「世界の評価」から、「指標」を定めて、
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「ポルトガルの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ポルトガルのPISA2015は、24位→ランクC。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ポルトガルの2017年の国際特許出願件数は、34位→ランクD。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ポルトガルのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ポルトガルのパルム・ドール受賞0は、→ランクF。
突出している1位~4位→ランクAとした。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ポルトガルの文化遺産14は、14位→ランクB。
シントラの文化的景観、世界遺産。
首都リスボンから西へ30キロほど。
シントラの王宮。
白いとんがりコーンは調理場の煙突。
アラブの間、シントラの王宮。
噴水。周りの壁は、ポルトガルに残る最古のアズレージョ(タイル)。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ポルトガルのFIFAのランキングは、4位→ランクA。
ポルトガルは、ワールドカップで優勝がない。
「ルイス・フィーゴとペドロ・パウレタで優勝を期待したが、ダメだった。
しかし、フィーゴの後継者、クリスティアーノ・ロナウドがいるから、
次は優勝してほしい」
と、ポルトガル人の初優勝への期待は大きい。
2018年のワールドカップ、ロシア大会。
同じグループには、強敵スペインがいる。
クリスティアーノ・ロナウドは、意気に燃えて、
ハットトリックを決めた。が、3対3で引き分けた。
1勝2分で、スペインとともにグループ代表になった。
ベスト8をかけたウルグアイ戦で、1対2で敗れた。
ベスト16止まり、優勝の夢は断たれた。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ポルトガルの国民総生産GDPは、47位→ランクE。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ポルトガルの政府開発援助ODAは、29位→ランクC。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ポルトガルの通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
ポルトガルのPISA2015は、24位→ランクC ⇒ 3点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
ポルトガルの国際特許出願件数は、34位→ランクD ⇒ 2点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
ポルトガルのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
ポルトガルのパルム・ドール受賞0は、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
ポルトガルの文化遺産14は、14位→ランクB ⇒ 4点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
ポルトガルのFIFAのランキングは、4位→ランクA ⇒ 5点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
ポルトガルの国民総生産GDPは、47位→ランクE ⇒ 1点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
ポルトガルの政府開発援助ODAは、29位→ランクC ⇒ 3点。
合計(40点): 日本は32点。
ポルトガルは20点。
レーダーチャートで見る、
「ポルトガルの通知表 2018年」。
ポルトガルは、面積は日本の4分の1 で、人口1千万人。
運動力/サッカーはトップで、文化遺産/世界遺産は高い。
それに、援助力/ODAもある。
ヨーロッパ人の初めての渡来は、ポルトガル人で、
1543年に種子島に漂着した。それから、
日葡(にっぽ)の交流は、476年になる、
多くのポルトガル人が渡来した。
南から来るから、南蛮人と呼ばれた。
キリスト教の布教のため、貿易のため、植民地の拡大のため。
神戸市立博物館には、「南蛮屏風」がある。
狩野内膳(ないぜん)、16世紀~17世紀の作品、重要文化財。
ディジタル技法と伝統工芸士によって復元した屏風絵が展示された。
「よみがえる! 世界に誇る日本の至宝」展、松本市立博物館。2009年8月。
南蛮船が、想像上の異国から出港。
南蛮船が、日本に入港。
南蛮船の日本入港では、
貿易品の荷揚げをし、中央の傘の下、赤い服の、
「カピタン・モール」が、
港の商店街から、南蛮寺へと向かう。
カピタン・モールは、航海する船隊の司令官であり、
船隊の指揮のほかに、貿易、植民地を拡大する任務があった。
日本は、ポルトガルによって、ヨーロッパの文化を知ることになり、
ポルトガルによって、日本は、ヨーロッパに紹介された。
ポルトガルは、鉄砲を伝え、南蛮貿易をするとともに、
「日葡辞書(にっぽじしょ)」を作成し、
「日本語文典」を作成して、日本を紹介している。
「日葡辞書」は、約32,000語の日本語を収録した辞書(1604年)。
「日本語文典」は、宣教師ジョアン・ロドリゲスが作成し、
日本語の文法や語彙、俳句、古今集など、
日本の文化を紹介している(1608年)。
パン、てんぷら、カステラ、シャボン、タバコは、
日本語になって、日常の生活に入り込んでいる。
ポルトガル王の依頼で、スペイン人のフランシスコ・ザビエルは、
ポルトガル領のインドに派遣され、日本に渡ってキリスト教を布教した。
ワインは、ポルトガル人によって、日本に初めて伝わった。
ポルトガルには、降りそそぐ太陽の恵みがある。そして、
北部のドウロ川上流は、雨が少なく、冬の冷え込みが厳しい。
9か月の冬と、3か月のしゃく熱地獄で、寒暖の差が大きく、
「ポートワイン」用の良質なぶどうができる。
ポルトガル人は、ワインをどのくらい飲むか?
メルシャン株式会社から、
主要国一人当たりのワイン消費量が公表されている。
ポルトガルがトップで、
フランス、イタリア、スイス、オーストリアが続く。
日本のワインの消費量は少ない。ポルトガルの18分の1ほど。
世界遺産シントラの街から西に向かうと、
ヨーロッパ大陸の最西端、ロカ岬に出る。
「ここに地果て、海始まる」
右は大西洋で、やがて、アメリカ大陸に行きつく。
こんな景色を見て、地球球体説がでれば、
この先はどうなっているか?
と、冒険したくなる。
そして、ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマは、
アフリカ大陸の喜望峰を回り、インドへ着いた、1498年。
「大航海時代」の幕開けである。
ポルトガルは、アジアでは、マカオを統治し、
南アメリカでは、ブラジルを植民地としてきた。
ブラジルは1822年に独立し、マカオは1999年に中国に返還した。
ポルトガルは、500年の植民地依存から脱却して、
ヨーロッパの一員として、生きていくことになる。
EC(ヨーロッパ共同体)には、1986年に加盟した。
このECは、のちにEU(ヨーロッパ連合)に発展する、1993年。
ECから多額の資金援助があって(1989年~1993年)、
それを、産業開発、農業開発、教育開発に割り当てた。
高速道路を建設し、空港を拡充し、鉄道を建設した。
リスボン市街。
上空から、リスボン市街を望む。先は、テージョ川。2000年撮影。
数年前、リスボン周辺にあった、「ファヴェーラ」、
電気も水道もないバラックが集合した貧民街が、なくなっていた。
空港のタクシーは、フィアットだったが、
大きいメルセデスベンツに代わっていた。
「これまでは、ブラジルやアフリカの植民地に移民する国だったが、
経済が成長して、移民を受け入れる国になった。
法規制が間に合わない。日本はどうなっているのか?
低賃金の単純労働者になり、治安が悪化するのを防ぎたい」
と、ポルトガル人は言っていた。
「農家は貧しく、フランスやドイツに出稼ぎに行って、送金していた。
これまでは、小麦やワイン、コルクの農産物が輸出のトップだったが、
機械、自動車、衣類に置き換わってきている。それに、観光収入があって、
アイスランド、イギリス、ドイツから太陽とビーチを求めてやってくる。
温暖で、物価が安いから、ポルトガル南部のリゾートは盛況だ」
カシュカイシュ。
リスボンから西へ25キロメートル。
ビーチがあり、ゴルフ場がある。
カシュカイシュから、ロカ岬まで、北東へ12キロメートル、
王宮があるシントラの街まで、北へ12キロメートルである。
ポルトガルは、1999年にユーロを導入している。
2009年に、EUに財政危機「ユーロ・ソブリン危機」が起きた。
ギリシャの政権が交代するときに、
前政権による、国家財政の粉飾決算が、明るみになった。
ギリシャ国債(ソブリン)の格付けが、引き下げられて、
ギリシャの国債は暴落する危機になった。
財政力が弱い、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアに波及し、
EU全域を巻き込む金融危機「ユーロ・ソブリン危機」へと拡大した。
Gギリシャ、Iアイルランド、Iイタリア、Pポルトガル、Sスペインは、
GIIPSと呼ばれた。
ポルトガルは、ユーロ圏から資金の支援を受けた。そして、
年金の支給額を減らし、税金を上げ、賃金をカットする緊縮財政策をした。
その効果を、「ユーロ・ソブリン危機」以降の、GIIPSの経済成長率で見る。
外務省ホームページから。
Iアイルランドは、ユーロからの経済支援を受けて、いち早く回復した。
それに、イギリスのユーロ離脱Brexitの動きを知って、
アメリカから、ヨーロッパの拠点になる本社を誘致できたことが大きい。
Iイタリア、Pポルトガル、Sスペインも、
ユーロからの経済支援を受けて回復してきている。
ユーロからの離脱は避けられている。
Pポルトガルは、2013年の-1.1% ⇒ 2017年は2.7%と盛り返してきている。
Gギリシャの経済の回復は、遅れている。
ドイツは、景気が好調。人手不足の状況にある。
イギリスは、2016年に、EUからの離脱Brexitを国民投票で決めた。
その影響が、経済の成長に出始めている。
「ユーロ・ソブリン危機」以降の、GIIPSの失業率を見る。
外務省ホームページから。
Iアイルランド、Iイタリア、Pポルトガルの失業率は、低下してきている。
Pポルトガルは、2013年の16.2% ⇒ 2017年は8.9%と減っている。
Sスペインの失業率は、遅れているが、低下してきている。
Gギリシャの失業率は、2017年に21.5%と高い。
ドイツの失業率は低い。2017年は3.8%。2018年のデータもあって、3.5%。
「ユーロ・ソブリン危機」によって、
EUの結束を揺るがす事項が浮き彫りなってきている。
☆イギリスのEUからの離脱Brexit、
☆ドイツ、フランスでは、経済活動で得た富が、放漫財政の救済に使われる、
☆移民・難民の受け入れに、経済の豊かさや地域差がある、
☆EUに対する懐疑派が台頭、
☆中国の「一帯一路」による、空港や港湾、企業の買収、
投資などの介入で、EUの結束が乱れ、崩れてくる。
大航海時代に世界に飛躍し、
日本を世界に紹介したポルトガルは、
サッカーのスーパー・スターを生む国、
「ユーロ・ソブリン危機」を乗り切って、
降りそそぐ太陽を浴びながら、ワインがすすむ国。
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「ポルトガルの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ポルトガルのPISA2015は、24位→ランクC。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ポルトガルの2017年の国際特許出願件数は、34位→ランクD。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ポルトガルのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ポルトガルのパルム・ドール受賞0は、→ランクF。
突出している1位~4位→ランクAとした。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ポルトガルの文化遺産14は、14位→ランクB。
シントラの文化的景観、世界遺産。
首都リスボンから西へ30キロほど。
シントラの王宮。
白いとんがりコーンは調理場の煙突。
アラブの間、シントラの王宮。
噴水。周りの壁は、ポルトガルに残る最古のアズレージョ(タイル)。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ポルトガルのFIFAのランキングは、4位→ランクA。
ポルトガルは、ワールドカップで優勝がない。
「ルイス・フィーゴとペドロ・パウレタで優勝を期待したが、ダメだった。
しかし、フィーゴの後継者、クリスティアーノ・ロナウドがいるから、
次は優勝してほしい」
と、ポルトガル人の初優勝への期待は大きい。
2018年のワールドカップ、ロシア大会。
同じグループには、強敵スペインがいる。
クリスティアーノ・ロナウドは、意気に燃えて、
ハットトリックを決めた。が、3対3で引き分けた。
1勝2分で、スペインとともにグループ代表になった。
ベスト8をかけたウルグアイ戦で、1対2で敗れた。
ベスト16止まり、優勝の夢は断たれた。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ポルトガルの国民総生産GDPは、47位→ランクE。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ポルトガルの政府開発援助ODAは、29位→ランクC。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ポルトガルの通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
ポルトガルのPISA2015は、24位→ランクC ⇒ 3点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
ポルトガルの国際特許出願件数は、34位→ランクD ⇒ 2点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
ポルトガルのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
ポルトガルのパルム・ドール受賞0は、→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
ポルトガルの文化遺産14は、14位→ランクB ⇒ 4点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
ポルトガルのFIFAのランキングは、4位→ランクA ⇒ 5点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
ポルトガルの国民総生産GDPは、47位→ランクE ⇒ 1点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
ポルトガルの政府開発援助ODAは、29位→ランクC ⇒ 3点。
合計(40点): 日本は32点。
ポルトガルは20点。
レーダーチャートで見る、
「ポルトガルの通知表 2018年」。
ポルトガルは、面積は日本の4分の1 で、人口1千万人。
運動力/サッカーはトップで、文化遺産/世界遺産は高い。
それに、援助力/ODAもある。
ヨーロッパ人の初めての渡来は、ポルトガル人で、
1543年に種子島に漂着した。それから、
日葡(にっぽ)の交流は、476年になる、
多くのポルトガル人が渡来した。
南から来るから、南蛮人と呼ばれた。
キリスト教の布教のため、貿易のため、植民地の拡大のため。
神戸市立博物館には、「南蛮屏風」がある。
狩野内膳(ないぜん)、16世紀~17世紀の作品、重要文化財。
ディジタル技法と伝統工芸士によって復元した屏風絵が展示された。
「よみがえる! 世界に誇る日本の至宝」展、松本市立博物館。2009年8月。
南蛮船が、想像上の異国から出港。
南蛮船が、日本に入港。
南蛮船の日本入港では、
貿易品の荷揚げをし、中央の傘の下、赤い服の、
「カピタン・モール」が、
港の商店街から、南蛮寺へと向かう。
カピタン・モールは、航海する船隊の司令官であり、
船隊の指揮のほかに、貿易、植民地を拡大する任務があった。
日本は、ポルトガルによって、ヨーロッパの文化を知ることになり、
ポルトガルによって、日本は、ヨーロッパに紹介された。
ポルトガルは、鉄砲を伝え、南蛮貿易をするとともに、
「日葡辞書(にっぽじしょ)」を作成し、
「日本語文典」を作成して、日本を紹介している。
「日葡辞書」は、約32,000語の日本語を収録した辞書(1604年)。
「日本語文典」は、宣教師ジョアン・ロドリゲスが作成し、
日本語の文法や語彙、俳句、古今集など、
日本の文化を紹介している(1608年)。
パン、てんぷら、カステラ、シャボン、タバコは、
日本語になって、日常の生活に入り込んでいる。
ポルトガル王の依頼で、スペイン人のフランシスコ・ザビエルは、
ポルトガル領のインドに派遣され、日本に渡ってキリスト教を布教した。
ワインは、ポルトガル人によって、日本に初めて伝わった。
ポルトガルには、降りそそぐ太陽の恵みがある。そして、
北部のドウロ川上流は、雨が少なく、冬の冷え込みが厳しい。
9か月の冬と、3か月のしゃく熱地獄で、寒暖の差が大きく、
「ポートワイン」用の良質なぶどうができる。
ポルトガル人は、ワインをどのくらい飲むか?
メルシャン株式会社から、
主要国一人当たりのワイン消費量が公表されている。
ポルトガルがトップで、
フランス、イタリア、スイス、オーストリアが続く。
日本のワインの消費量は少ない。ポルトガルの18分の1ほど。
世界遺産シントラの街から西に向かうと、
ヨーロッパ大陸の最西端、ロカ岬に出る。
「ここに地果て、海始まる」
右は大西洋で、やがて、アメリカ大陸に行きつく。
こんな景色を見て、地球球体説がでれば、
この先はどうなっているか?
と、冒険したくなる。
そして、ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマは、
アフリカ大陸の喜望峰を回り、インドへ着いた、1498年。
「大航海時代」の幕開けである。
ポルトガルは、アジアでは、マカオを統治し、
南アメリカでは、ブラジルを植民地としてきた。
ブラジルは1822年に独立し、マカオは1999年に中国に返還した。
ポルトガルは、500年の植民地依存から脱却して、
ヨーロッパの一員として、生きていくことになる。
EC(ヨーロッパ共同体)には、1986年に加盟した。
このECは、のちにEU(ヨーロッパ連合)に発展する、1993年。
ECから多額の資金援助があって(1989年~1993年)、
それを、産業開発、農業開発、教育開発に割り当てた。
高速道路を建設し、空港を拡充し、鉄道を建設した。
リスボン市街。
上空から、リスボン市街を望む。先は、テージョ川。2000年撮影。
数年前、リスボン周辺にあった、「ファヴェーラ」、
電気も水道もないバラックが集合した貧民街が、なくなっていた。
空港のタクシーは、フィアットだったが、
大きいメルセデスベンツに代わっていた。
「これまでは、ブラジルやアフリカの植民地に移民する国だったが、
経済が成長して、移民を受け入れる国になった。
法規制が間に合わない。日本はどうなっているのか?
低賃金の単純労働者になり、治安が悪化するのを防ぎたい」
と、ポルトガル人は言っていた。
「農家は貧しく、フランスやドイツに出稼ぎに行って、送金していた。
これまでは、小麦やワイン、コルクの農産物が輸出のトップだったが、
機械、自動車、衣類に置き換わってきている。それに、観光収入があって、
アイスランド、イギリス、ドイツから太陽とビーチを求めてやってくる。
温暖で、物価が安いから、ポルトガル南部のリゾートは盛況だ」
カシュカイシュ。
リスボンから西へ25キロメートル。
ビーチがあり、ゴルフ場がある。
カシュカイシュから、ロカ岬まで、北東へ12キロメートル、
王宮があるシントラの街まで、北へ12キロメートルである。
ポルトガルは、1999年にユーロを導入している。
2009年に、EUに財政危機「ユーロ・ソブリン危機」が起きた。
ギリシャの政権が交代するときに、
前政権による、国家財政の粉飾決算が、明るみになった。
ギリシャ国債(ソブリン)の格付けが、引き下げられて、
ギリシャの国債は暴落する危機になった。
財政力が弱い、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアに波及し、
EU全域を巻き込む金融危機「ユーロ・ソブリン危機」へと拡大した。
Gギリシャ、Iアイルランド、Iイタリア、Pポルトガル、Sスペインは、
GIIPSと呼ばれた。
ポルトガルは、ユーロ圏から資金の支援を受けた。そして、
年金の支給額を減らし、税金を上げ、賃金をカットする緊縮財政策をした。
その効果を、「ユーロ・ソブリン危機」以降の、GIIPSの経済成長率で見る。
外務省ホームページから。
Iアイルランドは、ユーロからの経済支援を受けて、いち早く回復した。
それに、イギリスのユーロ離脱Brexitの動きを知って、
アメリカから、ヨーロッパの拠点になる本社を誘致できたことが大きい。
Iイタリア、Pポルトガル、Sスペインも、
ユーロからの経済支援を受けて回復してきている。
ユーロからの離脱は避けられている。
Pポルトガルは、2013年の-1.1% ⇒ 2017年は2.7%と盛り返してきている。
Gギリシャの経済の回復は、遅れている。
ドイツは、景気が好調。人手不足の状況にある。
イギリスは、2016年に、EUからの離脱Brexitを国民投票で決めた。
その影響が、経済の成長に出始めている。
「ユーロ・ソブリン危機」以降の、GIIPSの失業率を見る。
外務省ホームページから。
Iアイルランド、Iイタリア、Pポルトガルの失業率は、低下してきている。
Pポルトガルは、2013年の16.2% ⇒ 2017年は8.9%と減っている。
Sスペインの失業率は、遅れているが、低下してきている。
Gギリシャの失業率は、2017年に21.5%と高い。
ドイツの失業率は低い。2017年は3.8%。2018年のデータもあって、3.5%。
「ユーロ・ソブリン危機」によって、
EUの結束を揺るがす事項が浮き彫りなってきている。
☆イギリスのEUからの離脱Brexit、
☆ドイツ、フランスでは、経済活動で得た富が、放漫財政の救済に使われる、
☆移民・難民の受け入れに、経済の豊かさや地域差がある、
☆EUに対する懐疑派が台頭、
☆中国の「一帯一路」による、空港や港湾、企業の買収、
投資などの介入で、EUの結束が乱れ、崩れてくる。
大航海時代に世界に飛躍し、
日本を世界に紹介したポルトガルは、
サッカーのスーパー・スターを生む国、
「ユーロ・ソブリン危機」を乗り切って、
降りそそぐ太陽を浴びながら、ワインがすすむ国。