季節の変化

活動の状況

海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その6 ブラジル

2010-07-28 00:07:28 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。
として、これまでに12か国を掲載した。

スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス、
ポルトガル、フランス、ドイツ、ルーマニア、
アメリカ、ブラジル、インドネシア、東ドイツの12か国で、
ヨーロッパが9か国、北アメリカ、南アメリカ、アジアが各1か国である。

これらの国で体験したタクシー事情をまとめる。
海外でタクシーに乗るときの注意教訓になる。

60) 海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その6 ブラジル

ブラジル
35) ブラジルからのメールは白タク対策(2010年5月2日)
36) 白タク対策にはバッグ・タグを外せ(2010年5月5日)
ブラジルのサン・パウロへ行くにあたって、
空港でのタクシーの出迎えについて、
現地ブラジルとメールでやり取りした。

☆荷物に、名前がわかるバッグ・タグは、つけないでください。
☆荷物や衣服に、会社のロゴ・マークも、つけないでください。
☆出迎えのタクシー・ドライバーは、
あなたの名前XXのボードを持っていますから、
「○○タクシーですか?」と、確かめてから、乗ってください。
タクシー・ドライバーから、声をかけることはありません。
声をかけられた人の車には、絶対に乗らないでください。
とあった。
これは、まるで白タク対策だ。

さらに、メールには、
8月のブラジルの季節は冬です。
厚手のセーターを持ってきてください。
朝、晩は10℃以下で、けっこう寒いです。
と、冬対策が書いてあった。

それで、セーターは普段着を持った。
なるべく目立たない服装にして、
土地っ子と見られるように、
観光客と見られないように。


白タクのカモ探しは巧妙だという。
バッグ・タグを見て、名前XXを確認すると、
「XXさんですね?」
「……?」
「お待ちしていました。
タクシーが用意してありますから、こちらへどうぞ」
と、白タクに連れていかれる。

それか、荷物や衣服の、会社のロゴ・マーク△△を見て、
「△△会社の方ですね?」
「……?」
「△△会社からの依頼のタクシーが用意してありますから、
こちらへ、どうぞ」
と、白タクに連れていかれる。

「○○タクシーに乗ることになっているが」
と、言っても、
「ハイ、○○タクシーのものです」
と言って、連れていく。
それに、ニセの制服や帽子を身に着けていれば、
疑いはうすれて、だまされる。

それで、会社のロゴ・マーク△△は、
一切つけなかった。荷物や衣服にも。
バッグ・タグは、荷物につけたが、
これは、サン・パウロに着いたら、すぐに外そう。
他人の荷物と見まちがうことを防ぐ役目は終えるから。

成田からサン・パウロまで24時間。
機内食をロス・アンジェルスまで2回、
サン・パウロまで2回と、合計4回。
食っちゃ、寝ていると、
季節は、夏から冬に変わっていた。

さて、荷物のバッグ・タグを取り去った。
カルーセルから取り出した大きな荷物は、バッグ・タグを外した。
念のために、航空会社がつける行き先表示の、
バーコードのバンドも、ちぎった。
成田から来たことを、知らせる必要はない。
会社のロゴ・マーク△△は、もともと、
荷物にも衣服にもついていない。

イミグレーションを通過して、
荷物をガラガラと押して、
出迎えのタクシー・ドライバーをさがす。

白タクの客引きは、まとわりついてこない。
制服、制帽をつけたニセ・ドライバーも寄ってこない。
「XXさんですね?」とも、
「△△会社の方ですね?」とも、
ぜん、ぜ~ん声がかからなかった。以外だったな。

名前XXのボードを持った人を見つけた。
相手も、こちらを見ている。
近づいて、
「○○タクシーですか?」
と、確かめた。
「そうです、XXさんですね?」
と、返ってきたから、
合言葉? が通じた。
出迎えのタクシー・ドライバーを、
あっさりと見つけることができた。

タクシー・ドライバーは、アイルトン・セナ高速道路に乗った。
ブラジルの英雄のF1レーサーを称えてつけられた高速道路だ。
そして50分、サン・パウロ市街のホテルに到着して、
ぶじにチェック・インすることができた。


教訓56) 名前がわかるバッグ・タグを、荷物につけるな。
 もし、バッグ・タグをつけるなら、漢字にすること。
教訓57) 会社のロゴ・マークも、荷物や衣服につけるな。
 白タクの客引きに、声をかけられるスキを与えないようにする。
教訓58) 白タクの客引きに、声をかけられても、取り合わない。
 たとえ、客引きが制服、制帽のタクシー・ドライバー姿であっても。
教訓59) 土地の人と見られるように、普段着が望ましい。
 明らかに旅行者と思われる、新調した服装であったり、
 ブランド品を身につけたり、派手な格好はしない。
 「旅行者ですよ、金を持っていますよ」と、教えるものだから。

昼休み、空き地でフットサル。サン・パウロ。
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海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その5 アメリカ、ロング・ビーチ

2010-07-25 00:03:26 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。
として、これまでに12か国を掲載した。

スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス、
ポルトガル、フランス、ドイツ、ルーマニア、
アメリカ、ブラジル、インドネシア、東ドイツの12か国で、
ヨーロッパが9か国、北アメリカ、南アメリカ、アジアが各1か国である。

これらの国で体験したタクシー事情をまとめる。
海外でタクシーに乗るときの注意教訓になる。

59) 海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その5 アメリカ、ロング・ビーチ

アメリカ、ロング・ビーチ
29) タクシーでレストランへ(2010年4月11日)
30) タクシーで行ったスシ・バー(2010年4月14日)
31) タクシー・ドライバーはレストランを知っている(2010年4月18日)
32) タクシー・ドライバーのレストラン探し(2010年4月21日)
33) チップを受け取らないタクシー・ドライバー(2010年4月25日)
34) 迎えはタダのタクシー(2010年4月28日)

アメリカの西海岸のロング・ビーチで、
雨の中、タクシーで「寿司や」探しに出かけた。
頼りは、ホテルのリーフレット、「ロング・ビーチのお勧め」。
そこに載っていた、日本食レストランの「津波」か「赤門」を目指した。

黒人のタクシー・ドライバーに、
「ロング・ビーチのお勧め」にある「津波」の住所を示すと、
手に取ってしばらく考えていた。
それから、夜の大雨の中を飛び出した。
「わかった」とも、反応もなしに。
どちらかというと、無愛想なドライバーだ。

ホテルから国道1号線(PCH/Pacific Coast Highway)に出ると、
南下した。そして、どこまでも進む。

ロング・ビーチ。上空から。
左はロス・アンジェルスに、奥はレイク・ウッドに続く。

中央右は、海辺に長く続くビーチ。右上はロング・ビーチ空港。
国道1号線(PCH/Pacific Coast Highway)は、
左奥から右上のロング・ビーチ空港の手前を斜めに走る。
中央下の白いドームの先は、クイーン・メリー号。

ワイパーをザッカ、ザッカとせわしなく動かして25分、
「あれだ!」
と、ドライバーが言った「津波」は、
“スシ・バー”Sushi Barだった。

中は薄暗く、耳をつんざくロックが鳴り響き、
タバコの煙がムンムンと充満している。
立つか、高いスツールに座るか、歩きまわって、
ウレタン・フォームの容器に入ったスシをパクつく。
まるで、ハンバーガをパクつくように。そして、
片手にぶら下げたビールびんをラッパ飲みする……。

イメージした寿司やには、まったくそぐわない。
日本の「寿司や」を探しているのだが。
次の候補は、「赤門」になる。

「ロング・ビーチのお勧め」で、「赤門」の住所を、
タクシー・ドライバーに示すと、のぞきこんでいる。
そして、また、だまって返してよこした。

走りなおして、着いた「赤門」は、
寿司と鉄板焼きで、寿司カウンターには、
寿司職人が2人いて、ともに日本人。忙しそうに握っている。
「合格だ」
ただ、カウンターもテーブルも空きがない。
ウエイティング・リストに名前を書き込んで、
30分ほど待つことにして、タクシーを帰そうとした。

ここまでのタクシー料金30ドルを払おうとすると、
タクシー・ドライバーは、はじめて話しかけてきた。
「長い間待って、スシにありつけなかったら、どうするのだ?」
「俺が、いいレストランを知っている」
「ホテルの近くだ。スシを出すレストランだ」
「席が空いているか? 電話してみる」

ずーっと無口のタクシー・ドライバーが、
突然に提案してきたのだから、
どうしても、警戒してしまう。

変なところへ、連れて行って、恫喝されるのではないか?
レストランと結託して、法外な料金を脅し取られるのではないか?
電話をするのは、「カモを見つけた、準備をしておけ」、ではないか?
さらに、ウロウロと遠回りをして、高い料金を請求するのではないか?
ここロング・ビーチは、すでに闇で、ストームによる雨が降っている。
心細い条件がいっぱいだ。

だが、その「スシを出す」と言うレストランに行ってみることにした。
すると、タクシー・ドライバーは自分の携帯電話を取り出して、
番号案内を呼び出した。
タクシー・ドライバーが知っているのは、
日本食レストランの、およその場所だけだった。
およその場所と、職種のジャパニーズ・レストランから、
レストランの名前、「いろり」を探り出した。
そして、電話番号を聞き出した。

こんどは、「いろり」にかけた。
「日本食レストランか?」
「タクシー・ドライバーのトニーだ」
「これからお客さんを連れていくが、スシを出してくれるか?」
「せっかく、オレが紹介するのだから、スシの味が良くなくては困る、
保証(guarantee)してくれるか?」
「お客さんは日本人2人で、10分後に行ける」
と、トニーは得意そうに電話を締めくくった。

ホテルに置いてあったリーフレット、「ロング・ビーチのお勧め」には、
日本食レストラン「いろり」は、載っていなかった。
ロング・ビーチのすぐ北の町、レイク・ウッドだったからだ。

「こんな近くに、日本食レストランがあったのか?」
ホテルを出てから、1時間はたっているが、
ここなら、タクシーで10ドルもあれば着く。
なんとまぁ、遠回りをしたもんだ!

ところが、メーターは50ドルである。
タクシー・ドライバーは、自分の携帯電話を使って、
予約してくれた電話代もある。
ここはチップを上乗せして、60ドルを渡そう。

すると、トニーは、
「50ドルでいい、チップは要らない」
と、メーターの50ドルしか受け取らない。

そして、トニーは、
「帰りはどうする?」
「俺の携帯電話にかけてくれ。迎えに来るから」
「これが電話番号だ」
と、メモを渡した。

「いろり」で、うまい寿司にありつけた。
夜も11時になる。
さて、ホテルに帰るが、トニーの携帯に電話をした。
すぐにつながって、
「すぐに迎えに行く」

15分でトニーは、「いろり」に迎えに来てくれた。
ホテルに帰るときに、トニーは、
「アフリカのナイジェリアから、
14歳のときにアメリカへ来て、10年になる」
と言う。

ホテルに着いて、タクシー料金として、
迎え料金と深夜料金もあるから、20ドルを出した。
すると、トニーは、
「いや、要らない」
と、受け取ろうとしなかった。

トニー以外のタクシーを呼んでホテルに帰っても、
かかるタクシー代を、トニーは受け取らなかった。

トニーの家は、どこか知らないが、
ストームの雨の中を飛び出して来たのだ。
タダのお客のために。

そして、お客をホテルに届けると、
何事もなかったように、雨の闇の中に消えた。

「トニー、ありがとう」
涙がでるぜ!
トニーは忘れられないタクシー・ドライバーになった。

教訓53) タクシー・ドライバーが携帯電話を使えば、どこと交信するのか?
 と警戒するが、乗客の望む行き先を調べてくれる親切なタクシー・ドライバーもいる。
教訓54) 迎えのタクシー料金をタダにしてくれたタクシー・ドライバーがいた。
 迎え料金のほかに深夜料金もとらなかった。
教訓55) タクシー・ドライバーが自分の携帯電話の番号を乗客に、
 伝えたときは、また利用してほしいと思っていい。

クイーン・メリー号。ロング・ビーチ。

固定されてホテルになっている。
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海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その4 アメリカ、ニューヨーク

2010-07-21 00:02:02 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。
として、これまでに12か国を掲載した。

スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス、
ポルトガル、フランス、ドイツ、ルーマニア、
アメリカ、ブラジル、インドネシア、東ドイツの12か国で、
ヨーロッパが9か国、北アメリカ、南アメリカ、アジアが各1か国である。

これらの国で体験したタクシー事情をまとめる。
海外でタクシーに乗るときの注意教訓になる。

58) 海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その4 アメリカ、ニューヨーク

アメリカ、ニューヨーク
25) ニューヨークの地下鉄から落書きが消えた(2010年3月27日)
1980年代、ニューヨークは恐ろしい街だった。
犯罪の巣窟(そうくつ)で、年間2千件を超える殺人事件があった。

ひったくりや強盗の狙い場になっていた地下鉄は、
「夜の地下鉄に乗るな」
と言われ、危険で乗れなかった。

どうしようもない犯罪都市、ニューヨークをジュリアーニ市長が改善した。
それは、「Broken Windows(ブロークン・ウィンドウズ)理論」の採用である。

これは、スタンフォード大学の教授の実験で、
ナンバー・プレートを外した乗用車を放置しておいた。
しかし、1週間なにも起こらなかった。そこで、
フロント・ガラスを割って、放置してみた。すると、
残りの窓ガラスが割られ、部品が持ち去られ、車は破壊されてしまった。

つまり、管理されていない街だ、
警察の監視が行き届いていない街だ、
と、わかると、やりたい放題になり、
治安は乱れ、そして、凶悪事件が発生する。

ニューヨークは、まず地下鉄の落書きを消した。
そして、パトロールを増やした。すると、
地下鉄の犯罪が減っていった。
この成功は、ニューヨーク市長ジュリアーニによって、
ニューヨーク市警に導入され(1994年~)、
軽犯罪の取り締まりを強化した。そうして、
ニューヨークから凶悪犯罪を減らすことができた。

1987年、ニューヨークへ行った。
ひったくりや強盗の狙い場、地下鉄にはじめて乗ってみた。
車内では、警戒して、キョロキョロした。
昼間だったが、なにも起こらなかった。それに、
名物の落書き? は、どこにもなかった。電車にも、駅にも。

「夜の地下鉄に乗るな」
でも、乗ってみた。
なにも起こらなかった。

教訓34) 1980年代、犯罪都市だったニューヨークは、
 「Broken Windows(ブロークン・ウィンドウズ)理論」
 の採用によって、凶悪犯罪は激減した。
教訓35) 1987年、地下鉄に乗ってみたが、犯罪にはあわなかった。
 夜の地下鉄に乗ってみても、犯罪にはあわなかった。
 ニューヨークの地下鉄の治安は良くなっていた。


アメリカ、ニューヨーク
26) 家族でニューヨークのイエロー・キャブに乗る(2010年3月31日)
27) 白タクの客引きとの戦い(2010年4月4日)
ニューヨークで、ジョン・エフ・ケネディJFK空港から、
マンハッタンのホテルまでタクシーを使う。
家族5人と、荷物を満載した2台のカートは、
キャブ乗り場に向かった。

ところが、白タクの客引きが、ウロウロして、
「乗らないか?」
「荷物を持ちましょう」
「マンハッタンまでXXドルだよ」
と、うるさいこと、うるさいこと。
一人にことわっても、つぎからつぎへとくるから、切りがない。

カートに満載した荷物を、
白タクの客引きに、持って行かれないように、
白タクの客引きを振り切るようにして、キャブ乗り場に急いだ。

教訓36) 白タクの客引きの勧誘は、無視するか、
 きっぱりとことわること。
 そして、まっすぐ、キャブ乗り場に行くこと。
教訓37) 白タクの客引きから、「荷物を持ちましょう」と言われても、
 ことわること。荷物を持って行かれると、追いかけて、
 白タクの駐車場へ行くハメになる。


ニューヨークのタクシー、イエロー・キャブの定員は4人である。
家族5人とたくさんの荷物だから、2台に分乗することにしていた。

キャブ乗り場の列の先頭には、
背の高いお年寄りの温和な“紳士”がいる。
きちんとした“制服と制帽”を身に着けたガイドである。

てきぱきと客の列をさばいていて、私たち家族5人の番になった。
大きなイエロー・キャブが横にきた。“ミニバン”だ。

1台目に乗る予定の妻と長男と娘の3人が乗った。
荷物を半分ほど入れ、1台目が出発するのを見送ろうと、
私と次男がつっ立っていると、ガイドは、
「あなたたちも、乗ってください」
と、言った。
そして、5人とたくさんの荷物が1台に詰めこまれた。

家族5人と荷物がぎゅうぎゅうと、
1台に詰まる様を見ていた白タクの客引きが、
最後の悪あがき、
「5人乗りだ。イリーガル! (違法だ)」
と、大声をあげた。

ガイドは一瞬困った。私も困った。
ところが、さすがに年季の入ったガイドである。
「何かあったら、娘さんは“幼児”だ、といいなさい」
「そして、お母さんの“膝”の上に乗せない」
と、とっさに機転をきかした。

イエロー・キャブでは、7歳未満は、
大人の膝の上に乗せれば、
あわせて1人とすることになっている。

「OK! どうも、ありがとう」
ガイドにチップを多めに渡した。

そして、家族5人と荷物は、
ぶじにマンハッタンのホテルに着くことができた。

教訓38) イエロー・キャブの定員は4人である。
教訓39) 7歳未満は、大人の膝の上に乗せれば、
 あわせて1人とすることになっている。
教訓40) ガイドやタクシー・ドライバーに親切にされたときや、
 助けられたときには、チップを多目に渡すこと。


アメリカ、ニューヨーク
28) ニューヨークのタクシー免許、メダリオン(2010年4月07日)
2002年に、ニューヨークへ行くと、
ジョン・エフ・ケネディJFK空港から、
白タクの客引きが、消えていた。

“gypsy cab”(ジプシー・キャブ)がある。
街頭で客を拾う白タクで、もちろん、メーターはついていない。
料金は、客とドライバーの交渉によって決めるが、たいがいは、
ドライバーの言われるままに支払うというリスキーなものだ。

イエロー・キャブの乗車拒否は、
ジュリアーニ市長によって、改善された。
罰則をつくって、高い罰金を科した。
それに、ドライバーが、客を選べないようにした。
流しで客を拾う場合は、近い客を拾うことになっている。

タクシーによるボッタクリの常とう手段として、
✇目的地とは、反対の方向へ走る、
✇メーターを倒さずに、高い料金をとる、
✇勘違いをしたふりをして、遠回りをする、
✇恫喝する、
を、海外でみてきたが
ニューヨークは、これらの“不正”に厳然と立ち向かっている。
TLC(NEW YORK CITY TAXI & LIMOUSINE COMMISSION)は、
ホット・ライン、電話番号(212)NYC-TAXIを用意して、
苦情を24時間、受けつけている。

イエロー・キャブの“免許”とメダリオン・ナンバーの交付、
ドライバー・ライセンスは、
TLC(NEW YORK CITY TAXI & LIMOUSINE COMMISSION)によって、
免許され、管理されている。

教訓41) 2002年、ニューヨークのジョン・エフ・ケネディJFK空港から、
 白タクの客引きが、消えていた。
教訓42) 街頭で客を拾う白タク“gypsy cab”(ジプシー・キャブ)には、
 乗らない方がいい。ドライバーと料金の交渉ができないかぎりは。
教訓43) TLC(NEW YORK CITY TAXI & LIMOUSINE COMMISSION)
 によって、メダリオンが交付されているイエロー・キャブは安心である。
教訓44) イエロー・キャブの料金は、メーターで表示される。
教訓45) 夜8時から朝6時の深夜は、別途、深夜料金が加算される。
教訓46) 料金は、同乗人数にかかわらず一律である。
 荷物も同様に、個数にかかわらず一律料金である。
教訓47) タクシー・ドライバーは、20ドル以上の紙幣は受けつけない。
 いいサービスには、チップを払うのがならわしである。
教訓48) タクシー・ドライバーはていねいな英語を話す。そして、
 マンハッタンの道路を知るとともに、外へ出る主要道路も知っている。
教訓49) タクシー・ライバーは、交通法規を知り、それを遵守する。
 当たり前のことだが。
教訓50) 車内は禁煙である。これはニューヨーク市の規則である。
教訓51) 苦情は、TLCのホット・ライン、電話番号(212)NYC-TAXIで、
 24時間、受けつけている。問題があったら、通報できる。
教訓52) イエロー・キャブに乗ったら、タクシー・ドライバーのうしろの、
 “PASSENGER INFORMATION乗客への案内”を、読むことをお勧めする。

タクシー・ドライバーのうしろの一面の仕切り板に貼ってある、
“PASSENGER INFORMATION乗客への案内”。
ニューヨークのイエロー・キャブ。

この乗客への案内から、イエロー・キャブの状況がわかる。
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海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その3 ドイツ、ルーマニア

2010-07-18 00:04:04 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。
として、これまでに12か国を掲載した。

スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス、
ポルトガル、フランス、ドイツ、ルーマニア、
アメリカ、ブラジル、インドネシア、東ドイツの12か国で、
ヨーロッパが9か国、北アメリカ、南アメリカ、アジアが各1か国である。

これらの国で体験したタクシー事情をまとめる。
海外でタクシーに乗るときの注意教訓になる。

57) 海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その3 ドイツ、ルーマニア

ドイツ
22) ドイツのタクシーはベンツ(2010年3月17日)
ドイツ人は、タクシー乗場の列に並ばない。
タクシー乗場より手前の適当なところにいて、
手を上げて、止めたタクシーに乗り込む。
マナーにうるさく、規則に従うドイツ人であるが、
これだけはふしぎである。

アウトバーンは、スピードが無制限である。
ドイツのタクシーはメルセデス・ベンツで、
アウトバーンを、時速200キロメートルで突っ走る。
日本の新幹線と同じスピードだが、振動と音、飛び散る景色、
それに、スピード・メーターから、スピード感は大きく感じる。

教訓25) トラブルをおこさないために、タクシー乗り場に並んで、タクシーを待とう。
教訓26) アウトバーンはスピード無制限で、
 前座席の方が、スピード感が大きいから、後部座席に座ろう。
 そして、シート・ベルトを締めて、深く沈みこんでいよう。

ドイツ
23) 道をまちがえた差額を返すタクシー・ドライバー(2010年3月21日)
タクシー・ドライバーは、
「道をまちがえた」
と言う。
さっきから同じところを、グルグルと回っている。

「道をまちがえた」
と、タクシー・ドライバーが言うのは、ボッタクリの手段で、
身構える習性になっているが、ドイツでは、本当に道をまちがえたのだ。

「ちがう町に、下りたようだ」
「料金の差額は、返しますから」
と、タクシー・ドライバーは言う。

タクシー・ドライバーのミスで、ちがう町に下りたから、
「グルグルと走り回った分の料金を、返します」
と言うのだ。

教訓27) 「道をまちがえた」と、タクシー・ドライバーが言っても、
 ドイツでは警戒しなくてもいい。遠回りでなく、本当に道をまちがえたのだ。
教訓28) ドイツのタクシー・ドライバーは誠実だ。
 ボッタクリはないと考えていい。フランスや日本と同じである。

ルーマニア
24) ホテルでカメラが消えた(2010年3月24日)
ルーマニアの首都、ブカレストの一流ホテルのレストランで、
テーブルの上に置いたディジタル・カメラが消えた。
日本人女性が、
「ディジタル・カメラをテーブルに置いて、
料理を取りに行っている間に、なくなった」
と、オロオロと探していた。

彼女に代わって、近くの若いウエイトレスに聞くと、
「知りません」
「部屋にあるのではないですか?」
「持ってこなかったのではないですか?」
と、英語で答えた。

これでは、らちがあかない。
年長のウエイトレスに、
「ディジタル・カメラがテーブルの上からなくなった。
マネジャーと話したいから、呼んでほしい。
もし、マネジャーがいなければ、支配人をお願いしたい」
と、言った。

もし、マネジャーが解決できなければ、
ポリスに連絡することになる。

レストランに居合わせた外国人の2人のお客さんに、
ディジタル・カメラの行方を聞いてみたが、
「知らない」
と言う。

マネジャーが来るまで、レストラン中を探した。
そうすると、
「あった!」
と、日本人女性が叫んだ。
ディジタル・カメラは、置いたテーブルとは、
まったく離れたテーブルにあった。しかも、床の上だった。

教訓29) 被害にあった現場を離れるな。うやむやにならないために。
教訓30) 作り話にしないために、できごとを被害として、ホテルに伝えろ。
教訓31) 居合わせた人にも聞いてみよう。被害の証人になってもらえるから。
教訓32) そして、責任のある人、マネジャーに被害の解決をしてもらおう。
 マネジャーが解決できなければ、ポリスに連絡することになる。
教訓33) 外務省の「海外安全ホームページ」に、
 海外で安全に旅行する手引きがあるから、大いに参考になる。


「海外安全お役立ち情報」の中、「海外安全情報」に、
「なぜ君がねらわれるのか」の、30分のビデオがある。
http://www.anzen.mofa.go.jp/video/video01.html


タクシーによる被害、ホテルでの盗難、白タク強盗、などの事例があるから、
見ることをお勧めします。「自分の身は、自分で守る」ために。
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海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その2 ポルトガル、フランス

2010-07-14 00:13:23 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。
として、これまでに12か国を掲載した。

スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス、
ポルトガル、フランス、ドイツ、ルーマニア、
アメリカ、ブラジル、インドネシア、東ドイツの12か国で、
ヨーロッパが9か国、北アメリカ、南アメリカ、アジアが各1か国である。

これらの国で体験したタクシー事情をまとめる。
海外でタクシーに乗るときの注意教訓になる。

56) 海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その2 ポルトガル、フランス

ポルトガル
17) 道がわからなくなったタクシー・ドライバー(2010年2月28日)
空港からリスボン市街のホテルへ向かったが、タクシー・ドライバーは、
「この時間帯は、市街までは渋滞になる」と、違う方向に走り始め、
「日本では、サッカーは人気があるか?」と、日本人であることを確かめ、
「道がわからなくなった」と、ほかのタクシー・ドライバーに道を聞き、
行き先が、リスボン市街の☆☆☆☆☆(5つ☆)ホテルであっても、
「リスボンには数百ものホテルがあるから、覚えきれない」
と、ふざけた言い訳をして、ウロウロと遠回りをした。

結局、遠回りをして、メーターどおりの料金を払わされた。
空港のインフォメーションで聞いたタクシー料金の2倍だった。

教訓14) タクシーに乗る前に、空港のインフォメーションで、
 およそのタクシー料金を聞いてみること。
教訓15) タクシー・ドライバーが、乗客は日本人であることを確かめたり、
 「この時間帯は、市街までは渋滞になる」
 と、違う方向に走り始めたら、
 ボッタクリのモードに入ったと考えよ。
教訓16) 空港のインフォメーションで聞いた、およそのタクシー料金を、
 タクシー・ドライバーに言って、最短距離で走るように伝えること。

ポルトガル
18) 行方不明になったルーム・キー(2010年3月3日)
19) マネジャーあての手紙(2010年3月6日)
ホテルにあるヘルス・クラブのプールを使用するときに、
ヘルス・クラブの受付のお兄さんから、
「台帳に部屋番号と名前を記入してください」
と、言われて記入した。
そして、
「ルーム・キーをあずかります」
と言われて、
ホテルの客であることの証(あかし)であるルーム・キーをあずけた。

プールからあがると、ヘルス・クラブのお兄さんは、
「ルーム・キーは受け取っていない」
と言いはって、返してくれなかった。
結局、ルーム・キーは行方不明になった。
このセキュリティの問題に対して、マネジャーに手紙を書いた。

教訓17) ホテルの部屋に入って、真っ先にすることは、
 パスポート、航空券、財布、時計、携帯電話などの貴重品は、
 セキュリティ・ボックスに入れること。
教訓18) 問題がおきたら、担当者の名前を確認すること。
 この場合は、ヘルス・クラブのお兄さん。
 そして、解決するまで、現場を離れてはいけない。
教訓19) ホテルのマネジャーに手紙を書くこと。
 セキュリティの問題は、ホテルの信用にかかわることだから。

フランス
20) 犬はタクシー・ドライバーの友だち(2010年3月10日)
旅行者からボッタクル常套手段として、
✇目的地とは、反対の方向へ走る、
✇メーターを倒さずに、高い料金をとる、
✇勘違いをしたふりをして、遠回りをする、
✇恫喝する、がある。
ところが、フランスでは、これらにはあわなかった。

助手席に犬がいたことがあった。
犬にとまどっていると、
「これは、私の“友だち”だ」
と、タクシー・ドライバーは言う。
強盗から、タクシー・ドライバーを護衛するためだ。

街角でタクシーを拾い、ドライバーに行き先を伝えたが、
私のフランス語の発音では、伝わらなかった。
そのとき、通りがかりのフランス女性に助けられた。
「どこへ、行きますか?」
と、きれいな英語で話しかけてきて、
タクシー・ドライバーに通訳? してもらった。

教訓20) 助手席に犬がいる場合があるが、あわてなくていい。
 タクシー・ドライバーの護衛用である。
教訓21) フランス語が話せない場合、
 行き先をフランス語で書いた紙を用意すること。

フランス
21) タクシー・ドライバーのかご逃げ(2010年3月14日)
パリで、商社マンのEさんは、夜おそく、
オフィスからアパートメントへ、タクシーで帰った。
アパートメントに着いて、タクシー料金5フランを、
20フラン紙幣で払おうとすると、
タクシー・ドライバーは、
「20フランですか?……おつりがないんです」
と、こまっている。

それで、
「ここで、待っていてくれ。家から細かい金を持ってくる」
と、タクシーを降りようとすると、
アパートメントに入って、裏口から逃げる、
“かご抜け”を警戒したタクシー・ドライバーは言う。
「本当にもどって来るんですか? ムッシュー。
それでは、アパートメントの部屋番号と、名前を教えてくださいな」

アパートメントの部屋番号と名前は、セキュリティの問題から、
むやみやたらに、他人に教えるわけにはいかない。
かご抜けをするつもりは、さらさらない、Eさんは提案した。
「じゃ20フランをあずけておくから、5フランを持ってきたら、もどしてくれ」
タクシー・ドライバーは、すぐに了解した。

大急ぎでアパートメントへ行って、
奥さんから10フラン紙幣をもらって、タクシーに引き返した。
ところが、タクシーは、影も形もなかった。
タクシー・ドライバーが“かご逃げ”した。

教訓22) タクシーに乗る前には、小銭でタクシー料金とチップを用意すること。
教訓23) アパートメントの部屋番号と名前は、セキュリティの問題から、
 むやみやたらに、教えない。
教訓24) もし、タクシー・ドライバーに高額な紙幣をあずける場合は、
 あずかり証に名前とサインもらい、タクシー会社の名前と車のナンバーを、
 控えておくこと。おたがいに、“かご抜け”、“かご逃げ”をしないために。

パリのタクシー。

“かご逃げ”とは関係がない。
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海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その1 スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス

2010-07-11 00:03:16 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。
として、12か国で体験したタクシー事情を54回掲載した。

スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス、
ポルトガル、フランス、ドイツ、ルーマニア、
アメリカ、ブラジル、インドネシア、東ドイツの12か国で、
ヨーロッパが9か国、北アメリカ、南アメリカ、アジアが各1か国である。

これらの国で体験したタクシー事情をまとめる。
海外でタクシーに乗るときの注意教訓になる。

55) 海外でタクシーに乗るときの注意、教訓
 その1 スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス

スペイン
01) チケットを見たがるタクシー・ドライバー(2010年1月3日)
02) 反対方向へ走るタクシー(2010年1月6日)

タクシー・ドライバーは、
「ちょっと、チケットを見せてくれませんか?」と言う。
それで、チケットを渡すと、
出発時間を見て、時間に余裕があることを確かめると、
高速道路から一般道路へ降りて、空港とは、反対方向に走った。
そして、メーター通りの、高い料金を請求してきた。

教訓01) チケット(航空券)を、タクシー・ドライバーに見せるな。
 チケットは、タクシー・ドライバーとは関係ないことだから。

ギリシャ
03) 料金メーターを使わないタクシー・ドライバー(2010年1月10日)
04) 英語をやめたタクシー・ドライバー(2010年1月13日)
05) ホテル・マンにタクシー料金を聞こう(2010年1月13日)

タクシー・ドライバーは、
「日本から来たのですか?」
「アテネは、初めてですか?」
「いつ帰るんですか?」
と、乗客が旅行者であることを確認した。

そして、
「メーターが、錆(さ)びついて動かない」
と言って、メーターを使用せずに、通常の3倍の料金を要求した。

教訓02) 旅行者であることを、タクシー・ドライバーが、
 確かめてきたら、用心すること。ボッタクリのはじまりである。
教訓03) メーターを使用しない場合は、
 タクシー・ドライバーに、メーターを使うように言うこと。
教訓04) タクシー料金を、ホテル・マンに聞いてみることもできる。
 信頼できるホテルならば、タクシー料金を教えてくれる。

イタリア
06) ちがう方角を走るタクシー・ドライバー(2010年1月20日)
07) 正規タクシーの荒稼ぎ(2010年1月24日)

タクシー・ドライバーは行き先をわかったふりをして、
まっすぐ行けば1.5キロメートルほどの距離を、
三角形の2辺を走った。距離にして10キロメートルほど。
それで、メーターどおりの料金を請求してきた。

教訓05) 行き先は、紙に書いてタクシー・ドライバーに渡そう。

イタリア
08) 一人でタクシーに乗るな(010年1月27日)
09) ガイドの資格を持ったタクシー・ドライバー(2010年1月31日)
10) カモ拾い役のタクシー・ドライバー(2010年2月3日)
11) 洞窟(恫喝)部隊へバトンタッチ(2010年2月7日)
12) 送り役のドライバー(2010年2月10日)

「私はガイドの資格を持ったタクシー・ドライバーです」と声をかけ、
いいところがあります、と、やさしく誘ってきた。
正規タクシーではなく、個人の車に乗せられて、
仲間が待つ、さびれたところへ連れ込まれた。
そして、現金とトラベラーズ・チェックを、脅(おど)し取られた。

教訓06) 見知らぬ人が寄ってきて、やさしく誘われても、ことわること。
教訓07) 正規タクシー以外には乗るな。
教訓08) 携帯電話を使ったら、仲間と連絡していると思うこと。
教訓09) 多額の現金、トラベラーズ・チェックを持ち歩くな。
教訓10) 一人でタクシーに乗るな。

イギリス
13) タクシー・ドライバーには筆記試験と実地試験(2010年2月14日)
14) タクシー・ドライバーの合格は10人に3人(2010年2月17日)
15) タクシー・ドライバーの5つの条件(2010年2月21日)
16) タクシーは乗客の安全と快適が第一(2010年2月24日)

ロンドン・ブラック・キャブのドライバーになるには、
“筆記試験”、“口頭試験”、“実地試験”がある。
“Knowledge of London”、ロンドンの知識を覚え、
まちがいなく、かつ安全に“運転”できて、
合格するのは、10人に3人である。
キャブ・ドライバーに、「XX通り」と、道の名前を言えば、
すぐにわかって、目的地まで最短距離で行ってくれる。
ヨーロッパのタクシー・ドライバーに見かけた、
✇目的地とは、反対の方向へ走る、
✇メーターを倒さずに、高い料金をとる、
✇勘違いをしたふりをして、遠回りをする、
✇そして、高い料金をふんだくる、
✇恫喝する、などは、
ロンドン・ブラック・キャブにはない。

教訓11) ロンドンでは、ブラック・キャブに乗れ。
 黒の箱形のほかに、ナンバー・プレートの下にある、
 白のライセンス・プレートが目印。
教訓12) 試験をパスして、認可されたキャブ・ドライバーは、
 胸にバッジをつけている。
教訓13) キャブ・ドライバーに、「XX通り」と、道の名前を伝えろ。
 最短距離で行ってくれる。
 ところが、滞在者ではなくて、旅行者とみると、
 最短距離でなく、遠回りをすることがあるから、注意。
 悪質の場合は、当局に通報すること(別の機会に触れる)。

ロンドン・ブラック・キャブ。

ブラック・キャブは、名前のように“黒”が基調だが、
ほかの色や広告もある。
ナショナル・ギャラリーの印象派の展覧会の広告で、
画家のサインが描いてある。
マネ、ゴッホ、シスレー、ピサロ、ルノワール、
ベルト・モリゾ、クロード・モネ。
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タクシー・ドライバーと握手

2010-07-07 00:07:07 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。

54) タクシー・ドライバーと握手
ブラック・キャブで、ロンドン市街から、
ヒースロー空港へ行く。

キャブ・ドライバー、ジョンは楽しそうに話し続ける。
「去年、結婚したよ」
「ロンドンの北に住んでいるが、緑が多くていいところだ」
「妻とクロムウェルCromwellにあるカジノに来るのが楽しみだよ」

カジノが見えるクロムウェル・ロードを抜けると、
ヒースロー空港へのモータ・ウェイM4になるのだが、
朝のジャミングから、なかなか抜け出せない。
時間が過ぎ、メーターが上がっていく。
はたして、35ポンドで行けるのかな?

「ルーレットで1,000ポンド(16万円)勝ったよ」
「勝った最高さ。ラッキー・ナンバーは29だ」
「ダメなときは、最後の10ポンドを黒の29に賭ける」

どうして29なのだろう?
イギリス人のラッキー・ナンバーは29?
それとも、奥さんの年が29?
「29は、妻の年かって?」
「今ちょうど29歳だが、それとは関係ない」

「ロンドンはイタリアンとチャイニーズがうまい、妻とよく行くよ」
「シャウフェッツChaeufetts通りにある、
チャイニーズ・レストランがうまい」
「今度、行ってみるといい」

「ビールは好きかい?」
「フラーズFuller'sがうまい」
「工場がすぐそこにある」
ビール工場を指さす。

看板には、
「ロンドンの誇り、極めつき」
「家族経営による醸造所で1845年の創業」
とある。

ヒースロー空港に着いたら、味わってみよう。
予備としてとってある5ポンドで。

クロムウェル・ロードを抜けるのに、
ジャミングで手間取った。
モータ・ウェイM4に入ると、スピードを上げた。

ヒースロー空港の出発ターミナルが何番か? 気になる。
ジョンに聞いてみた。
「パリへ行くが、BAの出発ターミナルは2番か?
ヨーロッパ便は2番だから」

ジョンは、ダッシュ・ボードから何やら本を取り出して、
運転しながら、調べている。そして、
「ちょっと、チケットを見せてくれませんか?」

これは、スペインのマラガのタクシー・ドライバーが、
言ったせりふと、同じではないか。

スペインでは、チケットを渡すと、出発時間を見て、
時間の余裕があることを確かめると、
高速道路から一般道路へ降りて、
空港とは、反対方向に走った。

ジョンは、チケットを見てどうするのだろう?
まさか、空港とは反対方向へ走らないだろうな?
チケットを取り出し、警戒しながら渡した。

きょうのフライトであるBAのチケットを見てから、
次のチケットも見ている。
成田にもどる最後のチケットまで見た。
ジョンは、全部見てから、返してくれた。

「ガイドブックによると、ターミナル2はヨーロッパ便とある」
「ただし、パリ、アムステルダム、アテネ便は除く、と書いてある」
と、ジョンは言う。

「ターミナル4を見ると、インターナショナルとある」
「ただし、パリ、アムステルダム、アテネ便を含むと書いてある」
「だから、パリ行きはターミナル4だ」

「それに、チケットを全部見たが、
どこにも、シャトル便とは書いてなかった」
「だから、ターミナル4にまちがいない」

「このガイドブックは、なかなか役に立つ」
「だから、いつでも、こうして持っているんだ」
ジョンは、ターミナル4を探り当てて、誇らしげだ。

ヨーロッパ便はターミナル2だと思っていたが、
パリとアムステルダム、アテネ便だけはターミナル4だった。

モータ・ウェイM4を下りたこの道は、
ターミナル1、2、3へ向かうから、
ターミナル4へ行くには、
大きく方向転換をしなければならない。
ターミナル4だけは、ほかと離れているから。

滑走路に沿って迂回し、コンコルドの格納庫のわきを通過する。
メーターは、とっくに35ポンドを超えている。
そして、ターミナル4に着いた。

ロンドン市街のホテルから1時間15分もかかった。
朝のジャミングに巻き込まれて。
通常は50分くらいなのに。

これでターミナルをまちがえたなら、あせっただろう。
ターミナル2のキャブ乗り場にならんで、
ブラック・キャブでターミナル4まで移動するが、
出発時間、ぎりぎりだったにちがいない。

そして、気になるメーターは、
50ポンドを指している。

35ポンドの約束だったが。
いくらなんでも、それではかわいそうだ。

クロムウェル・ロードを抜けるのに、
ジャミングで手間取ったのと、
いったんは、ターミナル2に向かったので、
遠回りをして、料金が上がったのだ。

現金はキャブ代に35ポンド、それに、チップの5ポンド、
予備のビール代の5ポンドと、全部で45ポンドしかない。
「ジョン、45ポンドが、持っている全てだ」
“OK!”

ジョンは振り返って、あっさりと了解すると、
45ポンドを受け取って、
“Thank you Sir”

「ロンドン市街を飛ばしているから、
電話で、いつでも呼んでくれ」
「今度また、呼ぶよ」
「あなたの名前は?」
「Mulliganモリガンだ」
「モリガン、楽しい旅を、グッド・ラック!」
と、右手を差し出してきた。

タクシー・ドライバーと握手をするのは、初めてだ。

今回は、現金がなくなったから、
ビールのフラーズFuller'sはお預けだ。
ビールは、またの機会にすればいいじゃないか。

パリ行きのBAは、ジョンが調べてくれた通りに、
ターミナル4から無事に出発した。

ジョンは、ロンドン・キャブのドライバーの適性として求められる、
オネスト/正直、
フェア/正しい、
話じょうず、
を持ち合わせている。

ジョンよ、気分がよかった!
ありがとう。
ジョンも、気分がよかったんだろう。
握手をしてきたのだから。

ジョンは、難関を突破したブラック・キャブの、
ドライバーであることに、誇りを持っている。
そして、乗客の安全と快適を優先させる、
Passenger safety and comfort come first
を実行している。
さらに、出発ターミナルを調べて、乗客に喜びDelightを与えた。
ジョン、ありがとう。
また会おう!

ウィンザー城
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ドライバーの携帯に電話

2010-07-04 00:07:04 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。

53) ドライバーの携帯に電話
ロンドンからパリに飛ぶ日。
まずは、ホテルからヒースロー空港まで行く。

ホテルのボーイに呼んでもらうブラック・キャにするか?
それとも、きのうのジョンにするか?
どちらが、まともにヒースロー空港に着くか?
迷うところだ。

ジョンに賭(か)けてみた。
昨夜もらった、携帯電話の番号を持っている。
朝の9時、今ならジョンに間に合う。
厚紙を取り出して、電話をした。

つながった。
「ジョンか? ヒースロー空港まで、行けるか」
「行くよ」
「10時までに、ホテルに来てくれ」
“OK”

チェック・アウトをすませて、9時半には、ロビーで待った。
ジョンが早めに来たら、すぐに乗れるように。捜さないように。
そして、現金は、35ポンドのタクシー代とチップに5ポンド、
予備として5ポンドの全部で45ポンドを残してある。
これだけあれば、だいじょうぶだろう。

「35ポンドでいいですよ」
「混んでいても、35ポンドで行きますよ」
と、ジョンは言っていたから。

ジョンが来るのは10時。
だが10分前になっても、5分前になっても来ない。
3分前になった、その時、
ブラック・キャブのドライバーがロビーに入って来て、
まっすぐ近づいてくる。
「ハロー」

眼鏡はない。年は45歳くらい、髪は短くカット。
きのうより、ふけたな!
それに凄みがある。

「ジョンか?」
「そうだ」
ジョンは、バッグを運ぼうとするが、
これは私が大事に運ぶ。

そして、ジョンが聞いてきた、
「どこまで、行くのか?」
「……? きのう言ったじゃないか?」
「……?」
ジョンは、だまっている。

「ヒースロー空港だ!」
ホテルの玄関を出て、
ジョンのブラック・キャブに乗ろうとすると、
ちょうど、うしろから来たブラック・キャブが、
クラクションを鳴らした。
「ビー、ビッ、ビッー」

ジョンだ!
こっちが本者のジョンだ。

「それは、俺の客だ! 約束をしてあるんだ」
本者のジョンが、にせ者のジョンに叫んだ。

私も本者に叫んだ、
「ジョンじゃないか?」

このやりとりを見て、にせ者のジョンは、
なにも言わずにあっさりとあきらめて、
違う客を物色しに、ホテルのロビーに消えた。

本者のジョンのブラック・キャブに乗り込んだ。
「約束通り、10時前に来た。やれやれ、俺の顔を忘れたのかい?」
「ジョンか? と聞いたら、そうだ、と言うから」
それに、昨夜は横顔と後ろ姿だったから、
見分けがむずかしかった。

まっすぐ近づいてきたから。
「いやに、ふけたな?」
とは思ったが。
これは、言わなかった。

ふけたジョンが、
「どこへ行くのか?」
と、聞いてきたから、おかしいとは思ったが。

「顔を覚えておいてくれよ! ヒースロー空港だね?」
と、本物のジョンは言う。
「そうだ」

ジョンは、イタリア移民のイギリス人。
「両親は、47年前にイタリアからイギリスに来た」
「イタリアは、どこの出身だ?」
「コルシカ島だ」
「コルシカ島といえば、マフィアの産地だ!
ジョンの親戚はマフィアか?」
「いや、マフィアではない」
笑っている。

「ブラック・キャブのドライバーになって6年、まだ若い方だ」
きのうのキャブ・ドライバーが通った、
工事中でジャミングした道路は、
ジョンは通らない。

「年配のドライバーは、余裕があってゴルフをしているよ。
俺もそのうちにしようと思うが」

ジョンは、地図をのぞき込むこともない。
一方通行を調べることもない。
ヒースロー空港まで行くのに、なんら迷いがない。
きのうのドライバーと違って、ジョンは信頼できるようだ。

「どうすればロンドン・キャブのドライバーになれるんだ?
筆記試験と口頭試験、実地試験があることは、知っているが」
「ライセンス・ナンバーとバッジをもらえるまでに、
数年かかるんだ。難関だったな!」

ジョンは、ロンドン市街とヒースロー空港を流すことができる、
ロンドン・キャブのドライバーのライセンスを取ったいきさつを、
話し始めた。

「PCO/The Public Carriage Officeへ書類の申請をする」
「健康診断書もいっしょに。薬物使用や精神障害、
心臓発作があれば、パスできないんだ」
「犯罪歴があれば、それも隠さずに申告する」

「書類が受理されると、面接があって、
悪名高い“Blue Book青本”が支給される」
「ロンドン市街の400のルートがリストされているから、
これを覚えなければならない」

「Blue Book青本を持って、
モペッドでロンドン市街を走り回って、覚えていくのさ」
「“ロンドンの知識The Knowledge of London”を、
知り尽くさなければならないんだ」

「チャリング・クロスから半径6マイルにある25,000の道路と、
その周囲の幹線道路。
それに、シアター、ミュージアム、チャーチ、官庁、学校、病院、
警察署、名所旧蹟、公園、広場、駅、スポーツ施設、
パブからレストラン、ホテル、デパートメント、お墓まで、
およそお客の行き先となるすべてが、
“ロンドンの知識The Knowledge London”さ」

「最短で行けるルートか? 行き止まりがないか?
渋滞に巻き込まれないか? 工事中の道はないか?」

「そのときは工員だったから、
日曜日になると、ロンドン市街に飛び出した」
モペッドに乗って、冬でも、雨が降っても駆け巡ったものさ」

「それから、筆記試験を申請する」
「ロンドンの知識について出題される」
「10回の試験でパスすれば、早い方だよ」
「大学の学位を取るよりも、むずかしいんだ」

「最後には、工員を辞めて、試験に専念した」
「パスするのに、4年かかった」
「筆記試験をパスすると、次は面接試験になる」
「ロンドンの知識について、PCOの審査官から質問されるから、
口頭で答えるんだ」
「ドライバーの適性として、
オネスト/正直フェア/正しい話しじょうずが求められる」
「わざと、困難な質問もして、適性を見ているんだ」

「それから、PCOの検査官が同乗したDriving Test実地試験を受ける」
「単なるドライブ・テクニックを見るのではなく、
乗客を運ぶ能力が試されるのさ」
「目的地まで、最短のルートを選んだか?
渋滞に巻き込まれなかったか?
安全に運転したか?
が検査される」

「それが通ると、郊外からロンドン市街に出入りする、
100以上のルートについても、試験される」

「それで、合格して、ドライバー・ライセンスバッジがもらえた」

ジョンは振り返って、
「そりゃあ、もう嬉しかったさ!
こうしてバッジをつけて、ロンドン市街を走れるんだから」
胸を張って、誇らしげに見えた。

グリーン・バッジには、上にLondonロンドン、
下にCab Driverキャブ・ドライバーとあり、
中央に番号がある。

「10人の応募者があると、実際にドライバーになれるのは、
3人くらいなんだから」

ロンドン・キャブのドライバーのライセンスを取ることは、
並大抵のことではない。
ジョンはキャブ・ドライバーの適性である、
オネスト/正直、
フェア/正しい、
話しじょうず、
を備えている。

乗っていて楽しい。
なによりも、安心していられる。
ジョンに賭(か)けて、正解だったようだ。

リージェンツ・ストリート。

クリスマス・シーズンのイルミネーション。
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