季節の変化

活動の状況

アイルランドの通知表2018年

2019-03-31 00:05:55 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
アイルランドの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
アイルランドのPISA2015は、11位→ランクB

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
アイルランドの2017年の国際特許出願件数は、27位→ランクC

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
アイルランドのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
アイルランドのパルム・ドール受賞0.2は、31位→ランクD
突出している1位~4位→ランクAとした。

アイルランド系の監督や俳優が、アメリカの映画界で大活躍している。
映画監督のジョン・フォード「駅馬車」、
アルフレッド・ヒッチコック「鳥」、
映画俳優のジョン・ウェイン「黄色いリボン」、
グレゴリー・ペック「ローマの休日」、
アンソニー・クイン「ノートルダムのせむし男」、
モナコ王妃となったグレース・ケリー「真昼の決闘」、
ヴィヴィアン・リー「風と共に去りぬ」。
むかし、わくわくして見た西部劇やサスペンス、ドラマである。

イギリスでは、ビートルズの4人のうち、
3人はアイルランド系。リンゴ・スターを除く、
ポール・マッカトニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリソン。

日本で、なじみの作家、小泉八雲は、
アイルランド人のパトリック・ラフカディオ・ハーン。
アイルランド人の自慢である。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
アイルランドの文化遺産2は、85位→ランクE

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
アイルランドのFIFAのランキングは、31位→ランクD

2018年のワールドカップ、ロシア大会では、
ヨーロッパからの出場権(開催国ロシア+13チーム)が、得られなかった、

アイルランドでは、ラグビー、ゴルフも盛んである。
ワールドカップには、ラグビーにも、ゴルフにも参加している。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
アイルランドの国民総生産GDPは、35位→ランクD

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
アイルランドの政府開発援助ODAは、24位→ランクC

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「アイルランドの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       アイルランドのPISA2015は、11位→ランクB ⇒ 4点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       アイルランドの国際特許出願件数は、27位→ランクC⇒ 3点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       アイルランドのノーベル賞受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       アイルランドのパルム・ドール受賞0.2は、31位→ランクD ⇒ 2点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       アイルランドの文化遺産2は、85位→ランクE ⇒ 1点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       アイルランドのFIFAのランキングは、31位→ランクD ⇒ 2点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       アイルランドの国民総生産GDPは、35位→ランクD ⇒ 2点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       アイルランドの政府開発援助ODAは、24位→ランクC ⇒ 3点。
合計(40点): 日本は32点。
         アイルランドは19点

レーダーチャートで見る、
アイルランドの通知表 2018年」。


アイルランドの人口は480万人で、
北海道の547万人よりも少なく、
国土は、北海道より小さいが、
欠けるところのない、レーダーチャートになっている。

アイルランドのPISA2015は、11位。
初回のPISA2000では、8位だった。
PISA2006 ← PISA2003 ← PISA2000を見る。


PISA2006 ← PISA2003 ← PISA2000の推移。
フィンランドは、1位1位 ← 3位。
韓国は、2位 ← 2位 ← 2位。
香港は、2位 ← 3位 ←参加せず。
カナダは、4位 ← 6位 ← 4位。
台湾は、5位 ← 参加せず ← 参加せず。
アイルランドは、15位 ← 15位 ← 8位、
と、初回から高いレベルである。
日本は、10位 ← 5位 ← 1位

PISA2000~PISA2006を見ると、
イギリス連邦が高成績である。
PISA2006では、香港3位、カナダ4位、
ニュージーランド6位、オーストラリア8位。
アイルランドは、1949年にイギリス連邦を脱退しているが、
教育への影響があって、アイルランドは15位である。

アイルランドの経済力/GDPは、35位である。
このGDPを人口で割った、1人当たりのGDPを調べる。

IMFのデータから作成。

1人当たりのGDPと、GDPのランキング。
1位はルクセンブルク、GDP は73位。
2位はスイス、GDP は20位。
3位はノルウェー、GDP は29位。
4位はアイルランド、GDP は35位。
5位はアイスランド、GDP は106位。
1人当たりのGDPが高い国は、豊かな国である。
日本は23位、GDP は3位である。

上の表には、GDPが1位~10位までの、
1人当たりのGDPも記載した。
GDPが1位のアメリカは、1人当たりのGDPが7位、
GDPが2位の中国は、1人当たりのGDPが72位。

ロンドンのゴルフ・コースで、
アイルランド人と、ゴルフをしたことがある。
着いた順番で、1人の日本人と、1人で来た、
アイルランド人との組み合わせになって、回った。

「アイルランドでは、手近にゴルフ・コースがたくさんある。
それに、グリーン・フィーが、イングランドより格段に安い。
周りは、もっと緑があり、住宅も混んでいない。それに、
ロンドンの空気は汚れている。アイルランドはきれいだ」
と、アイルランド人は、日本人に言う。

どうやら、イングランドは、それほど好きではない。
「職」と「食」のために、やむを得ずロンドンに来ているが、
イングランド人とは、肌が合わない、ようだ。

アイルランドのゴルフ・コースへ行った。
ポートマーノック・ゴルフ・クラブ。ダブリン。

1960年に、ワールドカップが開催されている。

アイルランドに多い海辺に広がるリンクスLinks。
海辺の荒れたオープン・スペースのゴルフ・コースで、
ハザードが多い。フェアウェイは、でこぼこと波打ち、
ラフは、ひざまであるヒースとイバラのハリエニシダ(緑色)が、
群生している。それに、吹きすさぶ風が、ゴルファーを悩ませる。

海外に移住したアイルランド人から、
企業家が生まれている。
アメリカでは、自動車王のヘンリー・フォード、
金融のメリル・リンチのチャールズ・メリルとエドマン・リンチ。
カナダでは、デパートメント王、チモシー・イートン。
アイルランドが「じゃがいも飢饉」のときに、カナダに逃れた。
そして、品質とサービスの良さが特徴のデパートメントを、
カナダ中に築いて、デパートメント王となった。

アイルランド人の発明に、ウィスキーや黒ビールがある。
「アイルランド語で、Uisce Beaths(イシカ・バハ)を、
イギリス人は発音しづらくて、ウィスキーWhiskyとした。
Uisce Beathsは、命の水Water of Lifeという意味です。
ブッシュミルズBushmillsは、ジェームズ1世から認可された、
最古の蒸留所です(1608年)」
と、アイルランド人は言う。
それに、ギネスの黒ビールGuinness Stoutは、1759年の発明。

「アイルランド出身のアメリカ大統領は、いい大統領が多いです」
「ケネディ大統領、クリントン大統領、レーガン大統領は、アイルランド出身です」
と、アイルランド人は、誇らしげである。

「プロテスタントの国アメリカでは、カトリックは大統領にはなれない、
という不文律を破って、カトリックのケネディが大統領に選ばれた。
しかも、ワスプWASP(White Anglo-Saxon Protestant)
「白人、イギリス系、プロテスタント」中心の国アメリカで、
アイルランド出身者から、大統領が誕生したのです」

アイルランド系のアメリカ人は、4千万人いる。
イギリスの植民地化による圧政で逃げた人が100万人、
じゃがいも飢饉(1945年~1949年)で逃れた人が100万人、
そのじゃがいも飢饉で、100万人が餓死している。
その後、アメリカに渡った人が500万人で、合計700万人になる。
そして、1世紀たって、アイルランドの子孫は4千万人になっている。

アメリカに4千万人、世界では7千万人のアイルランド系住人がいる。
アメリカのほかに、カナダ、オーストラリア、途中で立ち寄ったイギリスにも、
多くのアイルランド人が逃れ、住みついている。

アイルランドは、イギリスに800年間も植民地にされていて、
内120年間は統合されていた。
征服された者として、イギリスへの憎悪、敵がい心は強い。

アングロサクソンのイギリスによる、カトリックへの「差別法」で、
土地の所有や、公職に就くこと、大学への進学が禁止され、
アイルランドの言葉、ゲール語(アイルランド語)は奪われ、
学校では、英語教育が行われた。
アイルランドは、イギリスに蜂起や反乱を繰り返し、
独立したのは1922年である。

アイルランドの北東部に、
イギリスの一部、北アイルランドがある。
カトリックのアイルランドの中に、
プロテスタントの住人が多い6州を、
北アイルランドとして独立させた。
北アイルランド問題」が発生した。
アイルランドは、北アイルランド(6州)の領有権を主張し、
IRA(アイルランド共和軍)とイギリスが、憎悪の紛争を繰り返してきた。

1998年に、アイルランドとイギリスとの間に、
和平合意が結ばれた「ベルファスト合意」。
流血の歴史の終わりで、アイルランドは、
北アイルランドの領有権の主張を放棄した。
両国は、人の移動も、物の輸出入も自由になった。

ところが、2016年に、イギリスは、
国民投票で、EUからの離脱を決めた。
Brexitという造語ができた。EUから、BritainがExitする。

しかし、アイルランドとイギリスとの間には、1998年の、
国際的な平和条約「ベルファスト合意」があって、
安易に破棄や、再交渉するわけにはいかない。

イギリスは、
EUとは、「合意なき離脱」になるのか?
アイルランドとは、「ベルファスト合意」を破棄して、
人の移動を制限し、物の輸出入に関税を掛ける、
国境を設けて、煩雑な処理をするのか?

イギリスのEU離脱(Brexit)に向けて、
アイルランドは、対応していくことになる。
食料品、ほかの輸出入を、イギリス依存から切り替えていく。
そして、アイルランドの特徴を生かして、
ヨーロッパの地域本社は、多くの企業が、
ロンドンにあるが、ダブリンに誘致する、
法人税が安い国(12.5%、日本29.97%の半分以下)、
タックス・ヘイブンの活用も望める国、
医薬分野が発達している国、経済が成長している国、
英語の国…EUの玄関になる。

世界経済フォーラム(WEF)は、
男女平等に関して、世界ジェンダー・ギャップ報告書
Global Gender Gap Report 2018”を公表している。

対象は149か国。( )内は、2017年の順位。

1位アイスランド。10年連続で1位。
2位ノルウェー、3位スウェーデン、
4位フィンランド、5位ニカラグア。
トップグループには、北欧が多い。
アイルランドは、9位である。
日本は、110位。

経済、教育、健康、政治の4分野の内訳を見ると、
「政治権限」の評価が高い国が、
男女平等のランキングが10位以内と高い。
アイルランドは、「政治権限」が8位である。
 アイルランドでは、女性の大統領が2人生まれている。
 実際の政治は首相が行うが、大統領は儀式的な職務をする、
 アイルランドの象徴になっている。

日本は、「政治権限」が125位。
 国会議員に女性が少ない、女性の閣僚が少ない、女性首相がいない。
「経済参画」も117位と低い。
 収入の男女格差、管理職の男女格差が大きい。
日本は依然として相対的に、男女平等が、
進んでいない経済圏の1つと指摘されている。

黒ビール。ギネス。

ギネス・ブックは、世界一の記録を集めている。

アイルランドは、Brexitに向けて、EUの窓口になる国、
日本に友好的な国、知的な国、豊かな国、男女平等な国、
ゴルフ、ラグビー、サッカーが盛んで、ウィスキー、黒ビールが楽しめる国。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デンマークの通知表2018年

2019-03-24 00:07:55 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
デンマークの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
デンマークのPISA2015は、18位→ランクB

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
デンマークの2017年の国際特許出願件数は、17位→ランクB

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
デンマークのノーベル賞の受賞者9人は、11位→ランクC
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
デンマークのパルム・ドール受賞1.62は、10位→ランクB
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
デンマークの文化遺産6は、38位→ランクD

クロンボー城。世界遺産。

デンマークの北東、スウェーデンに面した要塞。
シェークスアの戯曲「ハムレット」の舞台になったところ。

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
デンマークのFIFAのランキングは、12位→ランクB

2018年のワールドカップ、ロシア大会では、
ヨーロッパの出場権(13チーム)を獲得して、本大会に出場。
ベスト8をかけたクロアチア戦で、1対1、
PK戦で敗れて、ベスト16止まり。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
デンマークの国民総生産GDPは、36位→ランクD

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
デンマークの政府開発援助ODAは、17位→ランクB

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「デンマークの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       デンマークのPISA2015は、18位→ランクB ⇒ 4点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       デンマークの国際特許出願件数は、17位→ランクB⇒ 4点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       デンマークのノーベル賞受賞者9人は、11位→ランクC ⇒ 3点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       デンマークのパルム・ドール受賞1.62は、10位→ランクB ⇒ 4点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       デンマークの文化遺産6は、38位→ランクD ⇒ 2点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       デンマークのFIFAのランキングは、12位→ランクB ⇒ 4点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       デンマークの国民総生産GDPは、36位→ランクD ⇒ 2点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       デンマークの政府開発援助ODAは、17位→ランクB ⇒ 4点。
合計(40点): 日本は32点。
         デンマークは27点

レーダーチャートで見る、
デンマークの通知表 2018年」。


欠けるところがない、大きな面積の、
レーダーチャートになっている。
グリーンランドを含めない国土は、九州と同じ、
人口が566万人を考えると、立派である。

ノーベル賞の受賞者は9人。
人口を、ノーベル賞の受賞数で割って、
1つのノーベル賞を受賞するのに必要な人数を求めた。

右端は、スイスの52万人を1として、受賞に必要な人口を比較した。

1位はスイスで、52万人で受賞数が、1つとなる。
2位はノーベル賞の国、スウェーデンで57万人。スイス比は1.1。
3位デンマーク、63万人。スイス比は1.2。
4位イギリス、77万人。スイス比は1.5。
5位オーストリア、95万人。スイス比は1.8。
日本は16位、550万人になる。スイス比は10.6。

もし、デンマークの人口566万人が、
日本と同じ人口1億2千657万人ならば、
受賞数9 X 1億2千657万人 ÷ 566万人 ⇒ 201。
ノーベル賞の受賞数201は、日本23の9倍近くになって、立派である。

デンマークの経済力/GDPは、36位である。
このGDPを人口で割って、1人当たりのGDPを調べる。

IMFのデータから作成。

1人当たりのGDPと、GDPのランキング。
1位はルクセンブルク、GDP は73位。
2位はスイス、GDP は20位。
3位はノルウェー、GDP は29位。
4位はアイルランド、GDP は35位。
5位はアイスランド、GDP は106位。
9位はデンマーク、GDP は36位。
1人当たりのGDPが高い国は、豊かな国である。
日本は23位、GDP は3位である。

上の表で、GDPが1位~10位までの、1人当たりのGDPを記載した。
GDPが1位のアメリカは、1人当たりのGDPが7位、
GDPが2位の中国は、1人当たりのGDPが72位。

「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook」がある。

1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。

IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。

世界競争力ランキングの推移

ランキングの推移を見ると、
アメリカ、香港、シンガポールが競っている。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
2018年、デンマークは6位。日本は25位。

ランキングの推移。
1989年 ⇒ 2005年 ⇒ 2009年⇒ 2010年 ⇒ 2017年 ⇒ 2018年。
アメリカは、3位 ⇒ 1位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 4位 ⇒ 1位。
香港は、― ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 1位 ⇒ 2位。
シンガポールは、― ⇒ 3位 ⇒ 3位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 3位。
デンマークは、― ⇒ 7位 ⇒ 5位 ⇒ 13位 ⇒ 7位 ⇒ 6位。
 デンマークの競争力は高い。
日本は、1位 ⇒ 19位 ⇒ 17位 ⇒ 27位 ⇒ 26位 ⇒ 25位。
 日本は、調査を開始した1989年から、5年間、
 1位を維持していた。日本の絶頂期だった。

世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア


デンマークのクライテリアを見ると、
 行政効率6位、ビジネス効率3位、
 インフラストラクチャー3位と、すばらしい。
 経済実績は26位。
日本のクライテリアは、行政効率が41位と低く、
 ビジネス効率も36位と低い。

地上にある電柱、電線を地下に埋設する、
電線の埋設率の国際比較を見る。



 
ロンドン、パリ、ボン、香港の埋設率は、100%。ケーブル延長ベースで。
ドイツのベルリン、ハンブルグ、ミュンヘンも埋設率が高い。
コペンハーゲン(デンマーク)、
クアラルンプール(マレーシア)、
ニューヨーク(アメリカ)が続く。
先進国の都市は、電線の埋設率100%を目指している。

これに対して、日本の電線の埋設率は、
先進国から、大きく立ち遅れている。
東京の電線の埋設率は7.3%である(2008年)。
京都は4%、大阪は1.4%。日本は、道路延長ベースで、
ケーブル延長ベースよりも、甘くなっている。
街中に電柱、電線がごちゃごちゃあって、
日本は、世界でも醜い国の一つになっている。

国連発表の"Ranking of Happiness"
世界幸福度ランキング」を見る。


2019年は、2016年~2018年の調査。世界156か国。
2018年は、2015年~2017年の調査。世界156か国。
2017年は、2014年~2016年の調査。世界155か国。

2019年 ← 2018年 ← 2017年の推移。
フィンランドは、1位1位 ← 5位。
デンマークは、2位 ← 3位 ← 2位。
ノルウェーは、3位 ← 2位 ← 1位
日本は、58位 ← 54位 ← 51位。

日本とデンマークの幸福度の内容を見る。


"Ranking of Happiness"は、つぎを調査している。
Dystopia (1.88) + residual、ユートピアへの思い(と訳した)。
GDP per capita、1人当たりのGDP。
social support、社会からの支援。
healthy life expectancy、健康寿命。
freedom to make life choices、人生を選ぶ自由度。
generosity、他者への寛容さ。
perceptions of corruption、政治腐敗のなさ。

日本は、
 健康寿命は3位、1.088点、と高いが、
 ユートピアへの思い、が131位、1.399点、
 社会からの支援、が50位、1.419点、
 人生を選ぶ自由度、が65位、0.445点、
 他者への寛容さ、が143位、0.069点、
 政治腐敗のなさ、が41位、0.140点、と低い。
日本の幸福度の点数は、5.886点になり、
2位デンマークの7.600点の、77%になっている。
1位フィンランド7.769点の、76%に、
3位ノルウェー7.554点の、78%になる。

デンマークが、世界で「幸せな国」である秘けつは、
ヒュッゲ」Hyggeである、と、デンマーク人の、
Meik Wikingマイク・ヴァイキングさんは、言っている。
「ヒュッゲ」とは、暖かく居心地の良さ。
仕事が終われば、暖かい家で、くつろぐ。

アマリエンボー宮殿。コペンハーゲン。

衛兵の交代。

デンマークは、豊かで、きれいな国、知的な国。
そして、くつろぎ「ヒュッゲ」で、幸せを感じている国。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノルウェーの通知表2018年

2019-03-16 23:07:47 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
ノルウェーの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ノルウェーのPISA2015は、17位→ランクB

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ノルウェーの2017年の国際特許出願件数は、24位→ランクC

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ノルウェーのノーベル賞の受賞者3人は、16位→ランクC
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ノルウェーのパルム・ドール受賞0.11は、32位→ランクD
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ノルウェーの文化遺産7は、31位→ランクD

ノルウェーは、スカンディナヴィア半島の西端の国。
ノルウェー海に面して、南北にフィヨルドが伸びる。
国土は、日本とほぼ同じ。

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ノルウェーのFIFAのランキングは、48位→ランクE

ノルウェーは、クロスカントリー、ジャンプの、
ノルディック・スキーが盛んな国である。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ノルウェーの国民総生産GDPは、29位→ランクC

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ノルウェーの政府開発援助ODAは、12位→ランクB

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ノルウェーの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ノルウェーのPISA2015は、17位→ランクB ⇒ 4点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       ノルウェーの国際特許出願件数は、24位→ランクC⇒ 3点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ノルウェーのノーベル賞受賞者3人は、16位→ランクC ⇒ 3点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ノルウェーのパルム・ドール受賞0.11は、32位→ランクD ⇒ 2点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       ノルウェーの文化遺産7は、31位→ランクD ⇒ 2点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       ノルウェーのFIFAのランキングは、48位→ランクE ⇒ 1点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ノルウェーの国民総生産GDPは、29位→ランクC ⇒ 3点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       ノルウェーの政府開発援助ODAは、12位→ランクB ⇒ 4点。
合計(40点): 日本は32点。
         ノルウェーは22点

レーダーチャートで見る、
ノルウェーの通知表 2018年」。


石油、天然ガス、漁業が、主な産業。
経済力/GDP、援助力/ODAが高い、豊かな国。
学力/PISA、開発力/国際統計、創造力/ノーベル賞も高い。

GDPに対する教育費 の割合を見る。
小学校から大学までの教育費について、
OECDが加盟34か国を対象に調査して、
教育白書2018年版を公表している。

”Education at a Glance 2018” から。

1位はノルウェーで6.28%、
2位フィンランド5.58%、
3位アイスランド5.52%、
4位ベルギー5.35%、
5位スウェーデン5.02%、である。
北欧は、GDPに対する教育費の割合が高い。
豊かな国は、教育に投資をしている。
日本は、OECD加盟国、最下位の34位、2.93%。

ノーベル賞の受賞者は3人。
人口を、ノーベル賞の受賞数で割って、
1つのノーベル賞を受賞するのに必要な人数を求めた。

右端は、スイスの52万人を1として、受賞に必要な人口を比較した。

1位はスイスで、52万人で受賞数が、1つとなる。
2位はノーベル賞の国、スウェーデンで57万人。スイス比は1.1。
3位デンマーク、63万人。スイス比は1.2。
4位イギリス、77万人。スイス比は1.5。
5位オーストリア、95万人。スイス比は1.8。
10位ノルウェー、174万人。スイス比は3.4。
日本は16位、550万人になる。スイス比は10.6。

もし、ノルウェーの人口521万人が、
日本と同じ人口1億2千657万人ならば、
受賞数3 X 1億2千657万人 ÷ 521万人 ⇒ 73。
ノーベル賞の受賞数73は、日本23の3倍になる。

ノルウェー本国以外からも、ノーベル賞の受賞者が出ている。
アメリカに渡ったノルウェー人は、450万人ほど。
ノルウェー系アメリカ人から、自然科学分野で、
4人のノーベル賞受賞者が出ている。

ノルウェーの経済力/GDPは、29位である。
このGDPを人口で割って、1人当たりのGDPを調べる。

IMFのデータから作成。

1人当たりのGDPと、GDPのランキング。
1位はルクセンブルク、GDP は73位。
2位はスイス、GDP は20位。
3位はノルウェー、GDP は29位。
4位はアイルランド、GDP は35位。
5位はアイスランド、GDP は106位。
日本は23位、GDP は3位である。
1人当たりのGDPが高い国は、豊かな国である。
それに、ノルウェーは高度な福祉国家となっている。

GDPが1位~10位までの、1人当たりのGDPを記載した。
GDPが1位のアメリカは、1人当たりのGDPが7位、
GDPが2位の中国は、1人当たりのGDPが72位。

「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook」がある。

1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。

IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。

世界競争力ランキングの推移

ランキングの推移を見ると、
アメリカ、香港、シンガポールが競っている。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
2018年、ノルウェーは8位。日本は25位。

ランキングの推移。
1989年 ⇒ 2005年 ⇒ 2009年⇒ 2010年 ⇒ 2017年 ⇒ 2018年。
アメリカは、3位 ⇒ 1位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 4位 ⇒ 1位。
香港は、― ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 1位 ⇒ 2位。
シンガポールは、― ⇒ 3位 ⇒ 3位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 3位。
ノルウェーは、9位 ⇒ 15位 ⇒ 11位 ⇒ 9位 ⇒ 11位 ⇒ 8位。
 ノルウェーの競争力は、高い位置を維持している。
日本は、1位 ⇒ 19位 ⇒ 17位 ⇒ 27位 ⇒ 26位 ⇒ 25位。
 日本は、調査を開始した1989年から、5年間、
 1位を維持していた。日本の絶頂期だった。

世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア


ノルウェーのクライテリアを見ると、
 行政効率5位、ビジネス効率5位、
 インフラストラクチャー4位と。トップクラスである。
 経済実績だけが、40位と低い。
日本のクライテリアは、行政効率が41位と低く、
 ビジネス効率も36位と低い。

ノルウェー沖は、南からメキシコ湾流の暖流と、
北極からの寒流が交わる、格好の漁場である。
ニシン、タラ、サバ、サーモンが獲れる。

漁業は、長い間、主産業であった。
北海で、巨大な石油が見つかった。
北海油田である。石油、天然ガスが、
ノルウェーの産業の1位、2位となり、3位が漁業。

エルナ・ソルベルグ首相は、
ノルウェーで2人目の女性首相である。
女性が政治に参画することが、普通の国である。
世界経済フォーラム(WEF)は、
男女平等に関して、世界ジェンダー・ギャップ報告書
“Global Gender Gap Report 2018”を公表している。


対象は149か国。()内は、2017年の順位。

トップグループは、北欧である。
1位アイスランド。10年連続で1位。
2位ノルウェー、3位スウェーデン、
4位フィンランド、9位アイルランドである。
日本は、110位。

経済、教育、健康、政治の4分野の内訳を見ると、
「政治権限」の評価が高い国が、
男女平等のランキングが10位以内と高い。

日本は、「政治権限」が125位である。
 国会議員に女性が少ない、女性の閣僚が少ない、女性首相がいない。
「経済参画」も117位と低い。
 収入の男女格差、管理職の男女格差が大きい。
日本は依然として相対的に、男女平等が、
進んでいない経済圏の1つと指摘されている。

オーロラに、日本人は感激する。
しかし、ノルウェー人には、感激はない。
夕焼けのような、自然現象の一つ。
むしろ、不吉なことが起きる予兆と考えている。

叫び」。エドヴァルド・ムンク。

1893年作。オスロ国立美術館蔵。
世界美術、講談社発行、1965年から。

タイトルの「叫び」から、
ムンクが叫んでいると思っていた。
ムンクの回想録を見ると、自然の「叫び」だった。
恐ろしさに震えながら、ムンクは耳をふさいでいる。

“MUNCH”、ウルリヒ・ビショフ著から、ムンクの回想。
「僕は友人2人と散歩していた――陽が沈みはじめ――
突然空が血のように赤くなった――青黒いフィヨルドと街の上に、
血の色と炎の舌が見えた――僕はそこに立ち止まった。
恐ろしさに震えながら――僕は大自然を貫く終わりのない叫びを感じた」

ムンク自身が、自然の、脅威、不安、恐怖に、
おののいて「叫ぶ」という見方も、おもしろい。
ノルウェーの自然の神秘を表わしている。

ノルウェーは、豊かな国、平和な国、知的な国、
福祉の国、健康寿命の国、男女平等な国、フィヨルドの国、
そして、クロスカントリー、ジャンプのノルディック・スキーの国。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オーストラリアの通知表2018年

2019-03-10 00:02:55 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
オーストラリアの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
オーストラリアのPISA2015は、21位→ランクC

PISAの最初の調査、PISA2000は、
OECDに加盟している32か国で実施した。
以後、3年ごとに実施し、回を追うごとに、
参加国と地域が増えてきている。
2003年は41、2006年は56、
2015年は72の国と地域が参加した。

PISA2012、PISA2009を見る。


PISA2000 ⇒PISA2003 ⇒PISA2006 ⇒PISA2009 ⇒PISA2012 ⇒PISA2015の推移。
シンガポールは、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 4位 ⇒ 2位 ⇒ 1位
香港は、不参加 ⇒ 3位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 3位 ⇒ 2位。
日本は、1位 ⇒ 5位 ⇒ 10位 ⇒ 6位 ⇒ 5位 ⇒ 3位。
台湾は、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 5位 ⇒ 9位 ⇒ 6位 ⇒ 6位。
フィンランドは、3位 ⇒ 1位1位 ⇒ 3位 ⇒ 7位 ⇒ 8位。
韓国は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 5位 ⇒ 4位 ⇒ 9位。
オーストラリアは、6位 ⇒ 8位 ⇒ 8位 ⇒ 10位 ⇒ 18位 ⇒ 21位。

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
オーストラリアの2017年の国際特許出願件数は、13位→ランクB

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
オーストラリアのノーベル賞の受賞者6人は、14位→ランクC
突出している1位~3位→ランクAとした。

もし、オーストラリアの人口が、日本と同じならば、
受賞数6 X 12,633万人 ÷ 2,424万人 ⇒ 31。
ノーベル賞の受賞数は、31になって、日本の22を上回る。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
オーストラリアのパルム・ドール受賞1は、
14位→ランクC

突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
オーストラリアの文化遺産7は、31位→ランクD

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
オーストラリアのFIFAのランキングは、40位→ランクD

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
オーストラリアの国民総生産GDPは、13位→ランクB

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
オーストラリアの政府開発援助ODAは、15位→ランクB

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「オーストラリアの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       オーストラリアのPISA2015は、21位→ランクC ⇒ 3点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       オーストラリアの国際特許出願件数は、13位→ランクB⇒ 4点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       オーストラリアのノーベル賞受賞者6人は、14位→ランクC ⇒ 3点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       オーストラリアのパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC ⇒ 3点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       オーストラリアの文化遺産7は、31位→ランクD ⇒ 2点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       オーストラリアのFIFAのランキングは、40位→ランクD ⇒ 2点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       オーストラリアの国民総生産GDPは、13位→ランクB ⇒ 4点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       オーストラリアの政府開発援助ODAは、15位→ランクB ⇒ 4点。
合計(40点): 日本は32点。
         オーストラリアは25点

レーダーチャートで見る、
オーストラリアの通知表 2018年」。


欠けるところのない、レーダーチャートになっている。
経済力/GDPは、13位。それに、
援助力/ODAが15位の、経済援助国である。

オーストラリアのPISA2000は、6位だった。
学力/PISAの初回PISA2000 ⇒ PISA2003 ⇒ PISA2006を見る。


PISA2000 ⇒ PISA2003 ⇒ PISA2006の推移。
オーストラリアは、6位 ⇒ 8位 ⇒ 8位。
日本は、1位 ⇒ 5位 ⇒ 10位。

PISA2000を見ると、イギリス連邦が、いい成績である。
トップ10に、カナダ4位、ニュージーランド5位、オーストラリア6位、
イギリス7位、アイルランド8位の、5か国が入っている。

イギリスでは、支配者階級や貴族階級は、師弟を中高一貫教育の全寮制の、
「ボーディング・スクール」Boarding Schoolで、エリート教育をする。
イートン校やハロー校、ラグビー校、ウィンチェスター校などの、
パブリック・スクール」(私立校)を目指すには、
生まれたときからの予約と、厳しい試験があり、
授業料は数百万円ほどかかる。

親元を離れた寮生活で、自主性を育て、責任と規律を重んじ、
スポーツで鍛錬し、威風堂々とした紳士、淑女を養成する。
ラグビー、サッカー、クリケット、テニスが盛んである。
ハロー校。ロンドン。

やがて、博士か、大臣か?

そして、特権階級としての義務と責任の精神が叩きこまれて、
「オックスブリッジ」と呼ばれるオックスフォード大学、
ケンブリッジ大学へ進む。両大学からは、歴代首相や、
ノーベル賞受賞者を多く輩出している。

PISA2000に続いて、PISA2003を見ると、イギリス連邦は、
カナダ6位、オーストラリア8位、ニュージーランド9位。
それに、初参加の香港が、堂々の3位である。

PISA2006では、イギリス連邦は、
香港3位、カナダ4位、ニュージーランド6位、オーストラリア8位。
イギリス連邦の教育の伝統が、PISAで好成績を生んでいる。
それに、イギリス連邦からは、ノーベル賞の受賞者が多い。

PISAの成績がいい国は、イギリス連邦のほかに、
工業、IT産業で生きていく国である。
日本、韓国、フィンランド、スウェーデン、オランダ、台湾。
資源に恵まれていない、あるのは人的資源、

その人的資源を教育して、人材にする。そして、
新製品を開発し、ハイテク、医療、AIの覇権争いをする。
工業、IT産業の国から、ノーベル賞を受賞するのは、
限られた国になっている。

一方で、石油資源に恵まれた、裕福な国は、
PISAの上位に顔を出さない。それに、
ノーベル賞の受賞は少ない。

運動力/サッカーで、オーストラリアは、ランキング40位だった。
オーストラリアは、ラグビーが強い。
ワールド・カップの優勝国を見る。


4か国が優勝している。優勝回数は、
1位が、ニュージーランドで、3回、
2位が、オーストラリアと、南アフリカで、2回、
4位が、ラグビーの発祥の地、イングランドが、1回。
これらの、優勝の4か国は、イギリス連邦である。

2003年の第5回のワールド・カップ、オーストラリア大会のときに、
開催地のシドニーにいたが、海外からのサポーターの熱気があふれていた。
郊外のホテルがやっと取れて、ロビーには試合の速報が毎日、貼りだされた。

アジア代表の日本は、1次リーグを突破できなかった。
20チームのうち、1次リーグを突破して、
決勝トーナメントに進出した8チームは、
地元オーストラリア、イングランド、ウェールズ、スコットランド、
アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ、そしてフランスだった。
フランス以外は、イギリス連邦である。
(アイルランドは、1949年にイギリス連邦を脱退している)

イギリスからは、イングランド、ウェールズ、スコットランドの、
3チームが、ヨーロッパ予選を勝ち抜いて、本戦に出場している。
そして、1次リーグでは、グループで2位以上となって、
全部決勝トーナメントに進出した。

決勝戦は、地元オーストラリアとイングランドの対決。
オーストラリアは、3勝目がかかり、
イングランドには、初優勝がかかっていた。
延長にもつれこんで、イングランドが初優勝。
「ラグビー発祥の地」の面目を保った。
熱戦の翌日、スタジアムでは、あと片づけをしていた。


ラグビーのワールド・カップ、第9回は、
日本で、2019年9月から開催される。
日本が、イギリス連邦の牙城に挑む。

久しぶりに会ったオーストラリア人は、
ボテッと、せり出ていた腹がへこんでいた。
それに、ほほがほっそりしていた。
「どうした?」

奥さんからも、注意されていたが、
医者からの一言が効いた。
「血糖値がやや高くて、肥満気味だ。
 糖尿病になる手前のグレイ・ゾーン(境界型)だが、
 放っておくと糖尿病になる。合併症が出て失明したり、
 心筋梗塞で死ぬことがある」

「ビーフを止めて、「ルー・ミートRoo meat」に代えたよ」
「ルー・ミートは、脂肪が少なくて、
たんぱく質が多いから体にいい、健康食なんだ」
ルーとは、カンガルーKangarooのルーである。

「アボリジニという先住民族がいる。
 都市部に住むアボリジニに比べて、
 内陸部で狩猟をし、ルー・ミートを食用にしているアボリジニには、
 糖尿病や心臓病、高血圧がいない。
 国立心臓病財団(National Heart Foundation)は、
 ルー・ミートを「健康食」として認定した」

そのルー・ミートを食べたい!
オーストラリア人が案内してくれたのは、
シドニーのタウン・センターにあるレストラン。
観光客向けに、ゲーム・ミート(狩猟肉)を出すのではなく、
伝統的なオーストラリア料理を提供する、落着いた雰囲気。

ルー・ミートのステーキ。


レアで頼んだステーキは赤くて、軟らかい。
カンガルーのイメージから、ゴワゴワと硬い肉を予想したが、
違っていた。脂身がなく、さっぱりしている。
マヨネーズよりも、日本人には、しょうゆ味にしたり、タタキが合う。

オーストラリア人がオーダーしたのは、なんと、
エビフライだった。海苔(のり)つきの、あんかけ。
奥さんに内緒で、久しぶりにコレステロールだ!

毎日、ルー・ミート → 野菜 → ジョギングでは、
イヤになっちゃうよ。たまには、エビでも食わなくちゃ!
うまそうに食べていたな。日本人と、こういうことも、なくちゃ。
オーストラリア人は、翌日も付き合ってくれた。
ビーフステーキのBBQだった。300グラム。
「うまいものには、脂肪があるんだ!

「オーストラリアの輸出産業として、
 石炭や鉄鉱石、チタニウムなどの鉱物資源がある」
「金、ダイヤモンド、ウラニウムもある」
と、オーストラリア人は言う。
「チタニウムは主に日本に輸出している。
 日本で、航空機や高級自動車、それに、
 ゴルフのクラブやテニス・ラケット用に加工される」
「石炭や鉄鉱石も日本に輸出している。
 中国と、取り合いになっている。
 中国は、長期の買いつけで、資源確保に優位に立っている」
「日本へは、オージー・ビーフAussie Beefや、
 ジンギスカン用にひつじ肉マトンを輸出している」
「ほかに、あわび、小麦、ワイン、羊毛を日本に輸出している。
 あわびを高く買ってくれるから、水産業者は大もうけしているよ」

オーストラリアにとって、日本は重要な貿易相手国である。
輸出先の1位は日本。アメリカ、中国が続いている。
オーストラリアの輸入先は1位がアメリカ。そして、
日本、中国の順で、日本からは自動車や工業製品を輸入している。
輸出入とも、中国には伸びがあって、2位に肉薄し、逆転する勢いにある。

オーストラリアの、豊かさのわけ、文化の高さについて、
「豊かな自然資源のほかに、知的な人が多い」と言う。
「イギリスが教育に力を入れてきた政策を、
 オーストラリアまで浸透させたからだ」
「インターネットの利用率は高い。ノーベル賞の受賞者も多い」
「開かれた大学は、世界から多くの留学生を受け入れている」
外国からの留学生数を見る。

グローバルノート-国際統計から。

1位アメリカ、
2位イギリス、
3位オーストラリア
4位フランス、
5位ドイツ。
イギリス、オーストラリア、7位カナダのイギリス連邦は、
留学生の受け入れに、熱心である。やがて、
理解者になり、国力になる。
日本は、9位。

海外への留学生数を見る。

グローバルノート-国際統計から。

1位中国、
2位インド、
3位ドイツ、
4位韓国、
5位フランス。
海外で学ぼう、吸収しよう、という、強い意欲を見る。
日本は、37位。

オペラ・ハウス(世界遺産)とハーバー・ブリッジ。シドニー。

オペラ・ハウスは、帆船に見える。停泊しているところ。
ミセス・マッコリーズ・ポイントから。

オーストラリアは、資源に恵まれた国、文化の国。
観光、留学、ビジネス、スポーツ、食事に、世界の人が集まってくる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台湾の通知表2018年

2019-03-03 00:10:10 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
台湾の通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
台湾のPISA2015は、6位→ランクA

PISAの最初の調査、PISA2000は、
OECDに加盟している32か国で実施した。
以後、3年ごとに実施し、回を追うごとに、
参加国と地域が増えてきている。
2003年は41、2006年は56、
2015年は72の国と地域が参加した。

台湾は、OECDに加盟していないから、
当初、PISAの調査には参加していなかった。
3回目の、PISA2006から参加した。
そして、いきなりの5位である。

PISA2012、PISA2009を見る。

PISA2000 ⇒PISA2003 ⇒PISA2006 ⇒PISA2009 ⇒PISA2012 ⇒PISA2015の推移。
シンガポールは、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 4位 ⇒ 2位 ⇒ 1位
香港は、不参加 ⇒ 3位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 3位 ⇒ 2位。
日本は、1位 ⇒ 5位 ⇒ 10位 ⇒ 6位 ⇒ 5位 ⇒ 3位。
台湾は、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 5位 ⇒ 9位 ⇒ 6位 ⇒ 6位。
フィンランドは、3位 ⇒ 1位1位 ⇒ 3位 ⇒ 7位 ⇒ 8位。
韓国は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 5位 ⇒ 4位 ⇒ 9位。

2)開発力: 国際特許出願件数。


日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
台湾の2017年の国際特許出願件数は、0→ランクF
台湾からの出願件数は、中国に計上されているようだ。

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
台湾のノーベル賞の受賞者2人は、19位→ランクC
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
台湾のパルム・ドール受賞は、0→ランクF
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
台湾の文化遺産は、0→ランクF

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
台湾のFIFAのランキングは、121位→ランクF

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
台湾の国民総生産GDPは、22位→ランクC

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
台湾の政府開発援助ODAは、30位→ランクC

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「台湾の通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       台湾のPISA2015は、6位→ランクA ⇒ 5点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       台湾の国際特許出願件数は、0→ランクF⇒ 0点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       台湾のノーベル賞受賞者2人は、19位→ランクC ⇒ 3点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       台湾のパルム・ドール受賞は、0→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       台湾の文化遺産は、0→ランクF ⇒ 0点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       台湾のFIFAのランキングは、121位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       台湾の国民総生産GDPは、22位→ランクC ⇒ 3点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       台湾の政府開発援助ODAは,30位→ランクC ⇒ 3点。
合計(40点): 日本は32点。
         台湾は14点

レーダーチャートで見る、
台湾の通知表 2018年」。


学力/PISAは、6位と高い。
人口は2千350万人、国土は九州ほどで、
経済力/GDPが、22位である。
ノートブックパソコン、半導体、液晶と、
IT産業の育成に力を注いで、成果が出ている。そして、
経済援助を受ける国から、経済援助をする国になった。
アジアでは、日本、韓国に次ぐ経済援助国である。
援助力/ODAが、30位で、面積のある、
レーダーチャートになっている。

「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook』がある。

1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。

IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。

世界競争力年鑑によるランキングの推移


ランキングの推移を見ると、
アメリカ、香港、シンガポールが競っている。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
2018年、台湾は17位。日本は25位。

ランキングの推移を見る。
2005年 ⇒ 2009年⇒ 2010年 ⇒ 2017年 ⇒ 2018年。
アメリカは、1位1位 ⇒ 3位 ⇒ 4位 ⇒ 1位
香港は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 1位 ⇒ 2位。
シンガポールは、3位 ⇒ 3位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 3位。
台湾は、11位 ⇒ 23位 ⇒ 8位 ⇒ 14位 ⇒ 17位。
日本は、19位 ⇒ 17位 ⇒ 27位 ⇒ 26位 ⇒ 25位。
 調査を開始した1989年には、日本は、1位。
 それも、5年間も1位を維持していた。日本の絶頂期だった。

世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア


台湾のクライテリアを見ると、
 行政効率が12位、経済実績が14位、である。
日本のクライテリアは、行政効率GDPが41位と低く、
 ビジネス効率も36位と低い。

台湾は、政府指導半導体液晶を育成してきた。
資金の援助、技術の援助、人材の育成、そして、
企業化を促進し、IT産業を根づかせてきた。
1996年にノーベル化学賞を受賞した、李遠哲氏を、
中央研究院院長に招聘して、研究を強化した。
海外で活躍する研究者には、帰国を促した。

アップルのOEM製造を手掛けてきた、鴻海精密工業は、
液晶や、液晶テレビの、日本のシャープを2016年に買収した。
台湾の半導体ビジネスで、「ファウンドリー」は、世界一である。
TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)が世界最大のシェアで、
UMC(United Microelectronics Corporation)が続き、
両社が台湾の半導体ビジネスを牽引している。
「ファウンドリー」とは、微細な製造技術を持ち、
最新の製造設備を持って、半導体を受託製造する。
これまで半導体メーカーは、開発から、
設計、製造、販売まで、一貫を扱ってきた。
ファウンドリーは、製造の受託に特化する。
分業化で、投資、技術、日程の効率が上がる。

地上にある電柱、電線を地下に埋設する、
無電柱化を見る。国際比較が、国土交通省にある。

ロンドン、パリ、香港は、100%(2004年の状況)。ケーブル延長ベース。
台北は、95%(2013年の状況)。道路延長ベース。
シンガポールは、93%(1998年の状況)。ケーブル延長ベース。

台北の市街には、電柱、電線は見当たらない。

高架は、モノレールの軌道。

日本は、東京23区が7%、大阪市が5%(2013年の状況)。
道路延長ベース。ケーブル延長ベースよりも、甘くなっている。
日本の無電柱化は,極端に遅れている。
街中に電柱、電線がごちゃごちゃあって、
日本は、世界でも醜い国の一つになっている。

台湾人との夕食で、をお願いした。すると、
今日の入荷を、シェフと相談していた。
そして、ターンテーブルに出てきた。

うまい! 紹興酒がクイクイと進む。

「1949年の分断以来、台湾と中国は国交がない」
「経済の交流は、政治よりも先行していて、
 100万人の台湾人が、中国の上海、北京、広州などに在住して、
 IT産業ほかの事業をしている」
と、台湾人は言う。

「台湾と中国の間には「三通」がない」
「三通」とは、通航、通商、通信で、その直接交流がない。
通航」がないから、台湾と中国の間に直行便がない。
通商」がないから、物資を直接移動できない。間接的に輸送することになる。
通信」がないから、電話もできないし、手紙も出せない。

「通航がないから、上海の台湾人は、いったん、
 香港かマカオへ行ってから、乗り換えて台北に来る。
 直行便があれば、1時間半ですむ距離だが、
 接続が悪くて8時間かかっていた」

それから、台湾人が帰省する旧正月だけ、直行便が飛ぶようになった。
2003年には、台湾の航空機が上海、北京、広州から台北へ飛んだ。
2004年には、中国の航空会社、
 中国航空、中国南方航空、中国東方航空も、飛ぶようになった。

「三通の解禁は、経済面からは望ましい。しかし、そうなった時、
 台湾の自治が、今まで通り尊重されるのか?
 台湾が中国の一地区になり、「吸収されるステップ」になる」
「中国は台湾に、「1つの中国」を受け入れるように迫っている。しかし、
 台湾は、台湾の自治や尊厳が守られるのか? 対等が守られるのか?
 それに、中国には「民主主義」がないことが大きな問題です」
「台湾人は、共産党による一党独裁の抑圧を望んでいないから、
 中国が三権分立となり、住民による直接選挙ができ、
 言論の自由が保証されるのを待っている」
その「三通」(通信、通商、通航)は、
2008年に就任した馬英九総統によって、解禁された。

2019年の年初に、中国の習近平国家主席は、
一国二制度」による台湾統一の考えを示した。
これに対して、台湾の蔡英文総統は、
「一国二制度」は、決して受け入れない、とした。

台湾は、香港の「一国二制度」を見ている。
1978年、香港が中国に返還されたときに、中国は香港に、
高度の自治が盛り込まれた「一国二制度」を、約束した。
そして、香港では、2017年に行政長官が、
普通選挙で、選ばれるはずだった。ところが、
普通選挙とは、程遠い、選挙改革が提示された。
親中派が占める「指名委員会」が候補者を絞り、
その中から、選ぶものだった。
「一国二制度」とは名ばかりで、
自由民主主義のない、
「一国一制度」であることがわかった。

蔡総統は、2019年2月19日に、
台湾の「自由と民主主義を守る」としている。
そして、2020年に行われる、台湾の総統選に再選を期している。

台湾の半導体の輸出先は、最大市場の中国である。
その中国は、半導体を生産する基地として、期待できる。
それに、台湾人は、中国人とのビジネスの仕方がわかる。
「台湾人は中国人と北京語で、ビジネスを進める。
 たとえ、やり合っても、最後は人種のつながりがあるから、わかり合える」

「中国は、共産政権だから、ビジネスの法律は走りながら修正する。
 修正の内容は、台湾人には、すぐにわかる。それに、
 中国は、法治国家というよりも、人治国家であるから、
 役人との関係は重要です」

「中国でビジネスを成功させる秘訣は、役人の成果にすることです」
「売上げの拡大も、販路の拡大も、中国人の雇用の機会を増やしたことも、
 役人の実績にすると、その役人は出世していく」
「もし、役人が実績を上げることができなければ、交代させられたり、
 左遷される。共産党員は多いから、能力のある人が機会を待っている」
ビジネスでは、台湾人と中国人は、わかり合えて、うまくいっている。

故宮博物院。台北市。

世界的な宝物を観ようと、多くの人を惹きつける。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする