季節の変化

活動の状況

スペインのハモンとイタリアのプロシュット

2008-11-30 06:19:50 | Weblog
スペイン人のコロと、
バルセロナで昼食をとった。
まずは、シェリー酒の辛口で、
「乾杯!」

Cavaカヴァという発泡酒も乾杯に使われる。
そのCavaカヴァは、シャンペンと似ていても、
シャンペンは、フランスの登録商標だから、
シャンペンと称することはできない。
「でも、カヴァはフランスに輸出しているよ」
と、コロは言う。

今回は、スペインのゆったりとした
シエスタSiesta風景で、
午後2時にレストランが開いて、
5時まで続く昼食に、おつき合いをしてください。

まず、オリーブ漬けのオリーブの実が出てくる。
黄、緑、紫のオリーブが小皿で。
――オリーブは、なじみがないな。
日本の小梅を食べるようなもの?
色の違うのを、1つずつだけ食べてみる。
しかし、コロは各種のオリーブに手が伸びる。

ウナギの稚魚アングーラスのてんぷら。
長さ5~6センチが、がさがさと出てきた。
「日本では、ウナギを食べるでしょう?
スペインのウナギの稚魚をどうぞ」
と、サービスしてくれた。
高価なものだという。

――あ~、もったいない。
ウナギの稚魚を、こんなにたくさん食べていいのかな?
でも適当な塩気で、うまい。ポリポリ食べる。

アピタイザーは、Shell Fish貝にしてくれた。
アサリとムール貝のコンビネーションで、
蒸してガーリックとバジリコで味つけをしてある。
――うまい! これは、すすむ。

「Shell Fishには、リオハRiojaの白ワインが合う」
と、コロはすすめる。
リオハRiojaは、スペイン北部の地方の名前で、
ワインに最適なブドウの産地。
赤ワインが有名だが、白ワインもある。

パンは、ガーリックにトマト・ソースをかけて、
こんがり焼いたもの。このままでも、うまい。
このパンに“プロシュット”、
これは豚のもも肉の生ハム、を乗せる。
――うまい。

ホテルの朝は、メロンにプロシュットが出てきた。
メロンをプロシュットで包んで食べるが、
果物とプロシュットという組み合わせがいい。
この組み合わせは、イタリアでもあった。

「スペインのプロシュットは、最高だ!」
と言うと、コロは、ややムキになって、
「スペインでは“ハモン”、“ハモン・セラーノ”という、
プロシュットはイタリアの言葉。
イタリアより、スペインの方がズ~ッといい。
特に、スペイン南部のハモンが最高だ」

スペインのハモンと、
イタリアのプロシュットの違いは、
スペインのハモンは、ピンクで、柔らかい、
イタリアのプロシュットは、
ハモンよりも赤く、水分が少ない。

――スペインのハモンの、このうまさは、なんだろう?
「豚にやるエサが一番の決め手である。
どんぐりをやることもある。それに、
乾燥させるときの温度と風が、味を決める。
南部の海辺の洞窟の中のそよ風で、
乾燥させたハモンは最高である」
手を左右に∞の形に、ゆっくりと揺らして、
そよ風をおこす、コロのしぐさがいい。

ハモンを決める3つの要素、
豚のエサ乾燥の温度そよ風
はスペインのものだ、言う。

スペインのハモンの講義を受けながら、
シエスタSiestaは、進んでいった。

バルセロナのお祭り(サンタ・エウラリア、2月)。

人の2倍はある巨人(ヒガンテ)の人形が、
街中を市庁舎まで練り歩く。
この巨人(ヒガンテ)は、王と女王。
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イギリスのモーニング・チャイルド

2008-11-26 06:07:02 | Weblog
イギリス人としては、明るくて、
フランクなジェフ・キングと、
友だち”のつき合いをすることになる。
それは、“Morning Childモーニング・チャイルド
が、きっかけだった。
Morning Teaモーニング・ティー”ではない。

朝陽が射しこむ。イギリスのホテルで。


まず、興味を持ったのは、
ジェフ・キングの苗字、
王様King”である。

――王様Kingという苗字を、
一般の人が、つけられるんだろうか?
先祖は “ロイヤル・ファミリー”か?
その親戚か? あるいは、名門? に違いない。

「いや、ロイヤル・ファミリーとは関係ない。
たぶん、王に仕えていたが」
「ジェフは正直だな。ロイヤル・ファミリーとか、
王家の家柄だとか、ゆかりがあると言えばいいよ、
だれも、わからないから。ジョージとか、
ヘンリーとか、リチャードの家系とか……」
「わかった。こんどから、そう言うよ」

「趣味は、昔はフットボールをしていたが、
いまは、シューティングかフィッシングをしている。
ショット・ガンが3丁ある。鳥や鹿を撃ったり、
競技用の皿を撃つクレイ射撃をしている」
と、ジェフは言う。

胸板は厚く、がっしりしていて、壊れそうにない。
頭は角刈り、手首には刺青をしている。
ヴァイキングの風貌がある。

王様には、3人の息子がいる。
「息子ばかりで、長男15歳、
次男13歳、そして三男8歳」
「4人目が、“”になる確立は高いから、
どうだろうか?」
「いや、止めとくよ、もう要らない」
「“王子”ばかり3人では、さみしいだろう?
将来の“王女”もいなければ」
「王女は、ワイフひとりで十分だ」

そして、新しい言葉を覚えた。
「三男は、“Morning Child”なんだ」
――Morning Childモーニング・チャイルド?
いったい、なんだろう?  初めての言葉だ。
Morning Teaモーニング・ティーならば、
知っているが……チャイルドだ。

モーニング・チャイルドは“朝の子ども”だ。
朝は元気になっているだろう、
その勢いで、できた子どもだ。
予期せずにできた子どもだ。
だから、年が離れている」
と、王様はあっけからんと言う。

――モーニング・チャイルドというのか。
次男が13歳、最後が8歳だから、
5歳離れた“最後の子ども”だ。

モーニング・チャイルドがきっかけで、
王様とは、友だちのつき合いをすることになる。

王様からクリスマス・カードが届いた。
リタイアの記念品(10年ものスコッチ・ウィスキー)とともに。

最初に逢ったときから、これまでの感謝として、
ささやかなしるしを贈ります。(訳略)
あなたを友だちと考えることは、
私には名誉なことです。
敬具 ジェフ・キング

王様からは、もったいない言葉だ。
こうゆう“友だち”を得て、
私こそ感謝!  感謝!

しかし、モーニング・チャイルドという言葉は、
スペインには、なかった。
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イギリスは ティー 命!

2008-11-23 06:34:10 | Weblog
イギリスは、ティー 命!
ティー(紅茶)を1日に数回飲み、
ティーをおいしく淹(い)れる時間は5分であり、
ティーをおいしく飲む組み合わせを知っていて、
ミルク・ティーの淹れ方には順序があり、
ボーンチャイナという、磁器があり、
私設のティー博物館まである。

まず回数、1日に数回ティーを飲む。
午前は、モーニング・ティーや、ブランチにティー。
モーニング・ティーは、朝起きたときの1杯。
B&Bで、部屋まで運んでくれる。

手前左から、クッキー、ミルク、カップ&ソーサー、
奥左はティー・バッグ入れ、右はポット。

朝日を浴びながら、モーニング・ティーを飲む。
クッキーはティーをいっそう、おいしくする。
このあと朝食……イングリッシュ・ブレックファスト。

午後は、アフタヌーン・ティー。

アフタヌーン・ティーは、
着飾って、マンションに集まった。
きょうは、天気がいいから、テラスに出て、
ティーを飲み、スコーンやサンドウィッチを食べる。
そして、一番重要なのは、おしゃべりである。
アフタヌーン・ティーは“社交場”だ。

夜は、夕食(サパー)にティー。
そのほかに、気が向いたときにティーと、
1日中、ティーを離さない。

それから、ティーの私設博物館がある。
ブラマー・ティー・コーヒー博物館
The Bramah Museum of Tea & Coffee。
タワー・ブリッジやロンドン・ブリッジから近い。

中のティー・ルームで、ティーが飲める。
ダージリンにエクルズ・ケーキEccles cakeをオーダー。
エクルズ・ケーキは、干したラズベリーが入っている。


ティーをおいしく淹(い)れる時間には、こだわりがある。
5分たったら、ティーを飲んでください」
と、お兄さんは、トレイに“砂時計”を乗せてくれる。
――茶葉が開いて、ティーをおいしく飲む時間は5分だ。

メニューの裏のお茶の歴史をみると、
お茶は中国では習慣になり、
日本ではCeremony茶道までにした、とあった。

エクルズ・ケーキに、ミルク・ティー、
Tea with milkが、ぴったり合った。
――ティーがいっそう、うまくなった。

エクルズ・ケーキのほかに、
スコーンやショートブレッドも、
ミルク・ティーを、おいしくする。
――イギリス人は、ティーをおいしく飲む組み合わせを、
知っている。

ミルク・ティーには言い方がある。
イギリス人は、ミルク・ティー
“Milk tea”とは言わなかった。
Tea with milk”であった。

“ミルク・ティーTea with milk”の淹れ方には、
こだわりがある。
最初に、ミルクをカップに入れてから、
ティーを注いでいた。

「ミルクの量がわかる。それに、
ミルクがティーになじんで、おいしくなる」
と、言われてからは、イギリス式にしている。
が、この順序をときどき忘れる。

ティーを飲む回数は日に数回
アフタヌーン・ティーは社交場
ティーをおいしく淹(い)れる5分
ティーをおいしくする組み合わせ
ティー用の陶磁器のセット、
ミルク・ティーの淹れ方……、
イギリスは、ティー 命!
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イギリスの朝食が一番豊かだ

2008-11-19 06:32:20 | Weblog
イギリスの食事について。
イギリスは、朝食ティーの国。
イギリスの朝食、イングリシュ・ブレックファストは、
大陸のヨーロッパのコンチネンタル・ブレックファスト
に比べると、一番豊かだ。


ロンドンのホテルで。

イギリスの朝食、イングリシュ・ブレックファストは、
調理したホット・ミールである。

つぎが定番である。
ハム、ベーコン、ソーセージ、チーズ、ビーンズ、
マッシュルーム、(スクランブル)エッグ、焼きトマト、
それにシリアル、ジュースはトマトかオレンジかナシ。
パンはクロワッサン、ミニ・バケット、トースト。
トーストは、カリカリに焼き、
なぜか、三角形に切ってある。
そして、ティー(紅茶)、もしくはコーヒー。

同じような朝食は、スコットランドのB&Bでも。


朝から、元気よく仕事ができる気がする。
昼になっても、腹が減らない。

イングリシュ・ブレックファストに対して、
コンチネンタル・ブレックファストは、
たいコールド・ミールである。

フランスの朝食は、フランスパンにコーヒー。
これで、おしまい。
タンパク質は、パン用のバター。

スペインの朝は、オレンジ・ジュース、
生ハムとメロンが付く。
太陽の国だから、食材も豊富だ。
スペインでも、コールド・ミールである。

ドイツの朝は、チーズ、ソーセージ、ゆで卵が付いた。
ドイツ、ハノーバーのB&Bで。

バケットの奥に、黒くて薄いパンがあるが、
ライ麦が入っていて、すっぱかった。
手前の白いパンに、自然に手が伸びる。

朝食の内容は、ホテルや料金によって変わるが、
大陸のヨーロッパと比べて、
イギリスが一番豊かである。
――さあ、がんばるぞ!
1日のスタートが快適に切れる。
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日本では西洋料理といえばフランス料理しかないの?

2008-11-16 17:07:53 | Weblog
「日本には、フレンチしかないのかしら?
東京でも、日光でも、京都でも、
ディナーは、フレンチが繰り返された」
これは、イギリス人秘書リサが、
日本旅行をした感想だ。

ヨーロッパの優秀なセールスマンが、
ごほうびとして、日本旅行をするもので、
リサは、コーディネータ(まとめ役)として同行した。

事前準備に、リサはてんてこ舞いだ。
ヨーロッパ各国の20数名との連絡、ジェットの予約、
チケットの手配、搭乗空港の確認、日本との連絡……。

このヨーロッパのまとめ役には、イギリス人が最適である。
英語ならば、ほかのヨーロッパの国とも、日本とも通じる。
ドイツ人も律義ではあるが、ドイツ語での交流は、難しい。
それに、仕事ぶりがキチンとしているリサは、
大いに力を発揮して、無事に旅行の準備を終えた。

あこがれ日本とは、どんなところだろう?
―高度に発展した経済大国とは?
黄金でできている寺がある国とは?
伝統の文化に、新しい文化を築いている国とは?
―スモウ、浮世絵、ゲイシャ、ニッサンの国とは?
親切礼儀正しく、風呂に毎日入る清潔な人種の国とは?
―国民は、おいしいスキヤキテンプラを食べている国とは?
と、黄金の国ジパング”へ、トキメイて旅立った。

そして、東京浅草日光京都10日間の、
日本旅行を終えて、イギリスにもどると、
「旅行中、ディナーは決まってフレンチであった」
と、リサは食事への不満が一番大きかった。
「毎晩々々、フレンチ、フレンチ、フレンチ……
日本にはフレンチ以外の西洋料理は、ないのかしら?
東京、日光、京都でも、きちんとフレンチが繰り返された」

「それに、決まってフランス・ワインで、
ボルドーブルゴーニュだった。
ほかの国のワイン、イタリアやスペイン、
ドイツ、ポルトガルはなかった。
日本では、ボージョレ・ヌーヴォが人気だが、
10ポンドと、イギリスの3倍もするのよ」

日本では、西洋料理といえばフランス料理、
ワインといえばボルドーかブルゴーニュ、
という、固定的な思考だったようだ。

「たまには“ピッツァ”が食べたい!
と、イタリア人がしみじみと言っていた。
ドイツ人は“ブルスト(ソーセージ)”と
ビール”を欲しがった。
私は、ジャムとクローテッド・クリームを
たっぷりとつけた“スコーン”に“ティー”が、
懐かしかったわ」

せっかく、日本へ行ったんだから、
すばらしい日本の食文化、
寿司や”で、寿司やサシミ、
回転ずしも、おもしろい、
居酒屋”で、焼き鳥、焼き魚、
大衆食堂”で、そば、うどん、ラーメン、
手打ちそばを体験するのもいい、
料理屋”で、懐石料理、テンプラ、スキヤキ、しゃぶしゃぶ、鍋物、
魚がダメな人には、おいしい肉もあるし、
鉄板焼き”で、サーカスのようなパーフォマンスの焼肉、
シャケとノリと味噌汁の日本の朝飯もいいし、
幕の内弁当にお茶もいい、おにぎりに漬け物でもいい、
デザートやお茶受けには、羊かん、まんじゅう……、
を、味わってもらえばよかった。

それで、日本からリサにおみやげを買ってきた。
羊かん”と“まんじゅう”。

羊かんは、フォークで切って、食べた、
「甘~い! それも変わった甘さだ」

まんじゅうは、恐るおそる、かじった。
「あんこは、ジャムとは、違った味だ」
と、あんこは中断して、
まわりの皮を、薄く剥(む)いて食べていた。

「日本では、西洋料理といえばフランス料理だった」
という印象よりも、
「日本では、お茶には羊かんという甘~いデザートがある。
お茶は、日本では茶道になっているのよ」
という印象を、もってもらいたかった。

日本の食文化を、
自信をもって勧めて、
日本の食文化のすばらしさを、
もっと、知ってもらいたかった。


クリスマスのイルミネーションが点灯するころ。
ロンドンで(今年のではないが)。
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フランスのワイン・カード

2008-11-12 06:46:22 | Weblog
フランス人のミレーンから、
ワイン・カード”を、見せてもらった。
ワイン販売のサヴォワ・クラブ(Le Savour Club)が、
メンバーに発行している“ワインの早見表”である。

ワインの“できばえ”が載っていて、
クレジット・カードの大きさで、財布にはいる。

「確かなワインを買うときや、
レストランでお客様を接待するときに、
大いに役立つから、いつも持っています」
と、ミレーンは言う。

『世界がみる日本の魅力と通知表』
を出版するときに、サヴォワ・クラブの会長に、
ワイン・カード”を本書に掲載したい、
とお願いしたところ、快諾をいただいた。

サヴォワ・クラブのメンバーは、
フランス、ドイツ、ベルギー、スイスだが、
2006年から中国が加わった。
日本は、入っていないが。

ワイン・カードには、
ボルドーの赤、ブルゴーニュの赤、
ボルドーの白/甘口、ボルドーの白/辛口、
ブルゴーニュの白の“できばえ”載っている。

ワインの“できばえ”は、グラスに注がれた
ワインの量”で示している。

できばえは5段階で、
“格別”は、グラス一杯のワインの中に太陽印、
“優”は、グラス一杯のワイン、
“良”は、グラスに三分の二のワイン、
“平年並”は、グラスに三分の一のワイン、そして、
“平年以下”は、からっぽ。

ワイン情報がカード一枚に盛り込まれている。
わかり易い、それにシャレているじゃないか。

フランスの文化ワインを、たった一枚の、
ワイン・カードで表現している。
一つの文化を、たった一枚のカードで、
簡潔に表現する例を、ほかに見たことがない。
このワイン・カードからは、ワインに情熱を注ぎ、
育ててきたフランスの“ワイン文化”が伝わってくる。

ワインのできばえに等級をつけるというのは、
産地の利害がからむから容易にできることではない。
それができたのは、フランス人が
舌の基準”を持っているからである。
その舌の基準をサヴォワ・クラブが検査し、
判定したのである。

『世界がみる日本の魅力と通知表』で、
フランスの“ワイン・カード”を載せたところ、
読者から、
「ワイン・カードはすばらしい。
ワイン・カードの“”にも興味があります」
という感想が届いた。

それで、裏を掲載します。

裏には、
ローヌ渓谷の北、ローヌ渓谷の南、アルザス、
ロアール、ラングドック・ルシヨン、ボージョレの
“できばえ”が載っている。
興味をもたれた読者の目に触れれば、うれしい。

フランスは“ワイン命!
ワイン文化が凝縮された“ワイン・カード”で、
フランスの文化の薫りとともに、
おいしいフランス・ワインを、
味わっていただけたらと思います。
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フランス人の新鮮な貝の見分け方

2008-11-09 06:49:44 | Weblog
外にテーブルを出して、
街ゆく人をながめながら食事をする、
気軽なレストランがパリにある。

そこで、エスカルゴを食べた。
貝はフランス人のレオンと食べ、
エスカルゴは1人だった。

レオンと男同士、シャレたレストランで、
気取ってフルコースのフランス料理でもないから、
街かどの気楽なシーフード・レストランは適当である。

フランス人は生ガキや生貝が好きだ。
しかし、私は生ガキにあたってからは、ダメ。
カキは、フライか、焼くか、鍋物だけにしている。

レオンは“生貝と生ガキ”の皿盛りをオーダーした。
貝は2枚貝で、カラ付きで数種類ある。
大きさはタイラ貝くらいで、カラは、丸から、
ゴツゴツした四角まで。

――フランス人は、貝が好きなんだな。
で食べる貝が、こんなにあるのか?

生ガキにあたった話をしたら、レオンは、
「新鮮な貝なら、だいじょうぶ。
新鮮な貝の見分け方”を教えましょう」

――新鮮な貝の見分け方?
どうするのだろう? においを嗅ぐ?
色を見る? さわって、ピチピチかみる?
ちょっと、かじってみる?

レモンをしぼって貝にたらす。
すると、貝がカラの上で、
左右にクルリ、クルリと身をよじる
身をよじれば、新鮮

――なるほど! これはおもしろい。
これならば、簡単に見分けられる。
貝にとっても、レモンはすっぱいのだろう?

貝のへりにレモンをたらしてみる。
クルリ、クルリと身をよじった。
――よし、新鮮だ……合格。

フランス人の新鮮な貝の見分け方で、
いろんな種類を、一つずつ食べてみた。
――うまい! うまい貝はアンコール。

ホテルに泊まった次の朝、
元気になっている副作用で目を覚ます。
心配した腹は? なんでもなかった。よかった。
フランス人のパワーのミナモト……それは生貝?


パリで1人の昼食、
街かどのパブがあるレストランに入った。
パブでまず、ビールを飲む……一息ついてから、
外にせりだしたテーブルで食事をすることにした。
1人で、話す人はいないから、街ゆく人を、
のんびりと、ながめながら食事をしよう。

中ビンが400円。それを持って、外のテーブルに座ると、
「パブで飲めば400円だが、外のテーブルに座って、
ウェイターがサービスすると、550円になる」
と、持ち込みを注意されたが、テーブルで、
食事をすることで、OKとなった。

――さて、何を食べようか?
「本日の料理は子牛です」
と、ウェイターは言うが、パッとしない。
メニューに、“エスカルゴ”がある。6個で900円。
――エスカルゴにしてみよう。フレンチ・フライを付けた。

エスカルゴは、タコ焼き? の熱々の鉄鍋で出てくる。
オリーブ・オイルにガーリックを効かせてグリルしてある。
パセリをみじん切りした青い葉が入っている。

鉄鍋の左のエスカルゴ・トングカラをつかみ、
右手前のエスカルゴ・フォークを取り出して食べる。

――うまい!
エスカルゴは、いい選択であった。
街かどのレストランであっても。

タコ焼きのくぼみにたまっているも、うまい。
フランスパンに浸して、汁を吸い取って食べる。
最後は、ふき取るようにして食べた。
タコ焼きのくぼみはきれいになった。

フランスの料理は、なにを食べても、うまいが、
きょうのエスカルゴは、中でもうまかった。
それで、3個食べたところで写真を撮った。

街かどの、気取らないレストランであっても、
フランス料理は、うまい。がないレストランでも。
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アメリカはハンバーガ命!

2008-11-05 07:57:27 | Weblog
売上成績のいい営業所を表彰するパーティが、
ロス・アンジェルスの大きなレストランであった。
営業の責任者、コンフリー夫妻と同じテーブルが割り当てられた。

夫のクリスは家庭の状況を紹介する。
「妻のドロシーは看護婦で、
身体が不自由な人がリハビリする福祉施設に勤めている。
患者さんをお風呂に入れたり、ベッドに寝かせたりの重労働で、
ドロシーはとうとう腰を痛めてしまったよ……職業病なんだ。
週末には、私が食事を作ってドロシーを助けているよ」
と、クリスはやさしい。
ドロシーはうれしそうである。

――家庭のようすがわかるから、いい紹介方法だな。
それに、日本人に話すようにして、
妻への愛情を表現するのは、
香港系アメリカ人のエリックでもみた。

コンフリー夫妻には、中学になる息子がいて、
「先生からは、授業内容がわかりきっていて、
つまらなそうにしている、と指摘されている」
と、問題にしているが、優秀な息子である。
「自作のラジオコントロール・カーのコンテストで、優勝した。
直線ではスピードを出し、急坂では登りきるように、
モータとギアの最適な組み合わせを計算していた」
と、クリスは得意そうである。
自慢の息子には、ドロシーも笑みを浮かべて聞いている。
――いい家庭だな。

パーティのメイン・ディッシュ、ビーフ・ステーキを食べながら、
食事の話題になり、自然にアメリカの料理になった。
「アメリカでは、何がおいしかったですか?」
と、コンフリー夫妻にとって興味のある質問をしてきた。
「日本人から、アメリカの、どんな料理が挙げられるのか?」
と、クリスとドロシーは楽しみにして耳を傾けている。

「なんといっても、“ハンバーガ”がおいしいですね」
「ほうー、ハンバーガ!」
クリスにとって、ハンバーガとは、
予想していたアメリカ料理と違っていたようだ。

バンズは大きいし、ハンバーグも大きくぶ厚いし、
レタス、スライス・オニオンの量も多い。

それに、いろいろのハンバーガ店がある、
ファースト・フードからレストランまで。

それぞれのハンバーガ店は、特徴を強調している。
―注文を受けてから焼きます、
―チャコール炭火で焼いています、
―作ってから10分たったハンバーガは捨てています、
―ビーフが2分の1パウンド(230グラム)と、たっぷりです……、
これでもか、と売り込みにやっきである。

アメリカは、ハンバーガ命! である。
牛肉の国だ。こんなに力の入った料理は、ほかにないんじゃないかな。
いつしか、ドライブするときの定食になった。

うまかったアメリカ料理の続きがある。
「それに、南部の郷土料理ケイジュンという、
川エビ”のチリ・ソースもおいしかった」
コンフリー夫妻にとっては、
思いもかけないアメリカ料理のようだ。

ハンバーガと川エビのチリ・ソース……ここまでは、よかった。
「アトランタの“アリゲータ(ワニ)”は、
チキンに似ているが、ピリピリと舌にきた」
「……?」
コンフリー夫妻にとっては、
予想しなかったアメリカ料理だった。

アトランタの“フロッグ(カエル)”は、
サッパリした味で、これもチキンに似ていた」
「…………?」

クリスは笑いをこらえていたが、
ドロシーはキョトン! としている。
そして、ビーフ・ステーキを食べるナイフとフォークが、
ゆっくりになって……止まった。
アメリカ料理の話は、これ以上進まなかった。

アメリカ料理が我が家の食卓に上がってくるようになった。
アメリカ人からレシピを教えてもらった。

メモには、つぎのように書いてある。
「揚げワンタンとおいしい野菜料理のレシピを同封してあります。
イースターで、卵の飾りつけのお手伝いをしてくれて、ありがとう」

コンフリー夫妻には、
「カリフォルニアは、世界の料理が味わえるいいところだ。
それに、食材が豊富で、新鮮で安い。
アメリカ人からレシピを教えてもらって、
ロースト・ダックや揚げワンタン、野菜料理と、
おいしいアメリカ料理が、食卓にあがるようになったよ」
と、言えばよかった……。

ゲーム・ミート野生動物の肉アリゲータやフロッグは、
うまくても、パーティの席の話題にふさわしくはなかった。
――来年のパーティは、うまくやろう。
コンフリー夫妻が、喜ぶような話をしよう。

そして、翌年のパーティ。
クリスは違う女性と出席していた。
クリスとドロシーは、別れていたのだ。

―クリスは、ドロシーをいたわっていたのに、
―クリスは、会社では出世していたのに、
―2人には、優秀な息子がいたのに、
―いい家族、とみえたのに、
それでも、別れたんだ?

コンフリー夫妻に気の利いた話をする機会は、
永遠に失われた。
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アメリカのゲーム・ミートはアリゲータ(ワニ)

2008-11-02 01:44:59 | Weblog
アメリカのゲーム・ミート野生動物の肉は、
アリゲータ(ワニ)”と“フロッグ(カエル)”だった。

ジョージア州の首都、アトランタへ3日の出張。1日の仕事を終えて、
「さて晩飯だが、アトランタでは、めずらしいものを食べよう」
と、アメリカ人のボブが気を利かしてくれた。
南部まで来て、イタリアンでもフレンチでもないだろうし、
まして、日本食でも中華料理でもないだろう」
と、ボブはホテル備えつけのアトランタのガイドブックをめくって、
「“アメリカ南部の郷土料理”があるが、どうだろう?」
もちろんOKで、アトランタ郊外のレストランへ行った。

日本からの訪問者だが、南部のめずらしい郷土料理がありませんか?」
「めずらしい郷土料理? “アリゲータ(ワニ)”はいかがでしょう」
と、ウェイターは言う。2人は、私の反応を見ている。
――アリゲータ(ワニ)は初めてだ、それにしよう。
ところが、ボブ自身はサンドウィッチをオーダーした。

アリゲータの“骨付き肉”を、むしゃむしゃとかぶりつけば、
アメリカのマンガのようで、生々しくて迫力があっただろうが、
出てきたアリゲータは“ミンチ”、色はだった。
にミンチを詰め込んでから、型抜きをするように、
皿にポンと置いたものである。

シッポを曲げてS字形にクロールしている姿で、
頭と短い手足まである立体的なものだから、
皿の上にワニのベイビーが一匹乗っているようである。

その味はチキンに似ている……が、舌にピリピリくる。
ボブはアリゲータを食べるところをジーッと見ている。
「ピリピリと、刺激がある」
というと、少し興味を示したので、ボブに勧めた。
ボブは、フォークでシッポの端を、ほんのチョッピリすくった。
初めての味だ!
とつぶやいた。それからは、勧められても、
2度とフォークを伸ばしてこなかった。
ピリピリがイヤなのか、私のメイン・ディッシュを
食べるのを遠慮したのか?

つぎの晩、ボブがアトランタのガイドブックで探した
郷土料理のレストランは、ダウン・タウンにあってホテルに近い。

アトランタ市街。
開発によって、教会は高層ビルと道路に囲まれそうだ。

日本からの訪問者だが、南部郷土料理がありますか?」
「“フロッグ(カエル)”はいかがでしょう?」

――フロッグは初めてだ。フランス人の好みだし、トライしてみよう。
それで、ボブは? またサンドウィッチをオーダーした。

フロッグの骨付きフライは、サッパリしている。チキンに似ている。
ボブは、私の食べるところをジーッと見ている。
フロッグは何本もあるから勧めてみたが、
ボブは手を出してこなかった。
(フロッグがよほど、うまいならともかくも……、
いまさら無理して冒険する必要はない……、
60歳まで無事に生きてこられたことだし……、
サンドウィッチで満足、満足……)
と、ボブはサンドウィッチをパクつき、コーヒーを飲んでいる。

――ボブはまったく“”への興味がないな。同じものを食べている。
私は“Try it!”「なんでも、やって見よう」の精神で、
「初めてのもの、未知のもの、変わったものに挑戦して、
アメリカの“食文化”を体験しよう」
としているのに。

――アトランタにはフロッグが生息する川や沼が多いんだろうか?
ボブはウェイターをつかまえて、私の関心を聴いてくれる。
日本からの訪問者は、フロッグに興味をもっているが、
アトランタはフロッグの産地か? 今日、つかまえたのか?
今が旬(シーズン)か? オタマジャクシのときもあるから」

気のいいウェイターは付き合ってくれた。
「アトランタで獲れたフロッグではない。
ブラジルから輸入した冷凍品。だから1年中味わえる。
そうだ、いいものを見せてあげよう」

ウェイターはキッチンに引き返して、抱えてきたものは、
厚い電話帳くらいの……ポルトガル語で書いてある。
中を開けると、冷凍したフロッグがぎっしり詰まっていた。

ウェイターは1本をつまみあげて、目の前にさし出した。
もも”と“ふくらはぎ”の肉が、プクン、プクンとついている。
今まさに食べたものとはいえ、自分でつまみあげる気にはなれない。

しかし、アリゲータもフロッグも、姿が損をしている。
日本人は魚を食べる。タコやイカ、ナマコ、アンコウ、クエ……。
身とかキモがうまいから、好まれたり珍重されている。
アメリカで賞味されるアリゲータやフロッグは、
日本のタコやアンコウ、クエと同じ?

アリゲータとフロッグと続いたアトランタ最後の晩、
――ボブ、もっとまともなモノを食べようよ。シーフードとか?
ボブはアトランタのガイドブックを、前より念いりに調べて、
ダウン・タウンの真ん中にある、南部の郷土料理のレストランへ。
日本からの訪問者だが、おいしい郷土料理がありますか?」
「“川エビ”のチリ・ソースはいかがでしょう?」

沼には川エビが、いっぱいいるという。
川エビをチリ・ソースでグリルしたケイジュンという南部料理。
それで、ボブは? また、また、サンドウィッチをオーダーした。

チリ・ソースの赤みが加わった7~8センチの真っ赤な川エビが、
ボールに山盛りででてきた。
紙のエプロンを首にかけて、
丸まった川エビのカラを手でむいて食べる。
――辛いが、うまい。今回はまともなモノだ。

指と口のまわりをベトベトと真っ赤にしながら、次から次と食べた。
辛くなると、口を「シーハー、シーハー」させながら。

ボブに勧めると、手を伸ばしてきた。
1匹の川エビを、ゆっくりとむいている。
――カラをむくのが、慣れていないようだし、不器用そうだ。
ボブは時間をかけて1匹を食べ終わると……もう手を出さなかった。
あとは、私が川エビにむしゃぶりつくのをジーッと見ているだけ。
カラを器用にむき……食べ……カラの山が積み重なっていくのを。

うまい南部料理、アリゲータもフロッグも、
パーティの席では話題にしないほうがいい。
パーティの話題にふさわしくないことは、あとでわかる。

アリゲータの写真はないので、季節がら10月31日のハロウィンの写真。
ロス・アンジェルス。

かぼちゃを買ってきて、くりぬき、ローソクを入れて、玄関に置いた。
かぼちゃをみると、仮装した子どもたちが、つぎつぎとやってきては、
Trick or treatお菓子をくれなければ、いたずらをするぞ」
と言って、を歌う。女の子がきれいな声で歌うこともある。
歌が適当なところで、用意したお菓子をあげる。

コメント
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