂って日本の国土を鉄の歯で食いちぎろうとしているのに、
誰もその機械を止めることができない」

「日本がこうした開発ばかりを進めているのでは、
日本の自然はもう救われないでしょう」

詳細は、「美しき日本の残像」ほかで、
みることができます。
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松本は美しい自然と豊かな伝統文化

2010-09-26 00:09:26 | Weblog
外国人は日本に、
美しい景色と自然」、それに、
豊かな伝統文化」を求めてやってくる。
この両方を松本は備えている。
松本城」と「北アルプス上高地」である。

松本市を訪れた外国人の調査がある。

信濃毎日新聞、2009年8月27日。

旅行先に松本を選んだ理由の1位は、松本城(33%)、
2位は、北アルプス、上高地(26%)である。
1位と2位で、全体の59%を占める。

松本には、ランドマーク松本城」があり、
周囲には、縄手(なわて)通りや中町通りの商店街がある。
「城下町」の薫りがする街だ、豊かな日本の伝統がある街だ。
松本城のあとは、北アルプス、上高地へ行って、美しい自然を満喫する。

松本城太鼓まつり。

本丸庭園。7月。

昔ながらの店がならぶ「縄手通り」。


蔵の商店街「中町通り」。

電柱、電線を取り払って、景観を良くしてある。

上高地。ここも松本市。

手前から梓川(あずさがわ)、河童橋(かっぱばし)、穂高連峰(北アルプス)。

河童橋からは、北アルプスが目の前に広がる。
そして、屏風のようにそそり立つ北アルプスに感激する。
河童橋は松本城とともに、外国人観光客が訪れるコースになっている。

東南アジアからの観光客が、梓川の河原から、
北アルプスを背景に河童橋の写真を撮る。

ウォルター・ウエストンのレリーフ。河童橋の近く。
北アルプスを世界に紹介したイギリス人牧師。

右下の碑には、
イギリス人牧師ウォルター・ウエストンは、
明治時代に槍ケ岳、穂高の山々を歩き、
日本に近代的な登山意識をもたらし、
日本山岳会結成のきっかけをつくった。
さらに、紀行文「日本アルプスの登山と探検」で、
日本アルプスを世界に紹介した、とある。

北アルプスを登山する外国人のパーティも多い。
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松本城は要塞と美意識

2010-09-22 00:09:22 | Weblog
松本のランドマークは、「松本城」。
4回目は、松本城から望む北アルプスの季節の変化。

「春」の北アルプスと松本城。4月。

北アルプスには、まだ雪が残っている。
高いピラミッド型が常念岳2,857メートル。

観光客は、北アルプスを背景に松本城の写真を撮る。
外国人家族は、北アルプスと松本城に見入っていた。


「夏」の北アルプスと松本城。6月。

雪が消える夏の北アルプスは、
青空に溶け込んで、ぼんやりする。
過去10年分の写真をさがしたが……、
夏の北アルプスは、枚数が少なかった。


「秋」の北アルプスと松本城。10月。

北アルプスは、まだ雪が少ない。
秋晴れに、シルエットのように浮かぶ。


「冬」の北アルプスと松本城。1月。

北アルプスのが、青い空に突き刺さる。
外国人が家族で訪れている。

北アルプスは、四季を通じて見ることができるが、
きれいに撮れる季節は、春と冬。
春は、北アルプスに雪が残り、
冬は、雪をかぶっている。


ヨーロッパ人を松本城に案内したことがある。
「ヨーロッパの城とは、まるで違う」
「松本城は、要塞の機能のほかに、美意識がある」
と言って、外観の美しさ、白と黒の調和などの美意識に、
感心していた。それに、要塞でありながら、戦士サムライが、
月をめでる「月見櫓」があるという、日本人の趣向や美意識にも。

本丸の最上階に座りこんで、

入口でもらった英文の案内書を、じっくりと見ていた。
そして、しばらく動かなかった。


北アルプスを仰ぎ見る松本城、
後世に遺したい景観であり、文化遺産だ。
早く「世界遺産」になってほしい。

松本城の西側には、景観を妨げる、
看板高層ビルディング
ネオンサインがないから、
北アルプスを見ることができる。

城下町」松本を築いてきた松本城の歴史は400年。
景観を妨げる物の寿命は、せいぜい数十年。

松本のランドマークは、「松本城」。
世界の人が、
日本の美しい自然」と、
日本の文化」を見て、感激する。
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松本城の季節の変化、ボケの木から

2010-09-19 00:01:40 | Weblog
松本のランドマークは、「松本城」。
近くを通るたびに寄って、写真を撮るが、お気に入りのポイントがある。
それは、松本城の南、松と松の間。「ボケ」の木があるところ。
ここからは、月見櫓(つきみやぐら)が見える.
松本城の季節の変化を、ボケの木越に見る。

「春」の松本城は、ボケが咲く。4月。

月をめでる宴の場、月見櫓は右端の白い土台に赤い欄干。

ボケの花。

「今年も咲いたよ」
と、言っている。


「夏」の松本城は、ボケの葉が茂る。7月。



「秋」の松本城は、ボケの葉が落ちる。10月。


ボケの葉が落ちる前に、ボケの実がなる。10月。

葉は元気がない。
ボケの実が落ち、やがて、葉も落ちる。

そして、「冬」の松本城は、ボケのまわりに雪。12月。


これを繰り返す。
毎年、そして、何年も何年も……。
わかってはいるが、
「ボケと松本城は、どうなっているかな?」
と、お気に入りのポイントに、行ってみる。

毎年、そして、季節が変わるごとに……。
ボケと松本城に誘われて。
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松本城の季節の変化

2010-09-15 00:01:11 | Weblog
松本のランドマークは、「松本城」。
松本城の季節の変化を、北西にある「埋橋」(うずはし)から見る。

「春」の松本城は、桜。4月。

赤い埋橋を渡って、本丸庭園の桜を見に行く。
日本の文化を見に来る外国人もいる(中央の黒いスーツの3人)。


「夏」の松本城は、学生。9月。

信州で夏の合宿が終わると、松本城は外せない。


「秋」の松本城は、学童。10月。

信州旅行に、松本城は外せない。


そして、「冬」の松本城は、雪。2月。

松本城の屋根には雪、お堀には氷が薄く張っている。

松本城は、いつ見ても、いい。
日本人、そして、世界の人が、
日本の文化」を見に来る。
世界遺産」に、早くなってほしい。
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松本のランドマークは松本城

2010-09-12 00:09:12 | Weblog
松本のランドマークは、「松本城」。
近くを通るたびに寄って、「いいなぁ!」と、写真を撮る。
国宝、松本城の季節の変化を見る。

「春」の松本城は、桜。4月。

待ちわびた春が来た!
左から親子、外国人のグループ、友だちが松本城を訪れる。


「夏」の松本城は、バックパッカー。8月。

芝生は青くなった。
外国人のツーリストは、日本の文化を見に来る。


「秋」の松本城は紅葉。11月。

厳しい冬の前の、つかの間のなごみ。


そして、「冬」の松本城は、雪。2月。

屋根と石垣に雪が積もっている。
晴れる日が多いが、空気はヒンヤリと冷たい。

松本城は、どの季節も、いいね。
表情を変えて出迎えてくれる。

訪れる人は、松本の人ばかりではない。
世界の人が「日本の文化」を見に来る。
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甲斐駒ケ岳は高山植物と岩場がお出迎え

2010-09-08 00:00:12 | Weblog
長野県側の北沢峠から、
仙水峠、駒津峰をへて甲斐駒ケ岳に登る。8月。
里は35℃でも、甲斐駒ケ岳2,987メートルは20℃以下。

甲斐駒ケ岳は、すがすがしい空気、それに高山植物と、
「直登」ルートの、岩場がお出迎えしてくれた。

リンドウ。

まだ、つぼみ。

ミヤマアキノキリンソウ。


トウヤクリンドウ。



目指すは、奥の甲斐駒ケ岳。
眺めながら、一休みする人。
空気がすがすがしい。

このときは、「直登」ルートの手ごわさを、まだ知らない。

その甲斐駒ケ岳は、駒津峰を過ぎると、
「直登」ルートと「まき道」に分かれて、
「直登」ルートを選ぶ。

上部の岩場を乗り越えるのに手間取ったな。
このため、待ちの列ができた。

そして、立ちはだかる岩を上がる。

岩に抱きつき、足を高く上げてよじ登る。つかまる鎖はない。
先に登った人は、あとの人の手助けをする。

岩の赤いは、ここが「直登」ルートであることを示す。

帰りは、この「直登」ルートを迂回する「まき道」を下りる。

左側の駒津峰を経て、北沢峠へ。
右側は「直登」ルートへ。

チャレンジアブルな「直登」ルートだったが、満足! 満足!
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南アルプスはアサギマダラがお出迎え

2010-09-05 00:00:25 | Weblog
8月、南アルプスへ。
長野県側の北沢峠を経て、栗沢山に登る。
ここ南アルプスは、アサギマダラが出迎えてくれた。

アサギマダラ。北沢峠2,032メートル、長衛小屋の前。

ハンゴンソウの密をたっぷり吸っていた。
これからの長い旅立ちに備える。

透きとおる羽がきれいだった。
ジーッと静かにしていると、
近くで見ることができた。


キアゲハもお出迎え。栗沢山の頂上2,714メートルで。

羽を広げて、岩場で休むのは、
暖まっているのだろうか?
近寄ると、すぐに逃げる。

そして、ハイマツにもとまる。

ハイマツは、エサになるのだろうか?

その栗沢山の頂上は、ハイマツと岩ばかり。

右奥が、栗沢山の頂上。

キアゲハは、どうして、ハイマツと岩ばかりの、
栗沢山の頂上にいるのだろう?
山登りではないから? どこかに、
蜜がある高山植物があるのだろうか?
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南アルプスはキノコがにょきにょき

2010-09-01 00:09:01 | Weblog
夏の高校野球が終わると、
いつもなら、秋風が吹いて、
季節の変化を感じるが、
今年は、暑さが続く夏。

しかし、この暑さは楽しんでおこう。
信州は、すぐに涼しくなり、厳しい寒さが待っているから。

8月、長野県側の北沢峠から、
南アルプスの甲斐駒ケ岳2,987メートルと、
栗沢山2,714メートルに登った。
里は35℃だが、南アルプスは20℃以下。
一足早い、季節の変化。涼しさをお届けしたい。

南アルプスは、もうキノコがにょき、にょき。


キノコのファミリー。





ベニテングタケ。






キホウキタケ




いずれも、食べられない。

山小屋の食事。

みそ汁はだいこんだった。
うまかったな!
キノコ汁ではなかったが。

みそ汁がうまいのは、調理のほかに、
ここ、南アルプスの水がうまいから。
それに、山登りで、腹が減っていたから。

みそ汁もご飯も、お代わり自由。
それで、両方ともお代わりをした。
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