「世界の評価」から、「指標」を定めて、
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「アイルランドの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
アイルランドのPISA2015は、11位→ランクB 。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
アイルランドの2017年の国際特許出願件数は、27位→ランクC。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
アイルランドのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
アイルランドのパルム・ドール受賞0.2は、31位→ランクD。
突出している1位~4位→ランクAとした。
アイルランド系の監督や俳優が、アメリカの映画界で大活躍している。
映画監督のジョン・フォード「駅馬車」、
アルフレッド・ヒッチコック「鳥」、
映画俳優のジョン・ウェイン「黄色いリボン」、
グレゴリー・ペック「ローマの休日」、
アンソニー・クイン「ノートルダムのせむし男」、
モナコ王妃となったグレース・ケリー「真昼の決闘」、
ヴィヴィアン・リー「風と共に去りぬ」。
むかし、わくわくして見た西部劇やサスペンス、ドラマである。
イギリスでは、ビートルズの4人のうち、
3人はアイルランド系。リンゴ・スターを除く、
ポール・マッカトニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリソン。
日本で、なじみの作家、小泉八雲は、
アイルランド人のパトリック・ラフカディオ・ハーン。
アイルランド人の自慢である。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
アイルランドの文化遺産2は、85位→ランクE 。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
アイルランドのFIFAのランキングは、31位→ランクD。
2018年のワールドカップ、ロシア大会では、
ヨーロッパからの出場権(開催国ロシア+13チーム)が、得られなかった、
アイルランドでは、ラグビー、ゴルフも盛んである。
ワールドカップには、ラグビーにも、ゴルフにも参加している。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
アイルランドの国民総生産GDPは、35位→ランクD。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
アイルランドの政府開発援助ODAは、24位→ランクC。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「アイルランドの通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
アイルランドのPISA2015は、11位→ランクB ⇒ 4点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
アイルランドの国際特許出願件数は、27位→ランクC⇒ 3点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
アイルランドのノーベル賞受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
アイルランドのパルム・ドール受賞0.2は、31位→ランクD ⇒ 2点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
アイルランドの文化遺産2は、85位→ランクE ⇒ 1点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
アイルランドのFIFAのランキングは、31位→ランクD ⇒ 2点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
アイルランドの国民総生産GDPは、35位→ランクD ⇒ 2点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
アイルランドの政府開発援助ODAは、24位→ランクC ⇒ 3点。
合計(40点): 日本は32点。
アイルランドは19点。
レーダーチャートで見る、
「アイルランドの通知表 2018年」。
アイルランドの人口は480万人で、
北海道の547万人よりも少なく、
国土は、北海道より小さいが、
欠けるところのない、レーダーチャートになっている。
アイルランドのPISA2015は、11位。
初回のPISA2000では、8位だった。
PISA2006 ← PISA2003 ← PISA2000を見る。
PISA2006 ← PISA2003 ← PISA2000の推移。
フィンランドは、1位 ← 1位 ← 3位。
韓国は、2位 ← 2位 ← 2位。
香港は、2位 ← 3位 ←参加せず。
カナダは、4位 ← 6位 ← 4位。
台湾は、5位 ← 参加せず ← 参加せず。
アイルランドは、15位 ← 15位 ← 8位、
と、初回から高いレベルである。
日本は、10位 ← 5位 ← 1位。
PISA2000~PISA2006を見ると、
イギリス連邦が高成績である。
PISA2006では、香港3位、カナダ4位、
ニュージーランド6位、オーストラリア8位。
アイルランドは、1949年にイギリス連邦を脱退しているが、
教育への影響があって、アイルランドは15位である。
アイルランドの経済力/GDPは、35位である。
このGDPを人口で割った、1人当たりのGDPを調べる。
IMFのデータから作成。
1人当たりのGDPと、GDPのランキング。
1位はルクセンブルク、GDP は73位。
2位はスイス、GDP は20位。
3位はノルウェー、GDP は29位。
4位はアイルランド、GDP は35位。
5位はアイスランド、GDP は106位。
1人当たりのGDPが高い国は、豊かな国である。
日本は23位、GDP は3位である。
上の表には、GDPが1位~10位までの、
1人当たりのGDPも記載した。
GDPが1位のアメリカは、1人当たりのGDPが7位、
GDPが2位の中国は、1人当たりのGDPが72位。
ロンドンのゴルフ・コースで、
アイルランド人と、ゴルフをしたことがある。
着いた順番で、1人の日本人と、1人で来た、
アイルランド人との組み合わせになって、回った。
「アイルランドでは、手近にゴルフ・コースがたくさんある。
それに、グリーン・フィーが、イングランドより格段に安い。
周りは、もっと緑があり、住宅も混んでいない。それに、
ロンドンの空気は汚れている。アイルランドはきれいだ」
と、アイルランド人は、日本人に言う。
どうやら、イングランドは、それほど好きではない。
「職」と「食」のために、やむを得ずロンドンに来ているが、
イングランド人とは、肌が合わない、ようだ。
アイルランドのゴルフ・コースへ行った。
ポートマーノック・ゴルフ・クラブ。ダブリン。
1960年に、ワールドカップが開催されている。
アイルランドに多い海辺に広がるリンクスLinks。
海辺の荒れたオープン・スペースのゴルフ・コースで、
ハザードが多い。フェアウェイは、でこぼこと波打ち、
ラフは、ひざまであるヒースとイバラのハリエニシダ(緑色)が、
群生している。それに、吹きすさぶ風が、ゴルファーを悩ませる。
海外に移住したアイルランド人から、
企業家が生まれている。
アメリカでは、自動車王のヘンリー・フォード、
金融のメリル・リンチのチャールズ・メリルとエドマン・リンチ。
カナダでは、デパートメント王、チモシー・イートン。
アイルランドが「じゃがいも飢饉」のときに、カナダに逃れた。
そして、品質とサービスの良さが特徴のデパートメントを、
カナダ中に築いて、デパートメント王となった。
アイルランド人の発明に、ウィスキーや黒ビールがある。
「アイルランド語で、Uisce Beaths(イシカ・バハ)を、
イギリス人は発音しづらくて、ウィスキーWhiskyとした。
Uisce Beathsは、命の水Water of Lifeという意味です。
ブッシュミルズBushmillsは、ジェームズ1世から認可された、
最古の蒸留所です(1608年)」
と、アイルランド人は言う。
それに、ギネスの黒ビールGuinness Stoutは、1759年の発明。
「アイルランド出身のアメリカ大統領は、いい大統領が多いです」
「ケネディ大統領、クリントン大統領、レーガン大統領は、アイルランド出身です」
と、アイルランド人は、誇らしげである。
「プロテスタントの国アメリカでは、カトリックは大統領にはなれない、
という不文律を破って、カトリックのケネディが大統領に選ばれた。
しかも、ワスプWASP(White Anglo-Saxon Protestant)
「白人、イギリス系、プロテスタント」中心の国アメリカで、
アイルランド出身者から、大統領が誕生したのです」
アイルランド系のアメリカ人は、4千万人いる。
イギリスの植民地化による圧政で逃げた人が100万人、
じゃがいも飢饉(1945年~1949年)で逃れた人が100万人、
そのじゃがいも飢饉で、100万人が餓死している。
その後、アメリカに渡った人が500万人で、合計700万人になる。
そして、1世紀たって、アイルランドの子孫は4千万人になっている。
アメリカに4千万人、世界では7千万人のアイルランド系住人がいる。
アメリカのほかに、カナダ、オーストラリア、途中で立ち寄ったイギリスにも、
多くのアイルランド人が逃れ、住みついている。
アイルランドは、イギリスに800年間も植民地にされていて、
内120年間は統合されていた。
征服された者として、イギリスへの憎悪、敵がい心は強い。
アングロサクソンのイギリスによる、カトリックへの「差別法」で、
土地の所有や、公職に就くこと、大学への進学が禁止され、
アイルランドの言葉、ゲール語(アイルランド語)は奪われ、
学校では、英語教育が行われた。
アイルランドは、イギリスに蜂起や反乱を繰り返し、
独立したのは1922年である。
アイルランドの北東部に、
イギリスの一部、北アイルランドがある。
カトリックのアイルランドの中に、
プロテスタントの住人が多い6州を、
北アイルランドとして独立させた。
「北アイルランド問題」が発生した。
アイルランドは、北アイルランド(6州)の領有権を主張し、
IRA(アイルランド共和軍)とイギリスが、憎悪の紛争を繰り返してきた。
1998年に、アイルランドとイギリスとの間に、
和平合意が結ばれた「ベルファスト合意」。
流血の歴史の終わりで、アイルランドは、
北アイルランドの領有権の主張を放棄した。
両国は、人の移動も、物の輸出入も自由になった。
ところが、2016年に、イギリスは、
国民投票で、EUからの離脱を決めた。
Brexitという造語ができた。EUから、BritainがExitする。
しかし、アイルランドとイギリスとの間には、1998年の、
国際的な平和条約「ベルファスト合意」があって、
安易に破棄や、再交渉するわけにはいかない。
イギリスは、
EUとは、「合意なき離脱」になるのか?
アイルランドとは、「ベルファスト合意」を破棄して、
人の移動を制限し、物の輸出入に関税を掛ける、
国境を設けて、煩雑な処理をするのか?
イギリスのEU離脱(Brexit)に向けて、
アイルランドは、対応していくことになる。
食料品、ほかの輸出入を、イギリス依存から切り替えていく。
そして、アイルランドの特徴を生かして、
ヨーロッパの地域本社は、多くの企業が、
ロンドンにあるが、ダブリンに誘致する、
法人税が安い国(12.5%、日本29.97%の半分以下)、
タックス・ヘイブンの活用も望める国、
医薬分野が発達している国、経済が成長している国、
英語の国…EUの玄関になる。
世界経済フォーラム(WEF)は、
男女平等に関して、世界ジェンダー・ギャップ報告書
“Global Gender Gap Report 2018”を公表している。
対象は149か国。( )内は、2017年の順位。
1位アイスランド。10年連続で1位。
2位ノルウェー、3位スウェーデン、
4位フィンランド、5位ニカラグア。
トップグループには、北欧が多い。
アイルランドは、9位である。
日本は、110位。
経済、教育、健康、政治の4分野の内訳を見ると、
「政治権限」の評価が高い国が、
男女平等のランキングが10位以内と高い。
アイルランドは、「政治権限」が8位である。
アイルランドでは、女性の大統領が2人生まれている。
実際の政治は首相が行うが、大統領は儀式的な職務をする、
アイルランドの象徴になっている。
日本は、「政治権限」が125位。
国会議員に女性が少ない、女性の閣僚が少ない、女性首相がいない。
「経済参画」も117位と低い。
収入の男女格差、管理職の男女格差が大きい。
日本は依然として相対的に、男女平等が、
進んでいない経済圏の1つと指摘されている。
黒ビール。ギネス。
ギネス・ブックは、世界一の記録を集めている。
アイルランドは、Brexitに向けて、EUの窓口になる国、
日本に友好的な国、知的な国、豊かな国、男女平等な国、
ゴルフ、ラグビー、サッカーが盛んで、ウィスキー、黒ビールが楽しめる国。
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「アイルランドの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
アイルランドのPISA2015は、11位→ランクB 。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
アイルランドの2017年の国際特許出願件数は、27位→ランクC。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
アイルランドのノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
アイルランドのパルム・ドール受賞0.2は、31位→ランクD。
突出している1位~4位→ランクAとした。
アイルランド系の監督や俳優が、アメリカの映画界で大活躍している。
映画監督のジョン・フォード「駅馬車」、
アルフレッド・ヒッチコック「鳥」、
映画俳優のジョン・ウェイン「黄色いリボン」、
グレゴリー・ペック「ローマの休日」、
アンソニー・クイン「ノートルダムのせむし男」、
モナコ王妃となったグレース・ケリー「真昼の決闘」、
ヴィヴィアン・リー「風と共に去りぬ」。
むかし、わくわくして見た西部劇やサスペンス、ドラマである。
イギリスでは、ビートルズの4人のうち、
3人はアイルランド系。リンゴ・スターを除く、
ポール・マッカトニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリソン。
日本で、なじみの作家、小泉八雲は、
アイルランド人のパトリック・ラフカディオ・ハーン。
アイルランド人の自慢である。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
アイルランドの文化遺産2は、85位→ランクE 。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
アイルランドのFIFAのランキングは、31位→ランクD。
2018年のワールドカップ、ロシア大会では、
ヨーロッパからの出場権(開催国ロシア+13チーム)が、得られなかった、
アイルランドでは、ラグビー、ゴルフも盛んである。
ワールドカップには、ラグビーにも、ゴルフにも参加している。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
アイルランドの国民総生産GDPは、35位→ランクD。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
アイルランドの政府開発援助ODAは、24位→ランクC。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「アイルランドの通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
アイルランドのPISA2015は、11位→ランクB ⇒ 4点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
アイルランドの国際特許出願件数は、27位→ランクC⇒ 3点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
アイルランドのノーベル賞受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
アイルランドのパルム・ドール受賞0.2は、31位→ランクD ⇒ 2点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
アイルランドの文化遺産2は、85位→ランクE ⇒ 1点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
アイルランドのFIFAのランキングは、31位→ランクD ⇒ 2点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
アイルランドの国民総生産GDPは、35位→ランクD ⇒ 2点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
アイルランドの政府開発援助ODAは、24位→ランクC ⇒ 3点。
合計(40点): 日本は32点。
アイルランドは19点。
レーダーチャートで見る、
「アイルランドの通知表 2018年」。
アイルランドの人口は480万人で、
北海道の547万人よりも少なく、
国土は、北海道より小さいが、
欠けるところのない、レーダーチャートになっている。
アイルランドのPISA2015は、11位。
初回のPISA2000では、8位だった。
PISA2006 ← PISA2003 ← PISA2000を見る。
PISA2006 ← PISA2003 ← PISA2000の推移。
フィンランドは、1位 ← 1位 ← 3位。
韓国は、2位 ← 2位 ← 2位。
香港は、2位 ← 3位 ←参加せず。
カナダは、4位 ← 6位 ← 4位。
台湾は、5位 ← 参加せず ← 参加せず。
アイルランドは、15位 ← 15位 ← 8位、
と、初回から高いレベルである。
日本は、10位 ← 5位 ← 1位。
PISA2000~PISA2006を見ると、
イギリス連邦が高成績である。
PISA2006では、香港3位、カナダ4位、
ニュージーランド6位、オーストラリア8位。
アイルランドは、1949年にイギリス連邦を脱退しているが、
教育への影響があって、アイルランドは15位である。
アイルランドの経済力/GDPは、35位である。
このGDPを人口で割った、1人当たりのGDPを調べる。
IMFのデータから作成。
1人当たりのGDPと、GDPのランキング。
1位はルクセンブルク、GDP は73位。
2位はスイス、GDP は20位。
3位はノルウェー、GDP は29位。
4位はアイルランド、GDP は35位。
5位はアイスランド、GDP は106位。
1人当たりのGDPが高い国は、豊かな国である。
日本は23位、GDP は3位である。
上の表には、GDPが1位~10位までの、
1人当たりのGDPも記載した。
GDPが1位のアメリカは、1人当たりのGDPが7位、
GDPが2位の中国は、1人当たりのGDPが72位。
ロンドンのゴルフ・コースで、
アイルランド人と、ゴルフをしたことがある。
着いた順番で、1人の日本人と、1人で来た、
アイルランド人との組み合わせになって、回った。
「アイルランドでは、手近にゴルフ・コースがたくさんある。
それに、グリーン・フィーが、イングランドより格段に安い。
周りは、もっと緑があり、住宅も混んでいない。それに、
ロンドンの空気は汚れている。アイルランドはきれいだ」
と、アイルランド人は、日本人に言う。
どうやら、イングランドは、それほど好きではない。
「職」と「食」のために、やむを得ずロンドンに来ているが、
イングランド人とは、肌が合わない、ようだ。
アイルランドのゴルフ・コースへ行った。
ポートマーノック・ゴルフ・クラブ。ダブリン。
1960年に、ワールドカップが開催されている。
アイルランドに多い海辺に広がるリンクスLinks。
海辺の荒れたオープン・スペースのゴルフ・コースで、
ハザードが多い。フェアウェイは、でこぼこと波打ち、
ラフは、ひざまであるヒースとイバラのハリエニシダ(緑色)が、
群生している。それに、吹きすさぶ風が、ゴルファーを悩ませる。
海外に移住したアイルランド人から、
企業家が生まれている。
アメリカでは、自動車王のヘンリー・フォード、
金融のメリル・リンチのチャールズ・メリルとエドマン・リンチ。
カナダでは、デパートメント王、チモシー・イートン。
アイルランドが「じゃがいも飢饉」のときに、カナダに逃れた。
そして、品質とサービスの良さが特徴のデパートメントを、
カナダ中に築いて、デパートメント王となった。
アイルランド人の発明に、ウィスキーや黒ビールがある。
「アイルランド語で、Uisce Beaths(イシカ・バハ)を、
イギリス人は発音しづらくて、ウィスキーWhiskyとした。
Uisce Beathsは、命の水Water of Lifeという意味です。
ブッシュミルズBushmillsは、ジェームズ1世から認可された、
最古の蒸留所です(1608年)」
と、アイルランド人は言う。
それに、ギネスの黒ビールGuinness Stoutは、1759年の発明。
「アイルランド出身のアメリカ大統領は、いい大統領が多いです」
「ケネディ大統領、クリントン大統領、レーガン大統領は、アイルランド出身です」
と、アイルランド人は、誇らしげである。
「プロテスタントの国アメリカでは、カトリックは大統領にはなれない、
という不文律を破って、カトリックのケネディが大統領に選ばれた。
しかも、ワスプWASP(White Anglo-Saxon Protestant)
「白人、イギリス系、プロテスタント」中心の国アメリカで、
アイルランド出身者から、大統領が誕生したのです」
アイルランド系のアメリカ人は、4千万人いる。
イギリスの植民地化による圧政で逃げた人が100万人、
じゃがいも飢饉(1945年~1949年)で逃れた人が100万人、
そのじゃがいも飢饉で、100万人が餓死している。
その後、アメリカに渡った人が500万人で、合計700万人になる。
そして、1世紀たって、アイルランドの子孫は4千万人になっている。
アメリカに4千万人、世界では7千万人のアイルランド系住人がいる。
アメリカのほかに、カナダ、オーストラリア、途中で立ち寄ったイギリスにも、
多くのアイルランド人が逃れ、住みついている。
アイルランドは、イギリスに800年間も植民地にされていて、
内120年間は統合されていた。
征服された者として、イギリスへの憎悪、敵がい心は強い。
アングロサクソンのイギリスによる、カトリックへの「差別法」で、
土地の所有や、公職に就くこと、大学への進学が禁止され、
アイルランドの言葉、ゲール語(アイルランド語)は奪われ、
学校では、英語教育が行われた。
アイルランドは、イギリスに蜂起や反乱を繰り返し、
独立したのは1922年である。
アイルランドの北東部に、
イギリスの一部、北アイルランドがある。
カトリックのアイルランドの中に、
プロテスタントの住人が多い6州を、
北アイルランドとして独立させた。
「北アイルランド問題」が発生した。
アイルランドは、北アイルランド(6州)の領有権を主張し、
IRA(アイルランド共和軍)とイギリスが、憎悪の紛争を繰り返してきた。
1998年に、アイルランドとイギリスとの間に、
和平合意が結ばれた「ベルファスト合意」。
流血の歴史の終わりで、アイルランドは、
北アイルランドの領有権の主張を放棄した。
両国は、人の移動も、物の輸出入も自由になった。
ところが、2016年に、イギリスは、
国民投票で、EUからの離脱を決めた。
Brexitという造語ができた。EUから、BritainがExitする。
しかし、アイルランドとイギリスとの間には、1998年の、
国際的な平和条約「ベルファスト合意」があって、
安易に破棄や、再交渉するわけにはいかない。
イギリスは、
EUとは、「合意なき離脱」になるのか?
アイルランドとは、「ベルファスト合意」を破棄して、
人の移動を制限し、物の輸出入に関税を掛ける、
国境を設けて、煩雑な処理をするのか?
イギリスのEU離脱(Brexit)に向けて、
アイルランドは、対応していくことになる。
食料品、ほかの輸出入を、イギリス依存から切り替えていく。
そして、アイルランドの特徴を生かして、
ヨーロッパの地域本社は、多くの企業が、
ロンドンにあるが、ダブリンに誘致する、
法人税が安い国(12.5%、日本29.97%の半分以下)、
タックス・ヘイブンの活用も望める国、
医薬分野が発達している国、経済が成長している国、
英語の国…EUの玄関になる。
世界経済フォーラム(WEF)は、
男女平等に関して、世界ジェンダー・ギャップ報告書
“Global Gender Gap Report 2018”を公表している。
対象は149か国。( )内は、2017年の順位。
1位アイスランド。10年連続で1位。
2位ノルウェー、3位スウェーデン、
4位フィンランド、5位ニカラグア。
トップグループには、北欧が多い。
アイルランドは、9位である。
日本は、110位。
経済、教育、健康、政治の4分野の内訳を見ると、
「政治権限」の評価が高い国が、
男女平等のランキングが10位以内と高い。
アイルランドは、「政治権限」が8位である。
アイルランドでは、女性の大統領が2人生まれている。
実際の政治は首相が行うが、大統領は儀式的な職務をする、
アイルランドの象徴になっている。
日本は、「政治権限」が125位。
国会議員に女性が少ない、女性の閣僚が少ない、女性首相がいない。
「経済参画」も117位と低い。
収入の男女格差、管理職の男女格差が大きい。
日本は依然として相対的に、男女平等が、
進んでいない経済圏の1つと指摘されている。
黒ビール。ギネス。
ギネス・ブックは、世界一の記録を集めている。
アイルランドは、Brexitに向けて、EUの窓口になる国、
日本に友好的な国、知的な国、豊かな国、男女平等な国、
ゴルフ、ラグビー、サッカーが盛んで、ウィスキー、黒ビールが楽しめる国。